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エッシャー展 [EXHIBITION]

『ハウステンボスコレクション 
 エッシャー展 視覚の魔術師』@そごう美術館

escher_1.jpg
マウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898-1972)といえば
不可思議であり得ない立体や、だまし絵的な作品で有名だが
この展覧会ではそうした作品だけでなく、初期の肖像画や風景画なども紹介する。

冒頭のコーナーでは、自分や家族の肖像画から始まり
1920年代後半のイタリア・スペイン旅行中に描いた風景版画が並んでいる。
そんな若かりし頃のエッシャーの作品を眺めていると
後のエッシャーの不思議世界(ありえない世界)を描いた作品から滲み出る説得力は
卓越したデッサン力とデザイン力から生み出されているのかも知れないと感じた。
それでも、卓越したデッサン力の中にも既にエッシャーらしさが出てきており
なんとな〜くパースが変だな、と思えるものもある。

実際の風景を忠実に描いていると思われるのに
エッシャーの手に掛かると、それがこの世に存在しない超現実の世界に見えてきてしまう。
『モラノ(カラブリア)』
『カルビの松林(コルシカ)』
『サン・ピエトロ大聖堂の内部』
このあたりの作品は、リアルなのに不思議な世界観を醸し出していた。

ちなみに、エッシャーの作品に繰り返し模様が多いのは
2回目のスペイン旅行で訪れたアルハンブラ宮殿のモザイク模様に
インスパイアされたことに端を発しているらしい。

その後、いわゆるエッシャーの作品として有名な
同じ図形の繰り返しで描かれた作品が増えていく。

なんだか目が回りそうな作品ばかりが並ぶようになるけれども
『昼と夜』(昼と夜左右対称の田園風景から白い鳥と黒い鳥が飛び立つ有名な作品)
『メタモルフォーゼ II』(横長の画面の上で様々な変容を遂げていく物体と動物)
『爬虫類』(平面からワニが浮き上がり、1周してまた平面に戻っていく)
『魚とうろこ』(トランプの絵札のように上下対称の画面を魚が埋め尽くす)
このあたりが個人的にお気に入り。

殆どの作品がリトグラフや木版といった版画作品で
その多くが白と黒のモノトーンの世界なのだけど、それが逆にすごくオシャレ。
というか、これらの作品に色が付いていたらうるさくて仕方ないかも(^o^;。

展示の終盤は、いわゆる「だまし絵」の世界。
見つめれば見つめるほどに、視点がころころ入れ替わり
うぉぉぉぉ〜〜〜∫(TOT)∫であった(笑)。


エッシャーがデザインした年賀状なども展示されていたのだけど
これが、日本人がイメージするような、おめでたい図柄では全くナイ!
でも、こんな手の込んだ年賀状もらったら嬉しいカモ。
そんなことを考えながら、そういえば中学時代の
美術部の顧問だった先生からいただくシルクスクリーンの年賀状は、
今思うとちょっとエッシャー風だったような気がする…
なんてことを思い出した。


展示の最後は撮影OKの《錯視体験コーナー》。
現実にはあり得ないだまし絵の世界の立体化を試みたもの。
ある特定の1点から観たときにのみ、
「あり得ない立体」が「ある得る立体」に見えるというやつ。
まぁいずれもどこかで見たことのあるものばかりだったが
これはちょっと驚いた。

目の前にある立体と、鏡に映る立体の形がまったく別モノ!。
sakushi_1.jpg


sakushi_2.jpg
視点を変えて見てみれば仕掛けは一目瞭然なんだけど
最初は「えっ?!なんでなんで?!」と頭の中がハテナマークで一杯になった。


自分土産はポストカード3枚。
escher_2.jpg
左上は『深み』という作品で、これもかなりお気に入り。
飛行船のような魚のような生物の瞳がパイカットなのがカワイイのだ。





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《オマケ》
本日9月29日は「招き猫の日」だそうで。
…THE ALFEE『秋フェス』のグッズもそろそろ判明するころだろうか…。
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コメント 10

おかん

ツアーグッズ発表になってますね、招き猫いっぱい。

私のもう一足の草鞋、kinki、昨日武道館公演でした。ALFEEさん以外ではマライア・キャリーで行っただけ・・。Kinki Kidsはデビュー前に1度武道館でLIVEしてるそうです、22年ぶりって(笑)。とにかくいつもの武道館と違いすぎ、不思議な感覚でした。
by おかん (2016-09-30 15:01) 

梅屋千年堂

>おかんさん
春のだるまグッズは、近年になくハマりまくって買いまくったアタシですが
今回は定番モノ以外は「うーん…(^^;」なアタシです。
付録はプロマイドよりもトークCDがいいんだけどなぁ〜。
そしてパンフレットの説明文に、2回繰り返して書かれている部分があるのは
そこが《大事なこと》だからなんでしょうか。
《大事なこと》だから2回繰り返したんでしょうかっ?!(笑)。

武道館って、アルフィーで慣れすぎていて
他のアーティストで他の季節に行くと、すごく違和感がありますよね(^^;。

by 梅屋千年堂 (2016-09-30 22:15) 

こたろう

エッシャー展!(o^^o)
ありがとうございます。
やっぱりエッシャーって面白い!
爬虫類?かな。ポストカード持ってます。
また、初期の作品も見てみたくなりました。
ハウステンボスコレクション⁈
って…日本のですか?

グッズ、発表になりましたね。
まだ画像が出ていないけど、紹介文を読むと、私はかなり惹かれてしまいます。あぁ、また散財しそう。
でも、トークCD、欲しかったですね。
いつもライブ帰りに聞きながら、大笑いして帰ってきていたので、残念です。

PS 梅屋さん、大事なこと2回、よく気がつかれましたね。すごい!マニアの案内にはなかったので、改めてサイトを見直しちゃいました。
by こたろう (2016-09-30 23:10) 

梅屋千年堂

>こたろうさん
エッシャーは見ていて飽きることがないですね。
不思議世界にどんどん引き込まれてしまいます。
ちなみにハウステンボスとは、長崎にあるあのハウステンボスです。
殆どが版画作品とはいえ、物凄いコレクション数ですよね。驚きました。

トークCD、アタシも大好きだったんですけど…残念です。
(今やあれがメインと言っても過言ではナイ???←超小声)。
ネタ切れでしょうか?(^^;。
別にトークテーマなんてなくても、3人のクロストークだけで十分なんですが(笑)。

by 梅屋千年堂 (2016-10-01 21:51) 

こたろう

長崎のハウステンボスですか!(◎_◎;)
意外すぎました。
ダルビッシュコレクションといい、
日本っていろんな作品のコレクションを所蔵しているんですね。
勉強になりました。ありがとうございます。
そんなのをまとめた本がないか、探してみようと思います。

さ、いよいよ秋フェスが始まりますね!
年末の大阪城ホールまで、
梅屋さんにとっても、キラキラしたステキな時間を過ごせますように(≧∇≦)
お互い体調に気をつけて、年末まで走り抜けましょう!
by こたろう (2016-10-04 00:08) 

梅屋千年堂

>こたろうさん
調べてみたところ、ハウステンボスには
ハウステンボス美術館、ポルセレインミュージアム、ギヤマンミュージアム、
テディベアミュージアム、ゲームミュージアムと
いくつものミュージアムが存在するようです。
…そういやアタシ、ハウステンボスには行ったことがありません。
今度ちょっと考えてみようかな。

明日大阪城ファイナルのチケット代を振り込めば
取り敢えず参加予定公演のチケ取りが終了します(多分^^;)。
そしていよいよ始まります!。
さぁ、どんな曲が、ギターが、衣装が、コントが(笑)出るのでしょうか。
楽しみですね(*^^*)。

by 梅屋千年堂 (2016-10-05 00:44) 

こたろう

リサーチ、ありがとうございます。
長崎、良いな。
ハウステンボスにそんなにいろいろあるとは、感動と驚きです。
さださんの長崎ちゃんぽんと坂の街を見てみたくて、長崎に行きたいと思っていたのですが、
ハウステンボスも行きたくなりました。

大阪城ホール振込、私も今週中には行くつもりです。あと、宿&電車の手配。楽しみなことの忙しさは、全然苦になりませんね。

何の曲をするかばかり気になって、衣装とコントを忘れてました!
今回こそ、「ONE STEP」をライブで聴けますように(^人^)
by こたろう (2016-10-05 23:40) 

梅屋千年堂

>こたろうさん
ハウステンボス、行ってみたいですね〜。
しかしじっくり堪能するとなると1日掛かりになりそうですね(^^;。

>>楽しみなことの忙しさは、全然苦になりませんね。
ですね(*^^*)。
…にしても、今月のアタシはヤバイです。
6日越谷、12日府中、19日小田さん横アリ、27日大野、29日フォーラム…
そして行きたい展覧会も目白押し。其一と明治工芸は今月中必須…。
どーすんだ、アタシ。

>>今回こそ、「ONE STEP」をライブで聴けますように(^人^)
同感です〜。そして願わくば1曲目。
って、夏イベの時もそんなこと言っていたような…(^^;ゞ。

by 梅屋千年堂 (2016-10-06 00:20) 

こたろう

明治工芸、やはり梅屋さんもlock-onしましたか…私もです(^^;;
あの龍、みたい!
でも、今月はフォーラムで上京のみ。しかもアルフィーファン5人と行動するので、上野への寄り道は難しい。なので、来年の川越までガマンしようと思います。

梅屋さんは細見美術館に行くのかな?なんて勝手に想像しております。
by こたろう (2016-10-06 19:27) 

梅屋千年堂

>こたろうさん
『驚きの明治工藝』展は是非とも観ておきたいところです。
(タダ券もいただいているし〜♪)。
しかし10月30日までとなると…うーむ、26日に其一展とハシゴするか?!。
ヒジョーに悩ましいところです。

今年の秋は京都に行ってる余裕はなさそうです…。
1ヶ月切ってる美術検定の勉強もいい加減本腰入れねば〜===ヘ( ;^^)ノ。

by 梅屋千年堂 (2016-10-14 02:48) 

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