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水墨の風 -長谷川等伯と雪舟 [EXHIBITION]

国立新美術館から、出光美術館へ移動。

どうやって行くのが一番いいんだろう?とルート検索してみたところ
六本木から日比谷線に乗り、日比谷から徒歩というのがベストのようだった。
ただ乗換はないけれども、ミッドタウン方面から日比谷線の乗り場まで結構歩くし
日比谷から出光美術館のある帝劇ビルまでも、
地下通路で通じているとは言え、これまた結構歩くので
「近い」「便利」って感じはしなかったけれども(^^;。

というわけで、出光美術館。
ジャコメッティ展で時間を思いのほか時間を食ってしまったので
到着したのは既に15時近く…。
お目当ての作品(雪舟および等伯)以外はサラッと流し見するつもりで
展示室に入っていった。

ちなみに、サントリー美術館の友の会の会員カードの提示で
出光美術館の入館料が200円引きになる。
100円引きだと有り難みが薄いが、
200円引きだとお得感があって嬉しい(^o^;。


『水墨の風 -長谷川等伯と雪舟』というタイトルだから
展示の目玉は当然雪舟と等伯の作品だろう。

が…雪舟の『破墨山水図』は、ド頭から2作品目くらいに登場。
えっ?!もう?!…しかも思ってたよりずっと小さい(^^;(^^;(^^;。
思い切りの良い大胆な筆遣いで、滲みを生かしたその画風は
自分が抱いていたそれまでの雪舟の作品のイメージとはちょっと違う。
その画風は中国の画僧・玉澗の影響を受けているとして
玉澗の『山市晴嵐図』も一緒に展示。…確かにそんな感じがする。

いかにも雪舟らしい『秋冬山水図』や『天橋立図』もいいけれど、
それとは一味違う、この『破墨山水図』…個人的には結構好きカモ。


そして第二章、ここでまたまた早くも等伯登場。
前期に展示されているのは
『竹鶴図屏風』
『松に鴉・柳に白鷺図屏風』
の2点。
どちらも以前他の展覧会で既に観たことのある作品だが
好きな作品というのは、何度観ても良いものである。

『竹鶴図屏風』で思い浮かぶのが
先だって東京国立博物館の『特別展 茶の湯』で展示されていた
牧谿の、国宝『観音猿鶴図』である。
ここに描かれている鶴と、等伯の『竹鶴図屏風』に描かれている鶴がそっくりで
両者を初めて観た時は「同じじゃん!」とビックリするけれども
これは等伯が牧牧谿について非常に熱心に学習していた証拠なのである。

そしてこの鶴の佇まいももちろん良いのだけれど
アタシは『竹鶴図屏風』の竹の描き方が大好きなのだ。

手前の竹は、濃い墨でしっかりと。
そして後方の竹は薄墨でぼんやりと、しかも全体は描かない。
この描き方が、かの国宝『松林図屏風』とよく似ていて
その屏風の向こう側の空気感が伝わってくるようでとっても好きなのだ。


…と、こんな感じで
自分が観たかった作品は、展示の前半で全部出てきてしまった(・_・)。

なので残りの展示は、サラッと流し見しつつ
気になるところで足を止める…そんな感じで鑑賞。

そんな中で
『栗鼠図』呂景玄
『梅図』揚補之
『花鳥図屏風』狩野松栄
『花鳥図屏風』「元信」印
『瀟湘八景図巻』画/岩佐又兵衛 賛/陳元贇
『山水花鳥人物図巻』狩野探幽・尚信・安信
このあたりが、目と足が止まった作品だった。


自分土産は、『竹鶴図屏風』の屏風型絵はがきセット。
sesshu_tohaku.jpg

線に沿って折れば屏風のように自立するのだけど
どうにももったいなくて折れないのだった…(^o^;。


ちなみに等伯の『竹鶴図屏風』は前期のみの展示で
6/27からの後期展示では、同じく等伯の『四季柳図屏風』に入れ替えられる。
これ…観たことないなぁ…(多分)。

また行かねば!。
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コメント 8

おかん

…雪舟の『破墨山水図』は、ド頭から2作品目くらいに登場。
えっ?!もう?!
なんとなくですがわかります、メイン?は中盤や後半に見たいものですよね~!

割引のお話がありましたが博物館など学生はたくさん行った方がいいですよね。この間の根津美術館は大人1100円に対して大学生800円、300円安い・・。この恩恵も今年限り(の予定)ですからあちこち引っ張りまわしているというワケです。
帝劇ビルでエレベーターに乗る時に、いつも出光美術館・・の文字は見るのですが実は行った事なくて・・。今度こそ!です。
日比谷駅って複雑ですよね、4つの線が入ってる?とかですが待ち合わせも慣れないと大変・・。帝劇、最初の頃はJR有楽町駅から普通に歩いていってました。
by おかん (2017-06-17 04:59) 

梅屋千年堂

>おかんさん
>>メイン?は中盤や後半に見たいものですよね~!
でもあまりにも展示点数が多い大規模展覧会で
目玉の展示が最後の最後だと、もうくたびれ果ててグッタリしていることが多いので
そういう場合は中盤に出てきてくれるのが嬉しいです(^^;ゞ。

そうそう、学割は大きいですよね〜。
若い時にゲージツに触れておくのは良いことだと思いますよ〜。
たとえ今は心に響くものがなくても、
もっと年齢を重ねたときに「あ、これ学生の時にも観たな〜」とか
「10代で観た時にはわからなかったけど、今なら良さがわかる」などと
ハッとすることがあるかも知れませんね。

出光美術館は、規模もそこまで大きくないので
観劇のついでなどにちょうど良いと思いますよー。
今後の展覧会としては9月からの『江戸の琳派芸術』と
来年年明けの『色絵 Japan CUTE!』が面白そうです。

それはそうとおかんさん、いつも早起きさんでいらっしゃいますね。
アタシは朝がからきし弱いので尊敬してしまいます。

by 梅屋千年堂 (2017-06-17 22:59) 

おかん

夫が6時半に家を出ますので・・早起きの方なのでしょう。娘も1限のときは同じ時間に出ますね。
また変な時間の徘徊してます。梅屋さんのレポが読みごたえあって面白くて
!(^^)!
月曜休みとパートの休みがくっついて不規則に2連休や3連休があります。嬉しくて寝られないんですよ(笑)そして翌日昼寝したり。。。すみません。
Kトラで幸ちゃんからサントリー美術館の言葉がありましたね。凄いですね~!!
by おかん (2017-06-25 06:06) 

梅屋千年堂

>おかんさん
早起きなだけでなく、忙しい朝に
このようなところに書き込みをする時間的余裕があるのがまた素晴らしいです。

そういえば!今週の坂番!聴きましたよ〜( ̄ー ̄)。
おかんさん、なにやら勝手に五男までいる
子だくさんにされちゃってましたね(笑)。
by 梅屋千年堂 (2017-06-25 21:09) 

おかん

坂番、地元のFM局がメンテナンス?の為・・放送が無かったんですぅ~。
五男?(笑)
五人はいませんが・・うちの双子は一卵性の為お腹にいるとき「性別・・もし先に見えた子が男なら二人男ってことになりますよ」とセンセに言われていました。私は自分の下に弟二人なのでその可能性も高いかな、と覚悟してたら「女の子です」と言われました(笑)。

by おかん (2017-06-28 04:28) 

梅屋千年堂

>おかんさん
読まれたのは大学生の三女さんと夏フェスタに参加予定という内容で
後ろの方でスタッフの方が小声で「三女…」と呟くと
幸ちゃんが「長女、次女、長男から五男までいるかも知んねぇよ」
と、妄想を膨らませていました(笑)。

今日は等伯の「四季柳図屏風」を観るために
再度この展覧会に行ってきました。
ほぼこの1枚のためだけに¥800…。
けれども十分それに値する、カッコいい金屏風でした(*^^*)。

by 梅屋千年堂 (2017-06-29 00:04) 

おかん

ありがとうございます~梅屋さんのおかげで私も妄想を膨らませます(笑)

出光美術館、後期展示になったのですね。前回の半券で半額くらいになったらいいですね・・。
by おかん (2017-06-29 05:16) 

梅屋千年堂

>おかんさん
出光美術館、時々「次回にお使い下さい」って半額のチケットを
くれる時があるんですよね。
ただ今回アタシは元々割引き価格で入ってしまったので
そういうのがあってももらえなかったかも知れません(^^;。

これだけ美術展行ってると「いかにお得に安く行くか」という
作戦を考えるのも楽しみの一つだったりします。

by 梅屋千年堂 (2017-07-06 21:52) 

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