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朝びらき丸 東の海へ [READING]

着々と『ナルニア国ものがたり』進行中。
第3章『朝びらき丸 東の海へ』を読み終えた。

正直言って・・・
今まで読んだ3巻中、一番面白かった!

前章の『カスピアン王子のつのぶえ』で
ペベンシー家の長男・ピーターと長女・スーザンは
大人になってしまったため、ナルニアへの入国は許されなくなったので
今回の主人公は次男・エドマンドと次女・ルーシィ。
そしてペベンシー兄妹の従兄弟・ユースチス。

エドマンドとルーシィがユースチスの家に預けられることになった夏休みに
ナルニア国への冒険が始まる。
今回は“朝びらき丸”という帆船に乗って
カスピアンと共に航海の旅に出る。
その目的は、カスピアンの父の忠臣であったが
カスピアンの叔父・ミラースの陰謀によって無理矢理航海に出され
行方不明になった七卿を探しに行くことだ。

この新しい登場人物のユースチスってのが
物凄いクソ・・・あ、いえ・・・悪ガ・・・いやいや・・・(^^;
その、大変タチの悪いお子様で(笑)。
朝びらき丸に乗り込んでも言いたい放題やりたい放題わがまま放題。
下手に頭が良くて、教科書的な知識だけは豊富なヤツなんで
なお厄介で扱いにくい。

そんなユースチスが、冒険を通して徐々に“よい子”になっていく。
・・・というのは実に先が読める展開なのだが、
物語前半のとある事件をきっかけに、急に“よい子”になってしまう。
ひねくれた大人からすると、もっともっと周りを引っかき回して
大騒動を起こしてから“よい子”になった方が
ストーリーの展開上面白いのになぁ(^o^;、なんて思うのだけど
案外簡単に心を入れ替えてしまうユースチスなのであった。

カスピアンとペベンシー兄妹の一行は
朝びらき丸で、前人未踏の東の海の島々を次々と訪れる。
長く滞在する島もあれば、
逃げるようにして、ウソみたいにとっとと去ってしまう島もある。
しかしどの島々も個性的で、いい大人の想像力すらも掻き立てる。

物語の最後は、ナルニアの王・アスランの住む“この世のいやはて”を目指し
朝びらき丸はどんどんと進んでいく。
この“この世のいやはて”の描写がすごく美しい。
もしこの物語が映画化されるとしたら、
このシーンはどんな風に描かれるのだろう。
それを考えただけでもちょっとワクワクしてくる。

最後、たった一人(一匹)で“喋るネズミ”のリーピチープが
アスランの国へ去っていく場面はちょっと泣きそうになってしまった(^^ゞ。

そして、前章でピーターとスーザンがそうされたように
エドマンドとルーシィが「もうナルニアに戻ることは出来ない」と
アスランから引導を渡される。
・・・余談だが、第4章『銀のいす』の主人公は、今度はユースチスだ。
元わがまま小僧のユースチスが、
どんな冒険を展開するのかとても楽しみだ。


『ナルニア国ものがたり』は、どうしても子供向けで
荒唐無稽な場面展開が少なくないし
『指輪物語』や『ハリー・ポッター』なんかに比べると
道徳的な色合いが濃い(説教臭いとも言う・笑)けれど
小難しいこと考えずに、冒険映画を観るように楽しめる物語である。

朝びらき丸東の海へ ナルニア国ものがたり (3)

朝びらき丸東の海へ ナルニア国ものがたり (3)

  • 作者: C.S.ルイス, 瀬田 貞二
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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