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大英博物館 北斎 −国内の肉筆画の名品とともに− [EXHIBITION]

ちょっと久々サントリー美術館。

久々と言っても4ヶ月ぶりなんだけど、
サントリー美術館のメンバーズクラブに入っているので
開催される展覧会に1度は行っておかないと元が取れない。
が、前回の「よみがえる正倉院宝物 −再現模造にみる天平の技−」は
ついに見逃してしまった。

今回は大好きな北斎だし、絶対行かねば!と思ってるうちに
おぉ!ヤバイ!閉幕まで1ヶ月を切ってしまった。

行ったのは26日(木)のお昼頃。
美術館のある東京ミッドタウン、ガレリアの3階に行ってみると…

ゲッッッ…なにこの行列( ̄口 ̄;)。

まさか北斎展に入場するための列じゃないよね?と
列を辿ってみたら、北斎展の入場列だった_| ̄|◯。
ド平日のサントリー美術館の入場列なんて初めて見た(^o^;。

メンバーズクラブ会員なら混雑時優先入場の特典があったような…
そう思って係のおねーさんに聞いてみたが
「申し訳ございません、ただいまのお時間はお並びいただいております」
とのこと(-_-;。

じゃーお昼をまだ食べてないし、
先に美術館併設の不室屋カフェでランチでも…
と覗いてみたが、こちらも結構な順番待ち。

…諦めて入場列の最後尾に並んだ。

01_entrance.jpg

待つこと約15分。
音声ガイドを借りて入場。

今回の展示はタイトルにあるように、大英博物館のコレクションがメイン。
北斎の、主に晩年の作品を中心に紹介する。

《第1章 画壇への登場から還暦》では、
「春朗」と名乗っていた1778年頃から
「為一」と名乗っていた1820年頃までの作品を展示。

続く《第2章 富士と大波》《第3章 目に見える世界》では
かの有名な『冨嶽三十六景』や『諸国瀧廻り』『諸国名橋奇覧』などの
シリーズものをズラッと展示。
『富嶽三十六景』を観たい人々…アリの行列状態(^^;。

まぁじっくり『富嶽三十六景』を観たいのはやまやまだが
このあたりはきっと他の展覧会で観る機会もあるだろうし
『瀧廻り』や『名橋奇覧』も他の展覧会で観たことがあるので
人集りの隙間からチラッと垣間見てほぼスルー。

それでも意外と人集りの少ない花鳥画のコーナーでは
「あ、これ初めて観たなぁ」ってのもあって、
そのあたりは足を止めてきちんと鑑賞。
『北斎写真画譜』より『杜若』とか『百合』なんかが印象に残った。


3階に降りていくと《第4章 想像の世界》。
ここで思わず目を見張ったのが『詩哥冩真鏡』のシリーズ。
これは初めて観た(と思う、多分^^;)。
特に遠近法が印象的な『少年行』と、
直線的な滝の表現が独特な『李白』が心に残った。

それと『百人一首うばがゑとき』のシリーズ。これも初めて観た。
北斎はこのシリーズのために90以上の下絵を準備したらしいのだけど
実際に制作されたのは27枚のみ。
なんでかっていうと
百人一首をわかりやすく絵解きするためのものの筈が、
北斎の解釈が捻りが利きすぎていて逆に分かりづらいのと、
摺りが豪華すぎて採算が合わなかったからだとか(^^;。
実際に作品を観てみると、その理由には大いに納得。
キャプションを読んでも「ハァ?」という感じで
その絵が表す和歌との関係がいまひとつ理解しがたい。
理解しがたいのだけど、とにかく見た目は美しい!。
意味が分からなくても手元に置いておきたいと思うくらい美しい(笑)。


《第5章 北斎の周辺》は軽くスルー。
北斎の娘、応為の『女重宝記』や
下村観山がビッグベンを描いた『倫敦夜色(下図)』が面白かった。


そしていよいよ《第6章 神の領域 −肉筆画の名品−》。
このために、今日アタシはこの展覧会を観に来たと言っても過言ではナイ。
まず即興で描いたとは思えない『歌占図』に感動し、
2019年の《新・北斎展 HOKUSAI UPDATED》で観た『肉筆画帖』で
かわいい蛙との再会に喜び、
『端午の節句図』の状態の良さ=色彩の鮮やかさに驚嘆する。

特に今回の展覧会で一番「これイイ!」と思ったのは
『流水に鴨図』と『河骨と鵜図』。
どちらも大英博物館所蔵で、もちろん観たのも初めて。
「これ北斎だよ」と言われても「ホントに?」と思うくらい
ちょっと意外な2作品だけど、北斎の画力の凄さを如実に物語ってる。


今まで北斎関連の展覧会はいろいろ観てきたけれど
まだまだ観たことがない作品がいっぱいあるんだなぁ…。
しかも北斎の名品は70歳を過ぎてからのものが多いのだとか。
そんな話を聞いてしまうと、もしかしたら自分だって
本当にやりたいことが出来るようになるのはこれからなのかも?!
なーんて今後の人生に期待してしまうではないか(笑)。

なんだか元気が出る展覧会だった。



観終わって、時計を見ると14時ちょい前。
はぁーーーーご飯食べないで観てたからお腹が空いたよ。
カフェを覗いてみたら、おっ!待ち人数なし。

冷房ですっかり体が冷えてしまったので《宝の麩雑煮》をいただいた。
02_zoni.jpg
なんて美味なんだーーー!!!(* ̄▽ ̄*)。
お出汁の味が五臓六腑に染み渡る(笑)。
実を言うと、汁物の中にどろどろの餅が入ってる料理って
あんまり好きではないのだけど、このお雑煮はホンットに美味しかった。



自分土産はポストカード3枚。
03_postcard.jpg
『流水に鴨図』のカードがあったのは嬉しかった(*^^*)。

それと、北斎とは全然関係なく…
04_panda.jpg
T-Lab.の「ぽれぽれ動物」。
以前連れて帰ってきたバクさんに、お友達のパンダをお迎え。
すべすべの手触りが気持ちいい。


サントリー美術館、次の展示は『歌枕 あなたの知らない心の風景』。
これも絶対観に行かなくちゃ。
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コメント 2

きゅう

コロナ禍でなかなか展覧会にも行っていないので「何かに行きたい!」欲求が湧き上がり、忘れていた名古屋市科学館の「大地のハンター」に行きました。梅屋さんの記事よりは展示が少なめではありましたが、久々の見学にワクワクでした。
標本のヘビとトカゲが説明を入れ間違えていて、「トカゲなのに足がわからないんだ」と一人納得していたら隣に正解が(笑)←3月から展示していたはずだけど3ヶ月このままだったのか?
坂崎さんのワニは正面から見るレイアウトでしたので無理な体制で横から見たりしてました。

全然関係ないところに書いて申し訳ありませんでした。

by きゅう (2022-05-31 22:27) 

梅屋千年堂

>きゅうさん
大地のハンター展、全国巡回中なんですよね。
剥製たちの大移動はなかなか大変だと思いますが
坂崎さんちのコビトカイマンくんも
全国ツアーであちこち行かれて喜んでいることでしょう。

>>坂崎さんのワニは正面から見るレイアウト
そんなきゅうさんに、こちらのコンテンツはいかがでしょうか。
daichi.exhn.jp/special/
(既にご存知でしたらスミマセン)

>>全然関係ないところに書いて
どうぞお気になさらずに。
過去記事を探すのも大変&ご面倒でしょうから(*^^*)。

by 梅屋千年堂 (2022-06-01 01:30) 

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