SSブログ

雪と月と花と、仁阿弥道八 [EXHIBITION]

昨日、新年会に行く前にハシゴした2つの展覧会
『雪と月と花 〜国宝「雪松図」と四季の草花〜』@三井記念美術館
『天才陶工 仁阿弥道八 のびのびと、まじめに。』@サントリー美術館

今年最初のアート鑑賞なので、
何かお正月らしくて縁起が良さそうな展覧会に行きたいなぁと思って
まずは三井記念美術館の『雪と月と花 -国宝「雪松図」と四季の草花-』へ。

三井記念美術館って、これまで名前は幾度となく耳にしてきたけれど
行ったこともなければ、どこにあるのかもよく分からないでいた。
で、どこにあるんだろう?と調べてみたら、日本橋だった。
しかも割と頻繁に足を運んでいた三越本店やコレド室町の近所、
三井本館の7階だった。ちっとも知らなかった(^o^;。

今ここで開催されているのは
『雪と月と花 -国宝「雪松図」と四季の草花-』という展覧会で
三井祈念美術館所蔵の美術品の中から
雪・月・花がモチーフとして用いられている作品が展示されている。

茶道具、絵画、工芸品、様々なカテゴリーでの
雪・月・花を題材にした美しい作品が並んでいる。
その中につい先日、他の展覧会で見掛けたばかりの作品が。
それは《国宝 志野茶碗 銘卯花墻》。
12月にトーハクで見た『国宝展』に出品されていたものだった。
そっか、ここの美術館の所蔵品だったのか(・o・)。

この展覧会での目玉は、円山応挙(1733-1795)の《国宝 雪松図屏風》。
その名の通り、松の木に雪が降り積もった様を描いた六曲一双の屏風絵。
金地の上に水墨で描かれていて、色は「黒」「白」「金」の他はない。
金地の部分は金泥なのだけど、全面を塗りたくるのではなく白い部分が残っている。
雪が降り積もった冬の朝の静けさが伝わってくる、とても美しい作品。


一方、《雪松図屏風》と同じ展示室に飾られている襖図がある。
こちらは一目見ただけで「ザァーーーーッ!」という
一陣の風の音が聞こえてくるような作品。
「あ!、これ好きだ」と思ってキャプションを観てみると、
酒井抱一(1761-1829)の《秋草に兎襖図》。
やっぱりね〜(笑)。好きなんだよ酒井抱一。

その他では、沈南蘋(1682-?)《花鳥動物図》の5幅の掛け軸。
それまでアタシは沈南蘋の絵をそれほど良いと思ったことはなかったのだけど
この花鳥図は5幅が並んで展示されているせいか、すごく迫力もあって綺麗だった。

小さな金地の色紙に四季折々様々な草花が描かれた
土佐光起(1617-1691)の《四季草花図色紙》も可愛かった。


ミュージアムショップでは、《雪松図屏風》と《秋草に兎襖図》のポストカードを購入。
ところがー…酒井抱一の《秋草に兎図襖図》の方は、
なぜか部分的にトリミングされたポストカード。なんでぇ〜?!である。
setugekka.jpg
そりゃウサギさんはカワイイよ。
でも、この絵は右側の強風に靡いて大きく傾くススキやクズ、
その背後に浮かぶお月様がいいんじゃないか!。…へんなの〜(笑)。



三井記念美術館を後にして、三越前から半蔵門線に乗り
青山一丁目で都営大江戸線に乗り換えて六本木・東京ミッドタウンは
サントリー美術館へ移動。

ここでやっているのが『天才陶工 仁阿弥道八 のびのびと、まじめに。』。
他の展覧会でもらってきた、このチラシのデザインにものすごく惹かれた。
ninnnami.jpg

仁阿弥道八(1783-1855)は、江戸時代後期の陶工。
京都に代々伝わる陶工・高橋道八家の二代目。その作風は多岐にわたる。

やはり12月に観た『北大路魯山人展』で観て
「なんてきれいなんだろう」とうっとりしてしまった
雲錦(ひとつの器に桜と紅葉が描かれている)の器。
これの元祖が、実は仁阿弥道八であることを知り、目からウロコ。

こうした器の類はもちろん素晴らしいのだけど
個人的には動物や鳥や七福神をかたどった炉蓋、香合、手焙、置物がイイ。
さっきのチラシのど真ん中の寿老人の置物(これが意外とデカい)や
袈裟を着たタヌキの形をした炉蓋、表情がコミカルな山羊や猿の手焙や置物、
手のひらにすっぽりおさまる、鳥や猿の形の香合など、
遊び心が満載で、観ていると思わず口元が緩んでしまう(笑)。

寿老人とか、狸とか、絶対にポストカードが欲しい!と思ったのだけど…
残念!!!この展覧会のポストカード…というかグッズそのものが殆ど皆無。
展覧会図録と、元々サントリー美術館が所蔵している《色絵桜楓文鉢》の
ポストカード2種しかないのであった…_| ̄|◯。
展覧会図録の写真が綺麗だったので、ほんのちょっとだけ迷ったけれど
2,400円くらいしたし、ハードカバーでデカいし重いしで、やっぱりやめた。


ちなみに高橋道八家は、現在も脈々と続いていて、今は九代目が継いでいる。
この九代道八の作品も展示されているんだけど、
こちらはすっきりと洗練された現代的でデザイン性の高い作風。
九代道八は女性の方なのだそうだけど、
伝統を守り、受け継ぎつつ、新しいものを目指すというのは
いろんな意味で大変なことなのだろうなぁと思う。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0