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香合百花繚乱 [EXHIBITION]

展覧会のタイトルに惹かれ、雨の根津美術館へ。

「香合」とは、茶道具のひとつで「香」を入れるための蓋付きの容器のこと。
その殆どは手のひらに乗るほどの大きさということもあり
とにかく「かわいい」ものが多い。

その「香合」が「百花繚乱」だなんて、
どんなに素敵な展覧会だろう!と、期待に胸を膨らませつつ根津美術館。
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チケットを買って展示室の中に入ってみると
寒い上に雨ということもあり館内はイイ感じで空いている。

茶道具としての初期の香合は、
南宋時代、明時代に中国で作られた漆器であったが
桃山時代あたりから国産の焼き物で香合が作られるようになる。

おそろしく細かい細工が施された唐物の漆器や景徳鎮も良いのだけど
個人的にはやっぱり日本で作られた焼き物の香合が良いなぁと思う。

思わず「うわぁ〜(♥▽♥)」となってしまうのは
やっぱり野々村仁清。
この展覧会では《銹絵太鼓形香合》、《銹絵琴形香合》、
《色絵ぶりぶり香合》、《色絵結文形香合》という4作品が展示されている。
正直「えっ?!仁清これだけ?(^^;」という感は否めなかったが
いずれも初めて観るものだったし
太鼓、琴などをミニチュア化した香合はとってもかわいい。

ちなみに《色絵ぶりぶり香合》というユーモラスな名前の香合は
「振振毬杖(ぶりぶりぎっりょう)」という球技に用いる槌をモチーフにしたもの。
その名前に反して、《色絵ぶりぶり香合》に施された鶴亀や松竹梅の色絵は
エレガントそのもの。展覧会では蓋を開けた状態で展示されているのだけど
その内部の透明感のあるブルーの釉薬が驚くほど美しいのだ。

仁清以外でも「あっ、これいいなぁ〜」と思うのはやっぱりミニチュアもので、
漆器では《御所車蒔絵香合》や《琴蒔絵香合》、
焼き物では《赤楽木魚形香合》(伝 樂宗入作)や
《黒楽琵琶形香合 銘 朝嵐》(伝 長次郎作)、
偕楽園で作られた《赤楽藁屋香合》などはホントによく出来ていた。

唐物では「えっ?これ象?!」という感じの《染付象形香合》や
瑠璃色が美しい《祥瑞瑠璃雀香合》(いずれも景徳鎮窯)、
漳州窯の《交趾大亀香合》、《交趾鴨香合》なんかは
思わず「フフッ(^m^)」と笑みがこぼれてしまう愛らしさ。
特に《交趾大亀香合》は、まんまるの目玉や
ミッフィーみたいなバッテン(×)で表された口が
なんとも言えずカワイイのだ(^m^)。

ミニチュアものの他にも、
蓋のつまみ部分が超ミニサイズの寿老人や獅子になっているものや
ちっちゃな器に施された色絵や文様がただただカワイイものなんかにも
目を奪われた。



展示を一通り観た後は…
「どうしよっかな〜」と迷いつつも
「せっかく来たんだし…(^^;ゞ」とNEZU CAFEへ。

そして「寒いよな〜」と思いつつ、
期間限定メニュー《あまおう苺と杏仁プリンのパフェ》!。
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苺のシャーベットの下に、杏仁プリン。
杏仁プリンと杏仁豆腐は何が違うのだ(-“-?なんて
どうでもいいことを考えながら、美味しくいただいた。


自分土産はポストカード2枚。
03_souvenir.jpg
(細長いのが《色絵ぶりぶり香合》)。
¥1,200というお手頃価格で図録らしきものもあったけど
仁清の香合があまり出ていない…ってことで購入には至らず。


正直なところ『百花繚乱』というには
ちょっと全体的に地味だったかな(^^;という感も否めなかった。
けれども、かわいい香合にたくさん出会えて
眼福であったことには間違いない(*^^*)。
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ポチヒコ

私は日曜日で終わったIsland Gallery元店長の安斎紗織さんの
彩色写真画展「百花繚乱」を見て来ました。
今回のを見ていて思ったのが進化していますね。
タッチも変えてきていて前回の物を超えてました。
作れば作る程自分の首を絞める彩色写真画。
デジタルでは表現できない物ですのでやっぱり生です。
欲しかったのですが手が出なかった。(残念)
ちょっと後悔もありますが安斎さんの手間も考えて。
まぁ、いい物を見させていただきました。



by ポチヒコ (2018-03-09 23:15) 

梅屋千年堂

>ポチヒコさん
そうそう、安斉さんの彩色写真画展も「百花繚乱」でしたね。
アタシはIsland Galleryのサイトでちょこっと拝見しただけですが
「花波」と「雫花」が素敵だなーと思いました。
すべてが一点モノでしょうから、きっと宝物感満載でしょうね(*^^*)。

by 梅屋千年堂 (2018-03-09 23:32) 

おかん

去年6月に根津美術館に行ってからすっかり気に入ってしまい、また秋にでも・・と思っていたのにもぅ3月。前回一緒に行った三女が9日卒業。なんとか無事に卒業できました。
今月中に拝見したいものです。
by おかん (2018-03-15 03:42) 

梅屋千年堂

>おかんさん
お嬢さんのご卒業おめでとうございます。
今月まで開催の「香合百花繚乱」も素敵ですが
来月からの「光琳と乾山」も必見ですよー。
国宝「燕子花図屏風」とお庭のリアル燕子花、両方楽しめます(*^^*)。
(ただしお庭ではヤブ蚊に注意…^^;)。

by 梅屋千年堂 (2018-03-15 23:28) 

おかん

いつも温かい言葉をありがとうございます。
グリーンホールの大学でした、
都内(池袋)に越しました。
by おかん (2018-03-17 17:39) 

梅屋千年堂

>おかんさん
グリーンホールの大学でしたか!。
卒業式はやはりグリーンホールで行うのでしょうか。

これからは都心にお住まいになるのですね。
社会人1年生、いろいろ大変だとは思いますが
楽しいことも嬉しいこともきっとたくさんありますね。
人生において、20代をどう過ごしたかが
結構重要になってくるので頑張って欲しいです。

by 梅屋千年堂 (2018-03-17 23:08) 

おかん

はい、入学式と卒業式グリーンホールでした。入学式は1階最後列、卒業式は2階最前列という極端な席に座ってみました~。

by おかん (2018-03-19 11:21) 

梅屋千年堂

>おかんさん
やはりそうなのですね。
アタシの母校は、入学式・卒業式とも武道館でした。
入学式では早く到着しすぎて最前列に(^^;。
これが生まれて初めての武道館最前列でした。

by 梅屋千年堂 (2018-03-21 00:13) 

おかん

最前列?!スバラシイ!
武道館と聞くだけで、ALFEE武道館に行きたくなるから不思議ですね(笑)


by おかん (2018-03-21 17:07) 

梅屋千年堂

>おかんさん
そして長年にわたり「武道館といえば12月」脳になっていますので
たまに他のアーティスト(主に小田さん)で
他の季節に武道館に行くと、なんだか物凄い違和感を覚えます(笑)。

by 梅屋千年堂 (2018-03-22 23:14) 

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