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特別展『茶の湯』 [EXHIBITION]

『バベルの塔展』を観た後は、
東京国立博物館に移動して、特別展『茶の湯』へ。

上野公園をトーハクに向かって歩いて行く道すがら、
あちらこちらでシャガの花が満開。
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展覧会を観る前にランチタイム。
法隆寺宝物館のホテルオークラ ガーデンテラスへ。

だがしかし…
前回来た時にはガラガラだったので油断していたのだけど
今回はちょうど昼時をちょっと過ぎた頃だったこともあり
入口からズラーッと行列が…_| ̄|◯。
かなり待たされそうな気がしたけれど、
14時30分まで待ってみて呼ばれなかったら離脱しようと思いながら
とりあえずウェイティングリストに名前を書いて待ってみる…。

案の定14時半過ぎても中には入れなかったけど
もうあと1〜2番目だったので、そのまま待つことに。

やっと席に案内されて「本日のサンドイッチ」をオーダーする。
本当はフツーのサンドイッチが食べたかったんだけど
…サーモンのベーグルサンドだった。
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そしてデザートとして、特別展「茶の湯」期間限定の《抹茶のババロア》。
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美味であった(*^^*)。


法隆寺宝物館の前の八重桜。
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落ちた花が水面に浮かんで、アートな感じ。
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で、ようやく特別展『茶の湯』へ。

この展覧会は、主に室町時代から近代までの「茶の湯」の美術の変遷を辿るというもので
国宝・重文に指定されているお宝茶道具がわんさか展示されている。

…が、

茶道具の世界は深い…。難しい…。

ここ数年になって、アタシはやっと茶碗や香合などの焼き物の良さ
(というか自分の中での「好き」と「そうでもない」の違い)が
少しだけ分かるような気がしてきたけれど、
正直なところ、棗とか茶杓とか花入とか水指などは
その良し悪しが今ひとつよくわからない(^^;。

そんな勉強不足の状態だけれども、
綺麗な《器》はやっぱり直感的に「素敵だな〜」と思う。
・曜変天目 稲葉天目(静嘉堂文庫蔵)
・油滴天目(大阪市立東洋陶磁美術館蔵)
・油滴天目(京都・龍光院蔵)
・黄天目 珠光天目(永青文庫蔵)
・白天目
・黄天目 沼田天目
・長次郎作 赤楽茶碗 銘 無一物(穎川美術館蔵)
・長次郎作 黒楽茶碗 銘 万代屋黒(樂美術館蔵)
・長次郎作 黒楽茶碗 銘 俊寛(三井記念美術館蔵)
・志野茶碗 銘 羽衣
・本阿弥光悦作 赤楽茶碗 銘 毘沙門堂
・油滴天目(九州国立博物館蔵)

このあたりは、個人的にかなり印象に残る《器》だった。

あとはやっぱりカワイイ香合に惹かれる。
・交趾大亀香合(藤田美術館蔵)
・織部木菟香合
・仁清作 色絵鶴香合(サントリー美術館蔵)
・乾山作 銹絵染付鎗梅文香合

木菟以外は、他の展覧会で観たことのある作品ばかりで
再会がちょっと嬉しかった。


茶道具の良し悪しは分からなくとも
その茶道具が辿ってきた運命(誰から誰の手に渡って今ここにあるのか)とか
それが作られた時代は、どんな時代だったのかを考えながら観ていくと
ちょっと面白いかも知れない。

例えば、「唐物肩衡茶入 銘 初花」は、足利義政から始まって
織田信長の手に渡り、その後賤ヶ岳の戦いの戦勝記念として秀吉に贈られ、
更にその後は家康のものになる…というスゴイ茶入。
こんな小さな茶入れが激しい戦乱の世を経て、
現代に伝わっているという事実だけでも感動的だ。

また、長谷川等伯が描いたと伝えられる『千利休像』も展示されている。
阿部龍之介の小説「等伯」で読んだ、利久と等伯の関係を思い出しながら鑑賞したり
その千利休は、さっき観てきた「バベルの塔」のブリューゲルと同時代に生きていた
なんてことを考えては、あまりにもかけ離れた文化の違いを
まざまざと感じ取ってみたり…。

この展覧会に限らず、こんな風にいろんなことを想像(妄想)しながら
作品を鑑賞するのは結構楽しい。


展示の前半で時間を欠けすぎて、
最後の方はもう「まもなく閉館です」の放送がかかっちゃって駆け足状態に(T^T)。
ショップもあんまりゆっくり見られなかった。
(ザッと見た感じ「コレ欲しい!」というものはなかったけれど)。

あ、そうそう、古田織部の茶室・燕庵(えんあん)を再現したコーナーもあったっけ。
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会期中の展示替えも多いので、出来ればもう1回観に行きたいところだけど
他にも行きたい展覧会が山ほどあるし…ムリだろうなぁ…。
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コメント 6

おかん

何百年も前に存在したものが時代を経て・・って思うと感動ですね。
「唐物肩衡茶入 銘 初花」は、足利義政→織田信長→秀吉→家康…ですか、スゴイ茶入れですね。そして天下の徳川家康だったからこそ保存されて今の世に受け継がれて・・。

私もベーグルより普通のサンドイッチ好きです、デザートの抹茶ババロア美味しそうですね!(^^)!
by おかん (2017-04-27 06:09) 

梅屋千年堂

>おかんさん
そうなんです。茶の湯のことはよく分からなくても
その茶道具が辿ってきた歴史を考えるだけで、壮大なロマンを感じられるのです。

写真だと「どこが抹茶のババロア?」ですよね(^^;ゞ。
フルーツや寒天の下に、ババロアはいるのです。
さすがホテルオークラ。美味しかったですよ〜。

そういえばおかんさん
先日の坂番で最後にお名前だけ呼ばれていましたよね(*^^*)。
「すごーい!」と思いながら聴いてました。

by 梅屋千年堂 (2017-04-27 23:19) 

おかん

梅屋さんいつもありがとうございます、
坂番は日曜の深夜2時でして・・walkmanで聞いているのですが名前呼ばれたりすると嬉しくてそのあと眠れなくなってしまいます(苦笑)
by おかん (2017-04-30 06:46) 

梅屋千年堂

>おかんさん
まめにラジオ等に投稿していらっしゃるだけでもスゴイ!と思うのに
番組で採用されたり、お名前だけでも読んでもらえたり
素晴らしいな〜って思いますよ。これからも頑張ってくださいねー。

「坂番」通常横浜では聴けないので
いつもradikoのエリアフリーで土曜のFM石川か日曜のFM長野で聴いています。
(というわけで只今FM長野でのオンエアを絶賛聴取中であります)。

by 梅屋千年堂 (2017-04-30 22:25) 

なき

いつもalfeeコーナー以外も楽しく拝見しています。

私も茶の湯展行きました。憧れの稲葉天目がお目当てでしたが
あの圧倒的存在感はすごいなと思いました。ずっと観ていられますね~。
ただ、あの茶碗で抹茶飲みたいかと言われると…個人的にはワビサビものが好みです。
ただ好みとは別に観ていて目を引いたものの多くが重文や国宝だったりしたので
そういったものたちが持つパワーを改めて実感しました。

ちなみにミュシャ展は行かれましたか?
もしご覧になってましたら感想を教えていただけますと幸いです
by なき (2017-05-12 15:06) 

梅屋千年堂

>なきさん
先日、Eテレの『日曜美術館』でも取り上げられていましたね。
ああいうの観ちゃうと、もう1回行きたくなっちゃうんですよね(^^;ゞ。
展示替えで観られてない名品もあるし…。

『ミュシャ展』、実は初日に行ってきましたー。
素晴らしかったです!。感動のあまり図録まで買ってしまいました。
もしよろしければ、こちら↓の記事をご覧下さいね(^_^)。
http://humezawa.blog.so-net.ne.jp/2017-03-08

by 梅屋千年堂 (2017-05-12 22:07) 

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