SSブログ

ヒューゴと不思議な発明 [Music,Movie&Musical]

いい映画だった。

以下、映画の内容に関するネタバレあり。
これから『ヒューゴと不思議な発明』を
観に行く予定の方はご注意下さい。

何ヶ月か前に予告篇を観たときから、
「面白そう」「これは観たい」と思っていた。
監督があのマーティン・スコセッシだし
アカデミー賞の作品賞にもノミネートされたくらいだから
きっとそれなりに面白いに違いない。

と言っても、実のところアタシはマーティン・スコセッシの作品は
『アビエイター』しか観たことなかったりして。
(しかも映画の途中で居眠りした記憶が…^^;)。
このテの映画は当たりハズレも激しいので(^^;
あまり過度な期待は寄せないようにしていた。

映画の舞台となるのは1930年代あたりのパリ。
(だけど登場人物がみんな英語を話している…と突っ込んではイケナイ)。
何故か駅の機械室のようなところに一人で住んでいるらしい孤児の少年。
その少年が大事にしている、父の形見であるミステリアスな機械人形。
どうやらその機械人形を動かすには、特別な鍵がいるらしい。

他の予備知識なしにそんな予告篇だけを観れば、
この映画はファンタジー映画に違いないと、誰もが思うのではなかろうか。

物語の前半は、まさにそんな感じで進んでいく。

そしてついに!
ヒューゴがふとしたことから、機械人形の鍵を発見。
鍵穴に鍵を差し込んで回転させると、期待通り人形は動きだし、
何か謎めいた絵を描き始める…。
ここからきっと何か魔法が起きて、主人公とその友達の女の子は
ファンタジーの世界に飛び込むんだ…。

ところが違った(・o・)。

機械人形が描いたのは、月にロケットが突き刺さった絵。
ヒューゴの父が、子供の頃に観た映画の一場面らしい。
(確かにこんな映画あったのをテレビか何かで観たことがある)。
そして絵を描き終えた機械人形が、最後に記したのは
《Georges Méliès》というサイン。

ジョルジュ・メリエスというのは、
ヒューゴと仲良くなった女の子と一緒に暮らしている
彼女の名付け親であり、
ヒューゴが暮らす駅で小さなおもちゃ屋を営む老人だ。

この老人、映画の冒頭で、
ヒューゴがおもちゃ屋のものを盗もうとした時に
ヒューゴが持っていたノート(父が残した機械人形の修理ノート)も
取り上げて、それを見てえらく動揺していたのだ。

もしやヒューゴのこの老人は血縁関係なのか?。
実はヒューゴのおじいちゃんだった!とか?。
そりゃまたベタな展開だなぁ…(^^;。

それはそうと…
《ジョルジュ・メリエス》ってどっかで聴いたことのある名前だ。
誰だっけ(-"-?。

そのモヤモヤ感は、映画を観ているうち、すぐに晴れた。

あー、そうか。
さっきの「月にロケットが突き刺さる映画」を作った人だ。
てことは何?、この映画って実在の人物を織り込んでるわけ?。
しかもこのジョルジュ・メリエスって人、
当時あれだけ画期的な映画を製作して
100年経った今でもこうしてその作品が残っているというのに
晩年はそんなに寂しいことになってたの?。

そんなこんなで機械人形が直っても、魔法などはどこにも出てこない。
この映画はファンタジー映画ではなかったのだ。
言うなれば映画礼賛、《ビバ!映画!》な映画であったのだ。

なんだ?!そーゆー映画だったんだ?!(^o^;(^o^;(^o^;。

でもそうと分かった後でも、決してガッカリさせたりしない。
物語はハートウォーミングな展開になり
泣かせる場面も盛り込みつつ最後はハッピーエンド。
誰もが何らかの役割を持って存在しているといったメッセージも良かった。

やっぱり映画は、観終わった後に幸せな気分になれるものがいい。
お金を払ってまでヘヴィで憂鬱な気分にさせられるような映画は
アタシは好まない。


そんなワケで、大満足のとてもいい映画だった。
どこをとっても映像が美しい。
3Dもの使い方も非常に効果的。
特にオープニング。
パリ上空〜駅のホーム〜構内…とカメラが進んでいく映像は
ちょっと酔いそうになるくらい、かなりの速いスピードだけど
それゆえ観ている側は、一気に映画の舞台に吸い込まれて行く。

100年前の映画が、3Dになっているというのも面白い。
ジョルジュ・メリエスが、タイムマシンに乗って現代にやってきて
この映画を観たら、きっと腰を抜かすに違いない。


ただ、日本語のタイトルが若干的外れなような気が…(^^;。
原作が『The Invention of Hugo Cabret』というらしいから
『ヒューゴの不思議な発明』ってのも間違いじゃないんだろうけど
機械人形はそもそもヒューゴの発明じゃないじゃん。
タイトルから内容の予測がつかないという点では効果的だけど
な〜んかちょっと違う気がする。
『ヒューゴの不思議な機械人形』とかの方がいいんじゃないか?とか
思ったり思わなかったり(笑)。


キャストも良かったと思う。
いかにも栄養が足りてなさそうな(笑)、エイサ・バターフィールド。
イライジャ・ウッドを彷彿とさせる、吸い込まれそうな青い瞳が印象的。

ちょっとしか出てこないけど、
ヒューゴの父役のジュード・ロウは相変わらずカッコイイ。

他にも「この人、なんか他の映画でも観たよなぁ…」的な人がたくさん。
・『ガンジー』のベン・キングスレー。
・『ハリー・ポッター』シリーズに出ていた3人、
 (プログラムを読むまで分からなかったけど^^;ゞ)。
 ジョルジュ・メリエスの奥さん役は、ナルシッサ・マルフォイの人。
 マダム・エミールは、マダム・マクシーム、
 ムッシュ・フリックは、バーノンおじさん。
・そして今年で齢90歳になろうというクリストファー・リー。
 まだまだご健在であられた〜(^_^)。
 なんと今年と来年に公開される『ホビットの冒険』に、
 またもサルマン役で出るらしい!。

インパクトあり過ぎ(笑)なのが、
駅の公安官役のサシャ・バロン・コーエン。
(余談だが、相棒のドーベルマン犬:マキシミリアンも最高)。
この人、来年クイーンの故フレディ・マーキュリーの自伝映画に
フレディ役で出演するらしいのが…

いいかも…( ̄ー ̄)。

本人よりもちょっと面長だけど。
眼光の鋭さとか、ちょっとイッちゃってる感じ(^^;とか…似てるかも。



次に観る映画は、おそらく
『STAR WARS エピソードⅠ/ファントム・メナス 3D』と
『タイタニック 3D』。
『タイタニック 3D』の予告篇は、今回初めて劇場で観たけれど
もう既に予告篇だけで泣きそうだった(^^;ゞ。

『ロード・オブ・ザ・リング』三部作も、いずれ3Dにならんものかのぉ。
『ホビットの冒険』の後に、三部作3D上映とかやったら
ヒットしそうな気がするんだけど(笑)。



----------------------------------------------------------------
『ヒューゴの不思議な発明』の公式サイトはコチラ

イラスト満載らしい原作はコチラ。
ユゴーの不思議な発明(文庫) (アスペクト文庫)

ユゴーの不思議な発明(文庫) (アスペクト文庫)

  • 作者: ブライアン セルズニック
  • 出版社/メーカー: アスペクト
  • 発売日: 2012/01/25
  • メディア: 文庫

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0