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博物館に初もうで [EXHIBITION]

今年最初に訪れた展覧会は、東京国立博物館の『博物館に初もうで』。
2年ぶりに、あの屏風絵に逢うために。

「あの屏風絵」とは、長谷川等伯(1539-1610)の『松林図屏風』。
毎年この時期に東京国立博物館の本館2室(国宝室)に展示される。

去年は見逃してしまったけれど
等伯の『松林図屏風』は、日本画を観て初めて「カッコイイ!」と感じて
日本画にハマるきっかけになった作品でもある。


等伯 上 (文春文庫)

等伯 上 (文春文庫)

  • 作者: 安部 龍太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/09/02
  • メディア: 文庫


等伯 下 (文春文庫)

等伯 下 (文春文庫)

  • 作者: 安部 龍太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/09/02
  • メディア: 文庫


今、この本を読んでいることもあり、
(読むのが遅くてまだこの屏風絵を描く段には到達していないのだけど)
先にこれを観ておくことによって、
物語がよりリアルに迫ってくるんではないだろうか、
…とかなんとか思うところもあって、2年ぶりに観ておくことにしたワケだ。

ある時は無音だったり、ある時は遠くの方で波の音が聞こえてきたりするが
この絵から伝わってくる静けさがたまらない。


メインはこの『松林図屏風』を観ることだったのだけど
他にも「これはヨイ!」とグッときた作品もあり、例えば…

住吉具慶(1631-1705)『源氏物語絵巻』
土佐光起(1617-1691)『女房三十六歌仙図屏風』
葛飾北斎(1760?-1849)『七面大明神応現図』『扇面散図』『くだんうしがふち』
仁阿弥道八(1783-1855)『色絵寿老置物』
『古今和歌集(元永本)』

特に北斎の『七面大明神応現図』と『扇面散図』は版画ではなく肉筆画なのだけど、
北斎ってこんな絵も描くんだ!とちょっとした驚きを感じた。

同じく北斎の『くだんうしがふち』は、「九段牛ヶ渕」のこと。
九段とはあの武道館があるとこらへんの九段のこと。
北斎のこの錦絵を見ると、恐ろしくもンのスゴイ急坂で
「えぇ?!武道館の近くのどこにこんなスゴイ急坂がある?!」と思うのだけど
武道館へ行くときに、田安門に向かって
右手にあるのが千鳥ヶ淵で、左側にあるのが牛ヶ渕と言うらしく
江戸時代はここは物凄い急坂で、牛が落ちるほどの難所だったらしい。
…まぁ、あの『神奈川沖浪裏』の北斎だから
この坂ももちろんデフォルメはしてるだろうけれども…(^^;。



2016年も魅力的な展覧会が目白押し…とは以前も書いたけど
いろいろ調べてると他にもいろいろ観てみたいものが
次から次へと出てくるんで困ってしまう(^^;ゞ。

以下、とりあえず春ツアーが始まる前に観ておきたい展覧会の覚え書き。

・『特別展 伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観』@山種美術館
・『ジョン・ウッド&ポール・ハリソン 説明しにくいこともある』
  @NTTコミュニケーション・センター
・『書の流儀』@出光美術館
・『ガレの庭』@東京都庭園美術館
・『春に想う -梅・椿・桜・桃-』@畠山記念館
・『レオナルド・ダ・ヴィンチ -天才の挑戦』@江戸東京博物館
・『ボッティチェリ展』@東京都美術館
・『フェルメールとレンブラント 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち』
  @森アーツセンターギャラリー
・『カラヴァッジョ展』@国立西洋美術館
・『俺たちの国芳 わたしの国貞』@Bunkamura ザ・ミュージアム
・『オートクチュール 世界に一つだけの服』@三菱一号館美術館

あっ、そうだ。箱根の岡田美術館にももう一度行かなくては!。

…なんか、全部ツアー前ってのはムリな気がしてきた(^^;。



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《オマケ》
『三位一体』絶賛ヘヴィロテ中の毎日だけど、
さっきKトラで流れた今年の大阪国際女子マラソンのイメージソング“風の翼”。
これすっごく好きカモ!!。
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コメント 4

こたろう

梅屋さん、新年初美術館レポありがとうございました。
やはり、博物館で初詣、良かったのですね。
私は去年、隅田川桜見物の帰りに博物館でお花見。に行ってとても良かったので、新聞でみて初詣にも行こう。と、ひとり心に決めました。
等伯は私も好きですよー。(今度本読んでみまぁす)
あと、お申さんはいましたか。

今年も美術展、目白押しですね。
梅屋さんリストと和楽をかってあるので、そちらをじっくり見ながら、行けないかもしれないけど、スケジュール帳にメモしておこうと思います。

PS 風の翼、派手さはないけど、後々グッとくるいい感じのマラソングだなぁ。と思いました。毎年、マラソングのようなドラマがある大阪国際女子マラソン、今年はどうなるんだろう。
by こたろう (2016-01-09 07:59) 

梅屋千年堂

>こたろうさん
ほとんど等伯の「松林図屏風」を観ることが目的だったので
他はあまり期待していなかったのですが、さすが東京国立博物館。
さりげなく国宝が多数展示されていて「参りました!m(_ _)m」という感じでした(笑)。

時間がなくなってしまってゆっくり観られなかったのですが
おさるのコーナーも良かったですよ。
狩野山雪の「猿猴図」のようなかわいいのもいいですが
森狙仙の描くリアルなおさるも結構好きです。

“風の翼”、「ベタなタイトルだなぁ〜(^^;」と思いましたが
サビのメロディと桜井さんの歌声にヤラレました。
録音していなかったので、早くどこかでもう一度聴きたいです。

by 梅屋千年堂 (2016-01-10 00:18) 

ナッキー

こんにちは( ^o^)ノ

『博物館に初もうで』
この展覧会知らなかったです(^^ゞ私も行ってみようっと(^.^)

用事があって大阪に行ったのですが、時間があったので奈良の興福寺に行って来ました。
高校の修学旅行で法隆寺や東大寺には行ったのですが、興福寺は多分行ってないと思うんです。
千手観音様と阿修羅像が向かい合わせで立っていたので、間を行ったり来たり30分くらい居ました(^^ゞ
千手観音様を見たとき涙が出そうになって(ToT)ずっとお顔を眺めていたら、やさぐれてる心がなんとなく清められていくようでした。
再訪したい場所がまた一つ増えました(^.^)

”風の翼“はどんな曲調ですか?早く聞きたいなあ☆
by ナッキー (2016-01-10 13:21) 

梅屋千年堂

>ナッキーさん
「博物館に初もうで」は毎年この時期に開催されているんですよ。
普段トーハクの本館の展示を観る機会は意外に多くないので
(大体観に行くのは平成館でやってる特別展ですから…^^;ゞ)。
トーハクの所蔵物の凄さを感じられる良い機会だと思います。

興福寺は駅の近くにあるので、気軽に立ち寄れる癒やしの場ですね。
アタシも「阿修羅ファンクラブ」の有効期限が切れるから
また行ってこなくては(そして「精進ふりかけ」も買ってこなくては笑)。

“風の翼”の曲調は「いかにもマラソンのテーマソング」あるいは「王道」でした。
でもアタシ的には“風を追いかけて”以来久しぶりに
ファーストインプレッションでビビッと来た楽曲でした(*^^*)。
by 梅屋千年堂 (2016-01-11 22:19) 

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