SSブログ

ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 [EXHIBITION]

初めての世田谷美術館。

モネの『ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)』が
約1年にわたる修復を経て、来日しているという。
日頃、印象派はあんまり…と言いながらも
いわゆる《名画》はやっぱり観ておきたい。

場所は世田谷美術館。
名前は聞いたことがあったけど、今まで一度も行ったことがない。
どこらへんにあるのかすらよく知らなかった。
調べてみたら、最寄り駅は東急田園都市線の用賀駅。
横浜市営地下鉄ブルーラインであざみ野まで行き、
田園都市線に乗り換えて、各駅停車で約20分。用賀に到着。

用賀…。これまでの人生で殆ど馴染みのなかったエリアだ。
用賀から美術館まで直行の100円バスも出ているが
時間帯が合わなかったのと、徒歩でも20分弱で行けるというので歩いてみた。

暑いだろうな〜と覚悟を決めて歩き出したが
首都高や環八沿いではなく用賀プロムナードを歩いてみたら
まぁ確かに暑いけれども、なんだか歩いていて気持ちがイイ。

そうこうしてるうちに砧公園に到着。
01_kinutapark.jpg
緑が生い茂っていて、木陰が涼しい。

でもって、砧公園の敷地内にある世田谷美術館に到着。
02_setagaya_museum.jpg
館内はもちろん冷房が効いているけど、
中に入るなり汗がどぉーっと吹き出した(x。x)。



1850年代、日本の開国によって
陶磁器、浮世絵、金工品、掛け軸、屏風など、
様々な日本の文化や美術工芸品が欧米に持ち運ばれて
「日本趣味=ジャポネズリー」の流行を生んだという。
今回の展覧会は、ボストン美術館が所蔵する
いろんな意味での「日本趣味」の作品150点を展示して
欧米の芸術家たちが日本文化にどのように影響されたのかを検証しようというもの。

展示作品は実に多岐にわたっていて
生粋の日本の工芸品から日本趣味の欧米の工芸品、
浮世絵、それに影響を受けたとされる西洋画(版画もあれば油彩や写真も)、
作家陣もモネ、ゴッホ、ゴーギャン、ムンク、ホイッスラー、
マティス、ドニ、ロートレック、シニャック、ルノワール、
歌麿、広重、国貞、北斎と、そうそうたる顔ぶれ。

特に広重の『名所江戸百景』など、日本の浮世絵は
その斬新な色彩や構図が、印象派に多大な影響を与えたとされている。

展示されている西洋絵画や版画は
どれも少なからず浮世絵などの日本文化の影響を受けているとされる作品。
「確かに!」と大いに納得できる作品もあれば、
「えぇ〜?これホントに浮世絵の影響受けてる?(ちょっとこじつけでは?^^;)」
と思えるような作品も。
でもそんな「えぇ〜?」な作品も、音声ガイドなどで解説を聞けば
「なるほどねぇ〜」に変わっていく。

当時の欧米人からしたら、
きっと日本文化の全てが新鮮に映ったのだろうな、と思う。
(日本人からしたら、印象派の絵画こそが
 「ナンダコレハ!」じゃなかったんじゃないか?と思うのだけど)。


思わず感心してしまうのは、ボストン美術館が持っている
日本画や版画の保存状態の良さだ。
2年前の『ボストン美術館 日本美術の至宝展』でも思ったけれど
どの作品も、悔しいくらい物凄く状態が良い(◎_◎)。
やっぱり日本の高温多湿ってのは、作品保護という意味においては
お世辞にも良い環境とは言えないのかも。

展示されている珠玉の作品たちも
「作品保護のために照明を暗くしています」という但し書きのもとに
かーなーり薄暗い照明の中で展示されているんだけど
ハッキリ言って暗すぎてわかんないよっ!と突っ込みたくなるものも多い。
気持ちは分かるんだけど、もうちょっとなんとかならないものか…と思う。

そんな中で、今回の目玉展示である
『ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)』が
天井の高い大きな展示室で、比較的明るい照明で展示されているのが嬉しかった。

これまで教科書や画集などで、幾度となく目にしてきた作品だけれども
まず、思っていたよりも大きな作品であることに驚いた。
サイズは231.8×142.3cm。
見上げるような大きな画面の中に、
鮮やかな赤色の打掛をまとって扇子を持ち、にっこり振り返る金髪の女性。
素直に「うわ〜、なんて素敵な絵なんだろう」とときめいた。

作品が展示されている隣の部屋では、
『ラ・ジャポネーズ』の修復プロジェクトに関する映像が流れていて
それを観ちゃうと、また前の展示室に戻って
改めてもう一度『ラ・ジャポネーズ』を観てみたくなったりして
かなり長い時間、この作品に魅せられてしまった。


さて、目玉作品も観たし、おそらく残りの展示はそんなに多くないだろう。
あとはテキトーに流し見して、
16時半には美術館を出なくては…と思っていながら
ここが最後と思っていた展示室を出たら、
なんと「第2会場はこちら」的な立て札が!!!( ̄口 ̄;)。
実はやっと半分観終わっただけだったのだ_| ̄|◯。

でももう時間があんまりない。
残り30分で、音声ガイドも関係ない作品のところで流しながら
ダァーーーッと観て、ミュージアムショップで取り急ぎ買い物もして
16時45分発の用賀駅直行バスに乗らなくちゃーーー!
と外に出たけど、バス停の場所がわからない。
わー、どこだどこだバス停どこだ?!…あった!バスもいる!
あーっ!あーっ!あーーーー……バス行っちゃった〜(T^T)。

しょーがないから、帰りも用賀駅までトホホな徒歩。

なんでこんなに急いでいたのかというと、
18時10分から川崎で映画を観ることになっているからなのだ。
早歩きで用賀駅に到着し、時計を確認。
まぁ10分くらいのロスなら、映画には間に合う。
…と思ったら今度は電車が遅れてる〜〜〜(T^T)(T^T)(T^T)。

結局、川崎に到着して映画館の座席に付いたのは開始時間の5分前だった。
まぁー間に合ったから結果オーライだけども、なんかどっぷり疲れた(x。x)。


こんな感じでバタバタなアート鑑賞になってしまったけど
『ラ・ジャポネーズ』以外で、印象に残ったのは
・歌川広重『名所江戸百景』シリーズ、
・ブシュロン社 デザイン:ポール・ルグラン『インクスタンド』
・フェリックス・H・ビュオ『日本の洗礼式(ジャン・ビュオ1歳)』
・鳥橋斎栄里『(近江八景 石山秋月)丁子屋内 雛鶴 つるしつるの』
・ポール・ゴーギャン『ヴォルピーニ連作』より《ブルターニュの楽しみ》
・フィンセント・ファン・ゴッホ
  『子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人』
・アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック『騎手』
・歌川国貞『虎』
・ポール=エリー・ランソン『密林の虎』
・ジスベール・コンバズ ディートリッヒ社
  『12枚組ポストカード<四題元素>より《空気》《水》《水》《火》』
・ステューベン・ガラス工房 フレデリック・C・カーダー
  『ブルー・オリーン扇形花瓶』
…こんなとこだろか。


大慌てでミュージアムショップで買った自分土産は
リラックマ×ラ・ジャポネーズのクリアホルダーセット。
03_rilakuma.jpg
ホントはね〜、ポストカードなんかも吟味して買いたかったんだけど
もうとてもとてもそんな時間はなかった…(-_-;。


世田谷美術館、うちからだとちょっと行きにくいところにあるし
もうおそらくしばらくは来ることはないだろうと思ったけれども
9月からの展示が《北大路魯山人展》だって。
…行きたいじゃないのサ。
04_chirashi.jpg
nice!(1)  コメント(6)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 6

りく

こんにちは。
世田谷美術館9月北大路魯山人展に是非行きたいです。
こちらで、教えて頂いた根津美術館も素敵でした。

来週は、いよいよ夏のイベントですね。
チケットも無事届き、グッズも発表になり凄く楽しみです。
ライブ♪レポは梅屋さんに任せるから(スミマセン)大丈夫だし、2日間思い切り拳を振り上げて、日頃のストレスも発散して来ます。


by りく (2014-07-19 11:24) 

梅屋千年堂

>りくさん
去年、足立美術館で魯山人の作品を観て以来、
すっかり魯山人好きになってしまいました(^^;ゞ。
世田谷美術館、ちょっと行きにくいけど
魯山人展はきっときっと観に行こうと思います。
(「絶対観に行く」じゃないとこがなんとも軟弱…^o^;)。

夏イベもいよいよ1週間後に迫ってきました。
久しぶりの2daysの夏イベ、どんな内容になるのかワクワクしますねo(^-^)o。

by 梅屋千年堂 (2014-07-19 22:17) 

おーちゃん

過去記事へのコメントになってしまいますが、ご容赦を。

先日名古屋への出張があり、せっかくなので観光でも、とリサーチすると「おお!ボストン美術館でジャポニスム展をやっているではないか~」。ということで、東京では交通の便を理由にパスした(笑)美術展に、これも御縁とばかり足を運んだのでした。ここは駅前で交通至便!

浮世絵の横に西洋絵画、工芸品と、一粒で3度おいしい(笑)そんなに薄暗い感じではなかったので、よく見えましたよ。
「ラ・ジャポネーズ」はさすがの大作、迫力で、見ごたえがすごい、私も相当の時間見入ってました。

こじつけちゃうの~というのも確かにありましたが、当時はきっと多かれ少なかれ影響を与えていたんでしょうね。

リラックマのクリアホルダー、なかったように思います。売り切れたのかなあ・・・残念!

それと、熱田神宮にも参拝してきました。数あるお守りの中で「仕事守」をいただいたワタクシって・・・(^^;)

by おーちゃん (2015-02-14 11:28) 

梅屋千年堂

>おーちゃんさん
たとえ何年前の記事であろうとも、コメントはいつでも歓迎です(*^^*)。
そうか、この展覧会、今は名古屋を巡回中なのですね。
名古屋ボストン美術館だけあって、会期も他会場より長いですね。

リラックマのクリアファイル、なかったですかー。
世田谷でも「お一人様◯枚まで」ってなっていたような気がしますし
人気商品で、一時的に品切れしていたのかもしれませんね。
人気の展覧会では、グッズが一時的に品切れになることも少なくないようで
「もう一回来なくちゃダメじゃん」という気持ちにさせられます…これも作戦?(笑)。

来週はいよいよ熱海のMOA美術館に光琳の二大傑作を観に行ってきます!。
更に畠山記念館の『THE 琳派』も観て、更にみなとみらいのSUBWAY GALLERYに
『JPCO Gallery Spring 2015 / 日本の写真文化を海外へ』も観に行く予定です。

追伸:「仕事守」を選んだおーちゃんさん、カッコイイです。

by 梅屋千年堂 (2015-02-14 22:58) 

おーちゃん

熱海はちょうど梅が見頃ですね。梅の季節に梅屋さんが梅の絵と梅の花を見に行く。いい取り合わせです!
あっ、だから根津では燕子花の季節(本当はもう少し遅いけど)にやるのか!

奈良弾丸ツアーをされたようで、しかも間髪置かず熱海。梅屋さんのパワーには圧倒されます。でも、名古屋で名古屋飯三昧だった私も、旅心がうずうずしております。旅は食べてなんぼ、見てなんぼ。そして感じてなんぼですわ(←なんでいきなり関西弁?)。
熱海の感想、お待ちしておりま~す(^^)/


by おーちゃん (2015-02-16 23:11) 

梅屋千年堂

>おーちゃんさん
一応明日行く予定にしているのですが…雨ですよね〜しかも寒いですよね〜。
梅の花は…ないかも(^^;。
本当は温泉宿にでも泊まってのんびりしてきたいのですけど
お金がないのでまた日帰りです(笑)。
そしてお金がないとか言いながら、ミュージアムショップでは
気持ちが大きくなって財布の紐が緩んでしまうことでしょう(^o^;。

by 梅屋千年堂 (2015-02-16 23:46) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0