information or inspiration ?【1】 [EXHIBITION]
サントリー美術館で開催中の、
ちょっと面白い見せ方をしている展覧会。
其の一:〈inspiration ?〉の巻。
…その前に、この日のランチ。
東京ミッドタウン、虎屋菓寮の「だしかけご飯」。
きび入りご飯の上に野菜や生麩、ぎんなんをトッピング。
そこに温泉卵や薬味を載せて、出し汁をかけて頂く。
温玉を載せ、出し汁をかけて、胡麻こしょうをふりかけた図。
薄味で上品。素材の味がよくわかる。
量的にも腹八分目な感じでちょうどよい。
(¥162プラスして、「ご飯多め」もできるらしい)。
お腹も落ち着いたところで本題の展覧会。
正式な展覧会名は
『サントリー芸術財団50周年
nendo × Suntory Museum of Art
information or inspiration ? 左脳と右脳で楽しむ日本の美』
である。
デザインオフィスnendo代表の佐藤オオキ氏とサントリー美術館が
日本美術への新しいアプローチを提案する。
展覧会の入口は2つ。
〈inspiration ?〉と書かれた黒い方は、
キャプションなどの説明は一切なく、直感的に作品と接する右脳的アプローチ。
一方の〈information ?〉は、左脳的アプローチ。
通常の展覧会のように(あるいはそれ以上に)
作品に対する細かい解説がなされているという。
展示されている作品はサントリー美術館の収蔵品で、どちらも同じもの。
同じ作品を違った視点で楽しめる展覧会になっている。
〈inspiration ?〉から観るか、〈information ?〉から観るか、
来場者は自由に選ぶことが出来るし、
別に両方観なくても、どちらか一方だけ観て帰るのも良し。
(まぁ殆どの人は両方観て帰ると思うけれども^^;)。
一見したところでは、やっぱり〈inspiration ?〉から先に観る人が多いようだ。
アタシも〈inspiration ?〉から先に観ることにする。
始めの展示の幾つかは、黒い壁の中に小さな小窓が開いていて
そこを覗き込むと、なんとか作品を観ることが出来るようになっている。
作品全体が見えるものもあれば、なんだか部分的にしか見えないものも。
▼暗闇の中に赤く浮かび上がる壺のようなもの…。
入口で渡された作品一覧には『朱漆塗瓶子』とあるので
おそらく朱色の器なのだろうけど、これでは本来の色は想像するほかない。
▲『色絵鶏形香炉』。
小窓を覗き込むと、カーテンの向こう側の「information ?」世界が見える。
時々向こう側の人と目が合っちゃったりして少し恥ずかしい(笑)。
▼遠くの壁にずらっと整列した瓶。
『藍色徳利』というが、これもまた色は想像するしかない。
▼これは…柿の蔕(へた)?。
なーんて…。
どんなものが展示されているのか、既にちょっと予習してきちゃってるんで
実は「あ、あれか…」と分かっている。
なんの予備知識もなく、いきなりこれを観たら「???」かも知れない。
▼磨りガラスの向こうに薄らぼんやり見える碧い物体。
これも「あ、あれだな」とわかるけれども
こういう見せ方で提示されると、
その作品の形状に関する情報が取り除かれて、色の情報だけが抽出される。
そこで「あぁこういう色か」と改めて自分の中にインプット。
▼あ、これおもしろーい。
本阿弥光悦 書/俵屋宗達 下絵『蔦下絵新古今和歌色紙』が
落款・書・下絵・料紙に分解されている。
▼4枚重なった状態で観てみる…。
▼暗闇の中に突如現れる直径1m50cmくらいありそうな黒い円柱。
古代遺跡から発掘された宇宙船の一部?!(なワケはない)。
表面の凹凸は自由に触ってみても良いという。
これが何を表しているのかは「information ?」の方を観れば分かる(ハズ)。
美術館の4階と3階を繋ぐ吹き抜け部分には
nendoによる『uncovered skies』というインスタレーション作品。
みなさん透明な傘を持ち、下を向いて白いシートの上を歩いている。
アタシもみなさん同様、傘を借りて歩いてみる。
すると…
おぉっ?!傘の影に映像が!。
画像だとわからないけど、静止画ではなく動画。
草花が風になびいたり、水たまりに丸い波紋が広がったり
(足元の)空には雲が流れ、鳥や飛行機が横切っていったりする。
こうやって感覚的に右脳で楽しむだけではなく、
どういう仕掛けになっているのかも壁に貼られたキャプションで説明し
左脳も刺激するという展示になっている。
再び「inspiration ?」のつづきへ。
▲中心に置かれた鏡面の筒に、回転する円盤に描かれた図像が映し出されると
尾形乾山の『銹絵染付松樹文茶碗』になる。
腰を屈めて小さな小部屋に入っていくと…
▼尾形乾山『白泥染付金彩薄文蓋物』の蓋裏の模様が天井に!。
なんだか自分が小人になって、
この容れ物の中に閉じ込められたような感覚になる。
▼ハテ…?。この一見「草間彌生」的なオブジェは一体…?。
▼そして最後はこれ。
誰かがバットマンに助けを求めているのか?(笑)。
(って、こいつの正体も既にわかっているのだけども)。
というわけで、再びふりだしに戻り、
いくつかの「???」を抱えた状態で
〈information ?〉の白い入口へと向かって行く。
《TO BE CONTINUED...つづく》
ちょっと面白い見せ方をしている展覧会。
其の一:〈inspiration ?〉の巻。
…その前に、この日のランチ。
東京ミッドタウン、虎屋菓寮の「だしかけご飯」。
きび入りご飯の上に野菜や生麩、ぎんなんをトッピング。
そこに温泉卵や薬味を載せて、出し汁をかけて頂く。
温玉を載せ、出し汁をかけて、胡麻こしょうをふりかけた図。
薄味で上品。素材の味がよくわかる。
量的にも腹八分目な感じでちょうどよい。
(¥162プラスして、「ご飯多め」もできるらしい)。
お腹も落ち着いたところで本題の展覧会。
正式な展覧会名は
『サントリー芸術財団50周年
nendo × Suntory Museum of Art
information or inspiration ? 左脳と右脳で楽しむ日本の美』
である。
デザインオフィスnendo代表の佐藤オオキ氏とサントリー美術館が
日本美術への新しいアプローチを提案する。
展覧会の入口は2つ。
〈inspiration ?〉と書かれた黒い方は、
キャプションなどの説明は一切なく、直感的に作品と接する右脳的アプローチ。
一方の〈information ?〉は、左脳的アプローチ。
通常の展覧会のように(あるいはそれ以上に)
作品に対する細かい解説がなされているという。
展示されている作品はサントリー美術館の収蔵品で、どちらも同じもの。
同じ作品を違った視点で楽しめる展覧会になっている。
〈inspiration ?〉から観るか、〈information ?〉から観るか、
来場者は自由に選ぶことが出来るし、
別に両方観なくても、どちらか一方だけ観て帰るのも良し。
(まぁ殆どの人は両方観て帰ると思うけれども^^;)。
一見したところでは、やっぱり〈inspiration ?〉から先に観る人が多いようだ。
アタシも〈inspiration ?〉から先に観ることにする。
始めの展示の幾つかは、黒い壁の中に小さな小窓が開いていて
そこを覗き込むと、なんとか作品を観ることが出来るようになっている。
作品全体が見えるものもあれば、なんだか部分的にしか見えないものも。
▼暗闇の中に赤く浮かび上がる壺のようなもの…。
入口で渡された作品一覧には『朱漆塗瓶子』とあるので
おそらく朱色の器なのだろうけど、これでは本来の色は想像するほかない。
▲『色絵鶏形香炉』。
小窓を覗き込むと、カーテンの向こう側の「information ?」世界が見える。
時々向こう側の人と目が合っちゃったりして少し恥ずかしい(笑)。
▼遠くの壁にずらっと整列した瓶。
『藍色徳利』というが、これもまた色は想像するしかない。
▼これは…柿の蔕(へた)?。
なーんて…。
どんなものが展示されているのか、既にちょっと予習してきちゃってるんで
実は「あ、あれか…」と分かっている。
なんの予備知識もなく、いきなりこれを観たら「???」かも知れない。
▼磨りガラスの向こうに薄らぼんやり見える碧い物体。
これも「あ、あれだな」とわかるけれども
こういう見せ方で提示されると、
その作品の形状に関する情報が取り除かれて、色の情報だけが抽出される。
そこで「あぁこういう色か」と改めて自分の中にインプット。
▼あ、これおもしろーい。
本阿弥光悦 書/俵屋宗達 下絵『蔦下絵新古今和歌色紙』が
落款・書・下絵・料紙に分解されている。
▼4枚重なった状態で観てみる…。
▼暗闇の中に突如現れる直径1m50cmくらいありそうな黒い円柱。
古代遺跡から発掘された宇宙船の一部?!(なワケはない)。
表面の凹凸は自由に触ってみても良いという。
これが何を表しているのかは「information ?」の方を観れば分かる(ハズ)。
美術館の4階と3階を繋ぐ吹き抜け部分には
nendoによる『uncovered skies』というインスタレーション作品。
みなさん透明な傘を持ち、下を向いて白いシートの上を歩いている。
アタシもみなさん同様、傘を借りて歩いてみる。
すると…
おぉっ?!傘の影に映像が!。
画像だとわからないけど、静止画ではなく動画。
草花が風になびいたり、水たまりに丸い波紋が広がったり
(足元の)空には雲が流れ、鳥や飛行機が横切っていったりする。
こうやって感覚的に右脳で楽しむだけではなく、
どういう仕掛けになっているのかも壁に貼られたキャプションで説明し
左脳も刺激するという展示になっている。
再び「inspiration ?」のつづきへ。
▲中心に置かれた鏡面の筒に、回転する円盤に描かれた図像が映し出されると
尾形乾山の『銹絵染付松樹文茶碗』になる。
腰を屈めて小さな小部屋に入っていくと…
▼尾形乾山『白泥染付金彩薄文蓋物』の蓋裏の模様が天井に!。
なんだか自分が小人になって、
この容れ物の中に閉じ込められたような感覚になる。
▼ハテ…?。この一見「草間彌生」的なオブジェは一体…?。
▼そして最後はこれ。
誰かがバットマンに助けを求めているのか?(笑)。
(って、こいつの正体も既にわかっているのだけども)。
というわけで、再びふりだしに戻り、
いくつかの「???」を抱えた状態で
〈information ?〉の白い入口へと向かって行く。
《TO BE CONTINUED...つづく》
2019-05-30 15:26
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