川瀬巴水展 [EXHIBITION]
先月27日、大雨の中行ってきた展覧会。
『開館30周年記念 荒井寿一コレクション 川瀬巴水展』。
場所は平塚市美術館。
ここを訪れるのは2015年の夏以来。
行き方はもう把握している。
平塚駅北口バスターミナル4番乗り場から
田村車庫行きのバスに乗ればよい。
駅に着いてバスターミナルの4番乗り場に行ったら
ちょうど田村車庫行きのバスが止まっていたのでそのまま乗車。
まもなくバスは発車したが…ちょっと嫌な予感がしてきた。
乗ろうと思っていたバス、もうちょっと後の時間じゃなかったか?。
改めて調べてみたら、美術館入り口に停車するのは65系統。
アタシが乗ったのは…やべぇっ!67系統じゃん( ̄口 ̄;)。
終点は同じ田村車庫なので、とんでもない明後日の方向へ
行ってしまうことはないのだが、走る道が1本違う。
大慌てで地図アプリを開いて、
最も美術館に近い67系統のバス停でバスを降りた。
とは言え、美術館までは結構歩く。
辿り着くまでに足元はびちょびちょになってしまった(-_-;。
着いた〜〜〜っ!。
川瀬巴水(1883-1957)は、大正・昭和にかけて
主に風景版画を数多く制作した版画家である。
昨年9月にも、川瀬巴水の版画が観たくて神奈川県立博物館の
『明治錦絵 × 大正新版画 −世界が愛した近代の木版画』展へ行ったが
その時は同時代の他の作家の作品との同時展示だった。
今回は川瀬巴水オンリー!。
川瀬巴水ワールドにどっぷり浸かれるのである。
アタシが初めて川瀬巴水の作品に出逢ったのは、多分横浜美術館。
他の新版画と一緒に数点の作品が展示されていたのを観たのだと思う。
確か「東京十二題 こま形河岸」あたり。
木版画でこんなに繊細な表現が出来るのか!とひたすら驚いた。
展示室に入って、まず最初に展示されているのが『塩原おかね路』。
これ、個人的にかなり思い出深い作品。
なぜかというと、自分が合格したときの美術検定1級の
試験問題になった作品だから(笑)。
展示室内は基本撮影禁止だが、6作品のみ撮影可となっている。
『旅みやげ第二集 金沢下本多町』
展覧会のポスターにもなっている作品。
巴水は全国各地を取材してたくさんのスケッチを書き留めていたのだけど、
大正12年の関東大震災で被災し、大事な写生帖や版画・版木を消失するも
震災の翌月には写生旅行に出発し、新たな作品を制作する。
『東京十二景 芝増上寺』
これ大好きだ〜(*^^*)。
『東海道風景選集 馬入川』
上下とも同じ版木を使って刷られた「変わり摺り」。
この頃の巴水は広重をすたう作風が強く出ている点を批判する声が
高まっていて、この作品はそれを払拭するために手掛けられたのだそう。
…別に自分が好きな絵師を慕う作風で何が悪い?
リスペクト大いに結構じゃないか!と
アタシなどは思ってしまうけどねぇ…(^^;。
『鶴岡八幡宮』
鎌倉の鶴岡八幡宮。
自分が行ったことのある場所が作品になっているとなんだか嬉しい。
2010年に倒れてしまった大銀杏の姿も…。
撮影はできないけれど、この頃の作品として
『日本風景集 東日本編 蔦沼の朝』
『元箱根見南山荘風景集 ベランダより見るつつじ庭』
も素敵だった。
特に『蔦沼の朝』は、雨だったり雪だったり夜だったりが多い
巴水作品の中にあってハッと目が覚めるほど明るい。
『増上寺の雪』
さきほどの『東京十二景 芝増上寺』は1925(大正14)年の作品だが
こちらは1953(昭和28)年の作品。
画中の人は洋傘にコートという出で立ち。路面電車の電線も見える。
晩年の作品も、とっても素敵だ。
特に印象的だったのは
『さぬき金比羅宮』
『京都大原三千院』
『唐招提寺』
『法隆寺東里』
…なんだよ、自分が行ったことがあるところばっかりじゃん
という感じなのだけどいずれもその名所の絵葉書のような
「いかにも」な風景じゃないのがいい。
けれども、行ったことがある者には「あ、これってあそこじゃない?」
となんとなくわかるという、そんな風景。
風景の切り取り方がとても斬新。
『野火止平林寺』などはトリミングがすごくカッコ良くて
「そこ描く?」という感じ。
そうそう、錦帯橋を描いた水彩画も良かったな。
巴水は版画以外にも、本や雑誌の挿絵、カレンダー、
絵はがきなどの仕事もしていて、これらも結構面白い。
『元箱根見南山荘風景絵はがき』
あけび橋の月・つつじ庭に遊ぶ似美人・湖畔茶室の夜雨
個人的に「これイイ!これ欲しい!」と心躍ったのが
『初日カバー』のシリーズ。
『初日カバー』とは、貼られている切手に発行日当日の消印がある封筒のことで
切手収集家向けに制作されたもの。
巴水の版画が刷られた封筒に、記念切手と記念スタンプが押してあって
もうこれはマニア垂涎というか、切手マニアでなくとも
これを額装して部屋に飾るだけでかなりオシャレ。
いや〜いいな〜(*^^*)と思いながら、ひらすら眺めた。
う〜ん、こんなにたくさんまとめて川瀬巴水の作品を観たのは初めてだったので
なんだかとってもテンション上がった。
アタシが川瀬巴水の版画が好きな理由は
・情緒豊かな日本の風景を描いていること。大雨や吹雪ですらも詩的。
・殆どの作品に人の気配が感じられて、様々な想像を掻き立てられること。
・作品の向こう側の空気、つまり湿度だったり温度だったり
匂いだったり静けさだったり、そういったものが伝わってくること。
雨の日に観に行ったのはむしろ正解だったかも知れない。
お腹もいい具合に空いたので、
美術館内のレストランのカウンター席でランチを頂く。
筍と春キャベツとベーコンのジェノベーゼ…だったかな?(^^;ゞ。
窓の外は土砂降りの雨。
巴水だったら、この風景をどんな風に描くだろうかなどと妄想。
自分みやげは数枚のポストカード(それ以外に何もなかった笑)。
そうそう!帰り際に思い出して買ってきたのがこれ。
湘南クリエイティブガトー《葦》の「湘南チーズパイ」。
『Come on ! ALFEE!! Season2』の
「私のイチ押しスイーツ」コーナーで紹介されてたお菓子。
おいしい(*^^*)。
…けど、粉砂糖が凄かった(笑)。
これなぁ…欲しいけど迷う〜。
こっちもいいなぁ〜(^^;ゞ。
とりあえずウィッシュリストにぶちこんだ(笑)。
『開館30周年記念 荒井寿一コレクション 川瀬巴水展』。
場所は平塚市美術館。
ここを訪れるのは2015年の夏以来。
行き方はもう把握している。
平塚駅北口バスターミナル4番乗り場から
田村車庫行きのバスに乗ればよい。
駅に着いてバスターミナルの4番乗り場に行ったら
ちょうど田村車庫行きのバスが止まっていたのでそのまま乗車。
まもなくバスは発車したが…ちょっと嫌な予感がしてきた。
乗ろうと思っていたバス、もうちょっと後の時間じゃなかったか?。
改めて調べてみたら、美術館入り口に停車するのは65系統。
アタシが乗ったのは…やべぇっ!67系統じゃん( ̄口 ̄;)。
終点は同じ田村車庫なので、とんでもない明後日の方向へ
行ってしまうことはないのだが、走る道が1本違う。
大慌てで地図アプリを開いて、
最も美術館に近い67系統のバス停でバスを降りた。
とは言え、美術館までは結構歩く。
辿り着くまでに足元はびちょびちょになってしまった(-_-;。
着いた〜〜〜っ!。
川瀬巴水(1883-1957)は、大正・昭和にかけて
主に風景版画を数多く制作した版画家である。
昨年9月にも、川瀬巴水の版画が観たくて神奈川県立博物館の
『明治錦絵 × 大正新版画 −世界が愛した近代の木版画』展へ行ったが
その時は同時代の他の作家の作品との同時展示だった。
今回は川瀬巴水オンリー!。
川瀬巴水ワールドにどっぷり浸かれるのである。
アタシが初めて川瀬巴水の作品に出逢ったのは、多分横浜美術館。
他の新版画と一緒に数点の作品が展示されていたのを観たのだと思う。
確か「東京十二題 こま形河岸」あたり。
木版画でこんなに繊細な表現が出来るのか!とひたすら驚いた。
展示室に入って、まず最初に展示されているのが『塩原おかね路』。
これ、個人的にかなり思い出深い作品。
なぜかというと、自分が合格したときの美術検定1級の
試験問題になった作品だから(笑)。
展示室内は基本撮影禁止だが、6作品のみ撮影可となっている。
『旅みやげ第二集 金沢下本多町』
展覧会のポスターにもなっている作品。
巴水は全国各地を取材してたくさんのスケッチを書き留めていたのだけど、
大正12年の関東大震災で被災し、大事な写生帖や版画・版木を消失するも
震災の翌月には写生旅行に出発し、新たな作品を制作する。
『東京十二景 芝増上寺』
これ大好きだ〜(*^^*)。
『東海道風景選集 馬入川』
上下とも同じ版木を使って刷られた「変わり摺り」。
この頃の巴水は広重をすたう作風が強く出ている点を批判する声が
高まっていて、この作品はそれを払拭するために手掛けられたのだそう。
…別に自分が好きな絵師を慕う作風で何が悪い?
リスペクト大いに結構じゃないか!と
アタシなどは思ってしまうけどねぇ…(^^;。
『鶴岡八幡宮』
鎌倉の鶴岡八幡宮。
自分が行ったことのある場所が作品になっているとなんだか嬉しい。
2010年に倒れてしまった大銀杏の姿も…。
撮影はできないけれど、この頃の作品として
『日本風景集 東日本編 蔦沼の朝』
『元箱根見南山荘風景集 ベランダより見るつつじ庭』
も素敵だった。
特に『蔦沼の朝』は、雨だったり雪だったり夜だったりが多い
巴水作品の中にあってハッと目が覚めるほど明るい。
『増上寺の雪』
さきほどの『東京十二景 芝増上寺』は1925(大正14)年の作品だが
こちらは1953(昭和28)年の作品。
画中の人は洋傘にコートという出で立ち。路面電車の電線も見える。
晩年の作品も、とっても素敵だ。
特に印象的だったのは
『さぬき金比羅宮』
『京都大原三千院』
『唐招提寺』
『法隆寺東里』
…なんだよ、自分が行ったことがあるところばっかりじゃん
という感じなのだけどいずれもその名所の絵葉書のような
「いかにも」な風景じゃないのがいい。
けれども、行ったことがある者には「あ、これってあそこじゃない?」
となんとなくわかるという、そんな風景。
風景の切り取り方がとても斬新。
『野火止平林寺』などはトリミングがすごくカッコ良くて
「そこ描く?」という感じ。
そうそう、錦帯橋を描いた水彩画も良かったな。
巴水は版画以外にも、本や雑誌の挿絵、カレンダー、
絵はがきなどの仕事もしていて、これらも結構面白い。
『元箱根見南山荘風景絵はがき』
あけび橋の月・つつじ庭に遊ぶ似美人・湖畔茶室の夜雨
個人的に「これイイ!これ欲しい!」と心躍ったのが
『初日カバー』のシリーズ。
『初日カバー』とは、貼られている切手に発行日当日の消印がある封筒のことで
切手収集家向けに制作されたもの。
巴水の版画が刷られた封筒に、記念切手と記念スタンプが押してあって
もうこれはマニア垂涎というか、切手マニアでなくとも
これを額装して部屋に飾るだけでかなりオシャレ。
いや〜いいな〜(*^^*)と思いながら、ひらすら眺めた。
う〜ん、こんなにたくさんまとめて川瀬巴水の作品を観たのは初めてだったので
なんだかとってもテンション上がった。
アタシが川瀬巴水の版画が好きな理由は
・情緒豊かな日本の風景を描いていること。大雨や吹雪ですらも詩的。
・殆どの作品に人の気配が感じられて、様々な想像を掻き立てられること。
・作品の向こう側の空気、つまり湿度だったり温度だったり
匂いだったり静けさだったり、そういったものが伝わってくること。
雨の日に観に行ったのはむしろ正解だったかも知れない。
お腹もいい具合に空いたので、
美術館内のレストランのカウンター席でランチを頂く。
筍と春キャベツとベーコンのジェノベーゼ…だったかな?(^^;ゞ。
窓の外は土砂降りの雨。
巴水だったら、この風景をどんな風に描くだろうかなどと妄想。
自分みやげは数枚のポストカード(それ以外に何もなかった笑)。
そうそう!帰り際に思い出して買ってきたのがこれ。
湘南クリエイティブガトー《葦》の「湘南チーズパイ」。
『Come on ! ALFEE!! Season2』の
「私のイチ押しスイーツ」コーナーで紹介されてたお菓子。
おいしい(*^^*)。
…けど、粉砂糖が凄かった(笑)。
これなぁ…欲しいけど迷う〜。
こっちもいいなぁ〜(^^;ゞ。
とりあえずウィッシュリストにぶちこんだ(笑)。
2021-06-06 00:38
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