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ART in LIFE, LIFE and BEAUTY展【1】 [EXHIBITION]

サントリー美術館のリニューアル・オープン記念展 第一弾。

久々のサントリー美術館…
と言ってもコロナ禍のせいではなく、
もともと去年の秋から改修工事のために休館していた。
本来は5月13日からリニューアルオープンの予定だったのだけど
さすがにそれは叶わず、7月22日からの再開となった。

リニューアル後の最初の展覧会は
『ART in LIFE, LIFE and BEAUTY』。
サントリー美術館が1961年の開館以来「生活の中の美」
つまりART in LIFEを基本理念として展示・収集行ってきたとのこと。
この基本理念に立ち返り、日本人の生活を彩ってきた優品を紹介し
更にこれらの品々を、現代作家の作品とクロスさせて
同時に展示するという新しい試みにもチャレンジしている。


真夏の東京ミッドタウン…
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4年前のちょうど今頃、まさに真夏の夜の夢を見たのだった。


サントリー美術館に到着。
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見た目ほとんど変わっていないようだけど
サントリー美術館のWEBサイトによれば、天井の耐震強化や
作品の再現性を高めるLED照明の導入、
エントランスやショップ、カフェのデザインをリニューアルしたらしい。
(でもやっぱりあんまり変わっていない気がするのだが…^^;)。

新型コロナ感染症拡大防止のため、入口は1ヶ所のみ。
そこで体温チェックと手指消毒を経て中へ入るのだけど
体温チェックの時に「ハイどうぞ」と前髪を上げておでこを出したら
「あ、手首で…(^^;」と言われて
ちょっと恥ずかしかったことはナイショだ(笑)。


館内のエレベーターで4階の展示室入口へ行くのも今まで通り。

入口でドドーン!と出迎えるのはこちらの作品。
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深見陶治『遥ヵノ景〈空へ〉』。
一見大きな刀剣のようだけれども
何かが地上から雲を突き抜けて天空に向かっていくようにも見える。


そしてその背後にあるのがこの展示。
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サントリー美術館が誇る国宝『浮線陵螺鈿蒔絵手箱』。
展示室の大きな丸い文様は、手箱のそれを超拡大したもの。
3年前の展覧会『神の宝の玉手箱』でも観たけれど、
その時よりも明るくて見易いような気がする。
細工の細かさがよーーーくわかる。

なんと言っても今回は特別に一部を除いて殆どの作品の撮影がOKなのが嬉しい。
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だからこんな風に目一杯寄っちゃったりなんかして。

というわけで、展示の第一章 一節は《装い:浮線陵螺鈿蒔絵手箱と化粧道具》。
平安から明治時代目での化粧道具や髪飾りを展示。
櫛・簪・笄がズラーッと並んだ一角があり
どれも華やかで綺麗なんだけど、特に目を引いたのがこれ。
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『鼈甲台牡丹沈金彫櫛』
沈金彫の繊細な表現がスゴイ。



二節は《装い:美人画と着物》。
江戸から近代までの美人画や浮世絵を通じて、当時の流行の変遷を読み解く。

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『吉原風俗図巻』
こたつ(?)に突っ伏して「およよ…」と泣いている女性と
部屋を出て行こうとする男、そしてその男を引き留めようとする男女。
なにやらただならぬ修羅場の様相(^^;。
左奥の方にいる白っぽい着物の遊女は
「足、どうなっちゃってんの?」である(笑)。


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小林清親『花模様 寛文元禄頃』

素敵な着物をクローズアップ。
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百人一首のかるたになってる。


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揚州周延『千代田の大奥 入浴』(部分)。
大判錦絵三枚組の一番左に描かれた女性…手動扇風機がウケる(笑)。
ハート模様(ではないと思うが)の団扇もファンシーだ(^m^)。
奥方様のために扇風機を回しているのだが
素敵な振袖の下は汗ビッショリに違いない…お気の毒。


出たっ!。
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『誰が袖図屏風』!。


この『誰が袖図屏風』の世界を再現したコーナーも。
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美麗な能装束は『段に市松入子菱に朝顔蝶菊模様唐織』。
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実はこの『誰が袖図屏風』の隣に
現代アーティストの山本太郎氏による
現代版誰が袖図屏風とも言える作品も展示されている。
生憎この作品は撮影不可なのだけど
描かれているモチーフはもちろん現代社会のもの。
カメラだったりデジタルプリンタだったり
カセットデッキだったりエレキギター(?)であったり
MacBookであったり…。

そんなのを眺めていたら
『高見沢が袖図屏風』なんて妄想が湧いてきて
誰もいない楽屋に派手な衣装とMacBookやらiPadやら
エンジェルギターやらゴジラのフィギュアやら
いろいろ描かれた金屏風が目に浮かんできた(笑)。


美しい打掛や帷子も。
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『白綸子地梅に熨斗蝶模様打掛』(部分)。
鹿の子絞りで表現された熨斗蝶の模様がスゴイ。

これはなんだかカワイイ。
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『白麻地蔦に花束雲模様帷子』。
先だってのトーハクでの「特別展 きもの」で予習したので
「帷子」も「摺匹田」もわかっちゃうんだもんね〜( ̄▽ ̄)。



第三節《装い:鎧兜と戦のいで立ち》では
武士が戦に出陣する時のいで立ちとして、鎧兜や馬具などを展示。

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『朱漆塗矢筈札紺糸素懸威具足』
(「しゅうるしぬりやはずざねこんいとすがけぐそく」と読む)。

おや…?
左側にいる小さな人は???

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野口哲哉『WHO ARE YOU 〜木下利房と仮定〜』。
これ!観たかったやつ!。
今回この展覧会を是非とも観たかった理由のひとつは
野口哲哉という作家の作品が展示されているからなのだ。

野口氏は樹脂やプラスチックを用いて
甲冑を纏った小さな武士を製作している現代アーティスト。
とにかく一度実物を観てみたかったのだ。

『WHO ARE YOU 〜木下利房と仮定〜』は
『朱漆塗矢筈札紺糸素懸威具足』に合わせて
今回の展覧会のために制作されたもの。
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前屈みになって座る姿になんだか哀愁を感じる。

野口氏がこの鎧兜について解説しているキャプションも
非常に興味深く面白かった。


奥のガラスケースにはこのような鎧兜も。
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『碁石頭切付縫延二枚胴具足』。
なにこの「うさ耳」みたいな兜!!!…と思ったら、
そうではなくて
「桃の葉を思わせる形状の脇立をともなう桃形(ももなり)兜である」
…だそうだ(^^;ゞ。


4階の展示はここまで。

こちらへどうぞ〜と、階下へいざなう平らな人々(笑)。
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《TO BE CONTINUED...長くなるのでつづく》
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コメント 2

あきよし

前売券買ってあった地元の美術館に行って来ました。
ウィーンの焼き物のコーナーがあり何気に観ていたら
「リュートを弾く天使」のお皿がありビックリ仰天
まさかここでお目にかかるとは!マスクの中は笑顔ニヤリ。
帰りは一度戻って再鑑賞してから出て来ました。
売店見たら沢山作品ある中ポストカード16種類あり
これもあり購入して来ました。
夜になり何気YouTube観ていたら91年92年のテレビ出演番組が
あり初代エンジェルギター2色両方登場してこれまたビックリ!
ミラクル鳥肌でした。

さて今日明日とやる方も観る方もお初の配信があり二人は自分で
チケット購入したみたいだし今後の参考にするのかな?
2月のソロコン以来のライブ楽しみます。
by あきよし (2020-08-24 17:06) 

梅屋千年堂

>あきよしさん
いいですねー、奏楽天使のお皿。
思わぬところで出会うと嬉しくなっちゃいますよね。
かなり以前(国立西洋美術館だったか…?)
何かイタリア系の展覧会の時に
ロッソ・フィオレンティーノの奏楽天使の複製画を販売していて
物凄く欲しかったけれど、当時まだ社会人になって日も浅く
お金がなくて買えなかったことをいまだに悔やんでいます。

配信ライブ、楽しかったですね(*^^*)。

by 梅屋千年堂 (2020-08-27 01:06) 

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