『怖い絵』展 [EXHIBITION]
「どうして。」ってさ…
アタシが聞きたいよ。
「どうしてこんなに混んでんのっ?!(◎_◎)」と。
連日盛況で、平日でも平気で80分待ちになる『怖い絵』展。
ご近所の東京都美術館でのゴッホ展が
今日から4日間20時まで夜間開館ということなので
『怖い絵』展とのハシゴを決行したわけなのだけど
当初、15時過ぎに『怖い絵』展に入って、
その後夕方からゴッホ展をゆっくり観ようと計画していた。
ところが『怖い絵』展の混雑状況をツイッターでチェックしてみたところ
15時16時でも50分待ちとか40分待ちなどと出ているではないか(-_-;。
今日も10時20分の段階で80分待ち…。
これは15時過ぎに現地に着くように行ったんじゃ
入った途端にハイ閉館でーす!なんてことになりかねない。
それではあまりにも勿体ないので、13時30分くらいに上野到着。
(↑ちょっと怖い感じにしてみた^o^;)。
待ち時間は60分…。まぁマシな方なのかな。
iPodで音楽聴いてたら割とあっと言う間に60分経過。
中に入ると、当たり前だがこれまた大混雑(x。x)。
なかなか作品に近づけない。
大きな油彩画などはともかく、
サイズの小さな版画作品などは何がなんだかわからない。
しかも作品に添えられたキャプションの文字も小さいので
遠巻きにだと、これも何が書いてあるのかよくわからない。
吉田羊さんによる音声ガイドだけが作品解説の頼みの綱か…。
これはもうじっくり鑑賞できる環境ではないなと見切りをつけて
サラッと流し見していくことに。
そんな中で個人的に印象に残った作品は以下の通り…。
●ギュスターヴ=アドルフ・モッサ『飽食のセイレーン』
ギリシャ神話に出てくる海の怪物。
人魚の姿で描かれることも多いが、本来は上半身が人間の女性で下半身が鳥。
これは「本来の姿」で描かれたセイレーン。
美しい歌声で船人を魅了し、遭難・難破させ溺死者を喰う。
画面の右半分に大きく描かれたセイレーンの羽根の描写が凄い!。
ホンモノの羽根を貼り付けてあるのかと思ったくらいリアル。
そして、ベッキーみたいな顔(^^;)の口元からしたたる血が怖い。
●ジョセフ・ライト『老人と死』
イソップ物語に取材した作品。
日々の過酷な労働に耐えかねて「もう死にたい」と死神を呼び出した老人。
ホントに現れるとは思っていなかったのに、目の前に死神が現れる。
「なんか用か?」と尋ねる死神に老人は言う。
「あー、いや、その…この重い荷物を持って欲しくて…(^^;ゞ」
♪チャンチャン…という落語のようなオチ(笑)。
なので実は「怖い絵」ではなく「おもろい絵」。
●エドヴァルド・ムンク『マドンナ』
新潮文庫のボードレール「悪の華」の表紙になっている版画。
モデルになっているのは、
多くの男たち(ムンク自身も)を魅了し破滅に追い込んだ
ダグニイ・ユールと言われている。
マドンナと取り囲むのは回遊する精子。左下にいるのは胎児。
●ポール・セザンヌ『殺人』
えっ?!あのセザンヌがこんな絵を?!という黒セザンヌ。
一時期こうしたダークな作品を描いていたらしい。
●ギュスターヴ・モロー『ソドムの天使』
神の命により、ソドムの街を破滅させるために現れた二人の天使。
モローの作品は、これに限らず大体「怖い」。
●ジャック=エドゥアール・ジャビオ
『メデューズ号の筏(テオドール・ジェリコー作品の模写)』
遠巻きにこの作品を見掛けて「えっ?!あの有名な作品が来てるの?!」
と思ったら模写だった(^o^;。
メデューズ号の座礁は、経験も能力も不足しているのに、
政治的理由だけで任命された艦長のせいと言われている。
弱々しい筏で13日間修漂流し、修羅場をくぐり抜けて生き残った人々が
遠くの船を発見した瞬間が描かれている。
●ポール・ドラルーシュ『レディ・ジェーン・グレイの処刑』
この展覧会のメインビジュアルになっている作品。
16歳の時にイングランドの女王に祭り上げられた挙げ句
たったの9日間で王位を追われ、7ヶ月後には反逆罪で斬首刑に処せられた
レディ・ジェーン・グレイ。
その処刑の場面を、まるで芝居のクライマックスのように描いた大作。
真っ白に輝くドレスを纏い、目隠しをされたジェーンが
司祭に導かれながら首置き台を手探りする。
司祭の態度はあくまで優しく、
右側に立つ死刑執行人の眼差しも哀れみと同情に満ちているように見える。
ジェーンの腕に添えられた司祭の手からは
彼女の肌の感触や体温が伝わってくるような気がして、
「怖い」というより「悲しい」。
個人的に、今回の展示の中での『BEST OF 怖い絵』は
最初に挙げたギュスターヴ=アドルフ・モッサの『飽食のセイレーン』…これだな。
1905年に描かれた作品だが、現代美術の作家が描いたような斬新さが
なんだか怖さを倍増させる(・_・;)。
背景も怖い絵にありがちな黒や灰色ではなく、晴天の青空なのも逆に怖い。
もっともっと背筋が凍るような作品がたくさん展示されているのかと思ったが、
作品全般を観て感じたのは、
実は意外と「どれもそんなに怖くはないけどなぁ」であり
「大して怖くない絵」展だった(^o^;。
「怖い」というより「哀れ」だったり「悲しみ」だったり、
そんな感情が湧き起こる作品が多かった気がする。
ミュージアムショップではポストカードを4枚購入。
いやー、サラッと流し見鑑賞とはいえ混んでる展覧会って疲れる。
しかもヘヴィな絵が多いので、なおさらグッタリ。
確かに面白い展覧会ではあるけれど、
ホント「どうして」ここまで混んでいるのかわからない(-"-?。
東京都美術館のカフェでひと休みしてからゴッホ展観よっと(^o^;。
アタシが聞きたいよ。
「どうしてこんなに混んでんのっ?!(◎_◎)」と。
連日盛況で、平日でも平気で80分待ちになる『怖い絵』展。
ご近所の東京都美術館でのゴッホ展が
今日から4日間20時まで夜間開館ということなので
『怖い絵』展とのハシゴを決行したわけなのだけど
当初、15時過ぎに『怖い絵』展に入って、
その後夕方からゴッホ展をゆっくり観ようと計画していた。
ところが『怖い絵』展の混雑状況をツイッターでチェックしてみたところ
15時16時でも50分待ちとか40分待ちなどと出ているではないか(-_-;。
今日も10時20分の段階で80分待ち…。
これは15時過ぎに現地に着くように行ったんじゃ
入った途端にハイ閉館でーす!なんてことになりかねない。
それではあまりにも勿体ないので、13時30分くらいに上野到着。
(↑ちょっと怖い感じにしてみた^o^;)。
待ち時間は60分…。まぁマシな方なのかな。
iPodで音楽聴いてたら割とあっと言う間に60分経過。
中に入ると、当たり前だがこれまた大混雑(x。x)。
なかなか作品に近づけない。
大きな油彩画などはともかく、
サイズの小さな版画作品などは何がなんだかわからない。
しかも作品に添えられたキャプションの文字も小さいので
遠巻きにだと、これも何が書いてあるのかよくわからない。
吉田羊さんによる音声ガイドだけが作品解説の頼みの綱か…。
これはもうじっくり鑑賞できる環境ではないなと見切りをつけて
サラッと流し見していくことに。
そんな中で個人的に印象に残った作品は以下の通り…。
●ギュスターヴ=アドルフ・モッサ『飽食のセイレーン』
ギリシャ神話に出てくる海の怪物。
人魚の姿で描かれることも多いが、本来は上半身が人間の女性で下半身が鳥。
これは「本来の姿」で描かれたセイレーン。
美しい歌声で船人を魅了し、遭難・難破させ溺死者を喰う。
画面の右半分に大きく描かれたセイレーンの羽根の描写が凄い!。
ホンモノの羽根を貼り付けてあるのかと思ったくらいリアル。
そして、ベッキーみたいな顔(^^;)の口元からしたたる血が怖い。
●ジョセフ・ライト『老人と死』
イソップ物語に取材した作品。
日々の過酷な労働に耐えかねて「もう死にたい」と死神を呼び出した老人。
ホントに現れるとは思っていなかったのに、目の前に死神が現れる。
「なんか用か?」と尋ねる死神に老人は言う。
「あー、いや、その…この重い荷物を持って欲しくて…(^^;ゞ」
♪チャンチャン…という落語のようなオチ(笑)。
なので実は「怖い絵」ではなく「おもろい絵」。
●エドヴァルド・ムンク『マドンナ』
新潮文庫のボードレール「悪の華」の表紙になっている版画。
モデルになっているのは、
多くの男たち(ムンク自身も)を魅了し破滅に追い込んだ
ダグニイ・ユールと言われている。
マドンナと取り囲むのは回遊する精子。左下にいるのは胎児。
●ポール・セザンヌ『殺人』
えっ?!あのセザンヌがこんな絵を?!という黒セザンヌ。
一時期こうしたダークな作品を描いていたらしい。
●ギュスターヴ・モロー『ソドムの天使』
神の命により、ソドムの街を破滅させるために現れた二人の天使。
モローの作品は、これに限らず大体「怖い」。
●ジャック=エドゥアール・ジャビオ
『メデューズ号の筏(テオドール・ジェリコー作品の模写)』
遠巻きにこの作品を見掛けて「えっ?!あの有名な作品が来てるの?!」
と思ったら模写だった(^o^;。
メデューズ号の座礁は、経験も能力も不足しているのに、
政治的理由だけで任命された艦長のせいと言われている。
弱々しい筏で13日間修漂流し、修羅場をくぐり抜けて生き残った人々が
遠くの船を発見した瞬間が描かれている。
●ポール・ドラルーシュ『レディ・ジェーン・グレイの処刑』
この展覧会のメインビジュアルになっている作品。
16歳の時にイングランドの女王に祭り上げられた挙げ句
たったの9日間で王位を追われ、7ヶ月後には反逆罪で斬首刑に処せられた
レディ・ジェーン・グレイ。
その処刑の場面を、まるで芝居のクライマックスのように描いた大作。
真っ白に輝くドレスを纏い、目隠しをされたジェーンが
司祭に導かれながら首置き台を手探りする。
司祭の態度はあくまで優しく、
右側に立つ死刑執行人の眼差しも哀れみと同情に満ちているように見える。
ジェーンの腕に添えられた司祭の手からは
彼女の肌の感触や体温が伝わってくるような気がして、
「怖い」というより「悲しい」。
個人的に、今回の展示の中での『BEST OF 怖い絵』は
最初に挙げたギュスターヴ=アドルフ・モッサの『飽食のセイレーン』…これだな。
1905年に描かれた作品だが、現代美術の作家が描いたような斬新さが
なんだか怖さを倍増させる(・_・;)。
背景も怖い絵にありがちな黒や灰色ではなく、晴天の青空なのも逆に怖い。
もっともっと背筋が凍るような作品がたくさん展示されているのかと思ったが、
作品全般を観て感じたのは、
実は意外と「どれもそんなに怖くはないけどなぁ」であり
「大して怖くない絵」展だった(^o^;。
「怖い」というより「哀れ」だったり「悲しみ」だったり、
そんな感情が湧き起こる作品が多かった気がする。
ミュージアムショップではポストカードを4枚購入。
いやー、サラッと流し見鑑賞とはいえ混んでる展覧会って疲れる。
しかもヘヴィな絵が多いので、なおさらグッタリ。
確かに面白い展覧会ではあるけれど、
ホント「どうして」ここまで混んでいるのかわからない(-"-?。
東京都美術館のカフェでひと休みしてからゴッホ展観よっと(^o^;。
2017-11-02 02:06
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コメント(4)
梅屋さん、私はもっと怖いものを見ましたよ。
昨日、快晴の上野公園お昼12時。人の列が長々と…。なんじゃ、これ?「最後尾210分」(゜ロ゜;
世の中に、怖いものを見たい人がこんなにいるなんて~!
ジェーン・グレーの絵は、多分高校生の頃に本か何かで見て、ショックでしばらく寝られなかった記憶が(^^;子供だったので。
まさか本物が来るとは。いえ、私、行けません(笑)
by おーちゃん (2017-11-04 21:59)
今さっきまで、テレビでレディ・グレイ・ジェーンの処刑の特集を見ていました。
綺麗だけど、悲哀に満ちていていますね。
はぁ、見たいけど、あの混雑はなぁ(^◇^;)
でも、王子も観たいと言ってましたよねー。そしたら、相方も見てみたい。と言い出しました。なんでも、教科書に載ってたから、一度本物をみたいとのこと。
イヴコンに行くけど、もう終わっちゃってるしなー。
でも混雑してるのイヤだしなー。
どうしようかなー。とただいま考え中です。
by こたろう (2017-11-04 22:41)
此方では既に展示が終了して東京になっているのですね。
怖いもの見たさで行かれる方多いのでしょうか。
怖い絵なので誰も一緒に行くお供無く行きそびれました。というか、寝られないかもと思いまして。
大塚美術館の怖い絵コーナーの絵の規模を大きくしたのを想像してに行けませんでした。照明が落としてあって怖さ倍増。怖い絵というより残酷な描写が多くオドロオドロした絵が飾ってありました。ムンクの絵もあったと記憶します。当時の企画展示だった?しれませんが来年は5月の連休に鳴門ライブもあるそうなので遠征してご覧なられるのもおススメします。(既にいかれた事があるかもしれませんね。)
by にゃんこ (2017-11-05 07:30)
>おーちゃんさん
に、にひゃくじゅっぷん?!?!。
そ、それは怖い!怖すぎますっ。
展覧会そのものよりも絶対怖いです。
だって展示されてる作品たちは、実際そこまで怖くないですから(^o^;。
既に神話とか聖書の物語をある程度知ってる人にとっては
それほど怖くないんじゃないかと…。
怖い絵展で一番怖いのは、確かに入場までの待ち時間、
そして中の混雑ぶりかも知れません…(-_-;。
>こたろうさん
あの混雑の中では「怖い」もへったくれもないような気がします(^^;。
シーンと静まりかえった美術館でなら、結構ゾクッとするかも知れませんが。
金土日祝日は開館時間を延長していますが
開館前から閉館まで、いつ行っても混んでいるようです。
他にも素敵な展覧会、いろいろやってますよーと
あの行列に向かって叫びたい(笑)。
王子、ラジオで「行きたい」と言ってましたが…ムリでしょう(笑)。
(ゲーノー人特別待遇とかあるなら別ですが…^o^;)。
>にゃんこさん
大塚美術館、行ったことあります!。
と言ってももう随分前ですけど。2000年代前半だったか…。
ライブ遠征ではなく単なる観光で
渦潮と、まさに大塚美術館へ行くために鳴門へ行ったんです。
所詮どれもタイルで作ったニセモノでしょーなんて思っていたですが!!!
世界の名画(の雰囲気)をいっぺんに感じることが出来て
予想以上に楽しかった記憶が残っています。
怖いといえば、「ゴヤの家(黒い絵)」のコーナーが
めちゃめちゃ恐ろしかったのを未だに憶えています。
そういえばその時一緒に「鳴門ドイツ館」にも行ったような気がします。
どちらもなかなか大変な場所にあったような…。
来年のGWは無理だけど、またのんびりと訪れたいです。
by 梅屋千年堂 (2017-11-08 21:48)