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源氏物語千年紀 [EXHIBITION]

横浜そごう内のそごう美術館で開催されていた
『源氏物語千年紀  石山寺の美 観音・紫式部・源氏物語』。
最終日の3月29日、ようやく観に行ってきた。

最終日で日曜ということもあってか、そこそこ混み合っていたが
ストレスを感じるほどではなかった。

正式な美術館での展覧会と違って、目録などがないのだけど
やはりつい先日、実際に石山寺を訪ねたばかりで記憶に新しいこともあり
いわゆる《紫式部石山寺観月図》の数々は、特に興味深かった。

紫式部は、石山寺に参籠中に琵琶湖の湖面に映る十五夜の月を観て
『源氏物語』の須磨および明石の巻の着想を得たと云われていて
その場面を描いた絵を《紫式部石山寺観月図》と呼ぶ。
物思いに耽りながら文机に向かい月を眺める紫式部、といった絵柄である。

「石山寺のどの角度からどう見れば、こういう絵になるんだよ?!(^^;」
というものもあれば、
「あっ、この場所はあそこらへんだな」
とすぐに判るものまで様々だ。

それにしてもだ。
石山寺から瀬田川はよく見えるものの、肝心の琵琶湖は
かなり遠くの方にちょこっと見えるだけなのだが
本当に、あのほんのちょっとしか見えない湖面に、
そんな大作をインスパイアさせるような美しい月が映ったものなんだろうか?。
ちょっとギモンだ。
それとも昔はもっとよく琵琶湖が見えたのかな。
・・・きっとそうだな。そういうことにしておこう。

いろんな画家の源氏絵や紫式部の肖像(?)が展示されていたけれど
最も目を見張るのはやはり土佐派のものである。
土佐光起の《紫式部図》、そして土佐光則の《源氏物語画帖》。

特に光則の《源氏物語画帖》はその細密ぶりに驚かされる。
画帖そのものは30cm四方くらい。
そのページの中央部15cm角くらいのスペースに
源氏物語の絵図が描かれているんだけど
もう着物の柄といい、女性の髪の毛の1本1本といい、簾といい
もンのスゴイ細かさ&細さで描いてあるのだ。

ベルリン絵画館で観た、ヤン・ファン・エイクの『教会の聖母』の
細密ぶりも鳥肌モノだったけど、これはもっとスゴイ!と思った。

一発勝負で描いていると思うだけど、
アタシだったらこんな細い線、手がプルプル震えちゃってとても描けない。
まぁーさぞかし土佐光則って人は
几帳面かつ集中力のある人だったんだろうなと思ったよ(^o^;。

そしてその絵図の横には、金箔を施した和紙に
源氏物語のストーリーが流麗な仮名文字で書かれている。
これも失敗の許されない一発勝負だったのかな〜。高そうな紙だし(笑)。

実を言うと、アタシは小学2年の時から大学卒業直前まで
書道を習っていたんだけど、最後の方はこんな感じの
草書体の仮名文字を練習していたんだよね。
で、展覧会があるってーとそれ用に“作品”を書く必要があるワケなんだが
練習に練習を重ね、「よし」と思ったときに
こういう高そうな(笑)本番用の用紙に書くわけ。
この高そうな紙は、もちろん枚数に限りがあるから失敗は許されない。
(正確にいえば、まぁ2〜3枚は許されるけど^^;)。
そう思うと、逆にプレッシャーがかかっちゃって
曲がっちゃったり、間違えたりしちゃうんだよねー(笑)。

数々の掛け軸や、画帖、屏風画なんかを観ていたら
20年近く前の、そんな緊張感を思い出してしまった(^o^;。

なんだかまた仮名書道を習いたくなっちゃったな〜。
ホラ、こういう展覧会へ行った時にも
何が書いてあるのか判ったら(読めたら)ちょっとカッコイイじゃん?。
(実に不純な動機だ・・・)。


デパートの展覧会ってのは、美術館のそれと比べて
作品の数がほどほどなところが良い。
美術館の展覧会はスケールは大きいけど、
あまりの作品の多さに観終わった後グッタリ来てしまう。

そんなそごう美術館の次の展示も興味深い。
『絵本の魔術師 エリック・カール展』だそうだ。
そう、あの『はらぺこあおむし』で有名なエリック・カール。

はらぺこあおむし

はらぺこあおむし

  • 作者: エリック=カール
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 1989/02
  • メディア: 大型本

読んだことはないんだけどサ・・・===ヘ( ;^^)ノ

とってもカラフルで幸せな気分になれそうだ。
・・・次の休みにでも行ってみっかな。
あ、でもココにも行かなくちゃ!!!。いよいよ明日(正確には今日)からだし!!!。

ちなみに、みうらじゅん画伯が描いた
『愛の偶像(ラブ・アイドル)』のジャケットは結構スゴイ・・・(笑)。

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RINRIKUの父

梅さんこんにちは。

5月31日に大阪城ホールに小田さんが
やって来るらしいというニュースで
ちょっとテンション上がり気味です。(笑)

今朝届いた「BRUTUS」が仏像を特集してて、
『阿修羅』載ってましたよ。
by RINRIKUの父 (2009-03-31 12:53) 

はぴまる

源氏物語展、行きそびれてしまいました。先延ばしは私の場合
無理なようです。はらぺこあおむしは子供が一才位の頃、毎日読んでいて
ある日次のページを開けるとき、始めの言葉を言ったので、天才と思ったチョー親ばかでした。(今はその影すらありませんが)色がとても綺麗な本ですね。
by はぴまる (2009-04-01 07:47) 

梅屋千年堂

>RINRIKUの父さん
FM802のイベントですね!。
4/26にチケット発売か〜、参戦できないことはないな、
5/31なら仕事も休みだし( ̄ー ̄)ニヤリ・・・なんて思ってましたが
よくよく考えたらその日はTHE ALFEEのNHKホールでした(^^;ゞ。
RINRIKUの父さんは是非ともチケットをゲットして
今年の初生小田を堪能してきてください!。
ご報告お待ちしております(笑)。



>はぴまるさん
アタシも油断していたら、あっと言う間に最終日になってしまいました。
阿修羅展はそのようなことにならないように
一度は早めに行っておこうと思っています(何度も行く気かよ?!笑)。
エリック・カールも早めに行ってきます。
あまりの色の綺麗さに、またいろいろ衝動買いしてきちゃいそうですが(^^;。
子供ってやっぱりカラフルな色彩のものに惹かれるんでしょうね〜。
(ヤッターマンもしかり???)。


by 梅屋千年堂 (2009-04-01 23:38) 

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