SSブログ

国宝 阿修羅展 [EXHIBITION]

花見がてら上野公園へ。

動物園や科博の恐竜展に比べたらまだマシだろうが、
春休み中だし、始まったばかりだし、まぁどう考えても混んでるだろうと、
ある程度の覚悟を持ちつつ家を出た。

上野に着くと、阿修羅が国立博物館まで案内してくれる(笑)。
01_ahura.jpg

この手の展覧会は往々にして昼前〜昼過ぎが一番混雑するので
その時間帯は避けてみたが、それでも入場10分待ちの立札が。
02_ashura.jpg
ヒィ〜∫(TOT)∫、並んでる〜!!!。
しかし、実際は列の最後尾に着いてから5分程度で中に入ることができた。

オンラインで購入したチケット専用の入口で、
阿修羅ファンクラブ特典のピンバッヂを受け取る。思ったより小さいね(^^;。
04_badge.jpg

エスカレーターを上がって会場へ。
黒木瞳が読む音声ガイダンスも大人気。
これを借りるのにもまた並ばなければならない。
通常ならイヤになって諦めるところだが、
ファンクラブ特典を十二分に楽しむためには今回の音声ガイダンスは外せない(笑)。

ようやく中に入ったが、入口付近のガラスケースに人が群がって、
何も見えない上にちっとも前に進まない(-_-;。
こうした人気の高い展覧会でいつも思うことだが、
みんな最初に気合いを入れすぎである。
冒頭の展示物を真剣に観すぎて疲れてしまい、
後半の展示は適当に流し見して終わってしまう・・・
そんな傾向があるような気がしてならない。

一体何があるワケ?とスキマから垣間見たところ、
このガラスケースの中には興福寺の中金堂跡から出土した
数々の小物が展示してあるようだ。鏡だとかお椀だとか水晶玉だとか。

アタシ的にはガラスに張り付いて鑑賞するほどのものではないので、
遠巻きに眺めながらスルー。
黒木さんの音声ガイダンスが着いている展示物は
独立してた別のケースで展示されているので、そちらだけをチェックして次の展示室へ。

阿弥陀三尊像と厨子、華原磬と波羅門像を経て、
いよいよ十大弟子と八部衆の展示室。
右手に十大弟子、左手に八部衆が各6躯ずつ並んでいる。
昨年末に興福寺の国宝館で観たときはガラスケース越しだったが
今度は直にこの眼で触れることができる。
照明が当たっていないのでハッキリとは見えないが、
斜め後方に回って後ろ姿を観ることもできる。
その照明の当て方も工夫してあるので、興福寺で観たのとは
全く違う独特の雰囲気を醸し出している。

奥の方に、興福寺では会えなかった迦楼羅(かるら)がいた。
観れば観るほど面白い顔だ(^o^;。
ちなみに王子が「迦楼羅と似ている」と話していた大巨獣ガッパはこちら。

大巨獣 ガッパ [DVD]

大巨獣 ガッパ [DVD]

  • 出版社/メーカー: 日活
  • メディア: DVD


確かに似てるかも(^^;。
しかし、迦楼羅はカラス天狗のようでもあるし
花粉症でマスクを着用した自分もちょっと迦楼羅っぽかったりして(笑)。

この十大弟子と八部衆の展示室を、
まずは黒木さんのガイダンスを聴きながら一回り。
次に、ファンクラブ特典ガイダンスを聴きながらもう一回り。
王子の迦楼羅の発音、何故か真ん中の「る」が巻き舌なのが可笑しくて
ちょっと吹き出しそうになってしまった(笑)。マスクしててヨカッタ。

ま、特典ガイダンスに関する詳しい内容に関してはこれ以上書くまい。
これから観に行く人が殆どだろうし、何しろファンクラブ限定特典だからね。

次はいよいよ今回の目玉!阿修羅像の展示室だ。
まずは一段高くなったところから遠巻きに。そして下に降りて今度は至近距離で。

広い個室を与えられた特別待遇の阿修羅。
狭苦しいガラスケースを飛びだしたその様はなんだかとても伸びやかで
ガラスケースの中で観たときよりも一回り大きく感じるほどだった。

去年の薬師寺展で、はるばる上京してきた日光・月光菩薩を観たときは
なんだか見世物になってしまっている仏様の姿が気の毒にも思えたが
今回の阿修羅他の仏像に関してはまったくその逆で
広々とした場所に出してもらえて嬉しそうにしているように思えた。

でも、さすがの阿修羅も、こんなに大勢の人からこんな風に
360度取り囲まれながらじろじろ見つめられて、相当戸惑ってるんじゃないだろうか(笑)。

アタシもまずは柵ギリギリの最前列で
「左右の顔はこうなっているのか」
「真後ろはこうなってたのか」
「耳は全部で4つなんだな」
「腕はこういう順番でついてたのか」
そんなことを考えながら一回り。

阿修羅は元々争い好きの悪い神様。
お釈迦様が大衆を集めて説法を説いている時に
良いところで大騒ぎしてそれを邪魔してやろうと、仲間達と企んでいた。
ところが、お釈迦様の説法に聴き入ってしまい、いつしかその虜に。
挙げ句の果てに、当初の企て通り仲間の悪神が騒ぎ出した時に
「うるさい!黙れ!出て行け!」と絶叫したんだとか。
まさにミイラ取りがミイラになった状態(笑)。
こんなエピソードを聞くと
「阿修羅ってなんだかいいヤツじゃん」と思えてくる。

阿修羅を始めとする天平時代に作られた興福寺の仏像は
脱活乾漆という手法で作られていて、それゆえ細かな表現が可能なのだという。
そして中が空洞なので軽量なんだとか。
これまで興福寺は何度も何度も火災に見舞われてきたのだけど
この軽さが幸いして、阿修羅たちは火災から助け出され易かったので
今日まで、現存することが出来たのではないか、とのこと。
なんだか、お寺のお坊さん達が阿修羅や迦楼羅を
肩に担いで避難する姿が目に浮かぶ。

十二分に阿修羅を堪能した後は、第2会場へ。
こちらには、鎌倉時代に康慶や運慶によって彫られた四天王や
釈迦如来の頭部などが展示されている。
時代が変われば作風も随分と変わるもので、かなりの躍動感だ。
実際の人間とほぼ同じ大きさだった十大弟子と八部衆に対して、
大きさも巨大で迫力満点だった。

今回の展覧会に出展された仏像たちは、
どれも所々ひび割れたりハゲチョロになったりしているけれど
作られた当初はどんなに綺麗な彩色が施されていたのだろうか。
阿修羅が纏う裳(スカート)には綺麗な模様が入っているし
臂釧(腕輪)や胸飾り(ネックレス)も身に付けて、なかなかオシャレである。
他の八部衆の鎧も微妙にデザインが異なっている。
最新の科学とCGを使って、完成当時の姿を再現したら
それはそれはゴージャスなんじゃなかろうか、などと考えた。

最後は興福寺中金堂再建のシミュレーションや、
阿修羅像をデジタル計測して作ったバーチャルリアリティ映像を上映する部屋。
大きくて解像度の高い映像は迫力満点。
ここは是非ともスルーせずに観覧することをオススメしたい。


会場を出て待っているのがミュージアムショップ。
いろんなオリジナル阿修羅グッズがあって
こういうところにいるとついつい
「なんでこんなもん買っちゃったんだろう(-"-?」
って後々思うようなものまで買ってしまいそうになるけれど
「ホントに欲しいのか?必要なのか?」と心の声とじっくり話し合った・・・

のだが・・・結局買っちゃったよ、CD(^^;。
そしてそこには何故か
『THE ALFEE CONFIDENCE TOUR』のチラシが・・・(笑)
03_ashira.jpg

ちなみにこれから阿修羅展を観に行くという方は
ある程度予習をしていくと面白さが倍増すると思う。

これも読みやすくていいけど
魅惑の仏像 阿修羅―奈良・興福寺 (めだかの本)

魅惑の仏像 阿修羅―奈良・興福寺 (めだかの本)

  • 作者: 小川 光三
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


今回の展示に合わせて出版されたこれなんか面白いよ。
「国宝阿修羅展」のすべてを楽しむ公式ガイドブック (ぴあMOOK) (ぴあMOOK)

「国宝阿修羅展」のすべてを楽しむ公式ガイドブック (ぴあMOOK) (ぴあMOOK)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ぴあ
  • 発売日: 2009/03/19
  • メディア: 大型本


本当は復習用に図録を買うか迷ったんだけど、
物凄く分厚くて重くて読み応えもあり過ぎなので断念。
手っ取り早く読めそうなこちらを選んだ次第・・・(^^;ゞ。

--------------------------------------------------------------------
『国宝 阿修羅展』
東京国立博物館・平成館にて6月7日(日)まで開催。
金・土・日・祝日はなんと20時まで開館!!!(入館は閉館30分前まで)。
詳しい情報はコチラから。


nice!(1)  コメント(11)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 11

えの

招待券をいただいて油断している隙に、
ファンクラブ申込期限が終わっていました。
阿修羅の為に九州遠征は・・・ないので、
王子の巻き舌は聞けなそうです。残念。
by えの (2009-04-03 10:32) 

ちゃあ~

去年興福寺で見たときには、かなり期待していたためか、
寒々しいウィンドーの中の阿修羅像に落胆したのでした。
暗くて厳かな場所を想像していたのに、後ろが白っぽい壁の
普通のガラスケース。なんかがっかりだったのよ。

今回の展示はもっと、いい感じかしら。
by ちゃあ~ (2009-04-03 12:13) 

梅屋千年堂

>えのさん
あ〜、そうなんですかー。それは残念。
好評につきファンクラブ会員再募集とかあったら良いのに。
会期も長いので、特典ガイダンスの中身入れ替えなんかがあったら
更にいいのに、などと考えているアタシです。


>ちゃあ〜さん
興福寺の国宝館は、確かにもーちょっとなんとかならんのか?と思うよね。
ガラスケースの中でなんだか《博物化》しちゃってね。
ああいうものは、やっぱりお堂の中に、
しかるべき配置で置かれていた方が有り難みがあるよね。

今回の『阿修羅展』では照明も工夫されているし
ガラス越しでもないので、興福寺よりも神々しい感じがありますよ。
但し、なにしろ混んでいるので
落ち着いて見られるという雰囲気ではないですが(^^;。
by 梅屋千年堂 (2009-04-03 22:30) 

はぴまる

早速行かれたんですね!サクラが咲いているうちに阿修羅様を観覧して
(その前にイナムラ ショウゾウでケーキを食べ)みたいです
王子の龍の(西陣織の?)ギターをCDを売っている傍に展示をしたら良いのに(もう一度よく観たい)と思ったりします。

by はぴまる (2009-04-04 23:36) 

梅屋千年堂

>はぴまるさん
まずは第一弾(笑)、行ってきました。出来れば最低でもあと1回は行きたいですね。
おそらく昼ほど混んでいないであろう、夜の時間帯を狙ってみたいと思います。
(本当はファンクラブ特別鑑賞会に参加したいのですが
 日程的に仕事またはライブですからね〜・・・)。

CDはひっそりと売られていて、見つけるのに苦労しました。
(場所的には良いポジションなんですが、とにかく扱いが地味で・・・^^;)。
確かにギターでも置けば目立つかも知れませんね(笑)。
でも、浮いちゃうかな(^o^;。
by 梅屋千年堂 (2009-04-05 00:52) 

はぴまる

梅屋さん、昨日阿修羅展行って参りました。夕方6時半頃開場に
着いたので、程よい混み具合の中一つ一つじっくり見る事が
出来ました。本当に柔らかい色の照明と後ろに移る影が見事な事、
題の上に乗っていらっしゃる仏像の角度とか、素敵な空間に演出されてました。王子のcdが置いてあるカウンターは阿修羅展の分厚い本
のみで、しかもcdは向かって左のカウンタの角にあるので少し目に付きにくいかなと思いました。音も傍にいてやっと聞こえる位の音なので
これからゴールデンウィークに向かって人も賑わうので、手に取って
見て頂けると機会が増えるといいですね。
by はぴまる (2009-04-06 19:56) 

梅屋千年堂

>はぴまるさん
昨日上野に行ってらしたとはまたチャレンジャーな!!!と思ったら
夕方に行かれたのですね(^^;ゞ。
阿修羅展に限らず、最近の国立博物館の展示は
照明がとてもよく考えられていますよね。
本文で紹介した『阿修羅展 公式ガイドブック』によれば
今は《博物館展示デザイナー》という方が
いろいろと工夫を凝らした見せ方を考えているのだそうです。

“愛の偶像”のCDは、王子とみうら氏のファン以外では
一体どんな人が買っていくのかとても興味があるので
しばらく見張っていたい衝動に駆られます(笑)。
by 梅屋千年堂 (2009-04-06 22:28) 

乃愛

宇都宮の翌日に阿修羅に逢いに行ってきました。

平日なのに50分待ちで、お天気が良かったので、4月なのに日焼け。   

阿修羅像は、とても美しくて、何時間でも見ていられそうで、
隣わせた年配の方は、涙しておられました。

不覚にも、阿修羅グッズの買いすぎで、財布は空っぽ…でも、私も、もう一度
ゆっくり見たいと思ったのは、梅さんと同じでした。
by 乃愛 (2009-04-16 20:00) 

梅屋千年堂

>乃愛さん
ごご!!!ごじゅっぷん待ち?!?!(@o@)。それはエラい混雑ぶりでしたね。
阿修羅もさぞかしビックリしていることでしょうね(笑)。

いろいろと阿修羅グッズも買われたのですね。
クリアファイルやTシャツ、一筆箋など・・・アタシもいろいろ目移りして困りましたが
アルフィーのツアー前で何かと物入りなので、グッと堪えましたよ〜。
そういえば、海洋堂製作の阿修羅フィギュアは既に入手不可能だとか。
(アタシは買っていませんが)。
阿修羅、オソルベシ!!!。
by 梅屋千年堂 (2009-04-16 22:15) 

きゅう

こんな所にコッソリと(笑)

今日興福寺の「お堂で見る阿修羅」に行ってきました。
早朝家からできる限りの早い電車で近鉄奈良駅に着いたのは9時30分ごろ。興福寺に着くと仮金堂の周りにはすでに行列…立て札には「120分待ち」の文字が…券を買うのに10分ほど別の場所で並んで行列へ。

「きっと120分といいながら最終的には90分くらいだろう」と思ったのですが最終的には120分並びました。後から後から列が伸びて途中の立て札には「最後尾からは210分待ち」との記載も。
(思い出す愛・地球博の行列)

仮金堂の中にずらっと並ぶのは壮観で、やはりガラスの中よりもあるべき所にあるのが一番と感じました。
北円堂の方は「待ち時間無し」でしたが入場券を切るお兄さんが「いらっしゃいませ〜」と言ったのは(笑)。

帰りに阿修羅のクリアファイル、ストラップ、絵葉書を買ったのは言うまでもありません。

当然写真撮影禁止なのですが、場所が変わって東大寺大仏殿の中はみんな写真取り放題なのですね。
大仏殿の中でツアーガイドの方の話を一緒になって聞いていたのですが「みなさん!四天王の事は知ってんの?」と話していたガイドのおじさん、ナイスです!
by きゅう (2009-11-19 00:50) 

梅屋千年堂

>きゅうさん
どこにコメントをつけたのかと思ったらこんなところに(笑)。
《お堂で見る阿修羅》はそんなに凄まじいことになっているのですね。
・・・すっかり行く気が失せました_| ̄|◯。
(って元々、どう考えても行ってる時間はないのですが)。
この寒空の下、210分も並んだら風邪引きますよ
(きゅうさんはダイジョブでしたか?)。

でも、長時間並んだ甲斐あって
有るべきところに有る阿修羅その他の姿を見ることが出来て良かったですね。

阿修羅のストラップは、さっそく携帯電話につけられたんでしょうか。
仏像のストラップ・・・かなりシブいと思います。

奈良の大仏さんにも久しくお目にかかってないですね。
美術検定の問題にもなっていたし、
お勉強がてら、近い将来拝観に訪れたいものです。

by 梅屋千年堂 (2009-11-19 01:28) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0