ルドルフ2世の驚異の世界展 [EXHIBITION]
Bunkamura ザ・ミュージアムで1月6日から始まった
『神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展』。
あれはまだ国立西洋美術館で『アルチンボルド展』をやっていた時だから
去年の夏の暑い盛りの頃だったと思う。
そこで手に入れたチラシの中に『ルドルフ2世の驚異の世界展』というものがあった。
そのチラシのメインビジュアルとしてアルチンボルドの
「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世」が使われていて
へぇ〜またアルチンボルドが来るんだ、じゃぁ観に行かなくちゃね、
というわけで、相当早い時期に早割前売券を買っていた。
来年の1月かー、まだまだ先だなぁ…なんて思っていたけれど
あっと言う間に夏が終わり、秋が来て、冬になり、年が明けて展覧会が始まった。
Bunkamura…
今年は(今のところ)INNOVATION CLASSICSがないんだなぁ
などと思いながら、ミュージアムのある地下へ。
今回の展覧会のタイトルになっている
神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世とはどんな人物なのか。
1552年生まれ。父はマクシミリアン2世。
神聖ローマ皇帝としての在位期間は1576年から1612年。
1583年にウィーンからプラハに首都を移し、
政治的にはまるでダメダメだったが、教養に富み、
芸術や学問といった文化の発展という点で才能を発揮した。
まぁ道楽が過ぎて政治がおろそかになるというよくいるタイプ(^o^;。
自分自身は国外に出ることはほとんどなく、
美術品のみならず、自然科学や天文学、錬金術などにも興味を持ち
様々な「珍しいもの」とコレクションしていったという。
それら皇帝のコレクションの様相を物語るような
絵画作品や工芸品や資料、約120点を紹介するのがこの展覧会。
「俺ってこんなにたくさん珍しいもん持ってたんだぜ〜」という
ルドルフ2世のドヤ顔が浮かんでくるんだけど
入っていきなり目に飛び込んでくるのがルドルフ2世のブロンズ胸像。
…気のせいかもしれないが、ホントにドヤ顔である(笑)。
ハプスブルク家に代々受け継がれるしゃくれ顎のせいかな…(^o^;。
いろんな珍品が並んでいるわけなのだけど、
作品数が多く、もっとも印象に残ったのが
ルドルフ2世のお抱え画家の一人、ルーラント・サーフェリー。
鳥獣画を得意とし、ルドルフ2世が所有していた動物園で飼育されていたと思われる
珍しい動物たちを様々な作品に残している。
その最たる作品が「動物に音楽を奏でるオルフェウス」。
竪琴の名手・オルフェウスが森の中で演奏していると
森中の動物たちがその周りに集まって、聴き入っている…という場面。
ライオン、ダチョウ、ラクダ、イノシシ、アイベックスのようなヤギ…
一緒にいるはずのない動物たちが一同に会している。
だがしかし…
…オルフェウス、どこ?(^^;。
まるで「ウォーリーをさがせ」のように目を皿のようにして探してみると
…あ、いた(・o・)。
画面中央、白馬の視線の先に、もンのすごくちっちゃく描かれている。
どう考えても、主役はオルフェウスではなくて動物たちなのだ。
他の作品も、幻想的で現実離れした風景の中に
様々な動物たちがリアルに描かれていて、不思議な雰囲気の作品ばかりだった。
(割と現実的な「2頭の馬と馬丁たち」という作品も
白馬のたてがみが異様に長くて思わず笑ってしまう(^m^))。
そしてこの展覧会の目玉といえば、
やはりジュゼッペ・アルチンボルドの
「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世」。
ルドルフ2世の治世の途中でミラノに戻ったアルチンボルドから
皇帝に贈られた作品。
様々な野菜や果物や花を用い、
果実と四季の移ろいを司るローマ神ウェルトゥムヌスとして
ルドルフ2世を描いたというアルチンボルドの真骨頂。
あらゆる季節のあらゆる野菜・果物・花で
世界の全てを支配する皇帝の権威を表現したこの作品を
ルドルフ2世はいたくお気に召したそうな…。
この作品の近くに、
やはり野菜や果物などを用いて人物を表現した
「なんちゃってアルチンボルド」な作品も展示されていたが
作者不詳とはいえ、もう本家との実力は雲泥の差(^^;。
やっぱりアルチンボルドって凄いんだなぁと改めて感じさせられるのであった。
思いのほか空いていて、
普段だったらスルーしてしまうような作品も
ついつじっくり観てしまい、たっぷり2時間鑑賞してしまった。
しかし思うにこの展覧会、ルドルフ2世がどうこうっていうよりも
このアルチンボルドの「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世」を
とにかく観て欲しい!っていうのがホントのところだったんじゃ?(^^;
なんて思いながら展示室を出ると、このようなフォトスポットが。
アルチンボルドの連作「四季」を立体作品に仕上げたフィリップ・ハースの作品。
もちろん「四季」のいずれもこの展覧会には来ていないので、
あ〜やっぱりアルチンボルドを観て欲しかったのね…と妙に納得(笑)。
それにしてもよく出来てる(◎_◎)!!!。
「春」と「夏」
「秋」と「冬」
植物はもちろんホンモノではなく、ファイバーグラス製。
家にある図版と比べて「うわ〜うわ〜うわ〜(おんなじだっ!)」。
アルチンボルドのこの作品を立体化するのは
一見簡単に出来そうだけども絶対無理!と思っていたので
これはもうホントにビックリした。
自分土産はポストカード。
ちなみに「バベルの塔」は、ブリューゲル風ではあるが
ルーカス・ファン・ファルケンボルフという画家の作品である。
このあともうひとつの展覧会をハシゴしたのだけど
それはまた後日の別記事で。
『神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展』。
あれはまだ国立西洋美術館で『アルチンボルド展』をやっていた時だから
去年の夏の暑い盛りの頃だったと思う。
そこで手に入れたチラシの中に『ルドルフ2世の驚異の世界展』というものがあった。
そのチラシのメインビジュアルとしてアルチンボルドの
「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世」が使われていて
へぇ〜またアルチンボルドが来るんだ、じゃぁ観に行かなくちゃね、
というわけで、相当早い時期に早割前売券を買っていた。
来年の1月かー、まだまだ先だなぁ…なんて思っていたけれど
あっと言う間に夏が終わり、秋が来て、冬になり、年が明けて展覧会が始まった。
Bunkamura…
今年は(今のところ)INNOVATION CLASSICSがないんだなぁ
などと思いながら、ミュージアムのある地下へ。
今回の展覧会のタイトルになっている
神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世とはどんな人物なのか。
1552年生まれ。父はマクシミリアン2世。
神聖ローマ皇帝としての在位期間は1576年から1612年。
1583年にウィーンからプラハに首都を移し、
政治的にはまるでダメダメだったが、教養に富み、
芸術や学問といった文化の発展という点で才能を発揮した。
まぁ道楽が過ぎて政治がおろそかになるというよくいるタイプ(^o^;。
自分自身は国外に出ることはほとんどなく、
美術品のみならず、自然科学や天文学、錬金術などにも興味を持ち
様々な「珍しいもの」とコレクションしていったという。
それら皇帝のコレクションの様相を物語るような
絵画作品や工芸品や資料、約120点を紹介するのがこの展覧会。
「俺ってこんなにたくさん珍しいもん持ってたんだぜ〜」という
ルドルフ2世のドヤ顔が浮かんでくるんだけど
入っていきなり目に飛び込んでくるのがルドルフ2世のブロンズ胸像。
…気のせいかもしれないが、ホントにドヤ顔である(笑)。
ハプスブルク家に代々受け継がれるしゃくれ顎のせいかな…(^o^;。
いろんな珍品が並んでいるわけなのだけど、
作品数が多く、もっとも印象に残ったのが
ルドルフ2世のお抱え画家の一人、ルーラント・サーフェリー。
鳥獣画を得意とし、ルドルフ2世が所有していた動物園で飼育されていたと思われる
珍しい動物たちを様々な作品に残している。
その最たる作品が「動物に音楽を奏でるオルフェウス」。
竪琴の名手・オルフェウスが森の中で演奏していると
森中の動物たちがその周りに集まって、聴き入っている…という場面。
ライオン、ダチョウ、ラクダ、イノシシ、アイベックスのようなヤギ…
一緒にいるはずのない動物たちが一同に会している。
だがしかし…
…オルフェウス、どこ?(^^;。
まるで「ウォーリーをさがせ」のように目を皿のようにして探してみると
…あ、いた(・o・)。
画面中央、白馬の視線の先に、もンのすごくちっちゃく描かれている。
どう考えても、主役はオルフェウスではなくて動物たちなのだ。
他の作品も、幻想的で現実離れした風景の中に
様々な動物たちがリアルに描かれていて、不思議な雰囲気の作品ばかりだった。
(割と現実的な「2頭の馬と馬丁たち」という作品も
白馬のたてがみが異様に長くて思わず笑ってしまう(^m^))。
そしてこの展覧会の目玉といえば、
やはりジュゼッペ・アルチンボルドの
「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世」。
ルドルフ2世の治世の途中でミラノに戻ったアルチンボルドから
皇帝に贈られた作品。
様々な野菜や果物や花を用い、
果実と四季の移ろいを司るローマ神ウェルトゥムヌスとして
ルドルフ2世を描いたというアルチンボルドの真骨頂。
あらゆる季節のあらゆる野菜・果物・花で
世界の全てを支配する皇帝の権威を表現したこの作品を
ルドルフ2世はいたくお気に召したそうな…。
この作品の近くに、
やはり野菜や果物などを用いて人物を表現した
「なんちゃってアルチンボルド」な作品も展示されていたが
作者不詳とはいえ、もう本家との実力は雲泥の差(^^;。
やっぱりアルチンボルドって凄いんだなぁと改めて感じさせられるのであった。
思いのほか空いていて、
普段だったらスルーしてしまうような作品も
ついつじっくり観てしまい、たっぷり2時間鑑賞してしまった。
しかし思うにこの展覧会、ルドルフ2世がどうこうっていうよりも
このアルチンボルドの「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世」を
とにかく観て欲しい!っていうのがホントのところだったんじゃ?(^^;
なんて思いながら展示室を出ると、このようなフォトスポットが。
アルチンボルドの連作「四季」を立体作品に仕上げたフィリップ・ハースの作品。
もちろん「四季」のいずれもこの展覧会には来ていないので、
あ〜やっぱりアルチンボルドを観て欲しかったのね…と妙に納得(笑)。
それにしてもよく出来てる(◎_◎)!!!。
「春」と「夏」
「秋」と「冬」
植物はもちろんホンモノではなく、ファイバーグラス製。
家にある図版と比べて「うわ〜うわ〜うわ〜(おんなじだっ!)」。
アルチンボルドのこの作品を立体化するのは
一見簡単に出来そうだけども絶対無理!と思っていたので
これはもうホントにビックリした。
自分土産はポストカード。
ちなみに「バベルの塔」は、ブリューゲル風ではあるが
ルーカス・ファン・ファルケンボルフという画家の作品である。
このあともうひとつの展覧会をハシゴしたのだけど
それはまた後日の別記事で。
2018-01-12 23:29
nice!(2)
コメント(2)
梅屋さんこんにちは。サントリー美術館とトーハクが終わる前になんとか行こうと思っておりますがこちらのBunkamuraもかなり気になってます。
もうひとつの展覧会の記事もお待ちしております!
高見沢さんのINNOVATION・・は発表になってないですよねぇ。
今年も行く気満々なの(だったの)ですが~。
by おかん (2018-01-13 07:58)
>おかんさん
全体を通して個性的な作品が多く、なかなか面白い展覧会でしたよ。
空いていたのでかなりじっくり観ることが出来ました。
>>INNOVATION CLASSICS
小説執筆とクラシックの並行はさすがにキビシイ…のかも知れませんね。
でも、いつかきっと第三弾があるに違いない!と勝手に信じています(笑)。
その時は「王子の姿が見える席」で観られますように…(^o^;。
もうひとつの展覧会の記事は、もう少しお待ち下さいませ〜。
(今日は職場の新年会で帰りが遅くなりましたので^^;ゞ)。
by 梅屋千年堂 (2018-01-14 01:11)