SSブログ

ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家 [EXHIBITION]

先週の水曜日、行きそびれた展覧会。

本当は先週の水曜日に行こうと計画していたのだけど
連日の忙しさでグッタリ来ていたのと、物凄い強風のために断念。
こんな日の美術館はさぞかしガラガラで素敵だろうなぁ…と思ったのだけど
わざわざ大量の花粉を吸い込みに外出するなんて、自殺行為に近いものがある。
ガラガラの美術館に響き渡る自分のクシャミ…なんてのも
ちょっと恥ずかしいからねぇ(^o^;。

今日もお天気はいいとは言えないけど、先週よりは全然マシ。
ただ、今日は祝日なのでガラガラというわけにはいかないだろうなぁ。
この展覧会も結構いろいろテレビ(主にNHK)で取り上げられたりしていたし。

会場は横浜美術館。
横浜市営地下鉄・桜木町下車。
ランドマークプラザの中を歩いていたら、こんな垂れ幕が。
01_landmarlplaza.jpg
もう20年も経つのかー。
まぁ確かに今から20数年前、社会人に成り立ての頃
桜木町から東横線を使って青山や渋谷まで通勤していた時に
まだ建設途中のランドマークタワーを見上げながら
「あー、もう◯◯階まで出来たのかー」なんて思っていたもんな。

というわけで、横浜美術館。
02_yokobi.jpg
咲いているのは桜ではなく、モクレン。

花が大きい分、桜よりも大分ダイナミック。
03_mokuren.jpg

ランドマークタワーを背景に。
05_landmark.jpg

ようやく中へ。
04_yokobi.jpg


館内は…あー、やっぱり結構混んでいる(>_<)。
まぁ、祝日だし会期終了間近だし、無理もないか。

ロバート・キャパはハンガリー生まれの報道写真家。
本名はアンドレ・フリードマン。
初めは本名で活動していたが、ドイツ人女性のゲルダ・ポホリレと出会ってから
アメリカ人風の名前=ロバート・キャパで活動するようになる。
この名を名乗り始めた当初は、アンドレとゲルダ、二人が撮影した写真を
「ロバート・キャパ」の作品として売り込んでいたらしい。

その後、仕事が軌道に乗り始めると、アンドレ自身がキャパに取って代わり、
一方のゲルダは「ゲルダ・タロー」という名前で
女性報道カメラマンとして自立するようになったとのこと。
この「タロー」という名が、かの岡本太郎に由来しているというから面白い。
さすが、世界の岡本太郎。

展覧会は、Part IとPart IIに分かれていて、
まずはPart Iとしてゲルダ・タローの作品が紹介される。
ゲルダ・タローの初期の作品は、
ローライフレックスで撮影されているので正方形で、
下からあおったような写真が多い。
戦場という余裕のない状況下で撮影しているのにもかかわらず
その構図が、まるでビシッとキメて撮影したように
画面を斜めに二分割されたようなものが多いことに驚かされる。
しかも、兵士達を正面から捉えた(つまり自分は敵兵に背を向けている)
命知らずな写真の多いこと。

そんなゲルダ・タローだが、取材中だったスペインの戦場で
友軍の戦車に轢かれて27歳という若さでなくなってしまう。


一方のロバート・キャパは、公私にわたるパートナーだったゲルダの死後も
報道写真家として活躍していく。
Part IIは、ロバート・キャパの作品展。

スペイン内戦から、日中戦争、第二次世界大戦、インドシナ戦争と、
当然戦場を題材にした写真がメインなのだけど、
そんな戦場の中にあって、兵士や市民が時折見せる
ほっこりとする表情の写真もあったりして、ホッとさせてくれる。

印象的な作品は数多くあったけど…

●ストライキ中のラファイエット百貨店ガードマン
●リュクサンブール公園、パリ
●共和国軍兵士の男女、バルセロナ
●マラガからの難民たち、アルメリア、スペイン
●空襲警報、ビルバオ、スペイン
●難民の少女、バルセロナ
●アーネスト・ヘミングウェイと息子グレゴリー
●アメリカ軍兵士と彼の部隊が「養子」にした戦争孤児たち、ロンドン
●ドイツ兵との間にもうけた赤ん坊を抱いて家に帰る若い女性、シャルトル、フランス
●イングリット・バーグマン、映画『凱旋門』の撮影時、ハリウッド
●パブロ・ピカソと息子クロード、ゴルフ=ジュアン、フランス
●パブロ・ピカソとフワンソワーズ・ジロー、ゴルフ=ジュアン、フランス

特に心にグッときたのはこんなところ。


ロバート・キャパは1954年の春に、日本を訪れたこともあり
その間にも東京・焼津・京都・奈良・大阪などで風俗写真を撮影している。
観光名所に連れて行かれても、撮影するのは常に「そこにいる人々」。
戦場写真でもそうなんだけど、キャパが好んで被写体にするのは「人」。
そこが観る人の心をグッと惹きつけて放さない理由なんだろうと思う。

ちなみに、日本で撮影された写真のなかで
『浅草寺、東京』という写真があるのだけど、この撮影日時が1954年4月17日。
別にどうでもいいことだが、
高見沢王子がこの世にオギャーと生を受けた日だった。
昔の写真というのは、その背景に写る建築物や人々の服装などから
当時の文化が伺い知れるところが楽しくて好きだ。


この日本滞在の最中に、ライフ誌からインドシナ戦争の取材を依頼され
キャパはその足で北ベトナムへ渡る。
ところがそこで、対人地雷を踏んで爆死してしまう。
展覧会を締め括るのは、その直前に撮影された最後の写真。
…なんとも言えないせつない気持ちで終わるのだった。


作品点数300点あまり。しかもメインのテーマは「戦場」とヘヴィだ。
観終わった後は、正直言ってグッタリきたが
終始「あー、いい写真だなー」「あ、これもいい」と思えるものばかりだった。
展覧会が始まった当初は「別に観なくてもいっか」と思っていたんだけど
いやいや観ておいてヨカッタ。

というか、ロバート・キャパの作品を
こんなにたくさん所蔵していたとは知らなかったぞ横浜美術館!。
やるじゃないかっ!。


報道写真展なので、ミュージアムショップは期待していなかったけど
ポストカードがあったらイイのにな♪と思っていた作品のカードがあったので
ここは迷わず購入。
07_postcards.jpg
手前の2枚がお気に入り。
右が『リュクサンブール公園、パリ』
左が『パブロ・ピカソと息子クロード、ゴルフ=ジュアン、フランス』
特にピカソの子煩悩父ちゃんぶりが炸裂したこの写真はホントにイイ(*^^*)。
ピカソもこんな顔をすることがあったんだねぇ。


帰り道、さくら通りの桜の開花状況はどうかねぇ?と観てみたが
まだまだ二分咲きという感じだった。見頃は今週末あたりかな。
06_sakuradori.jpg


明日は、新しくなったあの駅から
Bunkamura ザ・ミュージアムに行ってこよーっと。



-------------------------------------------------------------------
《オマケ》
ミュージアム・ショップでついつい衝動買いしてしまった
奈良美智のPup Kingのぬいぐるみキーチェーン。
08_pupking.jpg

大昔に買ったPup Kingのぬいぐるみと並べてみた。
09_pupking.jpg
(しっかし…汚れましたなぁ…^^;)。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0