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マグリット展とルーブル美術館展 [EXHIBITION]

絶対にもんのすごく疲れるだろうと分かっていながら2展のハシゴ。

(実は先週の水曜日の話を今更…)。

国立新美術館で開催中の『マグリット展』と『ルーブル美術館展』。

実を言うとマグリット展は始まるのは26日からだとばかり思っていたので
本当は今日はルーブル美術館展だけのつもりだったのだけど
昨日改めてそれぞれの展覧会の公式サイトをチェックしていたら
マグリット展は25日からだったのだ。

うーん…どちらもそれなりに大きな展覧会だから
2展を1日で観るっていうのは、かなり大変かも知れない(-_-;。
でも2回に分けて、しかも短い間隔で同じ美術館へ行くのも面倒臭い。
やっぱり2展一緒に観てしまおう!。

というわけで、前売り券握りしめて国立新美術館。
louvre_magtitte_1.jpg

マグリットとルーブル…どちらを先に観るか。
外から見える入口やミュージアムショップの混雑具合から行くと
どうもルーブルの方がちょっと混雑しているような気がする。

個人的にはマグリットの方をじっくり観たい。
これまでの経験から行くと、2館または2展ハシゴした場合
後から観た方は大体もうくたびれちゃって集中力もなく
サラ〜ッと流し見して終わり、というパターンが多い。

というわけで、マグリット展の方から先に観ていくことにする。

ルネ・マグリット(1898-1967)は、
個人的にシュルレアリスムのの中でも好きな特に作家。
一度観たら目に焼きついて忘れられない作品が多い。
現実離れした不思議な絵ばかりだけど
そこから何か物語のようなものが感じられるところが好きなのかも。

初期作品の中に、ジョルジョ・デ・キリコっぽい作品があるなぁと思ったら
それもその筈で、マグリットはデ・キリコの《愛の歌》という作品に影響されて
シュルレアリスムに傾倒していったらしい。
(デ・キリコはその頃既にシュルレアリストとは訣別していたのだけど)。

その後、1930年代に入ってマグリットは独自の世界を確立。
この頃の作品は「いかにもマグリット」らしくなっていて
必ずしもそこに描かれているものとタイトルとが一致していないのが面白い。
《呪い》、《前兆》、《目》といった作品が印象に残った。
《目》は、小さな丸いカンヴァスに文字通り「目」が描かれた作品だが
その周りを二重に四角い枠が囲んでいて、
どこまでがこの“目”という作品なのだろう?と疑問に感じた。

1940年代に入って戦争が始まると、ここで作風は一変。
とてもマグリットの作品とは思えない、印象派のような筆触分割のタッチ。
ただ、描かれている題材は印象派っぽくはなく
あくまでもマグリットらしい不思議な世界だ。
ここでは《ジェヘラサード》、どことなくかわいい《観光案内人》が印象に残った。


1950年代からマグリットの本領発揮。
壁紙のような青い空、鳥、岩、山高帽の男など
お馴染みのモチーフが繰り返し描かれるようになる。
《光の帝国II》、《ゴルコンタ》、《空の鳥》、《白紙委任状》など
誰もが一度は目にしたことがあるであろう作品が並ぶ。
《青春の泉》、《王様の美術館》という、横浜美術館で見慣れた2作品も
ここに貸し出されてきていた。
なんだか思わぬところで知り合いと会ったような感覚だった。

やっぱりシュルレアリスムは面白い。
ダリにしろ、マグリットにしろ、エルンストにしろ、
ワケが分からなくとも、何故かずーっと眺めていたくなるものが多い。

さ〜て、一通り作品を観終わった後は、
いつものようにポストカードでも…とショップの中に入っていくと、
なんとショップの店員さん全員、黒い服に黒い山高帽(・o・)。
凝ってるなぁ〜。

展覧会初日ということもあってか、ショップの方もなかなかの盛況ぶり。
レジにまで長ーい列が出来ている。
今回購入したのは、《ゴルコンタ》が描かれた缶に入った
ジュールス・デストルーパー社のバタークリスプ。
それと、京都のおたべの会社が作っている《ポルボローネ》。
louvre_magtitte_2.jpg

ポルボローネは《オルセー美術館展》の時もあったなぁ。
今回は4つのフレーバーが出ているのだけど、買ってきたのは紅茶味。
味によってパッケージのデザインも異なっている。
louvre_magtitte_3.jpg
どちらも美味だった(*^^*)。




だいぶ疲れたので、館内のカフェでひと休みしてからルーブルへ、と思ったけれど
どのカフェも混雑していて座席を確保できそうにない。
仕方ないから、そこらにあるソファに座ってしばしボーッとひと休み。
大して休んだ気はしないが、時間もないので《ルーブル美術館展》へ。

なんだか《ルーブル美術館展》と聞いただけで
ハハァーっ!と土下座したくなってしまうが、
あんまり期待しすぎるとちょっと肩透かしをくらうかも。
あくまでも初来日のフェルメールの《天文学者》を展示するために
風俗画に着目したコレクションを集めてみましたーっ!という感じで
そぉ〜んなにスゴイ展覧会ではなかったりする(意見には個人差があります)。
とはいうものの、さすがはルーブル。
ホントホルストの《抜歯屋》やブーシェの《オダリスク》など
教科書や図版で観たことがあるような作品にも出会えるし
レンブラント、ルーベンス、ドラクロワ、ミレー
ブリューゲル1世、ムリーリョ、コローといった
巨匠=ビッグネームの作品もさりげなく展示されている。

ところが、今回アタシが最も「これは!」と思ったのは
こうした巨匠の作品ではなく、コンスタン・トロワイヨン(1810-1865)の
《柵》という作品。《柵》というタイトルだが、作品の主役はどうみても牛。
牧場の水飲み場らしい場所で、牛たちが水を飲んでいる。
そのうちの一頭が、こちらを向いて「何か?」という顔をしている。
なんだかよくわからないが「これイイ!」とビビッときてしまった。牛なのに。

後から調べてみたら、このコンスタン・トロワイヨンという人は
やたらと牛を描いている。そりゃ〜牛がイイ味出してるはずだよ。
で、アタシはこの作品がいたく気に入ってしまったが
絶対にこの絵のポストカードはないだろう…と思っていた。
が、あったのだ(・o・)。

あとはジョセフ・ヴェルネ(1714-1789)の《風景、雷鳴》。
遠くの方で雷鳴を鳴り響かせていると思われる空の色の表現が美しい。
それとヘラルト・デル・ボルフ(1617-1681)の《読み方の練習》。
本を広げて、一生懸命朗読をしているらしい子供の表情がとてもかわいい。
そして教えているおばちゃんの視線が、どこを観ているのかわからず
それゆえ何を考えているのかも分からず怖い(笑)。

というわけで、ルーブル美術館展の方の自分土産はコチラ。
louvre_magtitte_5.jpg
上述の3作品のポストカード3枚と、ルーブルとはまったく関係のない
星座柄のマスキングテープ。
あとは、いつもいろんな展覧会のチケットをくれる上司へのお土産に
展覧会会場限定のアンリ・ル・ルーの焼き菓子4個セット。
美味しそうだっったので、自分の分も買って帰りたかったが
ここんとこちょっとお金使い過ぎなので我慢した(笑)。
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