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ハプスブルクとゴシック写本【1】 [EXHIBITION]

『ハプスブルク展 400年にわたる帝国コレクションの歴史』
および
『ゴシック写本の小宇宙 文字に棲まう絵、言葉を超えてゆく絵』。

いずれも11日(水)に国立西洋美術館で観てきた展覧会。
ちゃんとまとめる時間的余裕がないので、サラッと備忘録。

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上野恩賜公園は紅葉真っ只中。

美術館に着いたら、まずは〈カフェすいれん〉で腹拵え。
1日20食限定のハプスブルク展特別メニュー
《オーストリア風ステーキセット》をオーダー。
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ツヴィーベルローストブラーテンという
舌を噛みそうな名前のオーストリア風ステーキ。
ステーキの上にかかってるたまねぎのソースがうまーい!。

セットなので、サラダとライスとデザート、ドリンクも付いている。
こういうセットメニューのデザートはものすごくちっちゃかったり
ものすごくちょびっとだったりすることが多いのだけど
今回はこーんなにちゃんとしたチョコレートのケーキが出てきた!(≧▽≦)。
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こちらもうまーーーい!。見た目もカワイイ。

カウンター席で、中庭を眺めながら食後のコーヒー。
着いた時は曇り空だったけど、だんだん晴れてきた。
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というわけで、お腹が満足したところで本題。
まずは『ハプスブルク展』の方から。
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16世紀初頭から20世紀初頭までの、
ハプスブルク家の豪華なコレクションが並ぶ展覧会で
一番多いのはやっぱり絵画作品なのだけど
最初の大きな展示室に登場するのはガラスケースに入った甲冑。
甲冑なんて今まで殆ど興味がなかったけれど
こうして間近に観てみると、
実用性・デザインともによく考えられているのがわかる。

驚くべきはその細さ。
ウエスト部分がおそろしく細いものがあるのだけど
それ以外の甲冑も概して細い。
鉄製で一揃いで何十キロもあると思われる甲冑だが
これを着られるとしたらかなり華奢な男性なのでは?。
それとも当時の騎士たちはみんなこぞって細マッチョだったのか?。
手脚を動かしやすくする工夫が凝らされているものの
よくこんなものを着て戦えたもんだと思う。

次のセクションではルドルフ2世のコレクション。
ルドルフ2世と言えば…去年の1月、Bunkamura ザ・ミュージアムの
『ルドルフ2世の驚異の世界展』のあのルドルフ2世。
へんてこりんなものを集めるのが大好きだった神聖ローマ皇帝。

ここでアタシが「す、すごい…」と思ったのは『金線細工の小籠』。
透かし文様のような、おそろしく細かい金細工の小さな入れ物。
インド、またはインドで修行を積んだポルトガルの職人の手によるものらしい。

17世紀のコレクションの担い手はスペイン国王フェリペ4世。
ここではディエゴ・ベラスケスの名品を観ることができる。
中でも今回の展覧会の目玉ともいえる『青いドレスの王女マルガリータ・テレサ』。
かの有名な『ラス・メニーナス』にも描かれているお姫様。
この『青いドレスの〜』はベラスケス晩年の傑作と云われている。
近くにはファン・バウティスタ・マルティネス・デル・マーノという
画家が描いた『緑のドレスの〜』という、
『青いドレスの〜』を写した作品があるのだけど
これはもうベラスケスの作品の引き立て役でしかなく
なんだかちょっと気の毒に思えるほどだった(^^;。

フェリペ4世と同世代で、
ネーデルラント総督だったレオポルト・ヴィルヘルムは絵画のコレクションが良い。
ティツィアーノ『ベネデット・ヴァルキの肖像』
ティントレット『甲冑をつけた男性の肖像』
ルーベンス工房『ユピテルとメルクリウスを歓待するフィレモンとバウキス』
フランス・ハルス『男性の肖像画』
レンブラント『使徒パウロ』
などなど…。

フランス・ハルスの描く肖像画はやっぱりイイねぇ〜と思う。
なんというか、とても活き活きしていて
その人の人となりまで伝わってくるような気がするのだ。

続くセクションは《18世紀におけるハプスブルク家と帝室ギャラリー》。
ここの目玉はとーっても大きなマリー・アントワネットの肖像画。
彼女のお抱え絵師だったヴィジェ・ルブランが描いた
『フランス王妃マリー・アントワネットの肖像』。
マリー・アントワネットが、母マリア・テレジアに近況報告をするために
描かせた肖像画らしいのだけど…
豪華なドレスを着てもんのすごく髪を盛った娘の姿を見た母ちゃんは
さぞかし「こ、この子…ダイジョブか( ̄口 ̄;)?」と心配したことだろう(^^;。

最後はオーストリア=ハンガリー帝国の「国父」フランツ・ヨーゼフ1世。
奥さんは言わずと知れた美貌の皇妃エリーザベト。
だけどもここのセクションの展示はほんのちょっとだけ。
コレクションというよりもフランツ・ヨーゼフ1世の肖像画と
彼の所持品だったフリントロック式ピストル、
それとエリーザベトの肖像画…そんな感じだ。

フランツ・ヨーゼフ1世は、
リンクシュトラーセという環状道路を作るなどして
都市計画を推進し、今日のウィーンの街並みを整備した人物。
そうだ、7月に国立新美術館で観た『ウィーン・モダン』でも
そのことが取り上げられていたっけ。
そんなところからあの展覧会からこの展覧会に繋がって
なんだか自分の中でオーストリアの歴史も繋がった気がした。


「おー、こりゃスゴイ!」と叫びたくなるような様々な芸術品を
いっぱい観ることができる展覧会ではあったけれど、
振り返って見るとなんかこう…
よく言えば「多岐にわたる」、悪く言えば「まとまりがない」
そんな印象の展覧会だった(^o^;。
そんなアタシの感想文も相当まとまりがないけれども…ヘ( ;^^)ノ。



さてと、企画展を観た後は新館2階の版画素描展示室へ。
もうひとつ楽しみにしていたゴシック写本の展示を観に行く。



《TO BE CONTINUED...つづく》
コメント(2) 

コメント 2

おかん

ハプスブルク展は早め(11/12)に行き、長女と「もう一度見ようね」と言いながらも・・もう年末。1月は2日から開館するようなので再び!と思っております。なんとなくスペースの割に中身がたくさんで、実は私も、最後、え?ちょっと!これで終わり??みたいな感がありました・・。

お正月はレストランはお休みかな~?!
by おかん (2019-12-23 14:38) 

梅屋千年堂

>おかんさん
新年早々の美術鑑賞、いいですね(*^^*)。
アタシも2日か3日にトーハクに行く予定です。

カフェすいれんの営業日は国立西洋美術館に準じているようですよ。
(つまり2日から営業しているようです)。
限定メニューをご希望でしたら早めにいらっしゃることをオススメしまーす。

by 梅屋千年堂 (2019-12-23 23:55) 

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