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ゴッホ展 巡りゆく日本の夢 [EXHIBITION]

「怖い絵」展の上野の森美術館を出て、東京都美術館へ。

過去の経験から、いつだってもれなく混んでいるイメージしかないゴッホ展。
今回だってきっと混んでいるに違いない。
11月1日から4日まで、20時まで夜間開館を実施するということで
昼間よりは空いているんじゃないか?と思い、
夕方を狙って行ってみることにした。

上野の森美術館から東京都美術館へ向かう途中…
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いやぁ〜秋ですなぁ…( ̄▽ ̄)。

いつもの写真。
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展覧会を観る前に…

「怖い絵」展でだいぶエネルギーを放出してしまったのでちょいと充電。
中央棟1階にある《cafe Art》でひと休み。
「上野の杜 山盛りサンド」やパスタやご飯もの、
秋限定の栗のデザートなどもかなーーーり魅力的だったが
夕飯は自宅で食べることにしていたので
ここはゴッホ展コラボメニューの
「温かいアップルパイのバニラアイス添え」とエスプレッソを注文。
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ま、なんというか…
いたってフツーのアップルパイとバニラアイスであった。
(やっぱり栗のデザートにすれば良かったかなぁ…^o^;)。


さて本題。

今回のゴッホ展は「巡りゆく日本の夢」というタイトル通り、
ゴッホと日本の関係を紐解く展示になっている。
夜間開館とはいえ、混んでるだろうな〜と
混雑覚悟で中に中に入ってみると…「あら?ウソみたいに空いてる(・o・)」。
こんなにゆっくり鑑賞出来るゴッホ展、初めてかも。

展示内容は5部構成。

《1.パリ 浮世絵との出逢い》
展覧会のチラシやポスターに使われている
『花魁(溪斎英泉による)』がいきなりここで登場。
この作品の元となった溪斎英泉の『雲龍打掛の花魁』や
ゴッホの『花魁』の周囲に描かれた鶴やガマガエルの
モチーフとなった『芸者と富士』『新板虫尽(しんぱんむしづくし)』も
一緒に展示されている。
溪斎英泉の『雲龍打掛の花魁』の顔が右を向いているのに対し
ゴッホの『花魁』が左を向いているのは
左右が反転して印刷された雑誌の表紙を模写したから。

ゴッホが移り住んだ頃のパリではジャポニスムブームで
ゴッホ自身も浮世絵をコレクションしてカフェで浮世絵展を開くほど
日本の浮世絵に熱中していたらしい。
今回展示されている『カフェ・ル・タンブランのアゴスティーナ・セガトーリ』という
作品でも、背景に着物姿の女性の浮世絵らしきものが描き込まれている。



《2.アルル 日本の夢》および《3,深まるジャポニスム》
ここではパリからアルルに移住した頃のゴッホの作品を紹介。
日本への憧れを南仏アルルに投影して、
ゴッホの中ではもう日本=アルルのようになっちゃっている(^^;。
辿り着いた2月のアルルは60cmを越える積雪であったにもかかわらず
「まるでもう日本人の画家たちが描いた冬景色のようだ」などと
手紙に書いていたのだとか…。

ゴッホ…なんだかずいぶんと日本を誤解しているような気が…(^^;。
ゴッホが想像する日本はさぞかし
「光溢れる色鮮やかな美しい場所」だったんだろう。
日本を訪れることは生涯なかったわけだけれども
もし実際の日本を目の当たりにしたら、ゴッホはどんな風に感じただろう?。
ますます興奮したか、あるいは失望したか…(^^;。

アルル時代のゴッホの作品は
色彩の色鮮やかや、高い位置に描かれた地平線などに
浮世絵の影響がとって見えるという。
『雪景色』『アイリスの咲くアルル風景』などがそうらしいのだけど…
そう言われてみれば、まぁそうかも知れない(^o^;。

ゴッホ本人の作品以外に、ゴッホが影響を受けたと思われる
広重・北斎・国貞・国芳・写楽・英泉らの浮世絵版画も、
結構な点数が同じ展示室に飾られていて
ゴッホも好きで浮世絵も好きな人間にとっては、一粒で二度おいしい(*^^*)。
そして、ゴッホと浮世絵がこんな風に並んで展示されていると
どの浮世絵のどんなところが
ゴッホの作品と結びついているのかということが
より説得力を持って伝わってくる気がする。
(中には「これはちょっとこじつけじゃ?(^^;」てのもあるけど)。

このあたりで非常に印象に残った作品がいくつかあった。

・一度観たら何故か忘れられない『男の肖像』。
 「100年後にその人が現れたように見える肖像画を描きたい」
 ゴッホはそのように話していたそうなのだけど、この肖像画はまさにそんな感じ。
・『花咲くアーモンドの木』『種まく人』『オリーヴ園』
 『オリーヴを摘む人々』『渓谷(レ・ベイルレ)』などのザ・ゴッホな作品。
 やっぱり「耳切り事件」後の作品の方が面白い…と思ってしまう。



《5.日本人のゴッホ巡礼》
作品目録では《4.自然の中へ 遠ざかる日本の夢》が先なのだけど
実際の展示では《5.日本人のゴッホ巡礼》が先に登場する。

この展覧会が面白いのは
「ゴッホ→日本」だけでなく「日本→ゴッホ」という点を取り上げているところ。
1890年のゴッホ亡き後、明治後期〜昭和初期の日本の文学者や美術家たちが
ゴッホの作品と足跡にに触れようとはるばる海を渡って、
フランスはオーヴェールを訪れたという、
いわば「ゴッホ巡礼」の記録の紹介に多くのスペースを割いている。

ゴッホの死後、20点ほどの作品を大切に保管していた
ゴッホの主治医ポール=フェルナン・ガシェの子孫の元に
多くの日本人が訪れたことが、ガシェ家に残る「芳名録」に残されていて
当時の貴重な写真と共に展示されている。

あの頃、日本からパリへ赴くなんてエラい大仕事だったろうと思うのだけど
そこまでしてゴッホの作品に逢いにいくという情熱が凄い。



《4.自然の中へ 遠ざかる日本の夢》
「耳切り事件」後、日本についても
ほとんど語ることがなくなってしまったというゴッホ。
それでもゴッホの描く絵には浮世絵の影響が感じられるという。
確かに『蝶とけし』『ヤママユガ』などは、実に浮世絵っぽいし
太い木の幹が画面の中心に据えられた『ポプラ林の中の二人』の構図も
浮世絵の影響と考えられる。

1890年7月に37歳でゴッホはこの世を去ってしまうのだけど
もしもあと20年30年、ゴッホが生きていたら
日本人とゴッホが直に交流することもあったのかなぁ…
なんてことを考えながら、展示室を後にした。



…などと、感慨深く展示室を出た後に待っているのは
ミュージアムショップという危険地帯(^o^;。

ここ最近、1つの展覧会で買うポストカードは4枚まで!と
自分の中で決めていたのだけど…シマッタ、8枚も買ってしまった(^o^;。
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それと祇園辻利の「宇治茶・抹茶菓子セット」。
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ほうじ茶と煎茶のティーバッグと抹茶菓子のセット。
「愛楽麗」と書いて「あられ」と読む。
祇園辻利のサイトによれば
「宇治茶の豊かな風味を楽しむ贅沢抹茶のひとくちあられ」とのこと。
この真緑(まみどり)色のあられ…いったいどんな味がするんだ?と
ひとつ口の中に放り込んでみると…
むむっ、これは…ホントに抹茶だ。抹茶の味しかしない。
なんというか、非常に上品な味わいのあられであった。


外に出たらこんなに綺麗なイルミネーションが!。
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噴水広場では「創エネ・あかりパーク2017」なんてイベントもやっていた。
どうやら東京都美術館の夜間開館はこのイベントの一環だったみたい。
トーハクでは特別プロジェクションもやってたんだ〜(観てくればヨカッタ…)。
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