土方重巳の世界展

今日は午前中に選挙の期日前投票に行った後
久しぶりに横須賀美術館に行ってきた。

現在開催中の展覧会は
『キャラクターデザインの先駆者　土方重巳の世界　ブーフーウーと仲間たち』。



館内に入ってすぐのフォトスポット。

サトちゃんかわいい（*^^*）。


土方重巳は1915（大正4）年生まれのグラフィックデザイナー。
戦前そして戦後の数年は、映画や舞台のポスターやプログラムの
デザインを手掛ける。
展示の一番最初の《プロローグ》では、それらポスターの現物と
土方が描いた原画を紹介。
時代が時代なので知らない映画、知らない舞台ばかりだけど
文字も絵も手描きのポスターはとても懐かしい匂いがする。

1949（昭和24）年からは劇作家の飯沢匡と組んで
子供向けの仕事に取り組んでいく。
『北極グマのムーシカ・ミーシカ』
『ねずみとおうさま』
『ヤンボウ・ニンボウ・トンボウ』
『さんびきのこぶたのものがたり ぶーふーうー』
『ダットくん』
『とんちんこぼうず』
『とんでけブッチー』
…こうした子供向け作品の原画がズラッと並ぶ。

正直なところ『ブーフーウー』以外はあまりよく知らない。
おそらく自分よりも少し上の世代の方々がドンピシャなのではないだろうか。
それでも丁寧に描かれた美しい原画は、
その作品を知らなくてもなぜか懐かしい気持ちにさせてくれる。

特に「すごい！」と感じたのは
『トッパンのストーリーブック』と『トッパンの人形絵本』のシリーズ。
土方がデザインしたキャラクターを人形として立体化して
その人形にポーズを取らせて写真を撮り、それを童話の絵本に仕立てたもの。
二次元のものが三次元になるだけでもワクワクする。
しかもこれって今の時代にフィギュア好きの人が
SNSなんかでやってることの原点ではないか！（笑）。

作品の多くはアタシが生まれる前に出版されたものなので
このシリーズを手に取って読んだ記憶はないけれど
もしも例えば親と一緒に本屋さんへ行ってこの絵本を見つけたならば
子供の頃のアタシは間違いなく「買って買って！」とせがんでいただろう。


展示の後半は土方が企業のために生み出したキャラクター等を紹介。
アサヒビールの「ほろにが君」
三ツ矢サイダーの「小さなインディアン」の他、
ミツワ石鹸、花王の「ワンダフル」のパッケージデザインや
三菱銀行の子ブタの貯金箱など…。

そして最後の展示室は佐藤製薬のサトちゃんコーナー。
前述の企業キャラクターはやっぱりちょっと世代的に知らないものが多いけど
サトちゃんならよく存じ上げている（*^^*）。

ここだけは撮影OKということで、バシバシと撮りまくる（笑）。


『ちびぞうくん』（1957年「キンダーブック」）
サトちゃんの原点とも言える「ちびぞうくん」。


佐藤製薬『サトちゃん』デザイン画。

サトちゃんがサトちゃんになるまでのデザイン画。
最初の頃は…う〜ん、そんなにかわいくないなぁ（^^;。



あっ！このあたりからサトちゃんの片鱗が！。
個人的には右側の丸っこいのも好きだなぁ。


完成形。




この木の台に乗ったサトちゃん人形は非常に貴重なものらしい。

子供の頃、近くの商店街の薬局の前にサトちゃんムーバー（乗り物）があって
よくそれに乗せてもらってたなぁ…（遠い目）。
そして薬局で見掛けるサトちゃんやケロちゃんコロちゃんの人形が
欲しくて欲しくてたまらなかった（あと文明堂の仔グマの人形も）。


うぉぉぉ〜〜〜！サトちゃん軍団！。

夥しい数のサトちゃんたち。
あなたたち、いったいどこからやってきたの？。


かわいい展覧会だったなぁ〜。
ただホントのことを言うと、観始める直前に
THE ALFEE春ツアーの名古屋ファイナルのチケットの抽選にハズレたことが判明し、
ショックのあまり展示がちっとも頭に入ってこなかったのだ（-_-;。
（その後、幸運なことに譲ってくださる方に出会えました）。


あ〜あ…名古屋どーしよ…と思いながら、
美術館併設のレストラン『アクアマーレ』で遅めのランチ。
遅めと言ってもレストランは混んでいて、30分くらい外で待っただろうか。

待ってる間、時々友達にメールなんぞ打ちながらぼーっと海を眺める。

なんだか体が冷えたので、「丸良水産の海苔と柚子胡椒のリゾット」をオーダー。
しばらくして運ばれてきたのがこちら。

目の前に置かれた瞬間、ちょっと目が点に…（笑）。

こ、これは…今どき珍しいくらい映え（ばえ）ない見た目だ（^^;。
せめてなんかトッピングするとか…ないのね？。

でも海苔たっぷりで味は美味しい。海苔好きにはたまらない。
最初から最後まで同じ味なのに飽きなかった。

そうか！考えようによっては「見た目ではなく味で勝負します」って表れか。
それはそれで潔い…ということにしておこう。

とは言うものの、やはり少し華やかさが欲しいとデザート追加（なんだそれ）。

自家製プリンと「ヘップバーン」という名の、粉を使わないチョコレートケーキ。
どちらも美味しかったけど、「ヘップバーン」は特に美味しかった（*^^*）。


やっぱり美術館はいいな。
（レストランやカフェがある美術館は特にいい…笑）。

来週あたり、そろそろフェルケール博物館に行っとくかな…（わからんけど）。

コメント 7

なぜか「ムーシカ・ミーシカ」「ヤンボウ・ニンボウ・トンボウ」は頭にある…上の世代だからでしょうか？「懐かしのテレビ」とかのきおくでしょうね。そのあたりにいろいろ関わってみえるのですね。

さて、昨年の春に一日外しているので、今回は複数のアドレスで複数申込みをしたのですが全敗でした。なぜかその2日間は仕事で東京にいるのですが…。
by きゅう (2023-04-06 07:22) 

梅屋さん、こんにちは。
横須賀美術館素敵な所ですね。横須賀には小学生の頃住んでいたのですが、まだなかったような…(あっても興味がなかったのか)。
梅屋さんが紹介してくださった美術館には、訪れてみたい欲が湧いてきます笑

春ツアー、ホントに激戦ですね。NHKとかなけんは諦めました　かわりに富山に初遠征してきます。無理だと思った名古屋が取れたのでそこも遠征。交通費がかかるけど、こういう年も楽しいかも。(あとは頑張って仕事します)
by JUNKO (2023-04-06 08:39) 

素敵な展覧会ですね～癒されそう!(^^)!

フェルケールもまだ行っておりません･･。


by おかん (2023-04-06 18:33) 

＞きゅうさん
「ムーシカ・ミーシカ」はかろうじてなんとなーく
その名前に聞き覚えがあるのですが、「ヤンボウ…」は全くでした。
「ヤンボウ…」は黒柳徹子さんがトンボウの声を担当し
当時かなり人気があったとのことですが、まったく記憶なしです（-"-?。
以前は「懐かしのテレビ番組」的な番組ってよくやってましたよね。
お陰でリアルタイムで見ていない筈の「狼少年ケン」や「少年ジェット」も
知っていました（でも「ヤンボウ…」は何故か知らない）。

きゅうさんも名古屋はずれてしまったのですね。
でもまだ一般もありますから。
この際仕事のことは一旦置いといて、再トライしてみてはいかがでしょう。
（↑悪魔のササヤキ）




＞JUNKOさん
横須賀美術館は横須賀市の市政100周年を記念して
2007年にオープンしたそうです。
海の見える美術館はとても居心地が良く、アタシも大好きです。
もうちょっと行きやすければ…とも思いますが
この「わざわざ行く」感じがまたいいのかも知れません。

春ツアー、キビシイですね〜。
アタシも富山は一瞬脳裏をよぎりましたがあまりに遠い…。
ギリギリまでヨコケンを諦めずに求め続けます。
今頃川口は大盛り上がりでしょうねー（*^^*）。
みんなマスク越しにキャーキャー言ってるのかな（笑）。




＞おかんさん
昭和レトロが懐かしい展覧会でした。
ショップではなぜかアデリアレトロのグッズも売られていて
誘惑を断ち切るのに苦労しました(^^;ゞ。

フェルケール博物館に行くついでに東洋大学海洋科学博物館にも
行こうかなーなんて思っていたら5月3日まで休館でした_(:3 」∠)_。
小田原で途中下車して東華軒の駅弁買って大人しく帰ります（笑）。

by 梅屋千年堂 (2023-04-06 20:38) 

やはり「ヤンボウ〜」は黒柳さんですね。最近は懐かしのテレビはやらないですよね。「狼少年ケン」もみてはいないけれどあの歌も歌えるようになっていますから。
今日名古屋初日を譲っていただける方が見つかりました。この際仕事は誰かに代わってもらおう（笑）
by きゅう (2023-04-06 22:23) 

｢ヤンボウ、ニンボウ、トンボウ｣
｢ムーシカ、ミーシカ｣
親戚が書店をやっていたせいか、どれもなんとなく絵柄を見たような覚えがあります。
サトちゃん人形は近所の薬局にありました。
中学の頃までは塗装のはげたサトちゃんが店頭に居たと思います。その薬局も既にありませんが。
リゾット、凄い映えなさ！（笑）
フツーは青ネギとか三つ葉みたいな緑を彩りに添えそうな物なのに、何もなさすぎて凄い！（笑）
でも美味しくて何よりでした。
by YAYOI (2023-04-06 22:56) 

＞きゅうさん
また「テレビ探偵団」みたいな番組をどこかの局でやって欲しいですね。
昔この番組で見た宇津井健さんの「スーパージャイアンツ」は衝撃でした。

名古屋初日チケ、見つかって良かったですね。
この調子で二日目も見つかるといいですね。




＞YAYOIさん
サトちゃんは、プラスチックで成型する際に
金型から引き抜きやすくするために、あの耳・鼻・手足のデザインだそうで
結果的にそれがかわいさを増強しているな〜と思いました。
ちなみに1959年当時の皇太子殿下のご成婚記念として
デザイン・発表されたとのことですが…要するに便乗？（笑）。

リゾット、ちょっと凄いでしょう？（笑）。
「海苔と柚子胡椒のリゾットでございます」と
テーブルの上にこれを置いたホール係のスタッフさんが
逃げるようにそそくさと立ち去っていった気がしたのは
アタシの思い過ごしでしょうか（笑）。

by 梅屋千年堂 (2023-04-07 21:15)