ダブル・インパクト 明治ニッポンの美 [EXHIBITION]
名古屋で観てきた展覧会。
場所は名古屋ボストン美術館。
(23:43 オマケを追加しました)。
『ダブル・インパクト』だけだと
いったい何の展覧会なのかピンとこないけれども
正確なタイトルは
『ボストン美術館×東京藝術大学 ダブル・インパクト 明治ニッポンの美』
という。
幕末〜明治にかけて、開国後のニッポンが受けてきた
西洋からの衝撃(ウエスタン・インパクト)と
西洋人が日本の文化から受けた
日本からの衝撃(ジャパニーズ・インパクト)を
「美術」という観点からとらえて、
ボストン美術館のコレクションと東京藝術大学のコレクションを
展示・比較するという展覧会。
1時間くらいでサーッと観て終わらせようと思っていたので
今回は音声ガイドも借りず、単眼鏡も持たず、割とラフな気持ちで鑑賞。
そんな中で「おっ、これは」と、目に留まった作品を挙げていくと…
《蒙古賊船退治之図》河鍋暁斎(1831-1889)
鎌倉時代の蒙古襲来と幕末の黒船来航をリンクさせて描いたという錦絵。
蒙古軍の船を木っ端微塵に爆破してやっつけた!という図なんだけど
放射状に飛び散る人間とか、爆破の衝撃による大波のうねりとか
まるで、今の時代の劇画の一コマを見ているよう。
《横浜海岸異人館之図》三代歌川広重(1842-1894)
1870年頃の横浜の波止場の様子を描いた錦絵。
画面右側に波止場。その奥の方に「フランス山」と書かれた小高い丘がある。
このあたりは今で言うところの「港の見える丘公園」のあたり。
普段馴染みのある場所の、昔の様子が表された絵や写真というのは
いろいろ想像力を掻き立てられてやっぱり興味深い。
《横浜亀橋通》五姓田義松(1855-1915)
《横浜海岸異人館之図》と同じ理由で興味深い。
亀橋は今の石川町のあたり。
描かれている「鶴屋呉服店」は後の松屋。
《竜自在》高石重義(生没年不詳)
2mほどもある大きな自在置物。
胴体・手足・口・尻尾にいたるまで、好きな形に変化させることができる。
東博の常設展示で見た自在置物よりもはるかいデカい。
中の仕組みがわかるようにと、隣にX線写真まで展示されていたけれど
それを見たところで、素人にはやっぱりよく分からない(^^;。
《地獄太夫》河鍋暁斎
この展覧会の目玉のひとつ。
地獄太夫は、室町時代の遊女。前世での行いが悪かったために
自分は現世でこのような運命に身を置いていると、
自ら「地獄」と名乗り、常に地獄図の描かれた着物を纏っていたという。
いや〜、なかなかロックだねぇ(笑)。
で、その地獄太夫さんの美しさもさることながら
画面左上で、その地獄太夫さんの美しさにクリビツテンギョウの一休禅師。
この一休さんのポーズと顔が面白すぎる上に
地獄太夫さんの足元ではちっちゃな骸骨が走り回っているという、変な絵(笑)。
《野菜涅槃図》柴田是真(1807-1891)
タイトルを見なければ、たんなる野菜の蒔絵にしか見えないが
「涅槃図ですよ」と言われれば、そう見えなくもない。
《上野公園内勧業第二博覧会美術館并猩々噴水器之図》三代歌川広重
《九段坂五月夜》小林清親
《上野公園〜》の方は、一目見ただけで
「あっ、これ今の東博のとこじゃん」とすぐわかるし
《九段坂〜》の方も、武道館へ行くときに目に入る高燈籠が描かれていて
「あっ、あれだ!」とすぐわかる。
こういう作品はホントに見ていて楽しい。
《日本の大工》ヴィンチェンツォ・ラグーザ(1841-1927)
「えぇ?俺っちのことを像にしようってぇのかぃ?。
背中の彫り物も見てぇって?。おまえさんももの好きだねぇ」
という声が聞こえてきそうな「日本のでぇく」さんのブロンズ像。
活き活きとし過ぎていて、なんだか笑ってしまう(^m^)。
この彫刻が完成した時の「でぇく」さんの感想が知りたい。
「おっ、なかなか色男に作ってくれたじゃねぇかよ。
え?ラグーザの旦那!」てな感じ?(笑)。
《月下の海》横山大観(1868-1958)
THE 朦朧体!。他にも大観の作品がいくつか展示されていたけど
個人的にはこれが一番好きだなぁと思った。
ポストカード買って帰ろう〜と思ったが…なかった_| ̄|◯。
《菅原道真天拝山祈祷の図》小林永濯(1843-1890)
これホントに明治時代の絵?!。
先述の河鍋暁斎の《蒙古賊船退治之図》同様、
いやそれ以上に、どう見ても今の時代の劇画の一コマ。
この時代にこんなにもドラマチックに描く人がいたことが信じられない。
てなわけで、思っていた以上に「インパクト」の強い作品が多く
興味深い展覧会だった。1時間くらいで観終えるつもりが
1時間半近くかかってしまった。
自分土産はポストカード。
《地獄太夫》と《横浜海岸異人館之図》と《菅原道真天拝山祈祷の図》。
グッズの種類自体は豊富なわりに、ポストカードは少なかったな(・_・)。
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《オマケ》
この記事のオマケにするのもどうかと思ったけど…(だって関連なさすぎ^^;)
真夏に不似合いな黒の革(?)スーツと
58年レスポール・カスタムの組み合わせがカッチョエェ〜!(*^^*)。
途中で出てくるSharp5での「♪デケデケデケデケ…」もなんかおもろーい。
(何はともあれ割とフツーのMVで安心した^^;ゞ)。
場所は名古屋ボストン美術館。
(23:43 オマケを追加しました)。
『ダブル・インパクト』だけだと
いったい何の展覧会なのかピンとこないけれども
正確なタイトルは
『ボストン美術館×東京藝術大学 ダブル・インパクト 明治ニッポンの美』
という。
幕末〜明治にかけて、開国後のニッポンが受けてきた
西洋からの衝撃(ウエスタン・インパクト)と
西洋人が日本の文化から受けた
日本からの衝撃(ジャパニーズ・インパクト)を
「美術」という観点からとらえて、
ボストン美術館のコレクションと東京藝術大学のコレクションを
展示・比較するという展覧会。
1時間くらいでサーッと観て終わらせようと思っていたので
今回は音声ガイドも借りず、単眼鏡も持たず、割とラフな気持ちで鑑賞。
そんな中で「おっ、これは」と、目に留まった作品を挙げていくと…
《蒙古賊船退治之図》河鍋暁斎(1831-1889)
鎌倉時代の蒙古襲来と幕末の黒船来航をリンクさせて描いたという錦絵。
蒙古軍の船を木っ端微塵に爆破してやっつけた!という図なんだけど
放射状に飛び散る人間とか、爆破の衝撃による大波のうねりとか
まるで、今の時代の劇画の一コマを見ているよう。
《横浜海岸異人館之図》三代歌川広重(1842-1894)
1870年頃の横浜の波止場の様子を描いた錦絵。
画面右側に波止場。その奥の方に「フランス山」と書かれた小高い丘がある。
このあたりは今で言うところの「港の見える丘公園」のあたり。
普段馴染みのある場所の、昔の様子が表された絵や写真というのは
いろいろ想像力を掻き立てられてやっぱり興味深い。
《横浜亀橋通》五姓田義松(1855-1915)
《横浜海岸異人館之図》と同じ理由で興味深い。
亀橋は今の石川町のあたり。
描かれている「鶴屋呉服店」は後の松屋。
《竜自在》高石重義(生没年不詳)
2mほどもある大きな自在置物。
胴体・手足・口・尻尾にいたるまで、好きな形に変化させることができる。
東博の常設展示で見た自在置物よりもはるかいデカい。
中の仕組みがわかるようにと、隣にX線写真まで展示されていたけれど
それを見たところで、素人にはやっぱりよく分からない(^^;。
《地獄太夫》河鍋暁斎
この展覧会の目玉のひとつ。
地獄太夫は、室町時代の遊女。前世での行いが悪かったために
自分は現世でこのような運命に身を置いていると、
自ら「地獄」と名乗り、常に地獄図の描かれた着物を纏っていたという。
いや〜、なかなかロックだねぇ(笑)。
で、その地獄太夫さんの美しさもさることながら
画面左上で、その地獄太夫さんの美しさにクリビツテンギョウの一休禅師。
この一休さんのポーズと顔が面白すぎる上に
地獄太夫さんの足元ではちっちゃな骸骨が走り回っているという、変な絵(笑)。
《野菜涅槃図》柴田是真(1807-1891)
タイトルを見なければ、たんなる野菜の蒔絵にしか見えないが
「涅槃図ですよ」と言われれば、そう見えなくもない。
《上野公園内勧業第二博覧会美術館并猩々噴水器之図》三代歌川広重
《九段坂五月夜》小林清親
《上野公園〜》の方は、一目見ただけで
「あっ、これ今の東博のとこじゃん」とすぐわかるし
《九段坂〜》の方も、武道館へ行くときに目に入る高燈籠が描かれていて
「あっ、あれだ!」とすぐわかる。
こういう作品はホントに見ていて楽しい。
《日本の大工》ヴィンチェンツォ・ラグーザ(1841-1927)
「えぇ?俺っちのことを像にしようってぇのかぃ?。
背中の彫り物も見てぇって?。おまえさんももの好きだねぇ」
という声が聞こえてきそうな「日本のでぇく」さんのブロンズ像。
活き活きとし過ぎていて、なんだか笑ってしまう(^m^)。
この彫刻が完成した時の「でぇく」さんの感想が知りたい。
「おっ、なかなか色男に作ってくれたじゃねぇかよ。
え?ラグーザの旦那!」てな感じ?(笑)。
《月下の海》横山大観(1868-1958)
THE 朦朧体!。他にも大観の作品がいくつか展示されていたけど
個人的にはこれが一番好きだなぁと思った。
ポストカード買って帰ろう〜と思ったが…なかった_| ̄|◯。
《菅原道真天拝山祈祷の図》小林永濯(1843-1890)
これホントに明治時代の絵?!。
先述の河鍋暁斎の《蒙古賊船退治之図》同様、
いやそれ以上に、どう見ても今の時代の劇画の一コマ。
この時代にこんなにもドラマチックに描く人がいたことが信じられない。
てなわけで、思っていた以上に「インパクト」の強い作品が多く
興味深い展覧会だった。1時間くらいで観終えるつもりが
1時間半近くかかってしまった。
自分土産はポストカード。
《地獄太夫》と《横浜海岸異人館之図》と《菅原道真天拝山祈祷の図》。
グッズの種類自体は豊富なわりに、ポストカードは少なかったな(・_・)。
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《オマケ》
この記事のオマケにするのもどうかと思ったけど…(だって関連なさすぎ^^;)
真夏に不似合いな黒の革(?)スーツと
58年レスポール・カスタムの組み合わせがカッチョエェ〜!(*^^*)。
途中で出てくるSharp5での「♪デケデケデケデケ…」もなんかおもろーい。
(何はともあれ割とフツーのMVで安心した^^;ゞ)。
2015-06-25 15:59
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