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古代ローマ帝国の遺産 [EXHIBITION]

『古代ローマ帝国の遺産 -栄光の都ローマと悲劇の都ポンペイ-』

国立西洋美術館で開催中の展覧会へ行ってきた。

roma.jpg
この展覧会は別に行かなくてもいいか、と思っていたんだけど
先日NHKの『迷宮美術館』という番組で、
この展覧会の特集をやっていたのを観ていたら
なんだか無性に観に行きたくなってしまった。

ま、来月15日に控えた美術検定の勉強にもなる(かも知れない)し
行ってみて損はなかろうと。

紀元前1世紀〜紀元後1世紀に作られた作品が約120点。
どれもこれも今から2000年前のものとは思えないほど
保存状態が良いことに驚かされる。
ポンペイ滅亡の原因となったヴェスヴィオ火山の大噴火後の
火山灰の下から出土したものが多いのだけど
『迷宮美術館』の説明では、火山灰に埋もれていたからこそ
この美しさが保たれているんだとか。
(火山灰にシリカゲルと同様の成分が含まれていて
 それが乾燥剤の役目を果たしていたらしい)。
ポンペイを破滅に追いやった噴火によって降り注いだ火山灰のお陰で
当時の鮮やかな色合いがそのまま残されているとは
なんだか皮肉な話である。

そんなポンペイの壁画の中でも圧巻なのが“庭園の風景”という作品。
ポンペイのとあるお宅の居間を飾っていた《壁》を
そのまま持ってきてしまったというもの。しかも2面も。

今でもこれだけ色鮮やかなんだから
当時はさぞかし美しい壁だったんだろう。
そんな2枚の壁に囲まれて立っていると
なんだか2000年前のポンペイのお宅にお邪魔してるみたいな気分になる。

更に同じ展示室には、同じく同じお宅の食堂を飾っていた
“モザイクの噴水”という、これまた部屋の一角をそのまま持ってきてしまった
作品があるのだけど、石やガラスや貝殻がびっしりと
細かく埋め込まれていてこれがまたスバラシイ。

格子文のモザイクで出来たたたみ2畳分くらいの床も展示されていて
ここを2000年前のローマ人が歩いていたのかと思うと
なんだかドキドキワクワクとした気分になる。

こんな大きな壁や、住居の一角を一体どうやってイタリアから運んできたのか・・・。
更に大理石で出来たかなり大きな彫像までも。

「これ運んでくるの、さぞかし大変だっただろうな・・・(^^;」と思ったのが
“皇帝座像(アウグストゥス)”。
座った状態で高さ215cmという、かなり大きな大理石像。
その皇帝がまとった布が・・・もはや石とは思えないほどの流麗さ。
2000年前にこの技術。信じられない。

しかしこの皇帝像。顔がおかしい。
この他にもいくつかアウグストゥスの胸像が展示されているのだけど
この座像だけな〜んか顔が違うのだ。
何故かっつーと、後世になって、かのナポレオンがこの座像の顔の部分を
自分の顔に作り直させたからなんだってさ(これも『迷宮美術館』ネタ)。
いくら時の皇帝ナポレオン様だからって、
それはいくななんでもやりすぎ。暴挙である(^^;。

つい最近ソンマ・ヴェスヴィアーナというところから出土されたばかりの
《豹を抱くディオニュソス》像も美しい。
この像の頭部が発見された時の写真(顔だけ土から出た状態の写真)も
展示されていたのだけど、いやー・・・いきなり土の中から
こんなものが出てきたらめちゃくちゃ興奮するだろうね。

行っておいて良かったと思える展覧会だった。
作品の数も、多すぎず少なすぎず丁度いいので
観終わった後にグッタリくることもなかった(笑)。



NMWA.jpg
世界遺産になる日は来るのだろうか…。


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『古代ローマ帝国の遺産 -栄光の都ローマと悲劇の都ポンペイ-』
12月13日(日)まで、国立西洋美術館にて開催中。
公式サイトはコチラ


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《オマケ》
今月号の『Mac Fan』での王子の連載《Apple ism》は
大いに共感してしまったなー(笑)。
Snow Leopardへの乗り換えでではないけど
かの王子もデータの移行で苦戦していたとは…(なんかちょっとホッとしたりして)。

昨日も何事もなかったかのようにシレッと記事をUPしてるけど
実を言うと一昨日の晩、またしてもMacBookがオカシなことになり
その修復のために昨日丸々1日費やして、疲労困憊状態だったのだ(-_-;。

「Macなど見たくない〜っ」(by高見沢王子)

その気持ち、今のアタシにはモノスゴーーーク理解出来る・・・(^^;。
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コメント 4

しゃち

私も先週、見てきました。
「庭園の風景」そして、「モザイクの噴水」は、かなり感動しました。
思わずDVD購入してしまいました。(笑)
「庭園の風景」「モザイクの噴水」の概観のクリアファイルがなかったのが、すごく残念でした。
by しゃち (2009-10-31 15:58) 

梅屋千年堂

>しゃっちゃん
素晴らしい展覧会だよねー!。
昨日アタシが行ったときは、意外に空いていて
「あれ?、もしかして人気ないの?」なんて思ってしまったけど
とても良い展示なので、もっともっと盛況になってもいいと思います。
(と、既に自分が観てしまった後なので言える^o^;)。

しかしグッズの方は今ひとつでしたね。
アタシにしては珍しく、何も買わずに帰ってきてしまいました。
(常設のミュージアム・ショップでは買い物しましたが)。

次は国立新〜の『THE ハプスブルク』に行こうと思ってます。
(果たして行ってる時間はあるのか?)。

by 梅屋千年堂 (2009-11-01 00:08) 

えの

ポスターを見かけて興味を抱いておきながら行けずにいます。
5年前に南イタリアに行った時、ポンペイにも立ち寄ったのですが、
轍の跡とか、横断歩道の飛び石とか、
すごいなぁ~と思って帰ってきたことを思い出しました。

ハプスブルクも覗きに行きたいのですが、
休日に職場近くに足が向かないのですよねぇ。

by えの (2009-11-02 14:36) 

梅屋千年堂

>えのさん
この展覧会はオススメです(あまり混んでいないところがまた良い^o^;)。
2000年前にタイムスリップできますよ(多分)。
ハプスブルクも良さそうですよね。
国立新〜は金曜夜なら19:30まで入館可(20時閉館)なので
お仕事帰りなどにいかがでしょうか。
(って、アタシは別に国立新〜の回し者じゃぁございません笑)。

by 梅屋千年堂 (2009-11-03 00:29) 

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