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鈴木其一 江戸琳派の旗手 [EXHIBITION]

待ちに待った鈴木其一の展覧会@サントリー美術館。

琳派の展覧会には大概その作品は展示されるけれども
大体において「江戸琳派の祖・酒井抱一の一番弟子」という扱いで
いつもなんとなく脇役的な存在だった鈴木其一(1796-1858)。
そんな鈴木其一が主役の展覧会がついに開催!。
その名も『鈴木其一 江戸琳派の旗手』展。

抱一&其一好きのアタシにとっては、こんなに嬉しいことはない。
しかも、あの『朝顔図屏風』がメトロポリタン美術館からやってくるという。
もう何ヶ月も前から楽しみで楽しみで仕方なく、
前売り券まで購入するという気合いの入れようだったのだ。

というわけで、先週の水曜日。
川崎で『シン・ゴジラ』を観た後、六本木に移動。
六本木に着いたら、まずは腹拵え(^^;ゞ。
東京ミッドタウンにはいろんなお食事処があるにもかかわらず
やっぱり今回もサントリー美術館の併設カフェへ。
最初はケーキとお茶のセットあたりで軽く済ませるつもりだったのだけど
ケーキのセットと、ご飯ものの値段が300円くらいしか違わなかったので
あんまり真剣に『シン・ゴジラ』を観たため、お腹も空いてるし
ここはしっかりとご飯ものを食べることにした。

生麩田楽弁当。
namahudengaku.jpg
「しっかりとご飯もの」とはいうものの、
まるで精進料理のように肉類は使用していないので
ズッシリ感はなく、味もあっさりしていて丁度いい感じだった。



もとい、展覧会の話。

映画を観た後だったので、ちょっと疲れもあって
若干集中力を欠いた感じでの鑑賞になってしまったけど、
期待通りの素敵な展覧会だった〜(*^^*)。

初めて観る作品から、「これ、どっかで観たぞぉ〜」という
既視感のある作品まで、其一の画業をつぶさに鑑賞することが出来る。

抱一の作品はひたすら美しく、上品な感じだけれども
其一の作品は、琳派の特徴を継承しつつも、どこか尖ってて
モダンだったりアバンギャルドだったりするところが面白い。

お気に入りの作品は
『群鶴図屏風』(これは以前『ファインバーグ・コレクション展』でも観ている)
『三十六歌仙・檜図屏風』(これは『琳派 京を彩る』で観た)
『芒野図屏風』(これは山種の『輝ける金と銀』で観てる)
『木蓮小禽図』(岡田美術館で観てる)

…って、どっかで既に観てる作品ばっかじゃねぇかぁ!って感じだけど
脳天にビリビリ来る作品っていうのは、いつ観てもやっぱりビリビリ来るものなのだ。

もちろん(多分)初めて観る作品の中にもお気に入り多数…
『萩月図襖』(いかにも抱一の弟子風)
『群禽図』(ザクザクと描かれた木の枝と、写実的な鳥たちの対比が楽しい)
『十二ヶ月花鳥図扇面』
『雛掛物』(ミニチュア掛け軸。とにかくかわいい)
『白衣観音像』(中廻しにビッシリ書かれたお経が凄い)
『暁桜・夜桜図』(朝と夜のコントラストが素敵)
『琵琶湖入江遠望図』
『富士千鳥筑波白鷺図屏風』(金と銀の二曲一双の屏風。これ、今回かなりお気に入り)
『日出五猿図』
…と、挙げていったらキリがない。

そして其一以外でも面白いのが結構あって…
中野其明『白菊に水仙図』
池田孤邨『蓬莱・百亀・百鶴図』(百亀がちょっとキモチワルイ…^^;)
などなど…

そして極めつけは『朝顔図屏風』!。
六曲一双の大きな金地の屏風に、
群青色の朝顔が2枚の屏風の両端から中央に向かって
画面を浸食するように伸びてくる。
なんというかもう、「カッコイイ」の一言。
群青と緑青という色使いや、花や葉をまるでスタンプのように描いていく手法は
尾形光琳の『燕子花図屏風』へのオマージュと思われるが
静けさを感じさせる『燕子花図屏風』に比べて
其一の『朝顔図屏風』は躍動感が凄い。
そんなわけはないんだけど、この絵を観ていると
朝顔の蔓がどんどん伸びて、今に屏風から這い出すんじゃないかと思えてしまう。

離れたり近づいたり、右から左へ、左から右へと
もうずいぶんとこの絵の前でウロウロ動き回ってしまった(^^;ゞ。



見応えはたっぷりだけど、作品の点数はちょうどいい塩梅。
10月に入ると、かなりの作品が入れ替わるので
これはもう絶対にもう一度行かねば!なのである。
(あ〜、前売り券もう1枚買っておくんだった…)。

自分土産は図録とポストカード2枚、それとマスキングテープ。
kiitsu.jpg
まるで電話帳のように分厚くて重たい図録に一瞬怯んだが、
観る前からこの展覧会の図録は絶対に買おう!と思っていたので初志貫徹。
其一の作品がこれだけまとまった画集って、なかなかないと思うので。

『朝顔図屏風』のiPhoneカバーも売っていて
これ、ゴールドのiPhoneにつけたらめちゃめちゃいいだろうなぁ〜(*^^*)
と、かなり心が揺れたのだけど、iPhoneの保護という点では今ひとつだし
ストラップホールもないので諦めた(しかも結構なお値段だった…)。
しかし、2回目を観に行った時に買わずに帰ってこられる自信はナイ…(^o^;。


それと、Amazonで見掛けてつい買ってしまったのがこれ。

和樂(わらく) 2016年 10 月号 [雑誌]

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/09/01
  • メディア: 雑誌

琳派特集に惹かれて買ったのだけど
付録の『新・ニッポンの名茶碗50 原寸大図鑑』がスバラシかった(◎_◎)。




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《オマケ其の一》
先週土曜日BSジャパンの『あの年この歌』…
“Tokyo Lonely Night”に詞を付けて出すかもって?!
それは楽しみ過ぎる〜〜〜!。



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《オマケ其の二》
先日コンビニで見掛けて衝動買い。

InRed特別編集 ストールの巻き方 保存版 (e-MOOK)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2016/09/12
  • メディア: 大型本


いつもどうしてもワンパターンになりがちなので
この本は役に立ちそうな気がする…。
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コメント 8

おーちゃん

行きました、行きましたよ~!梅屋さんに開催を教えていただいてから、はや何ヶ月、待ちに待っておりました。
確かにこれまであちこちで目にした作品も意外とあって、「また会えたね♪」と喜びつつ、どこで観たものか結構覚えてる自分にもビックリ。

朝顔の大きさには驚きました。こんなに大きいとは・・・。すごい迫力ですよね。確かに蔓がはみ出して伸びてくるような感覚があります。これが抱一とは違う其一の魅力なんでしょうか。

絵ももちろん素晴らしいのですけど、其一の手紙がおもしろかったです。漬物ありがとうとか、出品された絵を仮押さえしときましょうかとか、生活感やビジネスマンみたいな感じがあって。生きてた人なんですね~(笑)

私も展示替え後の後期を見たいと思ってます。
なんか、毎月ミッドタウンに行くことになりますね(^^)

※グッズへの力の入れなさすぎ(笑)に脱力です。なんかもうちょっとほしいです~。主催者?の欲のなさに呆れます(^^;)

by おーちゃん (2016-09-22 00:00) 

梅屋千年堂

>おーちゃんさん
其一スペシャル!という感じで、期待通りの展覧会ですね(*^^*)。

朝顔図屏風の朝顔は、音声ガイドでも語られていましたが
蔓を支えるものが描かれていないので
まるで何か触手を持つ生き物のようにも見えてきます。
(龍のようだと形容する人もいますね)。

其一の手紙は、流し読みでスルーしてしまったのですが
ありましたねぇ「漬物ありがとう」。
ちょっとクセのある字体にもなんとなく人柄が現れてるな、と感じました。

サントリー美術館の売り場面積が狭いので
グッズはあれが精一杯なのかも知れませんね。
素敵なグッズがたくさんあるとついつい散財してしまうので
個人的にはホッとしました(笑)。

>>毎月ミッドダウン
そしてまた今週も六本木に行ってしまいました(^^;ゞ。
(今回は国立新美術館ですが)。
ミッドタウンを通過するたびに、先月の「真夏の夜の夢」を思い出して
ニヘラ〜と笑いたくなるヤバイ人な梅屋でございます…。

by 梅屋千年堂 (2016-09-22 04:55) 

Karyu

初めまして。展覧会の予習でいろいろ見ていて辿りつきました。
ますます行くのが楽しみになりました。
iPhoneケース気になっていたのですが、おいくらなんですか?高いんですね…(泣
by Karyu (2016-10-22 22:25) 

梅屋千年堂

>karyuさん
初めまして、ようこそいらっしゃいました♪。
其一展、もうお出掛けになりましたか?。
素敵な展覧会ですよね(*^^*)。
アタシも終わってしまう前にもう一度観に行こうと思っています。

iPhoneカバー、もはやハッキリとは憶えていないのですが
2000円〜3000円の間でしたでしょうか???
いや、もうちょっと高かったような気が…???
ちょっと買うのに若干のためらいを覚える金額でした(^^;。

by 梅屋千年堂 (2016-10-23 23:54) 

Karyu

お返事ありがとうございます。
今週末の日曜日、最終日に行こうと思っています!
せっかくなので買おうかなって思ってます。
展覧会見終わったら改めてブログ読ませていただきますね(^。^)
by Karyu (2016-10-26 18:34) 

梅屋千年堂

>Karyuさん
本日2回目行ってきました。
先月行ったのと同じ展覧会?!というくらい混んでいました(x。x)。
ショップのレジ待ち列も今まで見たことがないくらい長かったです。
あ、iPhoneカバーは¥2,500でした。
(そして結局今回もグッと堪えて買わなかったアタシです^^;ゞ)。

by 梅屋千年堂 (2016-10-26 19:18) 

おーちゃん

そうそう、ワタクシ、先週のフォーラムの前に2回目を観に行ってきたのでした。明日で終わりという日だったので、確かに9月に行った時より混んでました。図録も売り切れで、増刷後発送とのこと。其一人気が来てますよ!

9割は展示替えされてたのでは?2回で一体いくつの作品を見られたんでしょうね。もう三昧で満腹です~(笑)
個人蔵のものが多いから、多くの作品を集めた展覧会を開くのはなかなか難しいかもしれないと思うと、貴重な機会でした。

この後姫路と京都に巡回するので、ただいま関西の友人知人に絶賛お薦め中です。
でも朝顔は行かないようですし、夏秋渓流図屏風も少なくとも姫路には出ないようです。う~ん、多くの人に見てもらいたいのになあ!
あちらはあちらで、東京には出なかったものも展示されるのでしょうけど。

私の中では、今年一番の展覧会でした☆
同じように楽しまれた梅屋さんのブログを拝読できるのも、大きな喜びです(^^)
by おーちゃん (2016-11-05 22:40) 

梅屋千年堂

>おーちゃんさん
なんと!図録完売ですか!。其一、キテますね!!。
(でもお願いだから若冲みたいなことにはならないで〜笑)。

「朝顔」はもうアメリカに帰ってしまったんでしょうかね…。
なんだかちょっと寂しいです。

>>私の中では、今年一番の展覧会でした☆
同感です〜。
あとは『広重ビビッド』『没後100年宮川香山』『カラヴァッジョ展』
『ボッティチェリ展』…このあたりが、アタシの今年観た展覧会ベスト5です。
(まだまだ年内に順位が入れ替わる可能性はありますが…)

by 梅屋千年堂 (2016-11-06 22:53) 

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