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貴婦人と一角獣展 [EXHIBITION]

昨日、3展ハシゴした展覧会のうちの一つ。

国立新美術館で開催中の《貴婦人と一角獣展》。
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『貴婦人と一角獣』というこの作品は、6枚の連作タピスリーで構成されている。

そもそもこの作品のことを、いつ頃どのようにして知ったのか
そのことすらもはや憶えていないのだけど、
何故か一度目にしたら決して忘れられない、
そんな不思議な力を持ったタピスリーである。

ずーっと以前、初めて(何かで^^;)観たその時から
ずーっと忘れられずに、いつか本物を観てみたいと思っていた。
でも、この作品(タピスリー)は
パリのクリュニー中世美術館というところにあるので
こりゃ現地に行かないと一生観ることは出来ないだろうなぁ、
即ち日本に来ることはまずないだろうなぁと漠然と感じていた。

それがなんと!日本にやってくるという。しかも6枚セットで!。
これは必見!絶対必見!。是が非でも観に行かなくてはいかん!。

早々に前売り券も購入して気合い十分。
…の割りに始まってすぐに行くこと叶わず、結局5月に入ってしまった(^^;。

GWの合間の平日…。
平日とはいえ、世間では休みの人も多いかも知れない。
もしかしたら混んでいるかも?と覚悟していったけれども
思ったほど混雑はしていなかった。

入り口で音声ガイドを借り、それを聴きながら中へ。

入ってすぐのエリアでは、
リルケがこのタピスリーを観た時に詠んだとされる詩と共に
タピスリーを高画質で撮影した映像が白い壁に映し出されていて
いやがうえにもテンションが高まっていく。
(ここスルーして行く人も多かったんだけどね^^;)。

通常こうした展覧会の目玉作品は、一番最後の方に
「どーだーっ!」という感じで登場することが多いのだけど
その映像が映し出されているエリアを抜けて右に曲がると、
楕円形の大きな展示室を、ぐるっと取り囲むように
いきなり6枚の大きなタピスリー=目玉展示が現れた!。

うわぁーーーっ!いきなりですかい!!!(T^T)。

なんだかもう、感動のあまり思わず息を飲んでしまうのだ。

6枚のタピスリーのサイズはまちまちだけれども、
どれもこれも思った以上に大きいことに驚かされる。
一番小振りな『聴覚』ですら369×290cm。
一番大きな『我が唯一の望み』に至っては377×473cm。
これがすべて織物だなんて遠目にはとても信じられない。

展示は、時計回りに『触覚』『味覚』『嗅覚』『聴覚』
『視覚』『我が唯一の望み』という並びになっている。
最初の『触覚』から順に、音声ガイドを聴きながらじっくりと鑑賞していった。

タピスリーに近づいたり、遠ざかったり。
ある時は単眼鏡で、気になる部分を拡大して観てみたり…。
6枚が6枚どれも美しくて、いつまでもそこにいたい気分。
展示室の中央に椅子がないのが残念〜。
(椅子なんか置いて、あんまり長時間居座られても困るからかな^o^;)。

貴婦人や侍女が着ている衣装が美しい。
まるでその布地をそのまま貼り付けたかのように、
模様から襞から陰影から、とてもリアルに織られている。
その貴婦人と侍女を取り巻く、
一角獣と獅子を初めとする動物たちの表情が楽しい。
一見「ヘタウマ」。ハッキリ言って「ヘン顔」(笑)。
でもうさぎだけは何故かカワイイ。

赤地に散りばめられた千花文様(ミルフルール)、
これも織物とは思えない精緻さで、舌を巻く。
細部にわたって詳細に描かれて(織られて)いるので
何の植物なのかという特定も可能なほど。

この、いろいろな花を散らした雰囲気が
ボッティチェリの『春(プリマヴェーラ)』の地面の感じに似ているなと
思ったのだけど、ボッティチェリの作品が1477年頃、
このタピスリーが製作されたのが1500年頃と言われているから
まぁ大体同時期の作品と言えるか。
絵画の世界ではよくわからないけど、
タピスリーではこの時代このような千花文様が流行だったらしい。

6枚のタピスリーをじっくり観た後は、他の展示室へ。
そこでは『貴婦人と一角獣』を読み解くための鍵となる
同時代の様々な関連作品が展示されている。

この展覧会の素晴らしいところは、そうした関連作品を鑑賞して
更に理解を深めたところで、再度『貴婦人と一角獣』の展示室に戻れるところ。
最初に見過ごしてしまった部分を再度チェックして
「おぉ〜!なるほど〜」と改めて唸ることが出来るのだ(笑)。


決して大きな展覧会ではないけれど、見応え十二分!。
7月までやってるから、もう一度行っちゃおうかな。
更にその後は10月まで大阪にも巡回するから、
もしその間に関西方面に行く機会があったら
そっちにもまた行ってしまおうかな…なんて企んでいる(^^;ゞ。


公式サイトの「グッズ」のページがいつまでだっても更新されないので
もしかして大したグッズはないのかも知れないな…と
あんまり期待していなかったのだけど、とんでもなかった。

好きな作品ということもあるけれど、ショップは相当ヤバかった(^o^;。
タピスリー6枚分のポストカードの他に、
周りの動植物をアレンジした展覧会オリジナルのポストカード、
クリアファイル2枚に、マルチクリーナー1枚、
それと素敵な缶に入ったゴンチャロフのチョコレート。
いや〜、久々にたくさん買ったねぇ〜(^^;ゞ。
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Tシャツもかわいかったけど、さすがに買いすぎなんで我慢したさ〜。

図録も相当迷ったんだけど、デカいし重いしでやっぱり却下。
でも詳しい解説を改めて読みたいし、これ買おうかな。

芸術新潮 2013年 05月号 [雑誌]

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  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/04/25
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ちなみに、このタピスリーの《味覚》の小型レプリカが
Takamiyの“千年ロマンス”のPVにチラチラッと登場する。

気になる方はコチラをチェック!(なんてね笑)。

TAKAMIY VIDEO CLIPS & LIVE 2007~2012 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: Alfred
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確か、映画『ハリーポッター』シリーズのどこか
(グリフィンドールの談話室のシーン)にも
このタピスリーのどれがが映っていた気がする…。


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《オマケ》
王子ソロDVD、今日やっと通しで全部観たけれど
感想文は例によって長ーーーーくなりそうなんで、また後日。

それにしてもアンコールの“ULTRA STEEL”には驚いたなぁ(◎_◎)。
あんなことが起きていたなんて?!
そして王子にもあのような能力が備わっていたとは?!?!(( o|o)_+=====※。

でもって、“Glorious”はやっぱいい歌だ〜。
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ueno yukie

明日観に行きます、少しは知って行こうと思いました。とてもわくわくした紹介に出会い、あ楽しみになりました、ありがとう。

by ueno yukie (2013-06-09 21:49) 

梅屋千年堂

>ueno yukieさん
初めまして、ようこそいらっしゃいました♪。
あまり予習にならない鑑賞レポートでスミマセン(^^;ゞ。
でも『貴婦人と一角獣』、本当に素晴らしいですよ。
アタシも絶対にもう一度観に行こうと思っています。

by 梅屋千年堂 (2013-06-09 22:13) 

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