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ベルリン 僕らの革命 [Music,Movie&Musical]

先月WOWOWでオンエアされた映画である。
そのタイトルにつられて観てみたくなった。

しかし、邦題に“ベルリン”と付いてはいても
『ベルリン 天使の詩』などとは違って
アタシがイメージするいわゆるベルリンらしい風景は出てこない。
それもそのはずで原題は『EDUCATORS』(=教育者)。

主演は『グッバイ・レーニン』のダニエル・ブリュール。
そう、以前梅屋千年堂が勝手に“ドイツの山田孝之”と名付けた俳優だ(笑)。
『グッバイ〜』では母親想いの真面目な青年の役を演じた
ダニエル・ブリュールだが、今度はちょいワルな感じ。
(それがまたなかなかカッコイイ*^o^*)。

ダニエル・ブリュール演じる主人公のヤンは
幼なじみのピーターと共にとある革命に励んでいた。
それは、金持ちの留守宅に押し込み
贅沢品で溢れかえる金持ち宅を“模様替え”するという
大掛かりな悪戯をしては
《贅沢は終わりだ》、《財産を持ちすぎる》
というメッセージを残して去っていく“EDUCATORS”としての活動である。
盗みは一切しない。

一方、ピーターの彼女ユールは
金持ちのベンツ相手に追突事故を起こしてしまった際の
補償金9万4500ユーロを返済するために
身を粉にして働く日々。
搾取工場廃止の社会活動にも参加している。

貧しいが理想を掲げてもがき続ける3人の若者が主役である。


ある時、ピーターがバルセロナに旅行に行って留守にしている間に
すっかり仲良くなってしまうヤンとユール(実によくある展開・笑)。
“EDUCATORS”の手法を用いて、
ユールの事故相手の邸宅に忍び込み“模様替え”を働く。
「あ〜、せいせいした!」と喜ぶのも束の間、
その邸宅に携帯電話を忘れたと焦るユール。

翌日慌てて取りに戻るが、帰宅した家主に見つかってしまう。
家主を殴って気絶させるヤンとユール。
為す術もなく、旅から戻ったピーターを呼び出し
家主を誘拐して、遠くの山小屋に逃亡・潜伏する。

ここで何日か4人で暮らすことになるのだが
若者3人が金持ちオヤジを取り囲んで
体制・反体制、革命、資本主義なとについて議論する場面は
なかなか興味深く、傾聴に値する。


潜伏活動を続けるも徐々に煮詰まり、
しかもヤンとユールの関係もピーターにバレてしまい
気まずさも最高潮に。
そしてついに山を下りる決心をした3人(+金持ちのオヤジ)。

さんざん3人と議論を戦わして
3人を理解した(かのように見える)金持ちオヤジ。
別れ際に
・ユールの補償金を帳消しにする
・この誘拐事件は警察には言わない
ということを3人に約束する。

が、しかし!!!
翌朝、彼らのアパートの前には武装した警察が・・・。
果たして3人の運命や如何に?!。
(ラストが気になる方はWOWOWのリピート放送かDVDをご覧下さい^^;)。


と、まぁこんなストーリーだ。

モヤモヤとした想いと理想を抱えながら生きる若者。
決して楽な生活をしているとは言えない彼らと
ぬくぬくと贅沢に暮らす金持ちの大人達との対比。
(大人達も最初から金持ちだったワケではないのだが…)。

「東西が統一して自由の国になったドイツだけど
 “心の壁”はまだ消えていないんだと
 ドイツの大使館の方が話していた」
とTHE ALFEEの春ツアーMCで何度か高見沢さんが話していたが、
この辺りの軋轢もその“心の壁”の一つなのだろうかと感じた。
昨今のドイツ事情を勉強しておれば
もっと理解を深めることが出来たかも知れない。

映画の中で最も印象に残ったのは
まだ映画の前半部分で
ヤンが、仕事をクビになったユールに語りかけるセリフ。
「革命には格言がある。
 “たとえ失敗しても最上の思想を残すこと”、それが大事だ。
 個人にも言えることだ。
 何かに失敗しても、自分の中に残ったものが自分を強くする」

・・・くぁ〜っ!若造のクセになかなか言うじゃないか、ヤン!。



このテの映画を観ていると、
必ずと言っていいほど途中で眠たくなってしまうアタシだが
心地よいドイツ語の響きが子守歌になることもなく(笑)
最後まで意識不明に陥ることなく観ることが出来た。
時々バックで流れる音楽もロックっぽくて◎。

いろいろ考えさせられつつも
エンターテイメント性も十分で退屈しない映画だった。

ベルリン、僕らの革命

ベルリン、僕らの革命

  • 出版社/メーカー: レントラックジャパン
  • 発売日: 2005/10/28
  • メディア: DVD


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コメント 6

ひなた

3日連続、コメント一番ノリvv
ドイツの歴史も理解したいが、日本の歴史も
ちゃんと勉強しなくちゃ、と思う今日この頃(^^;)
何かを考察するとき、歴史(とか履歴)は
必要ですね。「心の壁」、は日常のいろいろな
ところで感じます。温度差というか。
どんな時でも、相手を理解しようとする姿勢が
最終的に「壁」を無くしていくんでしょうね。

ヤンの言葉、感心しました(あ、エラそう。(^^;))
「失敗しても~」なんて、考えたことなかったです。
でも、失敗してもすぐ立ち直ることが出来る人は、
自分の中に何かが残っているからこそ、ですよね。
何かをするにしても徹底していけば、必ず自分に
蓄積される、無駄なことはない。そう考えられる人が、
何かをやり遂げられるんでしょうね。
・・・アルフィーもそんな感じかも。
長文失礼しました。
by ひなた (2006-07-20 23:06) 

梅屋千年堂

>ひなたさん
毎度ご愛読&コメントありがとうございますm(__)m。
外国のことも大事ですが、
そうそう、日本のこともちゃんと知っておかないと、ですよね。
中田ヒデもこないだちょっと言ってました。
日本のことをちゃんと説明できない自分が恥ずかしいって。

しかし、この映画は小難しいことは置いといて
理想とは?、現実とは?、若さとは?、本当の豊かさとは?など、
そんな身近なことを考えるだけでも十分楽しめると思いますよ〜。
3人の行動もなかなか痛快だし(^o^;。

高見沢王子もよく言ってますが、
“人生には無駄はない”
“失敗だって生きていく為の糧になる”。すべてはコレにつきますな。
by 梅屋千年堂 (2006-07-20 23:51) 

ひなた

海外へ行った人の話で、自分の国の
ことが話せなかった、ってよく聞きます。
日本人共通の悩みなんですね~(^^;)

Takamiyのポジティブシンキングには、
いつも目からウロコ。
アタマやわらかいですよ、あの人。
そんな素敵な脳みそがすき(*^^*)
>顔は二の次らしい(^^;)
by ひなた (2006-07-21 23:23) 

梅屋千年堂

>ひなたさん
アタシもかつて駅前留学していた時にそれは痛感しました。
ネイティブの先生に日本の文化について質問されても
いつも「◯×▲@◎・・・メイビ〜(^^;」でしたよ。

昔『T×2 Show』で、拓郎さんが王子に
「君はなんでも物事をいい方にとらえるよねぇ」
みたいなことを言ってましたよね。
なんかそれって人生を楽しくする最大の秘訣って気がするなぁ。
手本になるよね、ホント。
(手本にしちゃいけない部分もある・・・かも知れない・・・爆)。
by 梅屋千年堂 (2006-07-21 23:33) 

ひなた

あの人だからOK、みたいなところは
ありますよね(^^;)
しかし、梅さんとリアルタイムでコメント
やりとり・・・何だコリャ(^^;)
by ひなた (2006-07-21 23:41) 

梅屋千年堂

>ひなたさん
昨夜はちょっとしたチャット状態だったね(^_^)。
確かに高見沢王子だから許される
そんなことは山ほどあるように思えます・・・(爆)。
まぁそれもひとつの“人徳”なのでしょう。
(・・・そうかぁ???笑)。
by 梅屋千年堂 (2006-07-22 22:59) 

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