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フェルケール博物館 [EXHIBITION]

『和ガラスに抱かれて −坂崎幸之助コレクション−』を観るために
ちょいと静岡まで大人の遠足。

(注:いろいろネタバレあり)

当初の予定では新幹線は使わずに在来線で行こうと企んでいたのだけど
なんだかもう早起きするのが辛くなったので、
在来線を使うのは戸塚から小田原までにして
小田原から静岡まで新幹線に乗ることにした。

自宅を出たのは8時20分くらい。
横浜市営地下鉄で戸塚まで行き、そこから東海道本線に乗り換える。
家を出発した時にはそこそこ晴れていたが、風が強く目まぐるしく天気が変わる。
酒匂川あたりではこんなどんよりとした空。
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いつ雨が降り出してもおかしくない天気だ。

新幹線に乗るときはいつも富士山が見えるE席と決めているが
昨日の天気予報をチェックした時点で
今回は富士山は見えないと判断し海側のA席を取った。
が、海を見たところでこちらもどんよりなんだけど(^^;。

小田原到着が9時37分。一旦改札の外に出て東華軒の駅弁を購入。

小田原駅は何故か外国人観光客で溢れかえっていてビックリ。
団体旅行のようにも見えるし、個人旅行のようにも見える…。
ここから西に向かう新幹線に乗ってどこかへ向かうようなのだけど
小田原で何を観て、そして名古屋行きの〈こだま〉に乗って
何処へ行くというのだろう???。
そして外国人観光客の皆さんは誰一人としてマスクをしていないが
日本人はみんなマスクをしているという、
(どっちがいいとか悪いとかそういうことではなく)
ちょっと苦笑いしたくなる光景。

10時02分発のこだま713号に乗車し、10時47分静岡着。
11時04分発の東海道本線に乗り換えて、清水駅まで少し戻る。

11時15分、清水駅到着。…晴れてる(・_・)。
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以前来た時よりもなんだか駅前が綺麗になった気がする。

以前…っていつだったんだ?。
とブログの記事を遡ってみたところ、2008年にTHE ALFEEの静岡公演に
参加した際に、ついでに静岡県立美術館行こうした時以来のようだ。

その2008年当時、1987年の日本平でのオールナイトコンサートの会場に行く途中
友達と立ち寄った駅前のマクドナルドがまだ存在していたことに感動したが
あのマックは今もまだあるだろうかと駅を出て左側に視線を向けると…

あった!!!(笑)。
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ちなみに2008年は↓こうだった。
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手前のローソンも変わらず。
でも反対側のお隣のお店は変わったみたい。
ローソンの上のやすい軒もなくなってる(どうやら移転したらしい)。

清水駅からフェルケール博物館まではバスも出ているが
次のバスまで15分近くあるし、徒歩でも25分程度なので歩くことにした。

Yahooの地図アプリでルート検索した道程に従って歩き始めたが
こういう地図アプリのルート検索って、最短ルートを提示してくれるのは
とても有り難いのだけど、時々「え?ホントにここ?」と疑いたくなるほど
狭い道を通ることがあって不安に陥ることがある。

今回も途中でこんなちっちゃな踏切が出てきてちょっとビックリ(^^;。
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そこから博物館までは殆ど直線。
清水エスパルス一色の通りを行くと、
右手に煉瓦造りのフェルケール博物館が現れた。
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このポスターいいねぇ!(ちょっと欲しいカモ)。
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なんだか洒落た作りの建物だ。
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入館料は大人400円。
幸ちゃんの和ガラス展の展示室は2階にあって、
左側が[展示室1]、右側が[展示室2]。ちなみに和ガラス展は撮影不可。

[展示室1]の入口では、3歳くらいの幸ちゃんの写真がお出迎え。
更に中に入っていくと、まずは醤油差しのコレクションから。
展示ケースの後ろの壁には、昔の武蔵屋坂崎商店の写真があって
店の前で仁王立ちする幸ちゃんのお父さんが写っているのだけど
この写真を見る限り、そんなにちっちゃい人には見えないなぁ(笑)。

醤油差しは、企業名や商品名がエンボスやプリントされてるのが面白い。
透明のものだけではなくブルーのものもあって綺麗だ。
濃茶の醤油とブルーの瓶が合うかどうかは別として(笑)。

ガラスコレクション以外に、昔のポスターやラベル、
古いチラシやうちわ絵なども展示されていて
えっ?!幸ちゃんこんなのも集めてるんだ?と思ったら
どうやらこれらの多くは他の方の個人蔵らしい。

次はコップ類。
幸ちゃんが和ガラスコレクションを始めるきっかけになったという
小さなあられ文コップがとても可愛い。
ちなみに幸ちゃんが直筆でキャプションを書いてくれてるものもあって
それを読むのも楽しい。

展示室正面奥のケースには切子のグラスがレトロな棚に並んでいる。
ちっちゃなショットグラスがかわいい。紫色のデキャンタも素敵だ。

その隣には、昭和の食卓を模したような卓袱台の上に
いろんな企業のノベルティのコップが並んでいる。
森永とかカルピスという現存するものから
レッキスとかセーピスとかペンギンジュースなどと
「なにそれ(^^;」というものまで、これまたいろいろだ。

更に反時計回りに進むと、出た!レース皿(プレス皿)。
ここは照明も特に明るくなっていて、お皿の文様がとても映える見せ方をしている。
透明なのももちろんいいけど、個人的にブルーのお皿に目が釘付け。
いいなぁ〜と思ったのは
「青色渦巻文皿」
「蓮弁文皿」
「くつわ文皿」
「アーチ付葉文皿」
「アーチ付花文皿」
「八つ割文皿」←お皿の縁が波打ってて凝ってる
「雷文皿」
「アーチ付花文皿」←元々は舶来製の「古渡り」と呼ばれるもの
(今回かなりちゃんとした出品リストが用意されているのでとても助かる)。

ケースの端にはかわいらしいアイスクリームコップや氷コップも。
幸ちゃん直筆のキャプションによれば、
3色ものの氷コップはとても人気があって高価なんだとか。
今月22日からサントリー美術館で始まる
『吹きガラス 妙なるかたち、技の妙』に3色ものの
「籠目文赤緑碗型氷コップ」(個人蔵)ってのが展示されるんだけど
そうか、あれって高いんだな?。行ったら心して観てこよう(笑)。

展示室の真ん中に置かれたケースには、
これまたちいさくてかわいいリキュールグラスがいっぱい。
小さいものは無条件にかわいい(*^^*)。



[展示室2]に移動。
ここでもまずはノベルティもの。
雰囲気たっぷりのレトロな棚に並べられて、見せ方が凝っている。
その中には「秩父郡」って書いてあるコップも。
「桜井の実家から出た」…というキャプションはウソ(笑)。

その他、砂糖入れ、ボンボン入れ、ガラス製のマチ針、根付、ビールグラス、
灰皿、コンポート、様々な和ガラスの日用品が並ぶ。
中でもかわいかったのが「葉文盃」「格子文盃」や「ゼリー型」、
そして「ペロペロ」に「ままごとセット」」「ミニチュアビールセット」。
しつこいようだがちっちゃいものは、やっぱりかわいい。

ガラス製のランプやランプシェードもあったりして
幸ちゃん、ランプ類まで蒐集してるんだ…と驚きを隠せない。
いやー…こんなデリケートなものを保管しておくのも大変だろうな。

反対側の展示ケースには、ガラス製の文具類。
つまりガラスペンや、インク瓶。
ハァ〜…、これはインク好き、ガラスペン好きにはたまらない。
「青色インク瓶 魚」もかわいくて面白い。

薬瓶の中では「歯医者の薬瓶」。これにインクを入れて並べたい!。
あとはちっちゃな「カネボウ香水瓶」や「ミニチュアの化粧瓶セット」。
これがめちゃくちゃかわいい!。かわいい上にデザインが素敵。

展示室真ん中のケースには…あっ!こいつ5年前の熊谷でも観たヤツじゃないか?。
しびんに手足と尻尾が生えてるヤツ!(笑)。
って、熊谷でも勝手に「しびん」と思い込んで喜んじゃったんだけど
そうじゃなくてこれは「亀型哺乳瓶」。
でも帰宅後に熊谷の時のブログ記事を観てみたら
その時は「燗徳利」って書いてあった(-"-?。
あれ?…だとすると熊谷で観たのとは違うもの?。
それとも実は徳利じゃなくて哺乳瓶だった、てこと?。
まぁどっちでもいいけど、これ見るとどうしても笑ってしまう。

「洗眼器」に添えられた直筆キャプション
「目を洗う時に毎回ワクワク♥、しないか」も思わずプッ( ̄m ̄)。
この展示ケースには大きなウランガラスの切子鉢もあったっけ。
           (↑幸ちゃんご自慢の逸品)。

ウランガラスといえば、展示室の一角に暗幕張ってブラックライトを当てて
黄緑色に光っている様子を見せるコーナーが圧巻。
なんだかずーっと観ていたい気分になった。


思った以上に見応え十分の展示だったなー。全部観るのに1時間かかった。
ちなみにアタシが入館したときは、誰もおらず貸切状態(^^;。
あとから二人ほどやってきたけど、割とさらっと観て帰ってしまい
最後はまたまた貸切状態。
かーなーり、じっくり観ることができてホントにヨカッタ。
平日バンザイ(笑)。



館内の大きな窓からふと外を観ると、結構な雨降り。
帰りはバスで駅まで戻ろう。
しかし次のバスまでまだ結構時間があるので
常設展やギャラリーもぶらっとさらっと覗いてみることにした。

フェルケールとは「交通」「交際」を意味するドイツ語。
港を人と海との交流の場と見なして、
常設展では清水港に関連した資料を展示している。

清水港周辺のジオラマ発見。
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日本平ホテルはこのへんかな?(違ったらスンマセン)。
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ギャラリーでは比田七海さんという
1997年生まれのアーティストの作品を展示中。
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好きなタイプの作風なので、思わず見入ってしまった。


そうこうしているうちに、バスの時間が近づいてきたのでそろそろ退散。
そうだ、この看板の写真を撮り忘れてた。
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外に出た時は結構な雨と風だったけど、数分で収まった(・o・)。

清水駅までバスで戻った以外は、帰りも行きと同じルート。
帰りの小田原駅もやっぱり外国人観光客でいっぱいだった(◎_◎)。


この展覧会の図録とチラシと出品リスト。
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図録は300円という破格の安さ!(笑)。

行く前から300円だと聞いていたので、
きっと中綴じの薄っぺたいやつなんだろうと思っていたがとんでもない!。
ちゃんと背表紙もあるし、フルカラーでかなりしっかりとしたものだった。
これで300円は安すぎる。申し訳ないくらい安すぎる。
800円は取ってもいいと思う(1000円じゃないんかい笑)。
でも300円なら友達にお土産として買っていこうかなって
思わず2〜3冊買っちゃうかも。
…だとしてもあんまり儲けはなさそうだが(^^;。


お天気もいまひとつだったし、ここ以外どこにも行かなかったけど
(ホントは久能山東照宮とかちょっと行ってみたかったけど)
東華軒のお弁当も食べたし楽しい大人の遠足だった(笑)。
コメント(8) 

コメント 8

YAYOI

お疲れさまです。
幸ちゃんの和ガラスやその他のコレクションって細かい物が多いですよね。
以前熊谷で観た後、普段どうやって保管してるんだろう?って考えてしまったのを思い出しました。
by YAYOI (2023-04-13 22:34) 

梅屋千年堂

>YAYOIさん
ホントに普段どんな風に保管と管理をしているのだ?!
「あの皿はどこだっけ?」って時に瞬時に探し出せるものなのだろうか?
…謎だらけです(笑)。
今回の展示は図録といい出品リストといいチラシといい
今までの中で一番本格的だと感じました。
会期も長いし、たくさんの人に観てもらいたい展覧会でした。

by 梅屋千年堂 (2023-04-14 20:59) 

こたろう

相模大野の日、本日私も行ってきました!
1階で相方と船長&キャプテンハーロックごっこをし(笑)茶箱と彫金とジュエリーと江戸時代の船と清水港の歴史に唸ったあと2階に登りました。

実は私、坂崎さんコレクションをじっくり見るの初めてでした(^◇^;)和ガラス、深いなー。ハマるとヤバいなって。ポスターや飾り棚、昔のガラスの衝立?などにちょこんとあるさまざまなコレクションは、昔どのように使われていたんだろう。とイメージ膨らみますね。あと幸ちゃんご自慢の逸品はすごい!の一言でした。
全国巡回展とかして、もっともっと昔の身近なガラスたちの可憐さと歴史においても重要なことを紹介してくれないかなー。なんて大層なことまで考えた企画展でした。
長文失礼しましたー
by こたろう (2023-04-19 19:57) 

梅屋千年堂

>こたろうさん
素晴らしい!1階の常設展示もちゃんとご覧になったのですね。
アタシは先に幸ちゃんの和ガラスをじっくり観すぎて
1階の展示はホントに撫でる程度にしか観ませんでした(^^ゞ。

なんかこう…例えば通常の美術館などが所有している
文化財レベルのものももちろん素晴らしいのですが
幸ちゃんのコレクションのように生活感のあるものは
観ていてなんだかホッとしますね。
ただ日用品だけに簡単に捨てられたりしていて
ちゃんと残っているものも多くはなく
これからどんどん価値が上がっていくのでしょうね。

by 梅屋千年堂 (2023-04-20 02:05) 

JUNKO

梅屋さん、ご無沙汰しています!
前の記事に今更コメントしてごめんなさいm(_ _)m
私も今日フェルケールに行ってきました。
GW前の平日になんとか行きたいと計画していましたが、今日の雨には参りました[がまん顔]
でも展示は素敵な品ばかりで時間を忘れることができました。ガラスの中のポスターに4/25の日付とサインを発見し、幸ちゃん昨日もいらしたのかしら?と少し興奮しました。

奥の缶詰記念館もご覧になりました?1階の展示もなかなか面白かったです。
土砂降りで外観の写真も忘れて帰ってきてしまったのと、静岡駅付近ももう少し観光したかったなぁとちょっと心残りがある残念な遠足となりました。
by JUNKO (2023-04-26 18:27) 

梅屋千年堂

>JUNKOさん
いえいえ、前の記事へのコメントも大歓迎ですよ。
なんなら何年も前の記事へのコメントでも全然OKです。

まぁ!幸ちゃん25日にも?!。
ご自分の運転でサーッと行ってきたのでしょうか。
またフェルケール博物館さんのインスタで
画像を上げてくれたら嬉しいですね。

缶詰記念館はあるのは分かっていましたが
和ガラスだけでお腹いっぱい、時間もなかったので行きませんでした。
写真を観ましたがなにやら非常に趣のある建物ですね(^_^)。

by 梅屋千年堂 (2023-04-26 22:31) 

おかん

昨日(27日)、長女と和ガラスコレクション行ってきました~清水駅から、おそらく梅屋さんと同じルートを歩きました。天気が良くてむしろちょっと暑かった。
私達の前後も女性二人組でおそらくアル中さん・・。でもその後には地元の方と見受けられる男性二人・・。見るものによってはちょっと交差するところもあり、賑わいは25日幸ちゃんが来た情報も関係してるのかな?!
かなりゆったり展示してあるのと、やはり手書きキャプションが魅力ですよね。長女も古い物や歴史がけっこう好きなので私の想像以上にじっくり見ていました~。

by おかん (2023-04-28 20:33) 

梅屋千年堂

>おかんさん
幸ちゃんの直筆落書き(?)が加わったことで
そして会期終了が迫っていることもあり
ちょっと混み始めているのかも知れませんね。
図録が安すぎて心配なアタシは、長浜でやったときみたいに
ポストカード作って売ればいいのに〜(絶対売れるのに〜)
と思いましたです(笑)。

by 梅屋千年堂 (2023-04-28 22:18) 

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