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変身 [READING]

カフカ(1833-1924)の『変身』。
なんでまたこんな本を読もうと思ったか・・・
動機は結構不純であった(笑)。

新潮文庫のカバーについている応募券を集めて送ると
その応募券の数に応じたプレゼントが漏れなくもらえるYonda? Club
これに応募するために、
出来るだけ薄くて安い(なおかつそれなりに面白そうな)ものを
何冊か選んで購入したうちの一冊なのだ、実は(^^;。
だから買ったのも随分以前だったのだが、
この度一念発起(というほどのものではないが)して手に取ってみた。

主人公は外交販売員のグレーゴル・ザムザという青年。
17歳の妹がいるというから、年齢はおそらく20代前半と思われる。
ある朝、目を覚ますとグレーゴルは巨大な“虫”になっていた・・・。

普通だったら、もうこの時点で狼狽えまくって発狂である。
だって朝起きたら“虫”だよ?“虫”!!!。
しかもカブトムシとかクワガタとか蝶とかじゃなく
なにやら足がたくさんあるらしい、気色悪そうなヤツ!。

ところがグレーゴルは意外に冷静。
仕事に行かなくちゃ!と、なんとかベッドから起きあがろうとする。
しかしなにしろ“虫”だから、思うように起きあがれない。
そうこうしているうちに、
彼が出社してこないのを不信に思った上司が家を訪ねてきて・・・
グレーゴルの家族、そして上司の前で彼の正体が明らかになる。

上司は悲鳴を上げて逃げ出し、家族はグレーゴルを部屋に閉じこめてしまう。

監禁されたグレーゴルの世話は、
最初、彼の妹が甲斐甲斐しく(?)行っていたが
グレーゴルは徐々にその妹からも他の家族からも疎まれる存在へとなっていく。
日に日に衰弱していくグレーゴル・・・。


・何故グレーゴルが突然“虫”になってしまったのか?。
 こんなにも家族のために一生懸命働いてきた真面目な青年が?!。
・果たしてグレーゴルは、人間に戻って元の生活に戻れるのか?。

そんなことが気になって仕方なく、
思わずどんどん読み進めていってしまったのだが・・・
最後に待っていたのは、なんとも悲しい物語の結末だった。

最後まで「えーっ?!なんで?!」という疑問が消えない。
この物語が書かれた時代背景や、作者のカフカの生い立ちでもわかれば
この《?》マークが少しは消えるかも知れないという期待を込めて
本編の後に続く【解説】を読んだのだが・・・
それでもやっぱりよくわからない(^^;(^^;(^^;。

【解説】によれば、実は作者であるカフカですら
この『変身』という作品について、様々な異なることを述べているらしい(-_-;。
だから逆に言えば、読み手がどんな風に解釈しても良いのかも知れない。
“虫”っていうのは単なるものの例えであって、
ホントのところ、日々の様々なストレス(仕事や家族のこと)から、
ある日突然ついに精神に異常をきたしてしまった
一人の青年の話なのかも知れない。
自分のことが虫に見えてしまうのも、ある種の妄想ではないかと。
(って、あまりにも短絡的な解釈かな…^^;)。

物語としては読み易いが、作者の意図するところはとっても分かりにくい本だった(笑)。

変身

変身

  • 作者: 高橋 義孝, カフカ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1952/07/30
  • メディア: 文庫

この他、カフカの『変身』は、実にいろ〜んな出版社から出ております。

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明日からは『ナルニア国ものがたり ライオンと魔女』を読むぞ〜!。


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コメント 2

ひなた

動機が不純でも、ちゃんと読むのでスゴイです。
「変身」、挫折しました。最初のページで。
”虫”ですよ。もう本を落としそうになるくらい衝撃。
それ以来、何度かチャレンジはするものの進歩なし。
このまま読めないのかも…と半ば諦めてます。
by ひなた (2006-01-31 00:56) 

梅屋千年堂

>ひなたさん
いや〜アタシも挫折した本は数知れず・・・(^^;。
『レ・ミゼラブル』『我が輩は猫である』『ファウスト』などなど・・・。
高見沢推薦図書『宙ぶらりんの男』も、まさに宙ぶらりん状態(笑)。
死ぬまでには読もうと思ってます(爆)。
by 梅屋千年堂 (2006-01-31 21:21) 

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