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空海と密教美術展 [EXHIBITION]

和洋《像》めぐり・其の一。
『空海と密教美術展』@東京国立博物館の巻。

早く行かねば〜!と思いつつ、夏休み中はやはり混んでるだろうなぁと
先延ばしにしていたらあっと言う間に9月になってしまった。
9月25日で終わってしまうし、前売り券も買ってあるので
ここは何としても行っておかなければならない。
天気予報は雨だったけれども(結局降らなかったんだけど-_-;)
かえってその方が空いてるかな?と期待しつつ上野へ。

01_kukai.jpg

入場制限をしているほどではないが、やっぱり結構混んでいる。
まぁ行った時間帯のせいもあるが…。
(しかし、展覧会の公式サイトを見たら、
 それでも今日は比較的空いていた方らしい)。

02_kukai.jpg

空海自筆の書であるとか、奈良時代の密教関係の経典、肖像画、
空海が唐から持ち帰ったという法具や仏像など
様々なものが展示されているが、そういったものにあまり時間を掛けていると
肝心の目玉展示に辿り着く頃にはグッタリ…ということが多々あるので
そのあたりの展示物はサラッと見学。

その目玉展示の一つが、両界曼荼羅図。
会期中何度か展示替えがあって、現在展示されているのは
和歌山・金剛峯寺蔵の「血曼荼羅(胎蔵界)」。
う〜ん…なんだかハゲチョロな上に照明が暗めなので
ハッキリわからんなぁと、単眼鏡を取り出して上の方などを観察。
ぬぉ〜…なるほど、大日如来が確認できた。

それにしても「血曼荼羅」とは何やらおどろおどろしい名前である。
これは大日如来の周りを描くときに、
平清盛の血を絵の具に混ぜて使ったという言い伝えから
そう呼ばれるようになったもの。…やっぱりおどろおどろしい(^^;。

京都・醍醐寺からやってきて仏像たちも個性的で面白い。
特に「如意輪観音菩薩像」
6本腕の観音様なのだけど、「あ〜ぁ、ちょっと疲れちったな」って感じで
妙にリラックスした姿に癒される。

それと、五大明王のうちの「大威徳明王像」。
このお方は水牛に乗っているのだけど、その明王の険しい表情に反して
この水牛のなんとも言えないユルさがイイのである(^o^;。


そして本展最大の目玉は、東寺からお目見えした8体の仏像。
講堂の立体曼荼羅を構成する21体のうち、8体もトーハクに来てしまった。
…今の東寺講堂はさぞかし殺風景だろうなぁ(^^;。
現在こちらに出張してきているのは
金剛業菩薩、金剛法菩薩、持国天、降三世明王、増長天、
梵天、大威徳明王、帝釈天のみなさん。
広くて天井の高い展示室に、立体曼荼羅さながらに配置されていて
観覧者はその仏像の間を縫うように
360度どこからでも自由に観ることが出来る。

最近のトーハクにおける仏像展示は本当に凝っていて
天井や壁に映る影の見せ方まで工夫しているところが素晴らしい。

これまでアタシは何故か東寺にだけは何度も訪れていて
http://humezawa.blog.so-net.ne.jp/2006-05-11-1
http://humezawa.blog.so-net.ne.jp/2008-04-27
そのたびに講堂の立体曼荼羅も観てきたはずなんだけど
薄暗いお堂の中で観るのとは雰囲気が全く異なる。

もちろんお堂の中に安置されてる方が霊験あらたかな感じがするのだけど
なにしろ暗いので仏像の細部まではとても分からない。
ほぉ〜!、増長天や持国天はこんなに迫力のある顔だったのか!、
しかもコスチューム(甲冑)がめっちゃカッコイイじゃないのさ。

手足が6本だの8本だの生えていて、顔も複数あるという異形の明王たちも
そんな姿なのに違和感がないところがスゴイ。
もし、映画『ナイト・ミュージアム』みたいに
夜中になってこの方々が動き出したら…どんな風に歩くんだろうか?
複数の顔同士でケンカしたりしないんだろうか?
などとアホなことも浮かんできたりなんかして。

そして、この立体曼荼羅の花形は「帝釈天」!。
東寺講堂では端っこに配置されてる脇役なんだけども
この帝釈天がもう、イケメン仏でね〜(笑)。

ご覧の通り、チケットやチラシでも一番目立つところに配され…
03_kukai.jpg
人気投票でも、ダントツ1位!。
本家本元・東寺の公式サイトでも一番最初に画像が出てくるという…(^^;。

このイケメンぶりは、興福寺の阿修羅像といい勝負だなと思っていたら
実際、阿修羅と帝釈天は、阿修羅の娘を巡って
何度も何度も戦っているんだそうな(負けるのはいつも阿修羅)。
そんなイケメン仏対決…ちょっと観てみたいような気がしないでもない。


『空海と密教美術展』…非常に見応えのある展覧会だった。

さて、《和の像》を観た後は《洋の像》。いざ国立西洋美術館へ。



《TO BE CONTINUED...続く》


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『空海と密教美術展』は
東京国立博物館・平成館にて9月25日(日)まで開催中。
公式サイトはコチラ
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ゆき

私は、少し前に「東北復興支援特別企画~棟方志功 祈りと旅」を観てきました。
棟方志功さんの作品は、教科書やちょっとした本などでしか観たことがなく、今回初めてじっくり観ることができました。

中でも全長26mの気の遠くなるような大作を前に、しばし立ち尽くしてしまいました…

ちとマニアック(と勝手に思っていた)で、観覧者もそんなにいないかと思いきや、結構人が多くて驚きました。

さてさて、国際フォーラム、返金のお知らせはなかったので、チケットは確保できたようです。
ちょうど(!?)芸術の秋、なので名古屋では観ることができない展覧会とかあれば、この機会に行ってみようか、なんて今のところは思ったりしているのですが…

と、そう、もうあと1ヶ月でツアーが始まるんですねぇ。早い!
春のツアーが終わった時は、ずいぶん先だと思っていたのですが…

遠征時のプチ観光の予定もそろそろ決めていかなくては^m^

by ゆき (2011-09-05 02:48) 

梅屋千年堂

>ゆきさん
棟方志功は、実は横浜市民にとっては結構身近な存在だったりします。
(いや、そう思っているのはアタシだけかもですが^^;)。
横浜に勝烈庵という老舗のトンカツ屋さんがありまして
そのお店の車内広告などに棟方志功の版画が使われていますし
店内も棟方志功の版画が多数飾られているようです。
なので、子供の頃からアタシの思考回路では
棟方志功=勝烈庵という結びつきになっています。

そっか〜、あと1ヶ月で秋ツアーが始まるんですね。
10月は初日・八王子のみなのでちょっとサミシイところですが
その分11月・12月はまた怒濤の2ヶ月になるので
健康管理に気をつけて乗り切りたいところです。

アタシもびわ湖遠征時の観光についてあれこれ画策中です。
日帰りしようかと思ってましたが、今回元々遠征が少ないので
やっぱり前乗りして京都に宿泊することにしました(^^;ゞ。

by 梅屋千年堂 (2011-09-07 04:27) 

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