SSブログ

ベルギー王立美術館展 [EXHIBITION]

10月5日は、“ぼくポチ”の記事をUPしたので先送りになっちゃったけど
本来あの日のお出掛けのメイン・パーパスだったのはこっち。
上野の国立西洋美術館で開催中の『ベルギー王立美術館展』である。

国立西洋美術館の企画展示は
いっっっっっつも混んでいるので(笑)、
きっと今回も混んでいるんだろうなぁ(-_-;と思っていたけど
雨だったせいか、あるいは中途半端な時間帯が功を奏したのか
思ったよりは空いていた。

ベルギーと言えば、
ルーベンス、ブリューゲル、ヴァン・ダイクなど
フランドル絵画の巨匠がまず浮かんでくる。
今回の展示もそうした作品が集まっているのだろうと思っていたら
意外にも20世紀のシュールレアリストの作品も含まれていた。
展示の仕方も時系列になっていて
ベルギー絵画の歴史の流れを感じられるような構成になっていた。

今回の目玉はなんと言っても
ピーテル・ブリューゲル(父?)の『イカロスの墜落』である。
(なんで“父?”かというと、実は作者がハッキリせず
 近年様々な議論が交わされているからなのだ)。

大体こうした目玉作品は、
展示の一番最後の方にドカーン!と展示されてることが多いけど
この『イカロスの墜落』は、いきなり一発目に登場する。

絵のストーリーは、
牢屋に幽閉されたダイダロスがそこから逃れるため
自分の腕に蝋で羽根をくっつけて、
息子のイカロスと共に空に舞い上がったのだけど、
父の忠告を無視したイカロスが空を飛んでることに有頂天になって、
太陽に近づきすぎために蝋が溶けてしまい
海に墜落してしまう・・・というもの。

なんだけど、初めてこの絵を観たら誰もがきっと
「へ?どこにイカロスが?」
と、思うことだろう。
イカロスは、画面右下に既に墜落しており
水面から逆立ちした足だけが見えているのだ(^^;。

そして画面の中央には自身の労働に励む農民が描かれてるんだけど
そんな墜落には気付いてもいないところがなんとも言えない(笑)。

この物語自体は人の慢心を諫めるという教訓になっているんだけど
墜落しても誰にも気付いてもらえないイカロス・・・
なんだかコントの一場面みたいなのである(^o^;。

アタシは結構このブリューゲル親子の作品ってのは好きなんだよね。
ベルリンの絵画館にあった“ネーデルランドの諺”なんかも
観察すべきポイントがたくさんあって、観ていて飽きない。

ルーベンスは当たり前のように素晴らしいので割愛(笑)。

“古典素描”のセクションも興味深かった。
古典といいつつ、そのタッチがなんだか今風。
物語の挿絵みたいな感じで、ほぼモノクロなんだけど美しい。
そうそう!『指輪物語』のアラン・リーの挿絵みたいな感じ。

“古典素描”でこんな感じだから
“近代素描”の方は、ホントにもう《イラスト》である。
ジェームズ・アンソールの『黄金の拍車の戦い』なんて
まるでマンガだよ、マンガ!。
《読売漫画大賞》に出てきそうなタッチなのだ。
1891年の作品なのに・・・。

そして、今回の展示でアタシが最も
おぉっ!(@o@)と思ったのは
ルネ・マグリットの『光の帝国』である。

なんで、「おぉっ!」だったかというと、
つい先日観たNHK BS-hiの《迷宮美術館》という番組で
ちょうどマグリットの特集を組んでおり
まさにこの絵が紹介されていたからなのだ。

今思えば、
この絵が日本にやってきていることを見越しての特集だったのだろうが、
番組でマグリットの人生や、この絵の特徴の解説を
見聞きした直後だったので、なんだかとっても感慨深かった。

こうした展覧会を観る時って
何の予備知識も持たずに真っさらな気持ちで観るのも
それなりに良いと思うけど、
その作品が描かれた時のバックグラウンドが分かってた方が
断然面白い!とアタシは思う。

う〜ん、なかなか良い展覧会だったな。



しかしながら・・・
ある程度混み合っている展覧会に行くと
どーーーーーしても感じずにはいられないことだけど
一部の人々は
鑑賞マナーがまるでなってねぇ!!!(怒)。

なんで美術館の中で携帯電話がマナーモードじゃないわけ???
なんで平気で横入りするわけ???
なんで平気で先に観ている人の前に立ちはだかって視界を遮るわけ???
なんでずーっと同じ絵の前に立ち止まって譲らないわけ???
なんで人にぶつかって謝りもしないわけ???
なんでデカい声でくだらない会話するわけ???




実はあの日、松屋銀座に行ったのには
“ぼくポチ”購入の他にもう一つ理由があって
先日「欲しくなっちゃったぁ〜!」と言っていた
Boseのヘッドフォンの試聴も兼ねていたわけ。
(松屋の中にBoseのセレクトショップがあるのだ)。

そのヘッドフォンを実際に装着してみてアタシは決めた!。
QuietComfort 3、買う!。
そして、音楽を聴く時だけでなく
美術館などに行く時にも、それを装備して行くよ・・・(-_-;。
そうすりゃ少なくとも《音》に関するマナー違反は
気にしないで鑑賞出来そうだからね・・・。

------------------------------------------------------------------------

ベルギー王立美術館展
12月10日(日)まで、上野・国立西洋美術館にて開催
詳細は↓コチラ↓のサイトをご覧下さい。
http://event.yomiuri.co.jp/royal/


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 2

ありんこ

観てきたのですね。
早速、HPを観てきました。
本当に、「黄金の拍車の戦い」は漫画みたいでした!すごいなぁ。
そして、ルネ・マグリッド。「光の帝国」どんな絵だったかな?とこちらも観たら・・・。この絵だったのか!とびっくり。
好きな作品で、ポストカードで持っています~。実物観たら、全然印象違うのかもしれませんが、落ち着いているけど、どことなくやはり不思議で大好きな一枚です。
テレビは見逃してしまったけれど(あれ?総合ではやってなかったかしら?)、なんて解説?されていたんだろう。そういうのを知ると、また別の視点で観られますよね。
それにしても・・HPで観られたものだけでいうのもなんですが、イカロス~含めて、明るい(描かれている内容も)絵が多いかも?? イカロスもだけど、猿の宴とか、一目見たら一生忘れられないかも・・・と思いました~。なんか強烈ですよね。
by ありんこ (2006-10-08 22:22) 

梅屋千年堂

>ありんこさん
「光の帝国」はホントにヨカッタですよ〜。
ミュージアムショップで複製画を売っていたので
ついついフラフラと求めてしまいそうになりました(危ない危ない!)。
『迷宮美術館』は総合でもやってますよ。
マグリットの絵を紹介した回は、今日BS2での放送がありましたから
もうちょっと後に総合でもオンエアされると思います。

フランドル絵画から近代シュールレアリズムまで幅広い年代を網羅して
非常にバラエティに富んだ展示でしたよ〜。
by 梅屋千年堂 (2006-10-09 00:02) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0