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はじめての古美術鑑賞 -紙の装飾- [EXHIBITION]

久しぶりの根津美術館。

…と思ったけれど、思ったほど久しぶりではなく約1年半ぶりだった。
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根津美術館といえば、4〜5月の『燕子花図屏風』だけれども
激混みのその時期には行かずに、あえて今、行く。
(ホントは『燕子花〜』も観たかったんだけどもね^^;ゞ)。

しかも今やっている展示のテーマは「料紙」。マニアックである。
タイトルは『はじめての古美術鑑賞 -紙の装飾-』。
敷居が高いと思われがちな日本の古美術に
親しみを持ってもらおうということらしい。

『初めての古美術鑑賞』シリーズは、昨年に引き続き2回目の企画だそうで
今年は「読めない」という理由から敬遠されがちな「書」の作品に対して
「料紙」という観点からアプローチしてみよう、というものだそうだ。

確かにアタシも「読めない」けれど、
常日頃から「読めるようになりたい」と思って、
時々思い出したように勉強してるし(だから全然身につかないけど)
「書」が書かれているテクスチャには非常に興味がある。
興味を持ったきっかけは
俵屋宗達が花鳥を描いた料紙に、本阿弥光悦が書いた「書」。
料紙と書との呼応の妙にすっかり魅せられたのだった。

展示は、「雲母(きら)摺り」から始まって、
「染め」「金泥・銀泥」「砂子」「切箔」「野毛」「具引き」「継紙」
「打曇り」「墨流し」「飛び雲」など
料紙の装飾どのようにして作られているのかを、
作品を通して説明してくれる。

今まで「綺麗な紙だな〜」とぼんやり眺めていた料紙が
そこに書かれている文字を飛び越えて、バーン!とクローズアップされると
もはや主役は「書」なのか「紙」なのかすら判然としなくなってくる。

更に、何百年も前に作られた紙に書かれているのにもかかわらず
(銀泥などは酸化して黒ずんでしまってはいるももの)
殆どの作品が、その美しさが保たれているのがスゴイ。

濃い藍色に金砂子の料紙に金泥で文字が書かれている
『華厳経巻第三十七(泉福寺焼経)』は、
火事に遭って上下が焼け焦げてしまっているのだけど
その焼け焦げの色と形がいい味を出していてカッコイイ。

その近くに国宝『無量義経』があるのだけど、
見た目が割と地味なので、最初は「えっ?これが国宝?(^^;」という感じ。
でもキャプションや音声ガイドに沿ってじっくり観ていくと
紙の裏から色を塗った濃い茶の紙と薄茶の紙を交互に繋いで
そこに細かく切った金箔を散らして、界(罫線みたいなもの)は金泥で引かれ
主役である文字の一つ一つも整然として美しい。地味だけど、凄く上品。

うっかりするとスルーしてしまいそうな場所に
ひっそりと展示されていているので
見逃して帰ってしまう人もいるんじゃないか?と余計な心配したりなんかして(^^;ゞ。

こうした古(いにしえ)の「書」ももちろん素晴らしいのだけど
大正〜昭和初期に、田中新美によって制作された
2つの模本『本願寺本三十六人家集(模本)』『平家納経(模本)』が凄かった。
特に『平家納経(模本)』の煌びやかさには圧倒された。
(あああ〜〜〜厳島神社にある本物も観てみたくなっちゃったなーーー!。
 ↑毎年期間限定で、ちょびっとだけ公開してるらしい)。


それにしても、こうした美しい料紙に、
一発勝負で書を書くのって物凄い緊張感だろうなぁ。
自分も昔書道をやっていたけど、
展覧会とかに出す本番用の色紙に書くときって
「失敗したらどうしよーーーー(O_O)」って
めちゃくちゃドキドキしたもんなぁ〜(^o^;。




と、美しい料紙の数々に感動した後は
テーマ展示の一部をサーッと流し見して、お待ちかねのランチタイムヽ(^。^)丿。
今日は久しぶりにNEZUCAFEでランチするぞ〜!と決めていた。

が、昼時だし待たされるだろうな〜と覚悟を決めて行ってみたら…
アラ!空いてる!(・o・)。
…すぐにカウンター席に案内された。

食べたいものも決めていた。
一度食べてみたいと思っていた「ミートパイ」!。
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最初、フォークとナイフでお上品にいただこうと試みたが
まず半分に切って、更に1/4に切ろうとしたら、
なんだかサクサクすぎて、ボロボロに壊れてしまいそうだったので
ちょっとお行儀は悪いかも知れないが、手で行くことにした(^o^;。

サックサクで、あっつあつで…美味ーーーーー!!!(≧▽≦)。
ケチャップやマスタードを付けても美味しいが、
そのままでももちろん美味しい。

そして付け合わせのサラダも美味しい。
なんだろう?、何が入っているのかよくわからないが、
ドレッシングがものすごく美味しかった。

食後のカプチーノ。
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逆光気味でわかりづらいけれど、カップが燕子花。

窓に面したカウンター席なので、眺めも良く…う〜〜〜ん、至福〜。
2週続けてこんな至福を味わって良いのだろうか〜(* ̄▽ ̄*)。


自分土産はポストカードと、燕子花のトレシー(笑)。
04_souvenir.jpg
ちょうど新しい眼鏡拭きが欲しかったもんで(^^;ゞ。


とってもイイ気分で、根津美術館を後にして
次に向かうは六本木、東京ミッドタウンのサントリー美術館なのダ。


《TO BE CONTINUED…つづく》




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《オマケ》
THE ALFEEの“人生を語らず”…
ラジオで聴いて、あまりのカッコ良さに倒れそうになって、
おっと〜!と前のめりになったその勢いで思わずポチったCD。
Amazonから今日届いた!。

今日までそして明日からも、吉田拓郎 tribute to TAKURO YOSHIDA

今日までそして明日からも、吉田拓郎 tribute to TAKURO YOSHIDA

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal Music =music=
  • 発売日: 2017/06/07
  • メディア: CD


もうイントロからして好き!ツボ!(笑)。
いつかアルフィーのステージで、生で聴ける機会があったら嬉しい。

とりあえず今日はこれをヘヴィロテ。
他の方々の楽曲は、明日ゆっくり聴こーっと===ヘ( ;^^)ノ。
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コメント 8

おかん

数年前、公民館の書道に誘われました。子供の書道道具を持って行ってみた。半紙は先生の高そうな紙を(有料で)〝分けていただく〟という当時80過ぎの先生。私以外のベテランは草書をやっていました。私は全く読めないし書けない(筆の使い方が解らない・・)。

少し前にTVで「料紙」を作っている方を取り上げられていました。構図というのかな・・その職人さんの感性が凄いですね。因みに作業は真夜中。シーンとしてる中で集中、と仰ってました。

「読めない」という理由から敬遠されがちな「書」の作品に対して
「料紙」という観点からアプローチしてみよう、というものだそうだ。
ん~なるほど。ちょっと興味が出てきました。
梅屋さん、ありがとうございました!
by おかん (2017-06-09 05:39) 

梅屋千年堂

>おかんさん
たま〜に筆で字を書いてみたくなることがあります。
でもわざわざ墨を擦るのは面倒なので、もっぱら筆ペンですが…(^^;ゞ。
根津美術館のミュージアムショップで、
素敵な写経セット(筆・墨・硯・用紙のセット)が売られていて
ちょっと欲しくなってしまいましたが、値段が一万なんぼしたんで
そ〜っと棚に戻しました(笑)。

「書」…読めるようになりたいです。
(習ってたのに、なんで読めないんだ?自分)。
そうしたらこういう展覧会がもっと楽しくなると思うのです。

by 梅屋千年堂 (2017-06-09 22:06) 

おかん

日曜日に表参道駅で三女と待ち合わせして、根津美術館初めて行きました。館内もお庭も素敵でした~。
『華厳経巻第三十七(泉福寺焼経)』火事にあっても残っているなんて、素敵ですよね。すぐには燃えないようになっているのですね。本当に、どれも綺麗に今まで残っていたのが浪漫ですね。
因みに私達の前に居た女性はずっと鉛筆でメモ書きしていました。
ミュージアムショップの写経セットみましたよ・・1万5千・・とかでしたか。墨を擦るところから心を落ち着かせ・・みたいな感じなのでしょうか。

by おかん (2017-06-13 06:02) 

梅屋千年堂

>おかんさん
根津美術館の庭園、いいですよね〜。
ただこの時期の庭園は…蚊が多い!!!(笑)。
以前、燕子花の時期に行った時には
写真を撮ろうとしてジッと構えていると
「今だ!」とばかりに蚊が寄ってきて、もぉ〜ヤメテ!って感じでした。
なので、それ以来NEZUCAFEより先には行ってません(^^;。
おかんさんたちは蚊の襲来に遭いませんでしたか?。

池があるから燕子花が楽しめるわけですが
池があるから蚊も多い…もうしょうがないですよね(^^;ゞ。
虫除けスプレー浴びていくしかないか(笑)。

by 梅屋千年堂 (2017-06-13 22:16) 

おかん

ご心配ありがとうございます。私はGパンにスニーカーという・・アルコンのような服装でしたので蚊は大丈夫でした。あ、虫刺されの薬(ムヒ)は常に持ち歩いてます(笑)

カキツバタの時期、とても良いでしょうね~!(^^)!

by おかん (2017-06-14 03:18) 

梅屋千年堂

>おかんさん
いやぁ〜アタシも同じような恰好だったんですけどね、
手のひらだとか顔面だとか、少ない露出部分を狙って
プィ〜ン…と飛んできやがるのですよ。
でも刺されなくて良かったですね。最近の蚊はタチの悪いのもいますから(-_-;。

ナカーマ!(←死語?^o^;)。
アタシもかゆみ止め常備してまーす(ちなみにムヒアルファEXです笑)。

燕子花、こんな感じ↓でーす。
http://humezawa.blog.so-net.ne.jp/2014-05-10
by 梅屋千年堂 (2017-06-15 00:35) 

おかん

梅屋さん、ありがとうございます。燕子花の時期は混んでるのですね・・。でも、なんともいえない色ですよね、とても綺麗でしょうね~。
検索して秋に行かれた時の記事も見させていただきました。機会をを作って行きたいです。

そういえばドジな私は館内の展示室でガラスにおでこをガンッ!とぶつけてしまい恥ずかしかったです・・。もっと恥ずかしいのは一緒にいた娘だったかも。
ど素人バレバレですね・・。
by おかん (2017-06-16 03:00) 

梅屋千年堂

>おかんさん
>>おでこをガンッ!
アタシがよくやってしまうのは、夢中になるあまり
床に貼られた「これ以上作品に近寄らないでね」テープを超えてしまい
展示室の端っこにスタンバっているスタッフさんから注意を受ける、です(^^;ゞ。

先日のジャコメッティ展でも、ついつい近づき過ぎてしまい
スタッフさんが注意しに近寄ってくる気配に気付いて離れる…
でもしばらくすると忘れてまた近づき過ぎ、
スタッフさんが寄ってくる気配でまた離れる…
「だるまさんがころんだ」のように、そんなことを繰り返してました。
(別にスタッフさんをからかっているわけではありませんよ〜^o^;)。

by 梅屋千年堂 (2017-06-16 21:57) 

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