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初めての坐禅 [OTHERS]

先週の水曜日、生まれて初めて「坐禅」を体験してきた。

横浜にある鶴見大学の生涯学習セミナーの一つ、
『総本山總持寺で禅を始めよう』に参加してきたのだけど
なにゆえ突然そんなことになったのか…。
それは年下の同僚(かの「雷神おこし」の空き箱を持って帰った同僚)が
ちょっと前に参加してきて「面白かったですよー」と話していたから。

いくら「面白かったですよー」と言われたって
自身に興味がなければそんなものに申し込むわけがなく、
もちろん自分も「面白そうだ」と思ったから。
実は、前々から座禅ってやってみたいと思ってたのだ(^^;ゞ。

場所は鶴見大学の隣にある総持寺という大きなお寺。
そもそも鶴見大学はこの総持寺が運営しているのである。
その敷地は東京ディズニーランドがすっぽり入るほどだというから驚き。
石原裕次郎のお墓があることでも有名だ。

坐禅などというと早朝集合を連想するが
朝9時45分集合、10時開始という生ぬるい座禅なのだ(笑)。

01_sanmon.jpg
山門を抜けて、受付のある香積台へ。
名前を告げて受付を済ませると、同じタイミングでやってきた
他の受講者の方々と共に、三松閣という大きな建物の
4階にある控え室に案内される。
ここでトレーニングウエアなどの楽な服装に着替えてから
教室となる大講堂で講義が始まるのを待つ。

セミナーのメインは座禅なのだけど、1日中座禅をやるわけではなく、
写経があったり精進料理のランチがあったり(実はこれが一番楽しみ?)、
お坊さんの有り難い法話があったり、
たくさんある総持寺のお堂の拝観の時間が設けられたりと
なかなかに充実しているのである。

参加者は30名程度だろうか。
年齢層では60代くらいの年配者が多く、一番若そうな人でも30代後半〜40代。

まずは今日1日の予定に関する説明と諸注意があって、その後すぐに写経開始。
写経といえば「般若心経」なのだけど、それだと時間がかかるので
ここでは「舎利礼文(しゃりらいもん)」と「延命十句観音経」という
短めのお経を2つ、40分で書き写す。

これがもう「巧く書こう」なんて邪念が入ってしまうと
逆に全然巧く書けない(^o^;。
まさに無心で書き写すことが目標なのだけど、
久々の写経とあって、ちょっと時間をかけすぎてしまい
終了時間ギリギリになってしまった。

書き終わった写経はその場で奉納。
さー!そのあとは待ってました〜!精進料理のお昼ご飯ヽ(^。^)丿。
だがしかし…
すぐさま食堂に移動してゴハンにありつけるものと思っていたのに
ここで「五観の偈(げ)」と呼ばれる、禅宗における食事作法についての解説。
「禅宗における」と書いたけれども、本当は「禅宗だから」とか
そういうことには関係なく、
食事をいただくにあたって感謝すべき当たり前のこと。
当たり前のことだけど、つい忘れがちになってしまうこと。

そんな有り難いお話を聞いた後、食堂に移動して精進料理をいただく。
写真を撮ってもいいのかどうか分からないし、
普通に考えたらダメだよなぁと思ったので、写真は撮らなかったのだけど
お品書きは以下の通り。
・ごはん
・味噌汁(わかめとお麩)
・ほうれん草のおひたし
・ひじきの煮物
・野菜の煮物(里芋・人参・椎茸・がんもどき)
・胡麻豆腐
・油揚げを重ねて揚げたもの 昆布巻き 生麩
・海草の酢の物

「多かったら残してもいいですよ」と言われていたけれど、
「五観の偈(げ)」を教わった直後にそんな粗末なこと出来るワケがない。
というか、それ以前に、アタシ的にこのメニューで多すぎるワケがない(爆)。
(だって本当にみんなちょこっとずつしかないんだもの^o^;)。

当たり前だけど、どれもさっぱりとして薄味で美味〜。
毎日こんな食事をしていたら、さぞかし健康的だろう。

アタシにしては、ものすごーーーく時間をかけて
ゆっくりと味わっていただいたつもりだったのに、
全てのお皿をきれいに平らげて周りを見回したら
みなさんまだまだ半分くらいしか食べ終わっていない状態(^o^;(^o^;(^o^;。
手持ちぶさたで困ってしまった。

ちなみに、この時使わせていただいたお箸は
今日の記念に貰って帰ることができる。
使いやすいお箸だったのでチョットウレシイ。


食事が済んだら再び大講堂へ戻って、またまた有り難い法話の時間。
空腹が満たされて、一番まったりとした時間にこれはキツイ。
修行は既に始まっている…そんな感じだ。
まぁお話がそれなりに面白くてタメになってので
さほど眠くはならなかったけど、最前列の席で
堂々と眠っているおばちゃんもいた。…勇者だ(笑)。


そしていよいよ本日のメインイベント、坐禅の時間。

まずは大講堂で、坐禅のお作法の解説。
いろいろと細かい約束事が多いため、間違えたらどうしよう…
などと、ガラにもなくちょっと緊張してしまう。

解説が終わったら、受講者全員ぞろぞろと並んで衆寮と呼ばれる坐禅堂に移動。
さっき大講堂で習った作法通りに、それぞれの位置に付く。
堂内を歩くときには叉手(シャシュ)という手の組み方。
座る前に、隣位問訊(りんいもんじん)と対坐問訊(たいざもんじん)で
隣の人と向かいの人にご挨拶。

足の組み方は結跏趺坐(けっかふざ)または半跏趺坐(はんはふざ)が基本だけど
足腰が痛む人はムリをせず、正座や胡座でもいいですよ、とのこと。
それもムリなら椅子坐禅も可。
アタシは結跏趺坐もできないではないけど、
これを長時間やるのはキツいなってんで、半跏趺坐。
手は法界定印(ほっかいじょういん)を結ぶ。

左右揺振(さゆうようしん)で姿勢を整えて
止静鐘(しじょうしょう)という、坐禅の始まる合図の鐘がなったら
そこから坐禅開始。

シーン…と静まりかえった中、時々外で風がサーッと吹いていく音が聞こえる。
(こういう音に耳が行っちゃうこと自体ダメダメなんだろうけども^^;)。

背後を、警策(きょうさく)を持った修行僧が行き来している気配も感じる。
警策とは、坐禅でお馴染みの、肩を打つあの棒のこと。
油断してると「喝!!!」って感じでぶたれちゃうのだろか〜と
ビクビクしていたのだけど、今日の坐禅での警策は自己申告制。
眠気や妄想(笑)が襲ってきたら、法界定印を解いて合掌する。
それを見つけた修行僧がすかさず背後にやってきて、肩を叩いてくれる。

坐禅が始まってしばらくすると、この警策を受ける音が
あちらこちらからバシバシ聞こえてくるようになり、
「きゃっ、誰かぶたれてる〜〜〜(^o^;」などと
そこでまた気が散ったりなんかして。


しばらく時間が経過したところで、坐禅の終わりを告げる鐘がなる。
でもこれはあくまでも小休止。
一旦足を解いて、立ち上がり、
今度は「歩く坐禅」と呼ばれる「経行(きんひん)」を行う。
両手は叉手を結んで、一足半歩(一呼吸で半歩)で堂内をゆっくり歩く。
これが時間にして大体10分くらいか。

その後、さきほどの席に戻って坐禅再開。

最初の坐禅では、緊張のためかそれほど眠くならなかったし
ちょっとおっかなかったこともあり、
あえて自ら警策を求めることはしなかったのだけど
せっかく坐禅に参加してるのだし、ちょっと眠気も襲ってきたので
話のタネにやっぱり一度はぶってもらおうと(笑)
合掌して警策を待った。

数秒後、修行僧が背後に立ち、まず予告として右肩を軽くポンと叩いてくるので
受ける側は首を左に曲げて前屈みになって待つ。
ドキドキしてると…「パシッ!」と一撃。

どんだけ痛いんだろうとビクビクしてたんだけど、大したことはなかった。
イタ気持ちイイ、そんな程度(笑)。
でもこれは人によるのかも。
女性に対しては手加減してる感じだったし、
「バシーン!」と物凄い音で叩かれてる人もいたからね〜(・_・;)。

腕時計は外すように指示されていたので、
実質どれくらい坐禅を行っていたのかハッキリしないけれど
40分くらいというのが一般的なようだ。
40分坐禅して、10分経行して、また40分坐禅。

アタシ絶対に途中で寝てしまう!と思っていたけど
意外なことに、致命的な眠気が襲ってくることはなかった。
なによ、アタシってば結構集中力あるじゃん、などと自画自賛。
(そんなことを考えてる時点でなっとらんのだが…苦笑)。


坐禅のあとは、その足で境内の諸堂拝観。
なんだかもぉ〜〜〜デカすぎる総持寺。敷地もデカいが組織もデカい。
坊さんたちの仕事も全て担当制になっていて、それぞれ部署が決まっている感じ。
お寺と言うよりも、もう「株式会社総持寺」なのだ。

受講者を案内しながら、お堂の説明をするお坊さんは
若くてなかなかのイケ僧(笑)で、しかも話が巧い。
こういう人は広報担当なのかも知れないな(^^;。

そのイケ僧によれば、驚いたことに堂内の写真撮影はOKとのこと。
なんだよ〜〜〜。そうとわかっていればカメラ持ち込んだのにー。
控え室に置いてきちゃったじゃんか〜。

仕方ないから、たまたまバッグに入っていた
iPod touchのショボいカメラで撮影。
全然ダメダメ写真ばっかりなんだけど…(^^;。

仏殿
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紫雲臺(しうんたい)の障壁画
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同じく紫雲臺、龍の間。
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総持寺ご自慢の日本一大きな木彫りの大黒さま。
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諸堂拝観を終えて、再び大講堂に戻ってきたのが15時30分。
そこで総括があり、アンケートを書き終え、16時解散。
ここまでほっとんど休憩らしい休憩はナシ!。
さすがに疲れたし、お腹ペコペコ。
グッズ売り場(笑)がなかなか充実していたようなので
見て帰ろうと思っていたんだけど、もうそんな余力は残っていなかった。

疲れたけど、気分は清々しいっす〜〜〜!!!。
06_koshakudai.jpg
機会があったら是非ともまた参禅したいものである。
(真冬はちょっとヤだけどね^o^;)。


数日後、同僚と顔を合わせたときに交わした会話…
「坐禅どうでしたー?」
「思ったより本格的で面白かったよー」
「座蒲(ざふ)欲しくなりませんでした?」
「欲しい!。実は帰ってからネットで探したんだけどさー。
 ネットだと固さとか座り心地がわからないじゃん?。
 もしかして総持寺のグッズ売り場にも売ってたのかなー?」
「売ってましたよ。確か3000円くらいだったと思う」
「そーなんだー、買いにいこうかな」
「ワタシも欲しいと思ってるんですよねー」
「ねー、いいよね座蒲ー。買っちゃおうかな…(^o^;」


座蒲とは、曹洞宗の坐禅で使う、丸い座布団のことである…。
そんなものを欲しがるアタシ達っていったい…(笑)。







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《オマケ》
“GLORIOUS”ジャケ写、おもろーい!!!。
どれも結構好きかも(*^^*)。
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コメント 2

きゅう

最近のお寺は体験、講演などいろいろな催し(?)があるようですね。

どうしても「坐禅」ときくとコントでありがちな「笑ってしまってビシッ!と叩かれる」や一休さんを連想してしまうのですが(古い)、実はソフトなんですね。←女性だけ?
ところでロータスクッションは座蒲の代わりになりませんか?

>ジャケ写
「曽我蕭白かよ」が第一印象です…実は蕭白以外に「それ風」がありますが蕭白のインパクトが強かったので。
by きゅう (2013-10-20 02:00) 

梅屋千年堂

>きゅうさん
いろいろ考えてますよね。
総持寺はまるで曹洞宗のテーマパークのようでした(笑)。

座禅で使う本格的な座蒲は、パツパツにかたーく綿が詰めてあるのですが
仏頭展のロータスクッションの中身はソバ殻(あるいはパイプ?)っぽい
ジャラジャラした感触のものが入っていて堅さが微妙なのです。
ちょ〜っと違うかなーという感じです。
(しかもロータスクッションは値段が高い…^^;)。

ジャケ写Aタイプ、単純なアタシは「雪舟か?」でした。
思わずまた元ネタがあるのか?なんて思ったりなんかして。
これは…「崖っぷちの3人」を表しているのでしょうか???。

by 梅屋千年堂 (2013-10-20 23:04) 

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