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ボルゲーゼ美術館展 [EXHIBITION]

今日はこちらの展覧会へ。

borghese.jpg
絶対に行かないと!と決めていた展覧会。
会期はまだまだ先の4月4日までなので、慌てて行かなくても良いのだけど
こういった展覧会は終わりが近づけば近づくほど混み合ってくるので
早めに行っておこうと、昨日に引き続き2日連チャンで美術館通い。
今回はしっかり音声ガイドも借りて気合い十分なのだ(笑)。

ボルゲーゼ美術館は、イタリアはローマにある美術館。
名門貴族ボルゲーゼ家出身で、ローマ教皇の甥でもあった
シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿のコレクションが展示されている。
今回の『ボルゲーゼ美術館展』では、
15〜17世紀の作品が約50点公開されている。

中でも目玉は、今回日本初公開となる
・『一角獣を抱く貴婦人』ラファエロ・サンツィオ
・『洗礼者ヨハネ』カラヴァッジョ
・『シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿の胸像』ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ
・『聖母子、洗礼者ヨハネと天使』サンドロ・ボッティチェリとその弟子たち
の4点。

この4点の中で、まず一番最初に登場するのが
ベルニーニの『シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿の胸像』である。

ベルニーニといえば、
あの小説と映画でお馴染みの『天使と悪魔』の中での謎解きで
非常に重要な役割を果たした彫刻群を作った、あの彫刻家である。
『シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿の胸像』は、その作品名の通り胸像なので
例えば『聖テレサの法悦』、『アポロとダフネ』、
そして『プロセルピナの掠奪』のような
まるで目の前で芝居をみているかのような派手な劇的さはないけれど
今にも何か喋り出しそうな感じで、軽く口を開けた表情には
胸像とは言え静かな動きを感じることが出来る。
また、枢機卿が纏った衣服の襟が物凄く薄くて
「これ、ホントに大理石?!?!」と疑いたくなってしまうほどなのだ。
地味な作品ではあるけれど、ベルニーニの技術の高さは
十二分に感じることが出来る。

次に出てくるのが『聖母子〜』。
一応「ボッティチェリとその弟子たち」ということになっているけど
聖母や天使の表情などは、まさにボッティチェリのそれである。
丸い額縁の中に配された聖母子と天使を観ながら
「そういやベルリンの絵画館にもこんな感じの作品があったな〜」
などと思い出した。
それにしても、1488年頃の作品がこんなに鮮やかな色彩のまま
残っているのがオドロキだ。

『一角獣〜』は未だに謎の多い作品で、
20世紀に入って行われた修復の前は、貴婦人の方にはマントがかかっていて
更に一角獣の代わりに車輪を抱えていて
聖女カタリナに描きかえられていたのだとか。
(聖女カタリナの持ち物が車輪)。

描きかえられた理由も謎なら、モデルが誰なのかも不明。
一角獣が貞節を表すシンボルであることから
この女性の結婚の祝いに描かれたものではないか?とのこと。
音声ガイドによれば、ダ・ヴィンチの『白貂を抱く貴婦人』の影響を
受けているとのことだけど、背景の感じなんかは『モナリザ』だな〜と思った。

てか、そんなに「謎が多い作品」とか言われると
ホントにラファエロの作品で間違いないのかぁ?とすら思えてくる。
(まだアヤシイんじゃないの〜?なんて^o^;)。
だってさ〜・・・アタシが知ってるラファエロの作品に描かれた女性たちの顔と
この『一角獣〜』の貴婦人と、顔の趣がちょっと違わないかぁ???。

と、顔はイマイチな貴婦人なんだけど(小声)
一角獣の前脚を包み込む右手の手つきがなんだかとっても自然な感じで
なんだか毛並みの感触が観ているこちらにまで伝わってくるようだった。
(ホントにこんなミニ一角獣がいたらかわいいだろうね〜)。

展覧会の最後の方に登場するのがカラヴァッジョの『洗礼者ヨハネ』。
これがまた・・・聖人なのに妙に色っぽい(^^;。
ヨハネさん、なんでこんなに気怠そうなんだろうか。
聖人をこんなにセクシーに描いちゃってもOKだったのか?。
この作品に限らず、カラヴァッジョの作品には
こんな風に描かれた人が愁いを帯びた表情を浮かべているものが多いよね。


とまぁ、巨匠達の作品がスゴイのは言うまでもない。
その他の作品に関しては、正直言って初めて名前を聞くような画家のものだったり
作者名が「◯◯の模倣者」とか「◯◯の追随者」とか
「◯◯に帰属」だったりするものなんだけど
そうした作品の中にも、
個人的に「おおー!これはスゴイ」と思えるものがチラホラ。
アタシ的には
・『物乞い』ジュセッペ(フセペ)・デ・リベーラ
・『若者の肖像』ジョヴァンニ・ジローラモ・サヴォルド
・『レダ』『ルクレツィア』ミケーレ・ディ・リドルフォ・デル・ギルランダイオ
このあたりが良かったね〜。

展示室から展示室への狭い廊下には
ボルゲーゼ美術館内部の大きな写真が貼ってあって、
その写真の前に立つと、自分がまるでボルゲーゼ美術館の中に
立っているような錯覚を起こす。
そんなちょっとした工夫も面白かった。


作品数も50点と、多すぎず少なすぎず。
音声ガイドを聴きながらでも約1時間半で全てを観て回ることが出来た。
混雑もしておらず、ほとんどストレスを感じずに鑑賞できた。
(観に行くなら今がチャンスかも???)

ちなみに東京都美術館は、
本展を最後に大規模改修のため長期全面休館に入るとのこと。
リニューアルは平成24年度だとか。・・・長いなぁ(・o・)。



最後に、今回のお土産。
souvenir_25.jpg
マルチクロスとコースター。
マルチクロスは、『一角獣を抱く貴婦人』のもあったのだけど
貴婦人の顔であちこち拭きまくるのもしのびないので
マッテオ・グリューデルとジョヴァンニ・ジャコモ・デ・ロッシの
『ヴィラ・ボルゲーゼ』の絵柄の方にした(^^;ゞ。


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『ボルゲーゼ美術館展』
東京都美術館にて4月4日(日)まで開催中。

《関連番組》
2月22日(月) 22:00〜22:45 BS-hi
『アートエンターテイメント 迷宮美術館』

絶対観なければ!!!(って、毎週録画して観てるけどさ)。



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《オマケ》
9月いっぱいで閉館かぁ〜・・・ちょっとさみしい。
John Lennon Museum

閉館前に行っとかないとな。
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