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大英博物館 古代ギリシャ展 [EXHIBITION]

和洋《像》めぐり・其の二。
『大英博物館 古代ギリシャ展 究極の身体、完全なる美』
@国立西洋美術館の巻。

トーハク『空海と密教美術展』のミュージアムショップで
ポチ袋と図録(父に頼まれた)を買った後、今度は国立西洋美術館へ。

ここで開催中の展覧会がこれ。
06_body.jpg

でもその前に、ちょっと腹拵え。
国立西洋美術館内にある《CAFE すいれん》でお昼ご飯を食べることにする。

前々から一度入ってみたいと思っていたのだけど
いつ行っても並んでいるので諦めていた。
でも今日は何人並んでいようが絶対に入るぞ!と決めていたので
前に5〜6人待っていたのだけど、列の最後尾に。
結構待つかな?と思ったけれど、20分も待たずに中に入ることができた。

《お一人様》なので(^^;、窓側のカウンター席に。
04_suiren.jpg
美術館の中庭を眺めながら食事が楽しめる。
網入りガラスなのがちょっと残念…。

いわゆる洋食のレストラン。
カレーあり、オムライスあり、スパゲティあり、ビーフシチューあり、
ステーキあり、カツレツあり…。
古代ギリシャ展の特別メニューとして
《ギリシャ風ミートボール(ユワレラキラ)すいれん仕立て》
なんてのもあったのだけど、肉よりも魚が食べたい気分だったので
「料理長のおすすめメニュー」という《鱸のスープスパゲティ》を選択。
なんとなくこれだけでは足りなそうなので、パンも注文。

うっ…、なんか思ったより脂っこそう(^^;。
05_suzukipasta.jpg
しかもめっちゃ熱くていきなり舌ヤケド(x。x)。
スープスパゲティなので仕方ないけど、
パスタにスープがからまないのでなんだかちょっと味が薄い。
でもスープだけすすってみたら、(脂っこいけど)なかなかイケる。
このスープ+パンの組み合わせの方が美味しかったりして(^o^;。


お腹が満足したところで、いざ展覧会場へ。

こちらも結構混んでいるのでは?と覚悟していたのだけど
トーハクよりもずっと空いていた。

その展覧会名のとおり、大英博物館が誇るギリシャ・ローマコレクションから
人間の身体を表現した彫像・レリーフ・壺絵などが135点。
2000年以上前から、こんなにリアルな肉体表現が既に完成されていたとは。
古代ギリシャの彫刻家の技術の高さに圧倒される。

それにしてもだ。
さっき観てきた仏像たちが、
煩悩を断ち切ることを観る者に伝えているのに対して、
愛欲にまみれまくったギリシャ神話の神々たち…。
いや、神々のみならず壺に描かれた一般の人々の暮らしぶりもかなり際どい。
古代ギリシャ彫刻や壺絵の表現があまりにも自由すぎて
なんだかちょっと戸惑ってしまうくらいである(^^;。

しかもちょっと前にBS日テレの『ぶらぶら美術博物館』という番組で
山田五郎やおぎやはぎが面白おかしく作品を鑑賞していたのを思い出し
思わず吹き出しそうになったりなんかして( ̄m ̄)。

なんか鑑賞の仕方が間違ってる気がするなぁ(^^;と思いつつ
本展の目玉《円盤投げ(ディスコボロス)》の展示室へ。

さすが初来日の《ディスコボロス》、扱いが別格。
この作品を観るためだけの円形の部屋が用意されている。
黒い背景に浮かび上がる白い大理石彫刻。
ぐるっと360度、いろんな角度から鑑賞できるようになっている。

大理石とは思えないほどリアルに表現された筋肉。
その腕には血管まで浮き上がっている。
だけど、他のギリシャ彫刻同様、その顔は無表情。
これから力一杯円盤を投げようってんだから、
もうちょっと力の入った顔をしててもいいんじゃないか?。
でも、その顔をもうちょっとよーーーく観察してみると
なんとなく歯が見えていて、歯を食いしばっているように見えなくもない。
でもやっぱり殆ど無表情。
ギリシャ彫刻って、肉体は饒舌だけど、
意外とみんな顔は無表情なんだな…ということに今更気がついた。


たまたま《空海と密教美術展》と同時に観たから
「へぇ〜」と思っただけなのだけど、
《ゼウス小像》が持つ「雷霆(らいてい)」という道具と
東寺の《帝釈天》が持つ独鈷杵という密教法具に注目。
ゼウスはこの雷霆を使って雷を起こして、気に入らないヤツをやっつける。
帝釈天の独鈷杵も(本来は煩悩を打ち砕くための法具だけど)
帝釈天の独鈷杵は、雷を操るために用いた武器なのだそうで
大きさこそ違えど、なんだか形状が似ているので
どこかで繋がっているのかも知れないなぁなどと勝手に想像。


最後はミュージアムショップでお買い物。
とはいえ、あんまり欲しいものはなく
だけどもやっぱり《ディスコボロス》は凄かったので
記念にレンチキュラーのポストカードを購入。
07_body.jpg
(写真だとわかりにくいけど、ハガキの角度を変えることで
 ディスコボロスの向きも変化する、という仕掛けになっている)。


このようにして、和の像と洋の像を立て続けに観てきたワケなんだけど
仏像の方が心に響いたのは、やっぱり自分が日本人だからなのか、
それとも単に自分が歳をとったからってだけなのか…そこんとこは微妙(^^;。
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コメント 8

きゅう

やはり行かれましたね。
しかし立て続けにみる二つとしては全く違う映画を二本続けてみるような感じですね。

昨年の「ポンペイ」以降「テルマエロマエ」を読むようになってこの手のギリシャ、ローマ彫刻にも気が向くようになってきました。
(後は「世界の博物館」ですね)
ギリシャ彫刻の大理石を彫っても仁王像のように木を彫っても筋肉などを表現することの出来る先人はすごいですね、それが今でも残っていることも。

今週は岐阜の薬師寺展に行く予定です。
by きゅう (2011-09-05 02:20) 

梅屋千年堂

>きゅうさん
ホントに映画の二本立て並に疲れました。
でもまったく違う展覧会で、かえって良かったかも知れません。
同じジャンルの映画を二本立てで観ると、
観終わった後にちょっと混乱するように、
もし同じような展覧会だったら、どの作品がどっちの展示だったのか
多分ワケわかんなくなっていたと思います(^^;。

洋の東西を問わず、先人達のイマジネーションと
それをカタチにできる技術というのは本当に素晴らしいです。
と同時に、モデルになった人(仏像の場合モデルがいたのかどうか
よくわかりませんが…)もさぞかし大変だっただろうな、と(^^;。

岐阜の薬師寺展…目玉は吉祥天女像と聖観世音菩薩像あたりでしょうか。
(残念ながら水煙は…来てなさそう…でしょうか)。
昨年末、薬師寺に行った時に聖観世音菩薩は観てきましたが
綺麗な仏像さんだな〜と思いました。

by 梅屋千年堂 (2011-09-07 04:19) 

きゅう

行って来ました薬師寺展@岐阜
さて目的の水煙ですが建物に入って会場入り口前にイキナリ展示されていました(入場料無しで見られる状態)。
展示物としては巻物などをあわせて20点程度でしたので小規模な物でしたが人も少なくじっくり観ることが出来ました。
吉祥天女像は第一印象は「小さっ!」で近くに拡大して解説がされているのですが(なんだかレンブラントやフェルメール展のようだ)それを読んで実物を確認しても「全くわからん…」でした。一緒に行った友人と「眉の緑の縁取りってみえる?」「見えない」と話していると隣にいた70代くらいの団体の方が「ほら、あの人たちが判らないくらいだから私たちに見えるはずがないのよ」などと言っていました(笑)。
(そんな若くないんですがね)

薬師三尊は出展(出開帳というそうです)されていなかったのですが大きな写真パネル(上半身のみ)が掲示してありました。

薬師寺の僧侶の方のガイダンスが別室で行われていたのですが話慣れをされているのかとても面白くきけました。「皆さんは奈良のお寺というと何が浮かびますか?」の問いかけに客席から「法隆寺」「東大寺」「興福寺」などと出るのですが「みなさん、少しは空気を読んでください。今日は何をやっているか思い出して…奈良のお寺といえば?」「薬師寺!」「はい、ありがとうございます」
そんな調子で笑いもいれながらお寺の歴史を語り、最後に図録、絵葉書、写経の紹介もありました。

で帰りに売店でポストカードと般若心経のクリアファイル(←どこで使う?)を買って帰りました。

しかし仏像を一緒に見に行く友人って…(笑)。
by きゅう (2011-09-10 03:26) 

梅屋千年堂

>きゅうさん
水煙、あったんですね!。しかも入り口にドドーンと?!。
さぞかし迫力があったことでしょう。

薬師寺のお坊さんの説法は、面白いことで有名ですよね。
アタシも今から30年近く前、修学旅行で薬師寺を訪れた際
ここのお坊さんの説法がめちゃめちゃ面白かったことを
いまだによく憶えています。
こうした土壌を作ったのは、
みうらじゅん著「マイ仏教」にもチラッと登場する
高田好胤さんという方のようです。
その面白い説法が脈々と受け継がれているのだとしたら
トークが巧くないと薬師寺の僧侶として採用してもらえいないのかも?!。
あるいは入寺後に厳しい研修があったりして?!。

>>しかし仏像を一緒に見に行く友人って…(笑)
いいじゃないですか、みうらじゅん氏といとうせいこう氏みたいで。
あ、それとも…もしやデートですか?。
それはそれでシブくてオツなデートではないでしょうか。

by 梅屋千年堂 (2011-09-10 23:15) 

きゅう

そういえば肝心の古代ギリシャ展についてふれていませんでした。
(スミマセン)
ちょうど「世界の博物館」でディスコボロスをいろいろな方向から撮した写真が掲載されていましたがレンチキュラーポストカードはそんな感じでしょうか?

>他のギリシャ彫刻同様、その顔は無表情
大理石彫刻は白いので余計に無表情に見えるのかもしれませんね。
あと白眼むいているようにみえるのですが…(笑)。

しかしスマートな競技者ですね。世陸の競技者のムキムキとは大違いです。

>仏像を一緒に見に行く友人
どちらかというと「見仏記」です(笑)
期待を裏切って(?)スミマセン(笑)
by きゅう (2011-09-12 01:52) 

梅屋千年堂

>きゅうさん
レンチキュラーポストカードは、1枚で、前・後ろ・横向きの
ディスコボロスが楽しめるというシロモノです。
いろんな方向の写真を数枚買うよりも、ちょっとお得感があるかなと(笑)。

さすが理想の肉体美を追及した古代ギリシャ人だけあって
マッチョ過ぎない均整の取れた美しい体型でした。

>>あと白眼むいているようにみえるのですが…
目の部分に黒目を書き入れたら随分イメージが変わるでしょうね。
(レディー・ガガみたいになっちゃったりして…笑)。

by 梅屋千年堂 (2011-09-13 00:35) 

佐伯真魚

雷扱うと言ったら古代インドの神インドラですね、こやつが仏教化したのが所謂帝釈天ですな。まさにどう起こすのかは知りませんが雷起こしすアイテムが独こしょですな。それにより衆生を目覚めさすんだそうです。一説に独こしょは古代インドの武器を密教的に象徴化させたものだと言われています。が、かなり武具の歴史に詳しいのですが未だ古代インドにそんな武具が有ったという証拠は見たことが有りません。
それにしても貴方は着眼点が素晴らしいですな。なかなか鋭い物をお持ちだ。年はお若いのでしたら、感心、感心。

え?儂ですかな、儂は53億7999万年生きとる老いさらばえた臍下三寸だけ元気な密教僧じゃ。
by 佐伯真魚 (2012-10-20 00:16) 

梅屋千年堂

>佐伯真魚さん
空海さん?!なんて思ってしまったりなんかして。
コメントおよび詳しい解説ありがとうございます。
ふーん、独鈷杵のようなものは古代インドの武具には存在しないのですね(・o・)。
一体何がどこでどうなってあのようなカタチになったのでしょうね。
いろいろ勉強になります。

by 梅屋千年堂 (2012-10-20 02:02) 

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