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諸橋近代美術館 [EXHIBITION]

今回の旅の一番の目的は、
実を言うとこの美術館を訪れることであった。

と、言っても初めからここへ行くために旅行の計画を練ったわけではない。

9月に連休が取れそうなので
どこかへ旅をしよう!と思い立った。
しかし・・・何処へ行こう?。
1泊だからあんまり時間もないし、
秋ツアーの振込も始まってお金もない。
いくつかプランは考えてみたが・・・

《プランA》 北海道・旭川へ、話題の旭山動物園を観に行く。
   →しかし、調べたところやはり航空機を使っての旅は
    予想以上にお金がかかり、予算オーバーの為却下。

《プランB》 徳島・吉野川遊園地に『坂崎さんのおさかなランド』を観に行く。
   →これはかなりイケてるプランだ!!!と思いきや・・・
    吉野川遊園地が火曜休園のため却下…_| ̄|◯ガクッ。

さぁ〜、どうすっかな。
別に無理に旅行しなくてもいいんだけど
気分的にはどうしても旅に出たい!。
そんなことを頭の片隅に思いながら
職場に置いてあった『大人のOFF』という雑誌を
何の気なしにペラペラとめくっていたところ
目に飛び込んできたのが、この諸橋近代美術館だった。

あ〜、そうそう。
いつだったかNHKの『迷宮美術館』で特集してて
行ってみたいなぁ〜、でも遠いなぁ〜・・・って思ったんだよな。

この美術館は主にスペインが生んだ巨匠、
サルバドール・ダリの作品を中心に、セザンヌやピカソ、ミロなど
近代画家の作品が展示されている。
まぁ、一言で言ってしまえば《日本におけるダリ美術館》と言ったところだ。

ダリの作品は中学の美術の教科書なんかにも大体出てくるから
知らない人の方が少ないのではないだろうか。
名前と作品が結びつかなくても、
・ダラ〜ンと溶けた時計の絵
・体から“引き出し”が飛び出してる人の絵
と、言えば「あぁ〜!その絵の人か!」と頷くことが出来るだろう。

アタシは子供の頃(と言っても中学生くらい)から
このダリの絵には、何故だか知らないけど心惹かれるものがあったのだ。
(ヘンな子供だ・・・^^;)。

そ〜んなワケではるばるやってきた、諸橋近代美術館。

この美術館は、外装がまた美しいのだよ〜。
・・・と、思ったら外装工事中でシートが掛けられてしまっていた(-_-;。
そう、実はこの美術館は今月19日から来年の4月まで
改装工事のため、しばらく閉館してしまうのだ。
どうやら一足先に外装工事を始めてしまったらしい・・・。
(本来の美しい姿を観たい方は、美術館のサイトへどうぞ)。

庭にも小川が走っていたり、池があったりして綺麗なのだ。


見事にガスって殆ど見えない磐梯山(多分^^;)。

来るのにはとっても不便な場所にあるけれど
こんな素敵な環境に囲まれた美術館を作ろうと思ったら
ここまで山奥でないとやはり無理だろう。



中に入ると・・・館内を貫く通路のようなエリアの
ずーーーーっと向こう端まで、ダリの彫刻作品が
ズラーーーッと並んでいる。

一番手前にあるのが、“宇宙象”のブロンズ彫刻だから
なおのこと強烈なインパクトだ。

'99年の5月にアルフィーのライブ遠征で山梨に行った際、
たまたま立ち寄った山梨県立美術館でダリ展をやっていて
ダリの絵画作品については、そこで結構たくさん観たのだが
これだけの数の彫刻を観るのは初めてだ。

まさに“溶けた時計”あり、“引き出しの人”あり、
ダリの絵画のシュールな世界が立体になってそこにあるのだ。
彫刻作品たちは、みな意味深長なポーズを取っている。
意味深長だけど、リアルで生々しい。

閉館後、美術館に誰もいなくなったら
『トイ・ストーリー』のおもちゃよろしく、突然動き出すんじゃないか?と
思えるくらい、(超現実的なのに)リアルなのだ。

絵画作品も含めて、ダリの作品は観ていてまったく飽きない。
予想していたよりも(ド平日の雨天にもかかわらず!)
結構人が入っていたが、シーンと静まりかえった美術館で
ダリの作品を一つ一つじっくり堪能出来て嬉しかった。
都市部の美術館の目玉展示では
1枚の絵の前で立ち止まってゆっくり鑑賞することなんて
まず出来ないからね〜。
地方の美術館ならでは、の贅沢な楽しみ方である。
あ〜、もう・・・空いてる美術館って大好き!。

しかーし・・・
しばらくしてハァ?!と思いたくなるような人々が入ってきた。

まずは、まぁ美術館にありがちなハタ迷惑男。
ただでさえ人気(ひとけ)の少ない館内で
不必要にデカい声で、隣にいる彼女(奥さん?)に喋ってるワケ。
美術館に限らないことだけど、
アンタのすぐ隣にいる人に話をするのに、
なにゆえそんなにデカい声で喋る必要があるのか?!と。
美術館中に響き渡るような声で喋ってくれるな(怒)。

だがしかし・・・上には上がいる。
更なる強者登場(笑)。

おそらく、近所にあるどこかのリゾートホテルの宿泊客なのだろう。
ホテルの浴衣に半纏姿という
信じられない格好のオバチャン2人組がやってきたのだ。
足元は当然ホテルのサンダル履き・・・(-_-;。
完全に何か勘違いしているとしか思えない・・・(-"-;。

そして、作品を眺めては的外れなコメントを述べて去っていく・・・。
挙げ句の果てに企画展示になっているパーメラ・クルックの写真を見て
「あ〜、これ(ダリの)妹さんでしょ?」とかなんとか・・・(-_-;。
違うちゅーねん(失笑)。

まぁこういう的外れなコメントは
オバチャンにはありがちなことなので目を瞑るとして
その格好!!!なんとかならんのか?!。
というか、この浴衣に半纏・サンダル履きという
いかにも今、風呂から上がってきました的な格好をした人の
入館を許してしまう美術館の対応にも首を傾げてしまう。
いくら山の中の美術館だからって、それはないんじゃないか?。
他にもお客さんが何人もいるんだし、
入館拒否すべきではないのか?。

それとも所詮は山の中の小さな美術館・・・、
アタシが神経質過ぎるのだろうか?。
常識的に考えて、浴衣にスリッパでの芸術鑑賞はNGだと思うのだが・・・。



と、文句はさておき・・・

今回、ダリの常設展示の他に
「-拡張する絵画- パーメラ・クルック展」という展示をやっていた。
パーメラ・クルックのことは知らなかったが
作品を観る限り、な〜んかどっかで観たことのある感じはする。
平面に描かれた、紛れもない2次元の絵なのだけど
額縁にまではみ出して絵が描かれ、
まるで一種の騙し絵のように、こちら側に飛び出して見えてくる
とっても不思議な絵ばかりであった。

ちなみに、パーメラ・クルックの作品は
かの、キング・クリムゾンのアルバムジャケットにその何枚かが使用されている。

ナイトウォッチ (紙ジャケット仕様)


エレクトリック(紙ジャケット仕様)


しょうがない~ハッピー・ウィズ・ホワット・ユー・ハヴ・トゥ・ビー・ハッピー・ウィズ

企画展も含めて、諸橋近代美術館はとっても素敵な美術館だった。
またいつか改装して綺麗になったこの美術館を
(出来たらお天気のいい日に《爆》)
訪れてみたいと思った。

(けど、いかんせん遠いし不便だっ!^o^;)。


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コメント 4

ちえぞう

おかえりー。
充実した休日を過ごせたようだね(^-^)
でもやっぱり雨っ降り(爆)お疲れさまでした。
私もちょっと遠出して行きたい所があって、
桐生・宇都宮遠征のついでに行かれるかも?と調べたのだけど、これが思いの外遠くて断念。
私の場合、ライブ遠征以外で計画立てても朝起きられず
「やっぱや〜めた。」となりかねないしね(^^;)
うめちゃんの行動力を少し分けてもらいたいよ(笑)

ところで、うめちゃんがダリ好きだったとは初耳!
有名な作品しか知らないけど、色調はかなり好き。
もうすぐ上野でもダリ回顧展が始まるけど行くの?
by ちえぞう (2006-09-15 01:12) 

ちえぞう

なんか途中で切れちゃったので続けて失礼。

大声男も浴衣に半纏おばちゃんも最悪だね〜。
うめちゃんが神経質なのではなく、↑が無神経なんだと思うよ。
美術館に限らず、いい歳してTPOがわからない大人多いよね。
傍で見ている方は恥ずかしいな〜と思うけど、本人達は恥ずかしい事に気付いていないから始末が悪い(-"-;)
と、その場に居合わせてもいないのにちょっとムカついてしまった(笑)
by ちえぞう (2006-09-15 01:26) 

絵夢

一足お先に芸術の秋を味わって来られたんですね~
私もネットで拝見!ほんとに素敵な建物ですよね!
今は工事中のシートが・・・そうでしたか。。

自分の目でこういった芸術や文化、旅先での感動に触れることは
とってもいいことですよね!

まぁ~~信じられない光景に遭遇しちゃいましたね!
ちょっと言葉が見つからないくらい驚きましたよ~(@@;
きっと周りはは見えてないんですね!自分達の世界なんですね。。
違った意味で忘れられない旅になりましたよね

お疲れさまでした。
by 絵夢 (2006-09-15 02:01) 

梅屋千年堂

>ちーちゃん
ダリ回顧展、知らなかったよ〜(^o^;。ダリファン失格?!(笑)。
教えてくれてどうもありがと〜。前売り買って絶対観に行くよ〜!。
今年は上野で同時期にベルギー王立美術館展もあるし
いっそがしいなぁ〜!。
浴衣のオバチャン入館事件については・・・
「如何なものか?」と美術館にメールしちゃったよ(^^;。

>絵夢さん
今年はゲージツの秋を堪能することになりそうです。
ダリ回顧展やベルギー王立の他にも興味深い展示がいくつか来るようです。
ホントはその“国”に行って実物を観られれば一番なんでしょうが
こうして日本にいながらにして巨匠の作品を観られるのは嬉しいです。
実物をこの眼で観ることに意義があるんですよね。
いくらハイビジョン技術が発達しても
やっぱり自分の肉眼にはかなわないなと実感します。

by 梅屋千年堂 (2006-09-15 22:47) 

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