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コートールド美術館展 [EXHIBITION]

13日(水)に見てきた展覧会
『コートールド美術館展 魅惑の印象派』。

コートールド美術館?それどこにあるの?
…ってくらいこの美術館のことを知らなかった。
しかも印象派メインの展示らしい。
なら別に観にいかなくてもいいかな…と思っていたところ
タダ券を頂いた。

じゃぁせっかくだから行っておくか。

というわけで東京都美術館。
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時刻は13時40分。
朝ごはんを食べたっきり何も食べないで出てきたのでお腹ペコペコ。
まずは腹拵え…ってことで2階のレストラン・ミューズに直行。

ピークは過ぎているとはいえ昼時。
それなりに混んでいたけれど、運良く待たずに席に案内された。
窓側のカウンター席。
初めて座るなぁ、カウンター席。
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美術館に来る人、帰る人、空も見えて眺めがいい。

オーダーはコートールド美術館展とのコラボメニューと決めている。
まずはキノコのクリームスープ。
02_kinokosoup.jpg
お〜〜〜ぃすぃ〜〜〜い!!!( ̄▽ ̄)。

メインはこちら。
骨付き仔羊のパネ マスタードソース焼きと鱈のフリッター。
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ラム独特のにおいはあるが、これがあるからこそラム。
サクッとした衣とマスタードソースも美味しい。
右側の鱈のフリッターも淡泊なのに、クセのあるラムに負けず劣らず美味。
あー、美味しかった(* ̄▽ ̄*)。


で、本題。

コートールド美術館は、ロンドン大学付属のコートールド美術研究所の
美術館として1932年に開館。
その名前の通り、英国の実業家サミュエル・コートールド氏の
コレクションで構成されている。

コートールド氏はレーヨン産業で財を成した人物。
1920年代から絵画の収集を始めたそうだが
それは個人のコレクションとしてのみならず
当時まだ英国ではあまり評価されていなかった印象派やポスト印象派といった
フランス近代絵画の魅力を自国に伝えたいという目的で
集められたものなのだそうだ。


いつものように作品を眺めながら
〈気になった作品〉と出会ったら作品リストにチェックを付けていく。
帰宅した後、それらを改めて見てみたら
ほとんどがチラシやホームページで紹介されている
目玉的な作品ばかりだった(^o^;。

例えば…

●フィンセント・ファン・ゴッホ『花咲く桃の木々』
●クロード・モネ『アンティーブ』
いずれもジャポニスムを感じさせる作品。
ゴッホの作品には遠くに富士山のような山が描かれている。
モネの作品は手前に大きく1本の木が描かれていて、広重の錦絵を彷彿とさせる。

●ポール・セザンヌ『カード遊びをする人々』
●ポール・セザンヌ『パイプをくわえた男。』
5点ある『カード遊びをする人々』のうちの1点。
オルセー美術館にあるものに近い。
『パイプ〜』の方は、カード遊びをしている二人の男のうちの
左側の人物を正面から描いたもの。

●ポール・セザンヌ『キューピッドの石膏像のある静物』
まるでキュビスム。
ピカソがセザンヌの影響を受けたというのも頷ける。

●アンリ・ルソー『税関』
ルソーの絵はいろんな意味で楽しい(^m^)。

●ピエール・オーギュスト・ルノワール『春、シャトー』
明るい緑で覆われた草むらの中に人物が一人。
正直ルノワールの作品をあまり「好き!」と思うことが少ないのだけど
これは見た瞬間に「イイ!」と思った。
思うに、アタシはルノワールが描く人物は好きではないが
ちょっとモネ風のこうした風景画は案外好きなのかも知れない。

●エドガー・ドが『舞台の上の二人の踊り子』
「ザ・ドガ!」な踊り子の絵。

●エドゥアール・マネ『草上の昼食』
超有名な作品だけど…これってオルセーじゃなかったっけ?
なんだか人物のタッチも粗いしこんなんだっけ?
…と思ったら、これはマネが『草上の昼食』の背景を検討するために描いたもの。

●エドゥアール・マネ『フォリー=ベルシェールのバー』
今回の展覧会の目玉のひとつ。マネ、晩年の傑作。
中央の女性(バーメイド)の後ろは大きな鏡。
鏡に映る大勢の客たちの輪郭はぼかして描かれていて
背景をわざとぼかして撮影したポートレート写真のよう。
右側に描かれているのは鏡に映るバーメイドの後ろ姿と客の姿。
でも物理的にこんな風に映る筈はなく、
これはマネが意図的にそのように描いたもの。
更に(これはアタシの私感だけど)今こちらを向いているバーメイドと
鏡に映る彼女との間には、物理的なズレだけではなく
時間軸のズレもあるように感じられる。
鏡に映る後ろ姿は、彼女の数分前に起きたこと、
あるいは数分後に起こるであろうことのようにも思えて
いろいろと想像力を掻き立てられる不思議な絵。

●アメデオ・モディリアーニ『裸体』
特に「好き」というわけでもないのだけれど
一度観たら忘れられないインパクト。


《素材・技法から読み解く》という
主に未完成の作品を紹介するコーナーでは
あの作家はこんな風に描き始めるのかとか
途中はこんなざっくりした感じなのかというのが分かって興味深い。
さすが、研究機関という側面を持つ美術館だけのことはある。


展示の終盤には少数だが彫刻のコーナーも。
ここでは絵画作品の方が圧倒的に有名な作家の彫刻が面白い。

●エドガー・ドが『右の足裏を見る踊り子』
あまりにも苦しい体勢で、
モデルの女性はこのポーズを保つのが相当大変だったらしい(^^;。

●ピエール・オーギュスト・ルノワール『洗濯する女(おんな)』
ルノワールが描く裸体の女性と同じように粗いタッチで作られている。
しかもやっぱりこれも絵画の裸婦同様にお尻が大きい。

●ポール・ゴーガン『メットの肖像』
ものすごくリアルで巧い。
これはドガやルノワールの彫刻とは正反対で
ゴーガンの絵画を彷彿とさせる点は殆ど感じられれないくらい〈まとも〉。
確か、当時の家主だった彫刻家も関与していると
音声ガイドで説明があったような気がする(^^;。

かのオーギュスト・ロダン作の『花子』という女性の頭部の彫刻は
太田ひさという日本人女性をモデルにした作品。
西洋人とは異なる日本人の顔の造形にロダンは興味を持ったんだとか。
(のっべりした顔が物珍しかったのだろうか…^^;)。


とまぁこんな感じで、思っていたよりも良い作品をたくさん観ることができて
「観ておいてヨカッタ」と思わせる展覧会だった。


さて、来週はどこへ行くか…。
国立西洋美術館の「ハプスブルク展」か、
江戸東京博物館の「大浮世絵展」か、そごう美術館の「ミュシャ展」か
はたまたたばこと塩の博物館の「ミニチュア展」か
いやいやすみだ北斎美術館の「北斎 視覚のマジック」か
寺田倉庫の「STAR WARS IDENTITIES」か…

とりあえず前期後期で大きく作品が入れ替わる「大浮世絵展」が優先かな。
(ついでに「ミニチュア展」と「北斎」をハシゴするって手もあるが…
 いくらなんでもそれは無謀か…^o^;)。
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