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読了 [READING]

展開がわかっていても新鮮な気持ちで読めた。

(ネタバレあり。
 これから『秘める恋、守る愛』を読もうという方はご注意ください)。

秘める恋、守る愛

秘める恋、守る愛

  • 作者: 髙見澤 俊彦
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/04/17
  • メディア: 単行本



新鮮に感じた理由は、各章の構成が連載時とは変わっていて
それぞれの登場人物(直樹・有希恵・一恵)ごとに分けられていたから。

最初はそのことに気付かず、Day 2に入ったところで
「おや…?。このアルファベットはなんだろう?」とようやく気が付いた。
Nは直樹、Yは有希恵、Kは一恵といった具合に、
その章がそれぞれの目線で書かれていることを表していた。

それゆえ連載時以上に時間軸があっちに行ったりこっちに戻ったり…
が多くなったような気はするけれど、混乱することはなかった。

読み始める前に『秘める恋、守る愛』が掲載された
これまでのオール讀物を整理して、雑に製本…(^^;。
allyomimono_1.jpg
(中野京子さんの『運命の絵』も読んでなかったので、切り取ってまとめて読んだ)。

途中、ある程度読み進めるごとに単行本バージョンと連載バージョンを
並べて読み返してみると、ちょっとした加筆修正があったり、
説明過多なところや大筋と関係なさそうなところは
大胆にまるっと削除されている部分も何カ所か。
きっと何度も何度も読み返して推敲したんだろうなぁ…と思った。

特に印象的だったのは最後の章。
連載ではこの小説の主人公である直樹の目線で書かれているけれど
このたびの単行本では有希恵目線になっているではないか!。
連載では直樹の想いを、単行本では有希恵の想いを書いて
両方読むことで直樹と有希恵双方の想いを読者は知ることが出来る…
そういう仕掛けになっている?(いや、勝手な想像だけど)。

従ってラストシーンも連載と単行本で異なっている。
うわー、なんか面白い!と思った。


ミュンヘン、レーゲンスブルク、ニュルンベルク、フュッセン、
ホーエンシュヴァンガウ、ヴァルハラ神殿やノイシュバンシュタイン城、
シュタルンベルク湖など、ドイツの風景の細かい描写も美しく
時に自分の想像で、時にネットの画像検索で
読んでるこちらも旅をしているような気分で楽しめた。


『音叉』も『秘める恋〜』にも「あとがき」はないけれど
明日届くであろうオール讀物5月号のインタビューで
「あとがき」的な話が読めるのかな、とワクワクしている。

オール讀物2020年5月号

オール讀物2020年5月号

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/04/22
  • メディア: 雑誌

コメント(2) 

コメント 2

おかん

夕べ読み終わりました。なんだか、感動してしまった。

Eテレの旅するドイツ語も実は録画して観ています~。
by おかん (2020-04-26 05:34) 

梅屋千年堂

>おかんさん
号泣ーーーっていうのではなく
なんだかじわじわじーんとくる『秘める恋、守る愛』でした。

おかんさんはドイツ語ですか。
アタシはいつかの未来にイタリアとサンマリノへ行く時のために
「旅するイタリア語」をずっと録画してました(^m^)。

by 梅屋千年堂 (2020-04-26 21:36) 

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