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ボッティチェリ展 [EXHIBITION]

3年連続ボッティチェリ!。

(28日に観てきた展覧会の話)

2014年『ウフィツィ美術館展』
2015年『ボッティチェリとルネサンス -フィレンツェの富と美』…

そして2016年『ボッティチェリ展』。
場所は東京都美術館。
botticelli_1.jpg
日本にいながらにして、3年連続でボッティチェリの作品を観られるなんて!。
なんて素晴らしいことなんだろう(T^T)。
しかも、先に言ってしまうと
今回の展覧会は過去2回のものと比べて一番良かった(あくまでも個人的意見)。

『ボッティチェリ展』という展覧会名のとおり
ルネサンスの巨匠の一人、サンドロ・ボッティチェリ(1445-1510)の作品が20点、
更にボッティチェリの師匠:フィリッポ・リッピ、
リッピの息子のフィリッピーノ・リッピの作品も加えて
約80点もの作品が一挙に集結しているのだ。

展覧会の入場者を最初に迎えてくれるのが
ボッティチェリの『ラーマ家の当方三博士の礼拝』。
この絵を観た瞬間、ハッとした(;゜〇゜)。
パンフレットやウェブサイトでこの絵を観た時には
まったく気付かなかったのだけど(^^;
画面の右端にボッティチェリの自画像が描かれている作品だ。
これが来てたんだ!。知らなかった〜(^o^;。

ボッティチェリの自画像と、メディチ家の人々が描かれていることで有名な作品で
普段はウフィツィ美術館にあるものなのだけど、
思っていたよりも小さな作品で、ちょっとビックリ。
もっとダダーン!と大きな作品だとばかり思っていた。
やっぱり「実物」に触れるってことは大事だなぁ。


いきなりボッティチェリの作品が登場したけど、ここで一旦ボッティチェリはお休み。
第一章として《ボッティチェリの時代のフィレンツェ》と題して
盃や写本、メダル、布地などの工芸品の他、
ポッライオーロやヴェロッキオの作品が展示されている。

ここで何やら見覚えのある絵が…。
それはアントニオ・デル・ポッライオーロ(1429/1433-1498)の
『竜と戦う大天使ミカエル』。
おそらく何かの画集で見たのだろうけど「この絵、知ってる」と思った。
今まで画集などでしか見たことのなかった作品を
実際に目の当たりにするというのは、どこか嬉しいものである。


そして第二章…ボッティチェリはまだ出てこないのだ。
ここでは《フィリッポ・リッピ、ボッティチェリの師》。
ボッティチェリの師匠だった修道士、フィリッポ・リッピのコーナー。
フィリッポ・リッピ(1406-1469)といえば、
修道士のくせに(笑)25歳以上年の離れた若い修道女とかけおちした破天荒な人物。

そんなキャラなのに…というか、そんなキャラだからなのか
この人の描く女性像はなかなかに魅力的。
『ヴェールをかぶった女性頭部の習作(バルトリーニの円形画のため)』
で描かれている女性は、習作とはいえとても美しくかつ愛らしい顔立ちだった。
(こうした展覧会で男性の画家が描いた女性の絵を観ていると
 きっとこの画家はこういう顔の女性が好みなんだろうなぁと感じることが多々ある)。

『受胎告知のマリア、大修道院長聖アントニウス』
『大天使ガブリエル、洗礼者ヨハネ』
この細長い2作品は、2つで一組。
これ、2014年の《ウフィツィ美術館展》の時にも来てた。

他にも、
ボッティチェリの『書斎のアウグスティヌス(アウグスティヌスに訪れた幻視)』
『聖母子と洗礼者ヨハネ』『アペレスの誹謗(ラ・カルンニア)』
ボッティチェリと工房の『聖母子、洗礼者聖ヨハネ、大天使ミカエルと大天使ガブリエル』
など、過去の展覧会の時にもやってきていた作品がいくつもあって
これまた嬉しい気分と、少しだけ「またこれ〜?」な気分(^o^;。
…おそらく状態が良くて貸出しやすい作品なのだろう。


で、いよいよ第三章《サンドロ・ボッティチェリ、人そして芸術家》。
目玉は何と言っても初来日の『書物の聖母』。
状態も良く、とても美しい聖母子像。
作品の依頼主やもともとの設置場所は不明だそうだが
ラピスラズリや金箔など、高価な素材が使われており
かなり重要な注文だったのではないかと言われいてる。
確かに、いろんなボッティチェリの作品がある中で
この聖母子像には並々ならぬ気合いが感じられる。
細部にわたり物凄く丁寧に、渾身の思いで描かれていることが伝わってくる。
こんなに「良いボッティチェリ」を日本で観られるなんて眼福以外の何物でもない。

そしてもう一つ、いかにもボッティチェリらしい美しい作品が
『美しきシモネッタの肖像』。
ボッティチェリの生きた15世紀半ば、フィレンツェで最も美しいとされた女性、
シモネッタ・ヴェスプッチの肖像。
ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』の中の
ヴィーナスのモデルになった女性とも言われている。
なるほど、そう言われてみると目元やブロンドの髪など、面影がなくもない。

この作品も非常に状態がよく、いったいどこの美術館から借りてきたのだろう?と
作品目録を見てみたら、驚いたことに「丸紅株式会社」と書いてあった(◎_◎)。
なんでも日本にある唯一のボッティチェリなのだそうだ。
日本にボッティチェリがあったなんて…知らなかった(^o^;。

あとボッティチェリで印象に残った作品といえば『磔刑のキリスト』。
十字架に磔にされたキリストが板に描かれていて
その輪郭に沿って切り取られているので、おそろしくリアル。
展示の仕方も凝っていて、後ろの青い壁に
この十字架のシルエットが映るように照明が当てられている。
さりげなくドラマチックな演出。


最後の第四章は《フィリッピーノ・リッピ、ボッティチェリの弟子からライバルへ》。
フィリッピーノ・リッピ(1457-1504)は、先に登場したフィリッポ・リッピの息子。
(お母さんはフィリッポとかけおちした修道女)。
この展覧会ではフィリッピーノ・リッピの作品が思いの外良かった。
個人的に素敵だな〜と思ったのは
『幼児キリストを礼拝する聖母』
『女性頭部習作』
『聖母子、洗礼者ヨハネと天使たち(コルシーニ家の円形画)』
『受胎告知の大天使ガブリエル』『受胎告知のマリア』
など…。


『受胎告知の大天使ガブリエル』と『受胎告知のマリア』は
それぞれ別々に丸い額縁に描かれているのだけど、
風神雷神図屏風のように、2枚で1対の作品。
マリアと大天使ガブリエルが纏、光沢を帯びた赤と青の衣装が色鮮やかで印象的。

『聖母子、洗礼者ヨハネと天使たち(コルシーニ家の円形画)』は
絵の中の東女医人物の表情がどれもやわらかく穏やか。
右側にいる二人の天使が手に持っている楽譜には
実在する三声の歌唱曲がきちんと記されているらしい。
…ところで「洗礼者ヨハネ」はこの絵のどこに???。
パッと見、中央に聖母子、その両脇に二人ずつの天使の姿しかないけれど?
などど思いながら作品を眺めていたら…

あっ…!いた(^o^;。

右端の、ものすごーーーーーーーく後ろの方に
ものすごーーーーーーーくちっちゃく描かれている(笑)。
これ、描く必要あったのかしらね?(^^;と
思わずフッと笑ってしまうくらい脇役な洗礼者ヨハネだった。



最後はお約束のミュージアムショップ。
今回はどんな誘惑の甘い罠が?!(^o^;…と、ドキドキしながら物色。
iPhoneケースや、フェルトブックカバー、ブックマーカー、マグネット、
展覧会オリジナルのモレスキンの手帳など素敵なグッズが目白押し。
きわめつけは「レストランよねむら×ボッティチェリ展コラボクッキー」。
トリュフ入りが¥5,800、スタンダードでも¥3,300と、
あまりに高すぎる価格設定( ̄口 ̄;)。こ、これはいくらなんでもムリ!。

というわけで、買ってきたのはポストカード数枚とマルチホルダー。
マルチホルダーは、いわゆるクリアフファイル素材のチケットホルダー。
botticelli_2.jpg
…このテのチケットホルダー、既に10種類くらい持ってるんだけど…。
一応その時の気分で使い分けてはいるけれども
さすがにもうそんなに何枚も必要ないだろ、という気が…(^^;(^^;(^^;。

botticelli_3.jpg
でもほら〜、デザインも素敵だし
中がこんな風に仕切られていてポケットもたくさん付いてて
旅先で、列車だのライブだの美術館だのの各種チケットを仕分けしておくのにも
とっても使いやすそうだなーなんて思ったりなんかして…(^^;ゞ。



ボッティチェリ展、チャンスがあったらもう一回観に行きたい…(多分ムリだけど)。
(ちなみに思ったよりも全然混んでいなかった)。
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コメント 4

うさぼん

お久しぶりです。私も行って参りました。シニアデーだったためかなり混雑しておりました。(トホホ)今回はボッティチェリと言うよりもフィリピーノ・リッピに焦点を当てた感じがしました。
by うさぼん (2016-02-07 10:28) 

梅屋千年堂

>うさぼんさん
一度知らずに出掛けてエライ目に遭ってるので
シニアデーは予めチェックして避けてるアタシです(^^;ゞ。

フィリッピーノ・リッピ、良かったですよねー。
でも「フィリッピーノ・リッピ展」よりも「ボッティチェリ展」の方が
人は集まりますよね…(^o^;。
リッピ親子の作品、もっと観てみたいです…イタリアに行かないとダメかな。

by 梅屋千年堂 (2016-02-07 23:25) 

ナッキー

こんにちは(*'▽')
私も昨日行ってきました。ジジババ結構多かったです(-_-)

『書物の聖母』良かったですね。10分くらいジーッと見つめてました。
『磔刑のキリスト』も何だか怖くてゾクゾクしながら、後ろ側見たり前見たりを繰り返してましたね(^-^;

イタリア行ってみたいなぁ☆
by ナッキー (2016-02-11 16:29) 

梅屋千年堂

>ナッキーさん
平日の昼間はどうしてもご年配の方が大勢いらっしゃいますよね(^^;。
時間に余裕のある方が多いようで…。
なのでアタシはできる限り、そうした方々が帰途につき始める
夕方近くに行くようにしています。
…と言っても大きな展覧会は一通り観るのに2時間くらいかかることもザラなので
遅くとも15時くらいに入るような感じですが…。
でもそうすると、17時くらいに観終わるため、
帰りの電車が混むのですよねぇ〜…あー、悩ましい(笑)。

アタシも生きてるうちに一度はイタリアに行っておきたいです。

by 梅屋千年堂 (2016-02-11 22:50) 

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