セーヴル、創造の300年 [EXHIBITION]
今年最初に行った展覧会(1/4に行ってきた)
『フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年』@サントリー美術館。
1740年、パリのヴァンセンヌに誕生した軟質磁器工房が
フランス国王ルイ15世の庇護を受けセーヴルに移転し、
王立の磁器製作所として成長。
そこで製作された18世紀〜現代までのセーヴル磁器を紹介する展覧会。
なんだかもうゴテゴテのコテコテのキンキラキンで
個人的にこういうのが好きかというと実はそうでもなく
サントリー美術館のメンバーズクラブの年会費の元を取るべく
折角だから観ておこう、そんなノリ(^^;ゞ。
東京ミッドタウンに到着したら、美術館の併設カフェでいきなりお茶。
今回の展覧会限定スイーツは
『豆乳ミックスベリーマフィンとショコラ・ショー』。
甘×甘の組み合わせだけれども、マフィンは甘すぎず優しい味。
ショコラ・ショーと一緒にいただくと、心身共に温まる(* ̄▽ ̄*)。
お腹が満足して、気分もゆったりしたところで鑑賞開始。
展示室に入って、初っ端の展示が
「乳房のボウル(「ランブイエの酪農場のセルヴィス」より)。
女性の乳房のカタチをしたボウルで、いきなり強烈なインパクトを放つ。
ルイ16世がマリー・アントワネットのために作らせたという
ミルクボウルなのだけど、キャプションには
「マリー・アントワネットが使用する筈だった」というような
書き方がなされていたので、実際は使わなかったってこと?と
製作年代を見てみたら1787-1788年となっていたから
相当ヤバくなってきていた頃だったのかも。
それにしても…この乳房のボウル、
お世辞にも趣味が良いとは思えないのだが…(^^;。
と、まぁ乳房のボウルのことはこれくらいにしておいて、
最初の4階の展示室では18世紀・19世紀の
いわゆるセーヴル、いかにもセーヴル、絢爛豪華な磁器が並ぶ。
まぁーなんというか、色鮮やかな絵付け、細かい金彩など
過剰!やり過ぎ!そんな装飾美に圧倒される。
これに果物が盛られていたとして、果たして美味しそうに見えるんだろうか?とか
これに花が生けられていたとして、花器の豪華さに花が負けてしまうのでは?とか
これが似合う部屋ってどういう部屋よ?(そりゃ宮廷でしょ)…などと
そんなしょーもないことばかり考えてしまう(^^;。
ひたすら「ハァーッ、凄いねぇ〜」そんな感じでタメイキしか出てこない。
なんだかもうゴテゴテで、観ているだけで疲れるなぁ〜(^o^;と思いつつ
これは素敵!と思ったのは
・デザート皿「青の二重線とバラと矢車菊のセルヴィス」より
・透かし彫りのかご
・「雄山羊のついた楕円壺」
・皿(パンプルネルのセルヴィス」より
・カップとソーサー「ジャスマン」
・「アンリ2世の杯」
などなど…。
3階の展示室の20世紀以降の作品になると
アール・ヌーヴォーやアール・デコを取り入れたりして、
ちょっと様変わりしてくる。(ここでは一部の作品が撮影OK)。
テーブルセンターピース「スカーフダンス」より、ダンサー。
まるで大理石彫刻。一体どうやってこんなのを焼くんだろう?。
驚きべきは、セーヴルが初めて迎えた外国人アーティストが
沼田一雅という日本人であったこと。
これはその沼田一雅による「孔雀」と「獅子」。
孔雀と獅子が睨み合うような、緊張感漂う展示方法が個人的にツボ。
「モンシャナンC」という大きな壺。
壺「アシェール」。
アール・ヌーヴォー風。こういうの好き。
「リュールマンの花瓶No.2」。
この花瓶の装飾を手掛けたのはルネ・ラリックの娘の
シュザンヌ・ラリック=アヴィラン。
左:茶入れ「ビュリー」 右:ダンサーNo.1。
同じ「ダンサー」でも、さきほどの大理石のような白いダンサーとは大違い。
こちらは悪魔というか、魔女というか、怪しい艶めかしさを湛えたダンサー。
けれども何故かとっても惹きつけられる。
そして!
これを観るためにこの展覧会に来たと言っても過言ではナイ
草間彌生『ゴールデン・スピリット』。
1960年代以降のセーヴルは、歴代の名品の復刻を続ける傍ら
新しい磁器芸術を作り出すことにも力を注いできた。
このやよいちゃんの作品の制作年は2005年。
…なんだかウルトラ怪獣でこういうのいそう(^o^;。
最後の展示室には、こうした現代のアーティストと
セーヴルとのコラボレーションを紹介。
そう言われなければセーヴルだとはわからないけれど
このやよいちゃんの作品の他にも魅力的な作品で溢れていて
・スーラージュの壺
・メトロの壺
・ルイスの壺
・プレルの壺(ポーリアを捜して昇るドラゴン)
・「実り」文様のカップとソーサー
・花器《Sakura》
このあたりが個人的にお気に入りだった。
メンバーズクラブの年会費5000円の元を取るために
観に行ったようなものだったのだけど(^o^;
思っていたよりもずっと素敵な展覧会だった。
2月末でメンバーズクラブの期限が切れてしまうのだけど、
更新するかどうか目下悩み中…。
2018年は、昨年と比べて「観たい!」と思う展覧会が少なくて
元が取れないんじゃないかという気がする。
でも、今回のように元を取るために行ってみたら案外良かったなんてこともあるし
なにしろ東京ミッドタウンとサントリー美術館の雰囲気が好きなのだ。
不室屋カフェの割引きも魅力的だし〜…。
でも出光美術館の水曜講演会会員も気になるし〜(でも高いし〜)。
…もう少し悩もう(笑)。
----------------------------------------------
《オマケ》
今年行こうと計画している展覧会の覚え書き
●「博物館に初もうで」@東京国立博物館(〜1/28)
●「レアンドロ・エルリッヒ展」@森美術館(〜4/1)
●「ルドルフ2世の驚異の世界展」@Bunkamura ザ・ミュージアム(〜3/11)
●「色絵Japan CUTE!」@出光美術館(1/12〜3/25)
●「ブリューゲル展」@東京都美術館(1/23〜4/1)
●「MJ’s FES みうらじゅんフェス!マイブームの全貌展」
@川崎市民ミュージアム(1/27〜3/25)
●「寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽」@サントリー美術館(2/14〜4/8)
●「香合百花繚乱」@根津美術館(2/22〜3/31)
●「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」(2/24〜5/27)
●「琳派 -俵屋宗達から田中一光へ-」@山種美術館(5/12〜7/8)
●「ルーヴル美術館展 肖像芸術 -人は人をどう表現してきたか」
@国立新美術館(5/30〜9/3)
●「縄文 -1万年の美の鼓動」@東京国立博物館(7/3〜9/2)
●「フェルメール展」@上野の森美術館(10/5〜’19/2/3)
●「ルーベンス展 -バロックの誕生」@国立西洋美術館(10/16〜’19/1/20)
●「ムンク展」@東京都美術館(10/27〜’19/1/20)
なんだかもう、リストアップしただけで顔がムンクの叫び状態である…。
『フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年』@サントリー美術館。
1740年、パリのヴァンセンヌに誕生した軟質磁器工房が
フランス国王ルイ15世の庇護を受けセーヴルに移転し、
王立の磁器製作所として成長。
そこで製作された18世紀〜現代までのセーヴル磁器を紹介する展覧会。
なんだかもうゴテゴテのコテコテのキンキラキンで
個人的にこういうのが好きかというと実はそうでもなく
サントリー美術館のメンバーズクラブの年会費の元を取るべく
折角だから観ておこう、そんなノリ(^^;ゞ。
東京ミッドタウンに到着したら、美術館の併設カフェでいきなりお茶。
今回の展覧会限定スイーツは
『豆乳ミックスベリーマフィンとショコラ・ショー』。
甘×甘の組み合わせだけれども、マフィンは甘すぎず優しい味。
ショコラ・ショーと一緒にいただくと、心身共に温まる(* ̄▽ ̄*)。
お腹が満足して、気分もゆったりしたところで鑑賞開始。
展示室に入って、初っ端の展示が
「乳房のボウル(「ランブイエの酪農場のセルヴィス」より)。
女性の乳房のカタチをしたボウルで、いきなり強烈なインパクトを放つ。
ルイ16世がマリー・アントワネットのために作らせたという
ミルクボウルなのだけど、キャプションには
「マリー・アントワネットが使用する筈だった」というような
書き方がなされていたので、実際は使わなかったってこと?と
製作年代を見てみたら1787-1788年となっていたから
相当ヤバくなってきていた頃だったのかも。
それにしても…この乳房のボウル、
お世辞にも趣味が良いとは思えないのだが…(^^;。
と、まぁ乳房のボウルのことはこれくらいにしておいて、
最初の4階の展示室では18世紀・19世紀の
いわゆるセーヴル、いかにもセーヴル、絢爛豪華な磁器が並ぶ。
まぁーなんというか、色鮮やかな絵付け、細かい金彩など
過剰!やり過ぎ!そんな装飾美に圧倒される。
これに果物が盛られていたとして、果たして美味しそうに見えるんだろうか?とか
これに花が生けられていたとして、花器の豪華さに花が負けてしまうのでは?とか
これが似合う部屋ってどういう部屋よ?(そりゃ宮廷でしょ)…などと
そんなしょーもないことばかり考えてしまう(^^;。
ひたすら「ハァーッ、凄いねぇ〜」そんな感じでタメイキしか出てこない。
なんだかもうゴテゴテで、観ているだけで疲れるなぁ〜(^o^;と思いつつ
これは素敵!と思ったのは
・デザート皿「青の二重線とバラと矢車菊のセルヴィス」より
・透かし彫りのかご
・「雄山羊のついた楕円壺」
・皿(パンプルネルのセルヴィス」より
・カップとソーサー「ジャスマン」
・「アンリ2世の杯」
などなど…。
3階の展示室の20世紀以降の作品になると
アール・ヌーヴォーやアール・デコを取り入れたりして、
ちょっと様変わりしてくる。(ここでは一部の作品が撮影OK)。
テーブルセンターピース「スカーフダンス」より、ダンサー。
まるで大理石彫刻。一体どうやってこんなのを焼くんだろう?。
驚きべきは、セーヴルが初めて迎えた外国人アーティストが
沼田一雅という日本人であったこと。
これはその沼田一雅による「孔雀」と「獅子」。
孔雀と獅子が睨み合うような、緊張感漂う展示方法が個人的にツボ。
「モンシャナンC」という大きな壺。
壺「アシェール」。
アール・ヌーヴォー風。こういうの好き。
「リュールマンの花瓶No.2」。
この花瓶の装飾を手掛けたのはルネ・ラリックの娘の
シュザンヌ・ラリック=アヴィラン。
左:茶入れ「ビュリー」 右:ダンサーNo.1。
同じ「ダンサー」でも、さきほどの大理石のような白いダンサーとは大違い。
こちらは悪魔というか、魔女というか、怪しい艶めかしさを湛えたダンサー。
けれども何故かとっても惹きつけられる。
そして!
これを観るためにこの展覧会に来たと言っても過言ではナイ
草間彌生『ゴールデン・スピリット』。
1960年代以降のセーヴルは、歴代の名品の復刻を続ける傍ら
新しい磁器芸術を作り出すことにも力を注いできた。
このやよいちゃんの作品の制作年は2005年。
…なんだかウルトラ怪獣でこういうのいそう(^o^;。
最後の展示室には、こうした現代のアーティストと
セーヴルとのコラボレーションを紹介。
そう言われなければセーヴルだとはわからないけれど
このやよいちゃんの作品の他にも魅力的な作品で溢れていて
・スーラージュの壺
・メトロの壺
・ルイスの壺
・プレルの壺(ポーリアを捜して昇るドラゴン)
・「実り」文様のカップとソーサー
・花器《Sakura》
このあたりが個人的にお気に入りだった。
メンバーズクラブの年会費5000円の元を取るために
観に行ったようなものだったのだけど(^o^;
思っていたよりもずっと素敵な展覧会だった。
2月末でメンバーズクラブの期限が切れてしまうのだけど、
更新するかどうか目下悩み中…。
2018年は、昨年と比べて「観たい!」と思う展覧会が少なくて
元が取れないんじゃないかという気がする。
でも、今回のように元を取るために行ってみたら案外良かったなんてこともあるし
なにしろ東京ミッドタウンとサントリー美術館の雰囲気が好きなのだ。
不室屋カフェの割引きも魅力的だし〜…。
でも出光美術館の水曜講演会会員も気になるし〜(でも高いし〜)。
…もう少し悩もう(笑)。
----------------------------------------------
《オマケ》
今年行こうと計画している展覧会の覚え書き
●「博物館に初もうで」@東京国立博物館(〜1/28)
●「レアンドロ・エルリッヒ展」@森美術館(〜4/1)
●「ルドルフ2世の驚異の世界展」@Bunkamura ザ・ミュージアム(〜3/11)
●「色絵Japan CUTE!」@出光美術館(1/12〜3/25)
●「ブリューゲル展」@東京都美術館(1/23〜4/1)
●「MJ’s FES みうらじゅんフェス!マイブームの全貌展」
@川崎市民ミュージアム(1/27〜3/25)
●「寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽」@サントリー美術館(2/14〜4/8)
●「香合百花繚乱」@根津美術館(2/22〜3/31)
●「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」(2/24〜5/27)
●「琳派 -俵屋宗達から田中一光へ-」@山種美術館(5/12〜7/8)
●「ルーヴル美術館展 肖像芸術 -人は人をどう表現してきたか」
@国立新美術館(5/30〜9/3)
●「縄文 -1万年の美の鼓動」@東京国立博物館(7/3〜9/2)
●「フェルメール展」@上野の森美術館(10/5〜’19/2/3)
●「ルーベンス展 -バロックの誕生」@国立西洋美術館(10/16〜’19/1/20)
●「ムンク展」@東京都美術館(10/27〜’19/1/20)
なんだかもう、リストアップしただけで顔がムンクの叫び状態である…。
2018-01-08 23:44
nice!(2)
コメント(2)
草間さんとのコラボ、なんだかよくわからないけどカワイイ!って感じで個人的には好きになりました。
今年もたくさんの美術レポも読めそうで楽しみですが、個人的にはムンク好きなので観に行かれたらレポ読みたいです。
(催促みたいですみません。)
by なき (2018-01-09 21:34)
>なきさん
知っている作品は少ないのですが、アタシもムンクが好きなので
今年のムンク展はとても楽しみにしています。
まだまだ先だなぁ…と思いつつ、でもきっとあっと言う間に
やってきそうな気もします(^^;。
by 梅屋千年堂 (2018-01-10 02:29)