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ホメロスを楽しむために [READING]

阿刀田高・著、『ホメロスを楽しむために』(新潮文庫)を昨日完読。

思い起こせば1年前、ブラッド・ピット主演の映画『トロイ』を観た後に
「この物語の原作を読みたい!」と思って
ホメロスの『イリアス』を読み始めたのだが・・・
上下巻の上巻の途中で挫折した(^^;。
『トロイ』の原作と言っても、かの有名な“トロイの木馬”の下りは出ていないし
物語も、映画と違って遅々として進まない。
そうこうしているうちに、他に読みたい本が出来てしまって、
いつの間にか本棚の肥やしになってしまった。

この本も、実を言うと“新潮文庫 Yonda? CLUB”に応募するために
無理矢理買った本の中の1冊だったりなんかする。
しかし、この本は【当たり】だった。面白かった。

前半は『イリアス』に関する解説。
原作を読んでいてさっぱり意味がわからなかった部分も
「あ〜、そういうことなのか」と目から鱗。
再度原作にチャレンジしてみよっかな〜なんて気も起きてきた。

後半は『オデュッセイア』について。
映画を観た人なら憶えていると思うが、
『トロイ』でショーン・ビーン(ロード・オブ・ザ・リングのボロミア役の人)が演じていた
オデュッセウスが、10年にわたるトロイア戦争の後に
これまた10年かけて自国に帰るまでの冒険譚。
この本を読む限り、なんかトロイア戦争よりこっちの話の方が面白いじゃん、という感じだった。
あり得ないような怪物がわんさか出てくるわ、魔女は出てくるわ、
挙げ句の果てに冥界まで行っちゃって
トロイア戦争で死んだアキレウスや、帰国後に殺されたアガメムノンに会っちゃうわ・・・
これ、映画にしたら結構面白いんじゃないの?というエピソードばかり。
いわゆる“映像化は不可能”と言われる類の物語だと思うけど
CG使えば作れそうな気がする。
その代わり3時間どころじゃ済まなそうだけど・・・。

とにかく『ホメロス』入門書としてヒジョ〜に分かりやすい。
小難しい原作を読むのがアホらしくさえ思えてくる。
阿刀田高の、一連の“古典解説シリーズ”はこの他にも
旧約聖書、新約聖書、アラビアンナイト、ギリシャ神話なんかがあって
これらも読んだのだけど、やっぱりすごく面白くて分かりやすかった。
結構オススメ。

ホメロスを楽しむために

ホメロスを楽しむために

  • 作者: 阿刀田 高
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 文庫


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コメント 1

yoh-chan

あ、ごめん☆阿久悠と間違えてて
へぇ〜なんて思ってた。ごめん、ごめん
でも、これはなかなか面白そうだね!

師匠はコメント上手だからブックカバーとかにある推薦文とか
書いたらイケルと思うよ。
by yoh-chan (2005-06-14 23:40) 

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