博物館に初もうで [EXHIBITION]
今年最初の展覧会はトーハクから。
国立西洋美術館でやっている『ピカソとその時代』を観る前に、
少しだけ東京国立博物館(トーハク)に立ち寄ることにした。
昨年、創立150周年を迎えたトーハク。
それを記念した『国宝 東京国立博物館のすべて』という展覧会が
10月から12月にかけて開催されていた。
観に行きたいと思いつつ、おそろしく混んでいそうなのと
そもそも大人気過ぎてチケットが取れなかったこともあり
結局訪れることなく終わってしまった。
この展覧会で長谷川等伯の『松林図屏風』も展示されていた。
展示期間は2週間弱ではあったが、そうなると
毎年恒例となっていたお正月の展示はさすがにお休みかな…と思っていた。
ところが、調べてみたら例年通りお正月の展示があるというヽ(^。^)丿。
ここはやはり一目この屏風を拝んでおかねば。
というわけで東京国立博物館。
空が青すぎる!。
到着したのが11時過ぎ。
『ピカソとその時代』は12時〜12時30分入場の日時指定券を
買っているので制限時間は1時間強。
1階の展示はスッ飛ばして、2階の2室=国宝室へ。
いつもだったら『松林図屏風』はここに展示されるのだけど
今回ここに展示されているのは『未来の国宝』。
今は国宝ではないけれど、150年後あるいはその先の未来に
国宝になり得るのではないか、という作品を展示していくという。
ということで現在この国宝室に展示されている未来の国宝候補は
伊藤若冲『玄圃瑤華』(げんぽようか)全48図のうちの6図。
年末に福田美術館で観た『髑髏図』と同じ、拓版画という技法で制作されたもの。
『紫陽花・冬葵』
『石竹・梅花藻』
『未草・鶏頭』
いずれもコントラストがくっきりとした白と黒だけで
デザインっぽく表現されているのに、生き物も植物も活き活きしている。
やっぱ若冲イイネ!などと思いながら、展示室をどんどん進む。
4室は茶道部の部屋。
ここにもアタシが好きなのがいろいろ(*^^*)。
長次郎『黒楽茶碗 銘 尼寺』。
美濃『志野草花文向付』
美濃『織部角鉢』
江戸時代のものだけど、モダンだなぁ。
そして甲冑とか刀剣の5・6室もスッ飛ばして
通常安土桃山〜江戸期の屏風と襖絵が展示されている7室へ。
今回『松林図屏風』は
「創立150周年特集 戦後初のコレクション」として
ここに展示されている。
さすがに多くの人が展示室内にひしめいて
正面から無人の写真はなかなか撮れそうにないので斜めから。
『松林図屏風』は、アタシに初めて日本画のカッコ良さと凄さを教えてくれた作品。
周りがガヤガヤザワザワしているので、
この絵に吸い込まれていくような没入感はさすがに味わえないものの
何度も何度も近づいたり離れたりしながら、
この絵から滲み出てくる「シン!」とした空気を味わった。
15分程滞在して気が済んだので、
気になる展示に足を止めながら出口へと向かう。
仁阿弥道八『黒楽鶴亀文茶碗』
アタシよっぽどこの茶碗が好きなんだな。4年前にも写真撮ってた(^o^;。
酒井抱一『扇面雑画 白梅』
出た!酒井抱一。
隣に同じく扇面に描かれた布袋さんの絵もあって
これも相当面白かったんだけど、写真撮るの忘れた…。
10室の浮世絵コーナーでは、歌川広重の『名所江戸百景』を特集。
これも大好きなシリーズ!。
歌川広重『名所江戸百景 神田明神曙之景』
神田明神の境内で神主さんや巫女さんが日の出を眺めている図。
ハテ?神田明神にこんな眺めの良い場所があっただろうか?と
帰宅してから『広重TOKYO 名所江戸百景』という本で調べたところ
神田神社は台地の端にあり、当時は境内から江戸市中が見渡せたらしい。
本館を出て、まだ少しだけ時間に余裕があったので
平成館 企画展示室の『博物館に初もうで 兎にも角にもうさぎ年』も覗いてみた。
うさぎにまつわる作品が展示されているということで
さぞかしかわいらしいものがいろいろあるだろうと期待したが
…そうでもなかった(笑)。
『金茶糸素懸威波頭形兜』(きんちゃいとすがけおどしなみがしらなりのかぶと)
波と兎を意匠にした兜。
なんか…『スターウォーズ/エピソード1』に出てきた
ジャージャービンクスっぽいというか、
どこかウルトラ怪獣のガンダーっぽいというか…
要するに、ちっとも強そうじゃない(^^;。
蓮池堂画『吉例 兎の年礼噺』(きちれい うのねんれいばなし)
実は卯年ではなく酉年の絵。
鶏のもとを訪れた兎が、多忙で年始まわりが遅くなったと自慢している
ところなのだそうだが、なにやら兎のワルそうな顔ときたら…(^^;。
中国・健窯『黒釉兎毫斑碗』(こくゆうとごうはんわん)
この茶碗のどこがうさぎなのだ?とハテナマークが頭に浮かぶが
釉薬の上に現れた銀色の細い線が兎の毛のように見えることから
中国ではこのような茶碗を「兎毫盞」と呼ぶとのこと。
ちなみに日本では穀物の穂の細い毛に見立てて
「禾目(のぎめ)天目」と呼ばれている。
少々駆け足気味でいろいろ観たのでちょっと疲れた。
平成館のラウンジで、ペットボトルのカフェオレ飲んでカフェイン摂取。
お昼を食べている時間はない。
国立西洋美術館へ急ぐのだ!。
《TO BE CONTINUED...つづく》
国立西洋美術館でやっている『ピカソとその時代』を観る前に、
少しだけ東京国立博物館(トーハク)に立ち寄ることにした。
昨年、創立150周年を迎えたトーハク。
それを記念した『国宝 東京国立博物館のすべて』という展覧会が
10月から12月にかけて開催されていた。
観に行きたいと思いつつ、おそろしく混んでいそうなのと
そもそも大人気過ぎてチケットが取れなかったこともあり
結局訪れることなく終わってしまった。
この展覧会で長谷川等伯の『松林図屏風』も展示されていた。
展示期間は2週間弱ではあったが、そうなると
毎年恒例となっていたお正月の展示はさすがにお休みかな…と思っていた。
ところが、調べてみたら例年通りお正月の展示があるというヽ(^。^)丿。
ここはやはり一目この屏風を拝んでおかねば。
というわけで東京国立博物館。
空が青すぎる!。
到着したのが11時過ぎ。
『ピカソとその時代』は12時〜12時30分入場の日時指定券を
買っているので制限時間は1時間強。
1階の展示はスッ飛ばして、2階の2室=国宝室へ。
いつもだったら『松林図屏風』はここに展示されるのだけど
今回ここに展示されているのは『未来の国宝』。
今は国宝ではないけれど、150年後あるいはその先の未来に
国宝になり得るのではないか、という作品を展示していくという。
ということで現在この国宝室に展示されている未来の国宝候補は
伊藤若冲『玄圃瑤華』(げんぽようか)全48図のうちの6図。
年末に福田美術館で観た『髑髏図』と同じ、拓版画という技法で制作されたもの。
『紫陽花・冬葵』
『石竹・梅花藻』
『未草・鶏頭』
いずれもコントラストがくっきりとした白と黒だけで
デザインっぽく表現されているのに、生き物も植物も活き活きしている。
やっぱ若冲イイネ!などと思いながら、展示室をどんどん進む。
4室は茶道部の部屋。
ここにもアタシが好きなのがいろいろ(*^^*)。
長次郎『黒楽茶碗 銘 尼寺』。
美濃『志野草花文向付』
美濃『織部角鉢』
江戸時代のものだけど、モダンだなぁ。
そして甲冑とか刀剣の5・6室もスッ飛ばして
通常安土桃山〜江戸期の屏風と襖絵が展示されている7室へ。
今回『松林図屏風』は
「創立150周年特集 戦後初のコレクション」として
ここに展示されている。
さすがに多くの人が展示室内にひしめいて
正面から無人の写真はなかなか撮れそうにないので斜めから。
『松林図屏風』は、アタシに初めて日本画のカッコ良さと凄さを教えてくれた作品。
周りがガヤガヤザワザワしているので、
この絵に吸い込まれていくような没入感はさすがに味わえないものの
何度も何度も近づいたり離れたりしながら、
この絵から滲み出てくる「シン!」とした空気を味わった。
15分程滞在して気が済んだので、
気になる展示に足を止めながら出口へと向かう。
仁阿弥道八『黒楽鶴亀文茶碗』
アタシよっぽどこの茶碗が好きなんだな。4年前にも写真撮ってた(^o^;。
酒井抱一『扇面雑画 白梅』
出た!酒井抱一。
隣に同じく扇面に描かれた布袋さんの絵もあって
これも相当面白かったんだけど、写真撮るの忘れた…。
10室の浮世絵コーナーでは、歌川広重の『名所江戸百景』を特集。
これも大好きなシリーズ!。
歌川広重『名所江戸百景 神田明神曙之景』
神田明神の境内で神主さんや巫女さんが日の出を眺めている図。
ハテ?神田明神にこんな眺めの良い場所があっただろうか?と
帰宅してから『広重TOKYO 名所江戸百景』という本で調べたところ
神田神社は台地の端にあり、当時は境内から江戸市中が見渡せたらしい。
本館を出て、まだ少しだけ時間に余裕があったので
平成館 企画展示室の『博物館に初もうで 兎にも角にもうさぎ年』も覗いてみた。
うさぎにまつわる作品が展示されているということで
さぞかしかわいらしいものがいろいろあるだろうと期待したが
…そうでもなかった(笑)。
『金茶糸素懸威波頭形兜』(きんちゃいとすがけおどしなみがしらなりのかぶと)
波と兎を意匠にした兜。
なんか…『スターウォーズ/エピソード1』に出てきた
ジャージャービンクスっぽいというか、
どこかウルトラ怪獣のガンダーっぽいというか…
要するに、ちっとも強そうじゃない(^^;。
蓮池堂画『吉例 兎の年礼噺』(きちれい うのねんれいばなし)
実は卯年ではなく酉年の絵。
鶏のもとを訪れた兎が、多忙で年始まわりが遅くなったと自慢している
ところなのだそうだが、なにやら兎のワルそうな顔ときたら…(^^;。
中国・健窯『黒釉兎毫斑碗』(こくゆうとごうはんわん)
この茶碗のどこがうさぎなのだ?とハテナマークが頭に浮かぶが
釉薬の上に現れた銀色の細い線が兎の毛のように見えることから
中国ではこのような茶碗を「兎毫盞」と呼ぶとのこと。
ちなみに日本では穀物の穂の細い毛に見立てて
「禾目(のぎめ)天目」と呼ばれている。
少々駆け足気味でいろいろ観たのでちょっと疲れた。
平成館のラウンジで、ペットボトルのカフェオレ飲んでカフェイン摂取。
お昼を食べている時間はない。
国立西洋美術館へ急ぐのだ!。
《TO BE CONTINUED...つづく》
2023-01-07 23:46
コメント(2)
流石、梅屋さん新年の行動も早い!(^^)!
『綾部角鉢『良いですね、ホント現代ものみたいですよね。
『少林図屏風』良いですね~。見に行こう!トーハク行こう!
って思いました!
by おかん (2023-01-08 12:40)
>おかんさん
トーハクの総合文化展は、なんとなくぶらぶらしてるだけでも楽しいです。
今年の『松林図屏風』の展示は15日(日)までとなっております。
いらっしゃるのであればお早めに!です。
by 梅屋千年堂 (2023-01-09 00:09)