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川崎市岡本太郎美術館【3】 [EXHIBITION]

常設展を観終わって企画展へ。

美術館を訪れる前日、企画展は何をやってるんだろう?と
公式サイトで調べたところ
『高橋士郎 古事記展 神話芸術テクノロジー』とあった。

なんだ〜、岡本太郎じゃないのか。
でも古事記の世界って結構興味があるし、
せっかく来たのだから観て帰っても損はないだろう。

と、さしたる期待も持たずさらっと観て出てくるつもりだったのだが…

おやっ?!ナンダコレハ!(←岡本太郎風)。
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なんだ?この巨大バルーンアートのアトラクションのような展示は?!。

なんだかワクワクしてきた。
順路に従って吸い込まれるように中へ入る。
古事記の上巻に沿って展開しているらしい…。

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まずは別天(ことあまつ)として
手前から『触らぬ神』『細胞の神』『思考の神』。
五柱と呼ばれる最初の神様が生まれるところ。
(神様は「柱」で数えるのだそうだ)。

次に七代(ななよ)という二柱の神と男女5組の神様が生まれて
その七代の最後に生まれたイザナギとイザナミが
日本の島々を生んでいく(生國=くにうみ)。

国を生み終えたイザナギ・イザナミは
次に地上で生きるために必要な神々を生み出していく(生神=かみうみ)。

ここにでっかい裸の赤ちゃん(=『大事の神』)が転がっているのだけど
これが突然わさわさと手足を動かし始めるもんで
かなりビックリさせられた(◎_◎;)。
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桜の木みたいなのが『木の神』、瓢箪みたいなのが『用水の神』、
宙にういてる水色の座布団みたいなのが『風の神』、
その奥の草みたいなのが『山の神』と『野の女神』、
更に奥の赤い炎みたいなのが『鉄剣の神』

床に広がっていたのは『河の神』。
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…なんだかカオスだ(^^;。カオスだが、なんだか楽しい。


そしてこのヒトのカタチをしているのが『火の神』。
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この火の神を生んだ際に、イザナミは炎に焼かれて命を落とす。
死んだイザナミは死者の国=黄泉へと行ってしまう。


こっちを向いてるのが『伊邪那美(イザナミ)』。
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古事記によれば、黄泉のイザナミは腐敗して蛆がたかり
八柱の雷神がまとわりついた恐ろしく観にくい姿…とのことだけど
これくらいならさほど恐ろしくない(^^;。
ちなみにイザナミのまぶたにモーターが仕込まれていて、時々瞬きする仕掛け。


誓いを破ったイザナギに醜い姿を見られてしまったイザナミ。
その恐ろしい姿を見て逃げ出すイザナギ。
怒り狂ったイザナミは黄泉軍(ヨモツイクサ)に
イザナギの後を追わせる。
身に付けていたものを投げつけて応戦したイザナギは
やっとのことで現世との境である『黄泉比良坂』に辿り着く。

この虹のトンネルみたいなのが『黄泉比良坂』。
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その向こうに見えているのは『多くの禍』。


黄泉帰りの『伊邪那岐(イザナギ)』。
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これも突然バタバタと動き出すのでまたビックリ(^o^;。

黄泉の国の穢れを祓おうと、イザナギは川の水で禊ぎを行う。
身に纏ったものを脱いで浄めていく過程で様々な神が生まれるけれども
穢れによって凶事を司る2柱の神も生まれる。

赤くて巨大なぐるぐるの物体は『巨悪の呪』。
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向こう側に見えている鳥のようなものは生神の『船の神』


反対側に回ると、そこから見えるのは『浄化の女神』と『統治の神』。
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『統治の神』とはすなわち天照(アマテラス)、月読(ツクヨミ)、
須佐之男(スサノオ)のこと。

イザナギが左目を洗うと天照が、右目を洗うと月読が、
鼻を洗うと須佐之男が生まれた…ということで、
なんとなく目と鼻のような並びになっている…のかな?。

手前の薄緑色の『浄化の女神』は空気の力で
ビュンビュンと激しく動いている。


このちょっとキモチワルイのは『免疫の神』。
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こちらもぐねぐねと動いたりピタッと止まったりを繰り返している(^^;

古事記では「大直毘神(おおなびのかみ)」といって
禍(まが)を直す神らしい。
是非とも今のこのコロナ禍も直していただきたいと切に願うばかり。


そして、展示室の中央に鎮座するのが岡本太郎の『神話』。
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1980年に、島根県くにびき国体のシンボルとして制作された作品で
須佐之男をモチーフにしているのだそうだ。


『古事記展』の作家である高橋士郎という方は1943年生まれの造形作家。
1960年代からコンピューター制御による「立体機構シリーズ」を制作。
'80年代から風船を素材とした「空気膜造形シリーズ」を考案。
その空気膜造形の集大成として古事記に挑んだのが、今回の展示とのこと。

とても70代とは思えない、若々しくてポップな感性が凄いと思う。
草間彌生の作品を観ていても思うけれど、アートに年齢は関係ないのだ。

う〜ん、思っていたよりも何十倍も楽しくて見応えのある展示だった(*^^*)。



さーてと、最後はミュージアムショップでMY土産を物色して帰るか…。



《TO BE CONTINUED...しつこくまだ引っぱる》
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