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上田薫展 [EXHIBITION]

水曜日、天気がいいので出掛けていった。

大好きな美術館のひとつ、横須賀美術館。
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ここで今、やっているのが上田薫展。
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だがしかし、すぐには観ない。

まずは腹拵え…ということで、
併設レストランのアクアマーレでランチセットをオーダー。

まずサラダ。ま、いつもと同じだけれども。
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そして企画展コラボメニューの《半熟卵のカルボナーラ》。
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フツーのカルボナーラじゃん、という感じかも知れないが
トッピングの半熟卵がポイントなのである。

もともとカルボナーラは大好きなので、
もぉ〜めちゃめちゃ美味しくて大満足だった(*^^*)。



さて、展覧会。

上田薫さんは1928年生まれの現代画家。
写真か?!と見紛うような、スーパーリアルな作品を描く人。
描く題材は、蜂蜜であったり、ジャムであったり、なま玉子であったり
シャボン玉やアイスクリームと、常に流動しているモノが多い。
91歳の今もなおご健在で新しい作品を生み出している上田さんの
半世紀を超える画業を振り返る展覧会である。

展覧会は6部構成。
《第1章 「リアル」の前史》では画家の初期作品を紹介。
粗い筆致の自画像や、抽象絵画、コラージュものなど正直一貫性がなく
いろいろ模索しているのが手に取るように分かる。

《第2章 スタイルの確立》になると、
靴や電球、バラや貝、タバコやコーラの缶など、身近なモノを大きく
そして視たものを視たままにリアルに描く作品へと傾倒していく。

でも、物凄くリアルに描かれてはいるけれども
遠目に観ても「あぁ、これは写真ではなくて絵だな」と判る。


《第3章 「時間」を描く》になると
それまで静止した「もの」を描いていたのが
スプーンからしたたり落ちそうなジャムやアイスクリームなど
描く対象が「現象」へと変化していく。

これがもう写真のようにリアル。
ただ近づいて凝視してみると、輪郭線が必ずしもハッキリしていない。
カメラの絞りを開放で撮影した時のように、部分的に「ぼけ」がある。
それがまたよりリアルさを増幅させているというかなんというか…。

何故こんなことになるのかというと、
それは上田さんの制作スタイルによるところも大きいようで、
対象を自分で撮影し、それをプロジェクターなどでキャンバスに投影して
輪郭を写し取った後、写真を見ながら彩色するという手法を取っている。
それを知るとなるほど〜と納得できる。

にしても、こういう写実絵画を鑑賞していていつも思うのは
どうすればこんな風にものの質感を描き分けられるんだろうということ。
玉子ひとつとっても、ザラッとした卵の殻、どろっとした白身の透明感、
つるんとした黄身の光沢。
透明を透明らしく描くテクニックはどこにあるんだろう?。
光が反射している部分は、白だけで描かれているわけではない。
…自分には到底描けないなぁ(^^;と思う。


《第4章 「光」を描く》では、シャボン玉や泡、川の流れのような
より刹那的な題材の作品を展示。
ご本人の意図はわからないけれど、
何かメッセージ性も帯びているような気がする。

これらも遠目には写真にしか見えないのだけれど
ある一定の近さまで接近すると、突然に「絵」に見える。
この「一定の距離」を探るのが、個人的になんだか楽しかった。


《第5章 素描と版画》これもまた驚きで、
色数の少ない版画作品(リトグラフ)ですらスーパーリアル(◎_◎)。


最後の《第6章 そして現在へ》では1990年代〜2000年以降の作品が
ひときわ明るい展示室に並んでいる。

印象的だったのは、'90年代の初めに描かれた『玉子の殻』という作品。
'70年代はいかにも鮮度の高そうななま玉子を描いていたけれど
60歳を超えると「殻」だけか〜…と。

だけれども2000年代に入ってから描かれた
『サラダ B』や『サラダ E』『アカンサス』といった作品の
瑞々しさといっただどうだろう!。
特に2016年に描かれた『アカンサス』は、
88歳の人がこんなに大きくてかつ緻密な作品が描けるのか!と
もう感動しかない。

展示の最後は2019年に描いた最新作が4点。
年齢のことばかり言ってアレだけれども、
90歳超えでこんな絵を描けるのは凄いとしか言いようがない。


こちらは唯一写真撮影がOKだった作品。
『シャボン玉 F』
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写真にしか見えないけれど…


ある一定の距離まで近づくと…
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かすかな筆跡から「あ、絵だ!」となる。




いやー、イイもの観た(*^^*)。
このままイイ気分で帰るために、今日は常設展は観ないことにした。

お天気も最高だし!。
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帰りのバスが来るまで時間が少しあったので、美術館周辺をちょっとお散歩。
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本日の自分土産は数枚のポストカード。
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右上のミッフィーは展覧会と全然関係ないけど、
フェルメールとのコラボがかわいかったんでつい…(^^ゞ。
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