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大田区立 龍子記念館 [EXHIBITION]

急遽予定変更して行ったのはここ。

山種美術館での「特別展 琳派」を観終わって
さぁ今日はこのあとパナソニック汐留ミュージアムでやっている
『ジョルジュ・ブラック展』に行くぞ!と思っていた。

で、山種のロビーでなにげなく
パナソニック汐留ミュージアムのサイトをチェックしたところ

「本日は休館日です」

へっ?!マジ?!( ̄口 ̄;)。
よくよく見ると、この美術館は水曜定休…_| ̄|◯。
そ、そうだったのか。

どうしよ。このまま帰るのもなんかもったいない。
六本木の『建築の日本展』や『ルーブル美術館展』もいいけど
今から観るにはちょっと規模が大きすぎる。

うーむ、何か他に何かいい展覧会ないかなと
スマホアプリの「チラシミュージアム」をチェック。

あ、そうだ。ここに行こう!。
あの素敵な屏風絵に再会しに行こう。

というわけで、恵比寿から山手線で五反田へ。
更に五反田から都営浅草線で西馬込へ。
そしてここから徒歩で15分。

閑静な住宅街に突如現れる『大田区立 龍子記念館』。
ryusikinenkan.jpg

道を挟んで隣の敷地は、龍子の旧宅とアトリエ、お庭を
「龍子公園」という名で公開している。
なにやら人がたくさん集まっていたから、
これからガイドツアーでもあるのかも知れない。

入館料はなんと!、200円!。安っっっ。

「ちょうど今、お庭のご案内が始まったところですが
 ご覧になられるようでしたらご案内いたしますが…」
とのこと。さっきの人集りはこれだったか。
「あとで一人で回ればいいや」なんて思って断ってしまったが、
実はお庭の見学は時間制で個人で勝手に回れない上に、
これが本日最後の回だった_| ̄|◯。


記念館のカタチはちょっと変わっていて、こんな風になっている。
ryusikinenkan_2.jpg
しかし、これにはちゃんとワケがある。
画像が倒れてるのもワケがある。
「龍子」って名前にちなんで、
記念館のカタチをタツノオトシゴのカタチにしたんだって。

入口のドアを押し開けて入っていくと…わっ!誰もいない(^o^;。
そうだよね、みんな龍子公園に行っちゃってるんだから。
でもこの貸切状態も悪くない。てか、かなり嬉しい( ̄▽ ̄)。


現在の展示は
《ベストセレクション 龍子記念館の逸品》。

本当は1番から順番に観ていくのが正しい順路なんだろうけど
7番がアタシの大好きな作品。
美味しいものは一番最後に食べる主義のアタシ…
好きな作品も、最後の方にとっておくことにして
画像の赤線の順に観ていくことにした。

タツノオトシゴの尻尾の内側部分のガラスケースには
「南洋点描」という南洋の島の風景を水墨と色数の少ない淡い絵の具で
ササッとスケッチしたような作品が展示されている。
へぇ〜こんな絵も描くんだ…と、のっけからちょっとした意外性。

更に館内をぐるっとまわって次に「おぉっ!」と思ったのが
17番の『土』という大きめの掛け軸。
言われなければ気づかないほど、下の方にさりげなく描かれた
雀の巣と、その中のヒナの姿がとっても愛らしい。

そのまま進んで12番の『妙の浦』。
日蓮聖人が誕生した際に、鯛が跳びはねたという千葉県の「鯛の浦」を描いたもの。
「ほぉ〜」なんて思いながら、そのまま視線と体を右に移動させると
いきなり大きな波が目の前を覆い尽くす。
「わっっっ!ビックリした!(◎0◎;)」と、その全貌をみやると、
急流を筏が下っていくさまを描いた、
長さ7m以上に及ぶ『筏流し』という巨大な作品。

そしてここから、4連続で個人的に「うわー!すっごい!」という作品が並ぶ。

まずは『爆弾散華』。
金箔が散らされた画面の上に草花が描かれた、一見華やかな絵に見えるのだけど
実は終戦の2日前に空爆を受けた自宅の庭の様子を描いたもの。
つまり、爆弾が落ちて庭の菜園で育てていた野菜が飛び散った瞬間なのだ。
金箔は爆弾の閃光を表している。
更に衝撃的なのが、この爆弾が落ちた時の穴を
龍子が池として庭に残したということ。
あ〜、さっきのガイドツアーに参加してればこの池が観られたんだ〜(残念)。

隣の『怒る富士』も、凄い迫力。
赤黒い富士山の下を、稲妻の閃光がほとばしる。
なんとなく北斎の富嶽三十六景のうちの『山下白雨』も連想する。

そして、どこかの寺院の塔の上に光る稲光を描いた『稲妻』の隣に
アタシが大好きな龍子の屏風絵『草の実』がダダーン!と登場。

この絵を初めて目にしたのは2014年の山種美術館。
《輝ける金と銀 −琳派から加山又造まで−》という展覧会だった。
紺地に金だけで、秋の野の草花が描かれていて
一度観たら決して忘れることのない強烈なインパクトを放っていた。

今日ここへやってきたのも、
この『草の実』に再会するためと言っても過言ではナイ。
しかも、山種で観た時はガラス張りの展示ケースに入っていたと思うのだけど
ここでは作品と自分を遮るものは何もナイ(強いて言うなら空気だけ)。

焼金(純度の高い金)、青金(銀を混ぜた金)、白金(プラチナ)…
様々な「金」を使って、時には緻密に、時には一気呵成に
見れば見るほどいろんなワザが多用されているのがわかる。
いや〜もう惚れ惚れ(*^^*)。

この『草の実』を始め、これだけの凄い作品を
たったの200円で堪能できるなんて、太っ腹すぎる!。


ショップは、エントランスホールのほんの一角。
図録、ポストカードの他は、一筆箋や『草の実』の扇子など…。
買ってきたのは『怒る富士』『土』『草の実』のポストカード。
08_souvenir.jpg

駅から結構歩くけど、お庭もちゃんと観てみたいし
きっといつかまた来よう!と思った。
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