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京都・細見美術館 琳派のきらめき [EXHIBITION]

やっぱ琳派はいいなぁ〜。

今年は琳派400年ということもあり、琳派関連の展覧会が目白押しで嬉しい限り。
今回は、京都・大阪・横浜・日本橋のタカシマヤを巡回している
「京都・細見美術館 琳派のきらめき -宗達・光琳・抱一・雪佳-」
という展覧会の横浜展。
デパートの催事としての展覧会は、
入場料がお手頃なのと、展示点数が多すぎず少なすぎず丁度良いところがヨイ。

細見美術館は、京都は平安神宮の程近く…
つまるところ、ロームシアター京都(旧・京都会館)の向かいにある美術館。
過去に何度か京都会館には足を運んでいるが、
その頃はまだ日本美術に興味がなかったので、見向きもしなかった(^o^;。
その細見美術館の、琳派コレクションを約90点を展示する展覧会。

展示内容は、概ね時系列に沿っていて

第1章 琳派誕生 -光悦・宗達の美意識-
第2章 花咲く琳派 -光琳・乾山と上方の絵師-
第3章 新たなる展開 -抱一と江戸琳派-
第4章 京琳派ルネサンス -神坂雪佳-

という構成になっている。

第1章においては、
《忍草下絵和歌巻断簡》や《忍草下絵和歌色紙「郭公」》。
本阿弥光悦(1558-1637)書、俵屋宗達(生没年不詳)下絵による、
アタシの大好きな「光悦×宗達」コラボもの。
宗達の下絵があって光悦の書が映えるし、光悦の書があって宗達の下絵が生きる。
この一連の「光悦×宗達」コラボものは、どれを観てもカッコイイ。
光悦の書が、ホンットにカッコイイ。
もちろん読めない(爆)。読めないけれどもデザインとして物凄くカッコイイ。
太い字があったり細い字があったり抑揚に富んでいるし文字の配置も絶妙。
観ているだけで「素敵だな〜」と思える。

いつも「よ…読めない(^^;。でも素敵だ…」と思いながら観ているけれど
「光悦×宗達」コラボものは、新古今和歌集の歌を書いたものが多いようなので
今度「新古今和歌集」の文庫版でも買って、目を通しておこうかな〜
…などと考えてAmazonの「ほしい物リスト」にぶちこんである(何ヶ月も前から…)。


第2章では「光琳と乾山云々…」というタイトルがついてはいるが
実は光琳も乾山も、展示作品の点数は少ない。
このセクションで個人的に目を惹いたのは中村芳中(生年不詳 -1819)。
抱一とほぼ同時代の絵師なのだけど、切れ味鋭い江戸琳派に比べると
全体的に丸っこくて親しみやすい作風。
《白梅小禽図屏風》は墨で縁取られた梅の花も、それに留まる赤い嘴の鳥も
なんだかマンガチックでほのぼのとした雰囲気。
《朝顔図》なども、抱一や其一が描くそれとはまったく違う描き方で
朝顔の花のひとつひとつが「まるっ」「まるっ」「まるっ」(笑)。
なんかかわいいくて、ちょっと気に入ってしまった。


第3章はいよいよアタシの大好きな酒井抱一と鈴木其一。
いやもうホントに素敵。
抱一は、作品を観るたびにどんどん好きになる。
アタシは「琳派が好き」というよりも「抱一が好き」なのかも。
《扇面貼交屏風》
《白蓮図》
《雪中檜小禽図》
特にこのあたりの作品が、今回のお気に入り。

残念だったのは《桜に小禽図》が展示されていなかったこと。
なぜだか知らないが横浜会場では、この作品は展示されないとのこと…。
えええーーーーなんでぇーーー(T^T)。
…しょーがないから、これを観るためだけに
29日からの東京会場(日本橋タカシマヤ)も行こうかなーなんて思ったりなんかして。
(幸ちゃんの写真展と会期が重なっていたらラッキー…と思ったんだけど
 残念ながらかぶっていなかった…_| ̄|◯)。

鈴木其一の作品では
《水辺家鴨図屏風》
《藤花図》
が、ツボにはまった。
特に《水辺家鴨図屏風》は、左側にいる、後ろ向きのアヒルのお尻が
とってもカワイイ(えっ?!みどころはそこなの?!笑)。

抱一と其一以外では
田中抱二《垣に秋草図屏風》
鈴木守一《業平東下り図》《白菊に水仙図》《鯉に燕子花図》
が素敵だった。
ちなみに鈴木守一は其一の子。
なるほど父の作風をよく受け継いでいるなぁと思う。


最終章の第4章は近代の琳派と呼ばれる神坂雪佳(1866-1942)。
目玉は《金魚玉図》。
画面の上の方に、真正面向きで大きく描かれた金魚がインパクト大。
ショップではこの金魚のグッズも多く販売されていた。



今回の自分土産はポストカード5枚。
hosomi.jpg
抱一の《桜に小禽図》のカードもあったけれど、実物を観ていないので買わなかった。
もし東京会場で実物を観ることが出来たなら、その時に買おうと思う。




それにしても、行っておきたい展覧会がいろいろあり過ぎて
予定を立てるのに一苦労…(^^;。

以下、自分のための覚え書き。

『若冲と蕪村』@サントリー美術館(〜5/10)
『燕子花と紅白梅』@根津美術館(〜5/17)
『坂崎幸之助 書写真展』@アイランドギャラリー(5/19〜6/1)
『岩合光昭の世界ネコ歩き写真展』@日本橋三越本店(5/20〜6/1)
 (幸ちゃんのと岩合さんのは会場も近いしハシゴ出来そう)。
『グエルチーノ展』@国立西洋美術館(〜5/31)
『鳥獣戯画 京都高山寺の至宝』@東京国立博物館平成館(4/28〜6/7)
『ボッティチェリとルネサンス』@Bunkamuraザ・ミュージアム(〜6/28)
『大英博物館展』@東京都美術館(〜6/28)
『あの歌麿が帰ってきた! -「深川の雪」再公開-』(〜8/31)

ちょっと先だけど…
『琳派誕生400年記念 琳派 -京(みやこ)を彩る-』@京都国立博物館(10/10〜11/23)

…果たして全て観に行くことは出来るのか…(無理な気がする^^;)。
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コメント 3

おーちゃん

細見美術館展、素敵ですね。今年は琳派祭り状態ですけど、これもすごく惹かれます。抱一好きだあ~。

ところでワタクシ、「若冲と蕪村」「燕子花と紅白梅」に行ってきました。ハシゴです。国宝だの重文だの、いや、もう、おなかいっぱいです。

そこでようやく知ったんですけど、光琳の没年と若冲、蕪村の生年て、同じなんですね!よく見ればそれぞれ「生誕三百年 同い年の天才絵師」「尾形光琳300年忌記念特別展」とサブタイトルがついてるじゃありませんか。気づかんとは(汗)
なので、根津→サントリーの順にご覧になるのがよいかと(笑)

「若冲と蕪村」は、若冲の超絶技巧作品を期待していくと肩透かしを食らうかもしれませんね。でも両者のいろいろな作風を見られたし、共通点がなさそうなのに、意外と同種のものに影響を受けていると知ることができて、おもしろかったです。
蕪村のかわいいイラスト(とは言わんか)にも和んできました(^^)

それにしてもこの二人・・・同年生まれで京都のごく近所に住んでいた時期もあるのに、直接の交友関係を示すものがない??共通の友人はいたのに。
過剰に意識していたか眼中になかったか。よほどのライバル心を持っていて無視してたのか。不思議・・・。

「燕子花と紅白梅」は、やはりというか、紅白梅図屏風の前は人だかりでした。そりゃあ、熱海在住ですからね、東京で定期的に観られる燕子花よりはそっちの方が見たいというのが人情ってものでしょう(^^;)
私も「最初で最後かなあ・・・」と思いながらじっくり堪能。もちろん、燕子花図屏風もですよ!

庭園の燕子花が咲き始めていました。今週末くらいから見頃になるようです。
是非、気候のいいこの時期にご覧になってくださいませ。

で、肝心の細見美術館展は、日本橋開催期にどうしても時間が取れそうになくて、見送ることになると思います。残念~!!

by おーちゃん (2015-04-27 23:44) 

ナッキー

‘若冲と蕪村’私も観てきました。
きちんと観たのは初めてだったのですが、観賞マナーを知らないジジ・ババが多くてウンザリでした(--〆)
観たい作品が沢山あってスケジュール調整が大変です(^_^;)

by ナッキー (2015-04-28 21:20) 

梅屋千年堂

>おーちゃんさん
思っていた以上に良い展覧会でしたよ。
明日からは日本橋タカシマヤでの開催です。
果たして行っている時間があるのかどうか分かりませんが
抱一の《桜に小禽図》、是非とも観に行きたいんですよね〜。

『若冲と蕪村』は行かれるかどうか、微妙な感じになってきましたが
『燕子花と紅白梅』は絶対に行こうと思っています。
庭園の燕子花は…去年、蚊の大群に見舞われてのんびりと
花を愛でるどころではなかったのでパスかな(^^;。
その代わり、NEZU Cafeのミートパイかハンバーグを食べようと
目論んでおりますが…(どんだけ食いしん坊なんだ)。

巷では、どうやら明日からゴールデンウィークってもんが始まるらしいので
そのゴールデンウィークとやらが終わってから、
のんびりと(?)行くことにします。




>ナッキーさん
本当に和洋どちらも、興味深い展覧会が目白押しで
スケジュール調整が大変ですね(^^;ゞ。
アルフィーのツアーがない時期だったらもうちょっとラクなんですが(笑)。

鑑賞マナーを守らない(知らない)人はどこにでもいますよね。
美術館しかり、ライブ会場しかり。
夢中になるあまり、知らず知らずのうちに
自分もそういう人になってしまわないように気を付けたいものです。

by 梅屋千年堂 (2015-04-28 22:39) 

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