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響きあう名宝 −曜変・琳派のかがやき− [EXHIBITION]

静嘉堂@丸の内。

水曜日(2日)に行ってきた。

世田谷区岡本から丸の内に移転した静嘉堂文庫美術館。
10月1日にオープンし、その記念展として
『響きあう名宝 −曜変・琳派のかがやき−』
という展覧会が開催されている。

以前の、駅から少し離れたところにある
閑静な静嘉堂文庫美術館も良かったけれど
丸の内に移って格段に行きやすくなったことは有り難い。

先述したように、今回は新美術館開館記念でもあり
なおかつ静嘉堂創設130周年ということで、
静嘉堂文庫美術館のお宝が集結しているのである。

なので、平日とはいえ結構混んでいる。
前日にBS日テレの『ぶらぶら美術博物館』を観ながら
日時指定チケットを手配しようとサイトを覗いたら
行こうと予定していた10時30分の回は残り「2」( ̄口 ̄;)。
その前後の時間も既に定員に達していた。


01_seikadomarunouci.jpg
当日は予約した10時30分よりも少し早めに現地到着。
それというのも、ミュージアムショップで販売している
曜変天目のぬいぐるみを予約購入するためだ。

器のぬいぐるみ?…と不思議に思う向きも多かろう。
しかしこれが…なかなかに…リアルで魅力的なのだ。
少々お値段は張るが、これは絶対手に入れたい!。

発売当初は店頭に在庫があったようだが
人気がありすぎてほどなく予約販売になったという。

ワクワクしながらショップに入っていくなり
ショップの店員さんとお客さんの会話が小耳に挟まった。

「曜変天目のぬいぐるみは予約もできないんですか?」
「ハイ〜申し訳ございません…」
「いつ再開するかもわからない?」
「ハイ〜…」

え゛っ、マヂ?!( ̄口 ̄lll)。
聞き間違いであって欲しいが…
曜変天目のぬいぐるみのサンプルが展示されているところに行ってみると
「予想を上回るご注文をいただき、ご予約をいただいても
 いつお渡しできるかわからない状態です。
 そのため予約を一旦中止させて下さい」
という旨の札が立っていた。
どうやら昨日あたりから予約中止になった模様。

あああああーーーー残念だよ!(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)
もっと早くに行っておけば良かったよ!
…と言ってもライブだなんだと予定が立て込んでいたしなぁ。

まぁ「一旦中止」ということは、いつかは再開されるということだろう。
別に期間限定品というわけではなく、定番商品であるという噂も聞いたので
ここは大人しく気長に待つことにしよう…。


少しテンションが下がった状態で展示室へ。

最初の展示室の目玉は
『大名物 唐物茄子茶入 付藻茄子(つくもなす)』。
茶入とは茶道具のひとつで、抹茶の粉を入れる容器のこと。

この丸くて小さな茶入を、室町時代に所有していたのが足利義満。
その後足利義政とか山名是豊とか朝倉教景などを経て
あの平蜘蛛でお馴染みの松永久秀の元に至る。
松永久秀から織田信長に献上されるも本能寺の変で罹災。
ところが付藻茄子は焼け跡の中から拾い出され、豊臣秀吉に献上された。
けれども今度は大坂夏の陣でまたまた罹災。
徳川家康は、焼け落ちた大阪城の跡に名物の茶入れが残っていないか
漆職人の藤重藤元・藤厳の父子に捜索させる。
藤元と藤厳は灰の中からこの茶入の破片を発見し
漆で繋ぎ合わせて修復再生を行った。
この仕事に感激した家康は、その褒美として藤元に付藻茄子を与えた…

っていう物凄い来歴の茶入なんだけれども
ひねくれ者のアタシは「ウッソだぁ〜」と思ってしまう(^^;。
本能寺の焼け跡から拾い出されたのはまだありそうな話だけど
あのでっかい大阪城の焼け跡から、あんな小さな茶入の破片を
探し出すなんて絶対無理!。
展示室に付藻茄子のX線写真があって、かなり細かい破片を
繋ぎ合わせて再生したことを窺わせるが、
果たして焼け跡からこんな完全な形に戻せるほどの
破片が見つかるのだろうか???。

アタシのとんでもない妄想はこう↓。
家康から貴重な茶道具の捜索を依頼された藤元・藤厳。
灰と化した大阪城跡を歩き回るが、そんなもの見つからない。
「あるわけないよ〜(T^T)」と途方に暮れる父子。
でも家康に対して「何も出なかった」とは言えないので捏造を思いつく。
付藻茄子と同じ大きさの茶入を新たに作って、
燃やして汚して粉々にしたあと、その破片を漆で接いで
「付藻茄子でござい!」とシレッと家康に献上。
家康もバカではないので捏造を見抜き、でも気付かないフリをして
「褒美じゃ。そなたが持っておくがよい」と言って、藤元に与えた…。

我ながら妄想が過ぎると思うけど(^^;
大阪城の焼け跡から見つけ出した…って下りがどうにも信じられず…。
そして折角修復させたものを、直した職人にくれてやるのもなんか謎。
「いらんのかーい!」ってツッコミを入れたくなってしまう。


そんなことを考えながら、次の展示室へ。
ここでは宗〜元、明〜新時代の中国のお宝が集結。
といってもここらへんはさほど興味もないので
サーッと眺めるだけ。


アタシがじっくり観たいのは次の展示室。
大好きな琳派がいっぱい(*^^*)。
俵屋宗達『源氏物語関屋澪標図屏風』(国宝)
尾形光琳『鵜舟図』
酒井抱一『麦穂菜花図』
酒井抱一『絵手鏡』
鈴木其一『雨中桜花楓葉図』
など…
多くはどこかで一度は観たことのある作品だけど
あ〜、やっぱり琳派はいいな。
特に酒井抱一が描く花鳥風月は非常にシビれる。

確か前に観たときに買ったよなぁ〜…と思いつつ
ポストカードもしこたま買ってしまった。
(帰宅して確認したら案の定かぶりまくっていた^o^;)。


最後の展示室に控えているのが国宝『曜変天目(稲葉天目)』。
展示室の真ん中辺りの展示ケースに鎮座している。
見せ方をとても工夫してくれていて
まず第一に低めの位置に展示されている。
車椅子の方や、子供にもよく見えるようにという配慮からだそうだが
普通の大人にとっても、茶碗の底までよく見えるのが嬉しい。
更に照明の当て方にも工夫がこらされていて
茶碗の真上からライトを当てて、
見込み全体が明るくどこにも影がない。

『曜変天目』の周りはどうせ人でいっぱいで
展示ケースには近づけないんだろうと思っていたけど
まったくそんなことはなく、展示ケースにへばりついて
まず最初に1周、他の展示を少し観てからまた1周、
更に帰り際にもう1周。

あ〜〜〜やっぱり美しいな(*^^*)。
3つある国宝の曜変天目の中でここのが一番好きかも。
(他の2つも明るい照明の下で観られれば印象は変わるとは思うけど)。


ぬいぐるみ、欲しかったな(ぼそっ)



最後に再びミュージアムショップに立ち寄った。
数々の曜変天目グッズがあったけれども
ぬいぐるみ以上にインパクトのあるものはない。
しょーがないので(笑)ポストカードを数枚買って帰ってきた。

10日(木)からは後期展示が始まるという。
酒井抱一の『波図屏風』が出るらしいので
他の展覧会に行くついでにでも、またサクッと観に行きたい。



画像は美術館、ホワイエの天井。
02_foyer.jpg
世田谷の静嘉堂文庫美術館とは全く雰囲気が違うね(^^;。
コメント(7) 

コメント 7

YAYOI

曜変天目のぬいぐるみってどんなものか検索してみたら、凄いリアルなぬいぐるみなんですね。
大きさはともかく、写真だけだとホンモノみたい(笑)
これ、私も実物を目にしたら、レジに持って行ってしまうかも?

そういえば東京国立博物館のハニワの頭部のみのぬいぐるみが個人的に気になってます。知り合いがSNSに上げてて、欲しいと思ってしまいました(笑)
by YAYOI (2022-11-06 23:05) 

梅屋千年堂

>YAYOIさん
そう、これが良く出来ているんですよ〜。
付藻茄子のぬいぐるみとはちょっと格が違うというか…。
しかし、曜変天目のぬいぐるみは
アタシのように「絶対欲しい!すごく欲しい!」という人と
「これ買う人いるの?」「意味わからん」という人と
大きく二分されるようです(笑)。

トーハクの「国宝 東京国立博物館のすべて」のグッズになっている
銅鐸抱き枕、遮光器土偶ぬいぐるみもクオリティが高く
非常にヤバイです(笑)。

ちなみにロックばんで話題になっていた「アイスラッガーBIGクッション」は
YAYOIさん的にはいかがですか?。
アタシは「これいいじゃん!欲しい!」と一瞬思いましたが
「いや、これ部屋にあったら相当邪魔だな」と
正気に戻ってやめました(^^;。

by 梅屋千年堂 (2022-11-07 00:50) 

おかん

あー、フォーラムの日に行けば良かったな。
グッズもかなり充実している様ですね!

トーハクに行く日を模索中なのですが、日時指定になってから行けないことが続きまして・・。1回は大雨で断念。2回目は同僚の事故で前日夜に代わりに出勤頼まれた・・。チケット代が~と未だに引きずっています。
by おかん (2022-11-07 20:18) 

YAYOI

「アイスラッガーBIGクッション」は大きすぎて購入は断念しました(笑)
逆に、もう少し小さかったらヤバかったです(笑)
クッションと言えば、ポンペイ展の時の炭になったパンのクッションも凄い人気でした。買わなかったけど(笑)
by YAYOI (2022-11-08 20:02) 

梅屋千年堂

>おかんさん
静嘉堂@丸の内が出来たことで
フォーラム周辺はますます美術館だらけになりましたね(^^;。

アタシもトーハクへ行く日程を検討中なのですが
「展覧会 岡本太郎」や「ピカソとその時代」
「ヴァロットン −黒と白」も観に行きたく、
どうしましょ!という感じです。
トーハクの国宝展は12月11日で終わってしまうので
ホントは一番に行かねばならないのですが
いつ行っても混んでいそうで尻込みしてます(笑)。




>YAYOIさん
ちょ〜っとデカ過ぎですよね(^^;。
しかもあれは間違いなく「人間をダメにするアイスラッガー」です。
もしかしたらメトロン星人の罠かも知れません。

by 梅屋千年堂 (2022-11-09 00:07) 

なき

お久しぶりです。
曜変のぬいぐるみ、私もネットニュースで知ったんですが
ものすごく欲しい、欲しい欲しい!!と変なテンションになっちゃいました・・・。
そうとう人気みたいなので、関西人の自分には手に入らない代物になりそうです。藤田美術館が追随してくれたら・・・その時は必ずや

しかし、曜変はいいですね。もう数度観られていると思いますが、やっぱりいいんですよね!?ご覧になっただけでも羨ましい限りです

by なき (2022-11-13 14:50) 

梅屋千年堂

>なきさん
あ、ここにも欲しい!派の人が(笑)。
もしも藤田美術館や龍光院の曜変天目もぬいぐるみになったら
アタシは絶対にコンプリートを目指してしまうことでしょう。

曜変天目はいいですよ〜。ずっと観ていても飽きません。
静嘉堂文庫美術館は比較的高頻度で曜変天目を展示してくれるので
なきさんにもいつかきっと観て頂きたいです。

by 梅屋千年堂 (2022-11-14 00:40) 

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