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クリムト展【2】 [EXHIBITION]

(前記事のつづき)

『ベートーヴェン・フリーズ』(原寸大複製)の展示室はこんな感じ。
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1902年の第14回ウィーン分離派展のために制作された
壁3面にわたる大きな壁画。これは1984年に制作された複製。

テーマはベートーヴェンの交響曲第9番。

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第一の壁「幸福への憧れ」に描かれた黄金の騎士。
騎士の黄金の甲冑の立体感が凄い。
背後の女性たちの衣装の模様もモダンでステキだ。


正面は第二の壁「敵対する力」。
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悪の化身テュフォンとゴルゴン三姉妹、それと「肉欲」と「淫蕩」と「不摂生」。
遠目から観ても、テュフォンの目が光っていて怖い。


「不摂生」の人。髪飾りがゴージャス。
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こういうおばちゃん、いそう。


画面右側の、蛇のウロコみたいな部分の描き込みも凄い。
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第三の壁は「歓喜の歌」。
アタシが一番好きなのはこの部分↓。楽器を奏でる「詩」の寓意。
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ドレスのデザインがとっても綺麗。
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「喜びよ、うるわしき神の火花よ!」「この接吻を全世界に!」
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固く抱き合って接吻する男女からは、もわもわと金の湯気(^^;。
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と、なんだかすっかり圧倒されてしまうけど
同じセクションに展示されていた『鬼火』という作品もかなりのインパクト。
この頽廃的な感じは、同時代のムンクとも同じニオイがする。

帰宅して図録を観たら『人生は戦いなり(黄金の騎士)』という作品が載っていて
「こんなのあったかぁ?」と思ってよくよくみたら
7月23日からの豊田会場限定で、東京では展示されないらしい。残念。



【Chapter.6 風景画】
雰囲気一転。
次の章ではクリムトやその周辺の画家が描いた風景画を紹介。
ちょっと「圧」が凄い作品が続いたので、なんだかホッとする。

ここでではカール・モルの『夕映えの白樺林』が個人的にお気に入り。
クリムトでは『丘の見える庭の風景』が良かったけど
ゴッホの影響も見られるこの風景画は「ホッとする」ものではなかった(^^;。



【Chapter.7 肖像画】
クリムトには男性を描いた肖像画は少なく、あっても1898年以前の作品。
自画像すらもなく
「私は自分という人間には関心がない。
 それよりも他の人間、女性に関心がある」
と言っていたそうな。

ここに展示されているクリムトが描いた肖像画と
同時代の他の画家が描いた肖像画を見比べると
クリムトが他とは違うということがよくわかる。
表情から背景から服装から、何もかもモダン。
20世紀のクリムトに肖像画を描いてもらって
「あらステキね。気に入ったわ」と言える女性は
かなりモダンで先進的な人だったんじゃないか、などと妄想。



【Chapter.8 生命の円環】
最終章では生命の誕生や、老い、死といったものを
テーマに描かれた作品のいくつかを紹介。

クリムトがウィーン大学の新しい講堂のために描いた天井画
『医学』『哲学』『法学』は、制作したもの
大学側の意に沿わず、結局クリムトは7年もかけた3作品を
引き取って、既に受け取っていた報酬も大学側に返したのだとか。
(う〜ん、カッコイイじゃないか)。
その後、個人コレクターに購入されたが、
1945年の終戦直前に、ドイツ兵によって焼却されてしまったのだそうだ。

今はモノクロの写真や青写真がが残るのみだが
現存していたら間違いなくクリムトの代表作になっていただろうなぁと
感じさせるものだった。

展覧会は『家族』という作品で締め括られる。
黒い布に覆われて目を閉じている2人の子供たちと
その母親と思われる女性。
3人が眠っているのか死んでしまっているのかは鑑賞者に委ねられる。
アタシは、眠っているのだと思いたい。



かなりの見応えで、美術館を後にしたのは20時ちょっと前。
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月明かりとユディト…合うなぁ。

じっくり観ることができて良かった。
プレミアムナイト鑑賞会でなければ、こうは行かなかったかも。


グッズもいろいろあったけど
プレミアム鑑賞チケットに図録とスパークリングワインが付いていたので
これ以上荷物が重くなるのも困るので、何も買わずに帰ってきた。

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図録とスパークリングワイン〈キュベ・クリムト〉のミニボトル。


呑めないくせに、また頑張って呑んでみる(^o^;。
つまみ其の一:北海道の親戚からいただいたホワイトアスパラ。
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つまみ其の二:アトリエうかいのフールセック・サレ。
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シャンパンやワインにも合うという塩味のクッキー。
ホントに合う!。
酒のことはよくわかんないけどこれはマジで合う!(と思う)。

少量呑んだだけで酔っ払った( ̄▽ ̄;)。
サンマリノワインよりも酔っ払った。
アタシ、シャンパンとかスパークリングワインは
ヤバイのかも知れない。


クリムト展の記憶が薄れないうちに
国立新美術館の『ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道』も
観に行かなくちゃと思っているけど、こっちは8月までやってるし
他に6月中に観ておきたい展覧会もいっぱいだから、行くとしたら7月かなぁ…。
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