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草間彌生 永遠の永遠の永遠【2】 [EXHIBITION]

前記事の続き。

静岡県立美術館で、草間彌生の作品を観る。

展覧会入り口の看板。
14_yayoi.jpg
若干、宙に浮いているようなやよいちゃんとの記念撮影も可能(笑)。

ド平日の真っ昼間だからなのか、
展示が草間彌生だからなのか、圧倒的に女性の来館者が多い。


展示内容は大きな2つのセクションと、
小さな2つのセクションで構成されている。

大きなセクションのうちの一つは、
『愛はとこしえ』と名付けられたシリーズで
白いカンバスに黒いマーカーで描かれた原画をシルクスクリーンで転写した
モノクロの版画作品が50点。
2つの広い展示室の壁を埋め尽くすように展示されている。

作品のサイズは統一されていて、130.3×162.0cm。
その中で、所狭しと草間ワールドが展開している。

使われているモチーフは、水玉、人の横顔、ギザギサ、
ゾウリムシみたいな形の目、植物のようなもの、節足動物みたいなもの…
そういったものが、それぞれの作品の中で繰り返し使われているのだけど、
同じ作品は二つとして存在しない。
白と黒だけの世界なのに、賑やかで、観ていると色を感じたり
音が聞こえてきたりする。


一方、大きなセクションのもう一つは『わが永遠の魂』といって、
今もなお製作が続けられている草間彌生の最新シリーズ。
現時点で200点を超える作品が制作されているそうだが、
ここではそのうちの54点が展示されている。

こちらも162×162cm、あるいは194×194cm、162×130cmという
大きな四角いカンバスに、アクリル絵の具を使用して描かれたもの。
モノクロの世界だった『愛はとこしえ』に対して、
こちらはカラフルなペインティング。

『愛はとこしえ』『わが永遠の魂』両方の展示に共通しているのは、
作品の横には001、010、045…などのように番号札が貼られているだけで、
タイトルやキャプションなどは一切ない。
作品のタイトルを知るには、入り口でもらった作品リストと
照らし合わせて見るしかない。

いちいち作品リストに目をやりながら見ていくのも面倒だし、
ここは敢えて、タイトルなどが一切わからないまま
自分の直感だけを頼りにして観ていくのもありなんじゃないかと、
とにかく片っ端から作品を目で追っていく。

1点1点をじっくり観ていると、その絵の中に吸い込まれるような気がしてくる。
描かれているものはどれもグジャグジャで(^^;、
ワケがわからないんだけど、決して観ていて不快な気分にはならない。
この感じは、岡本太郎とかジャクソン・ポロックの作品を
目の当たりにした時の感覚とよく似ている。

その展示室の作品を観終わった後に、その展示室内を見渡すと
当然四方を草間作品に囲まれているわけなんだけど、
その「囲まれてる感じ」が、また何とも言えない。
1つ1つの作品を観ている時が「おぉ〜…」ならば、
複数の作品に取り囲まれている時は「ウワァーーーーッ!!!」。
…そんな感じ(笑)。


この大きなセクション以外の、小さなセクションの1つでは
この展覧会のために草間彌生が製作した、
新作のポートレート3点が展示されている。一応、自画像らしい(笑)。
これらも一辺が2m近くある大きな作品。
『わが永遠の魂』とはまた違った緻密さで描かれていて、とっても素敵!。
特に個人的に「いいなぁ!」と感じたのは『神を見つめていたわたし』。
計算も下書きも習作もなしに、直感で描いているとしたら
やっぱりこの人タダモノではない=天才だ!と思った。
1929年生まれ(84歳)だというのに、この若々しい感性はスゴ過ぎる。
芸術に年齢は関係ないんだねぇ!。


もう一つの小さなセクションは『幸福の彫刻たち』という立体作品。
嬉しいことにこれらの多くは撮影可。
前記事で載せた、10mもある大きな『ヤヨイちゃん』も、そのうちの一つ。

お馴染み、水玉南瓜。
タイトルは『大いなる巨大な南瓜』。
13_pumpkin.jpg
高さ約2.5m。


こちらは、天井も床も壁も、白地に赤の水玉が配された部屋に展示されている、
『チューリップに愛をこめて、永遠に祈る』という作品。
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やはり白地に赤の水玉模様の、鉢植えのチューリップが3体。
10_tulip.jpg


ここでも四方を水玉に囲まれている感覚が、どういうわけか心地良い。
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ちなみに、この展覧会には音声ガイドも用意されている。
現代アートで音声ガイドを聴くってのも、ちょっと野暮な気もするのだけど
この展覧会の音声ガイドは、一味違う。
作品の解説というよりも、草間彌生のインタビューや、詩の紹介、
そして草間彌生本人による詩の朗読など、作品を観ながら聴き流すだけで、
より深く草間ワールドに入り込んでいけるアイテムになっている。
やよいちゃんの「歌声」まで聴けて、なんだか微笑ましいのだ(^o^;。




展示を一通り観終わって、1階のロビーに降りてくると
そこには忘れちゃならない作品がもう一つ。
それは『魂の灯』という作品で、
5年前にやはり同じ場所で観て感動した『水上の蛍』と同様のもので
高さ287.4×縦415.0×横415.0cmという、
小さな箱(部屋)の中で体験する作品。

箱の作りは5年前と同じで、四方と天井が鏡張り、床は水面。
そこに、直径4〜5cmくらいの無数のLEDライトがぶらさがっている。
その中に入って扉が閉められると、そのライトが鏡や水面に反射して
ずーーーっと遠くまで無限に広がっていく。
5年前と違って、予めどんな感じの作品なのかが分かっていても
やっぱり「うわぁーーーーーーっっっっ」なのである。

この部屋の中にいられる時間は、1グループあたり1分程度なのだけど
その間にLEDライトの色が様々に変化する。
なんだかよく分からないけれど、この中にいたらウルッと来てしまった。

で、この部屋の中から出てきて思った。
「草間作品に四方八方を囲まれると、
 どうやらアタシの体の細胞は活性化するらしい…」と。

そういえば、先だって森美術館の《LOVE展》で観た
『愛が呼んでいる』を観た時もそうだった。
なんというか、血が騒ぐというか、細胞の一つ一つが
「ゥワァーーーッ!」と喜んでいるのを感じるのだ(笑)。

わざわざここまで観に来てみて本当に良かった。



ミュージアムショップで買い物もして…
ロダン館は前に観てるし、そろそろ帰るか〜。
…あ、でもちょっと待った!。
帰る前にここの美術館のコレクションを観ていかなくちゃ。
伊藤若冲、円山応挙、横山大観、ゴーギャンなどなど
観るべき作品がいろいろあるあったハズ。

でも…案内図のどこを観ても、常設展示の案内がない(-"-?。
仕方ないのでインフォメーションのお姉さんに尋ねたところ
「今回は草間彌生さんの作品が大変多いので
 コレクション展はお休みさせていただいているんです」
…とのこと_| ̄|◯ガックリ。

「また来てくださいね〜」と、軽やかに言われてしまったが
そんなに軽やかに来られるほど近所ではないのだがー(^^;。

静岡県立美術館…
無期限のポイントカードなんかも入館者に配っているし、
こうした大きな企画展の時には
コレクションは片付けてしまうという作戦で、
さてはリピーターを狙っているな?(笑)。

ま、しょーがないか。
いずれまたここを訪れる機会もないではないかも知れない。
か〜えろっと。
16_mizutama.jpg

外に出たら、陽が差してきていた。
15_mizutama.jpg



最後は、このたびのお土産。
17_goods.jpg
作品とタイトルを照らし合わせて、再度じっくり観てみたかったので
珍しく図録を購入。それとポストカード。
あと、草間彌生ファンの同僚へのお土産に
やよいちゃんの顔写真付き付箋(笑)。…使ってもらえるかなぁ〜(^^;。
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りく

今年の24時間TVのTシャツが、嵐の大野君と草間さんが担当される
ことが決まったそうですね。
嵐の大ファンの娘に、私、「草間さん知っているわよ」と自慢しちゃいました。
日頃から梅屋さんのブログ読ませて頂いて良かったです。
有難うございました。
by りく (2013-06-13 21:34) 

あらせこにしき

私もやよいちゃんファンです。
このなんとも形容し難い世界観が不思議と心地いいなーと思います。
なん・・か、引き込まれますよね。
草間さんが絵を描いている時の目が好きです。マニアック(^^;
ヴィトンとコラボした時も何かはゲットしたかったんですが、むりー(笑)
たまたまですが今ペディキュアは水玉〜☆
by あらせこにしき (2013-06-13 23:43) 

梅屋千年堂

>りくさん
大野君と草間さんのコラボTシャツ、
いったいどんなものになるのか楽しみですね。
それにしてもここへ来てこのような草間ブームが訪れるとは…。
草間さんにはまだまだ長生きして頑張って欲しいです(^_^)。




>あらせこにしきさん
普段ブランドものには全く興味がないアタシですが
やよいちゃんがヴィトンとコラボした時は「欲しい!」と思いました。
思っただけで、もちろん実行には移せませんでしたが(笑)。
あの時は、ヴィトンのショップの前を通るだけでも
なんだかワクワクしたものです。

やよいちゃんは天才!。そう信じて疑わないアタシです。

by 梅屋千年堂 (2013-06-14 00:06) 

絵夢

梅ちゃんのこのUPを数日前に読ませてもらっていて・・24時間TVの二人のコラボのことを私も知りました!
大野さんもこのような偉大な方と・・・!と、ドキドキらしいですね!
きっと斬新な!そして24時間の愛に満ちたTシャツが出来上がると信じています。
大野さんもとてもセンスのいい絵を描かれますよね!楽しみです。
Tシャツも欲しいくらいです。
草間さんの作品できっと梅ちゃんの体も脳も一層活性化されたと思います!
紹介くださってありがとう。
なんて素敵な方なんでしょう!
ホントに天才だわ!発想が次々に湧き上がる秘密を知りたい!
by 絵夢 (2013-06-15 16:50) 

梅屋千年堂

>絵夢さん
本当にワクワクするような展覧会でしたよ。
何ヶ月か前に、草間彌生を特集したテレビ番組を観たのですが
その中で「あたしって天才だわ…」と呟きながら
筆を進めていたやよいちゃん。
本当の天才は、自分のことを天才と呼んで憚らないものなのだなぁと思いました。
あんな風には生きられないけど(^^;、カッコイイですよね。

by 梅屋千年堂 (2013-06-15 22:08) 

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