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今日は一日浮世絵三昧【1】 [EXHIBITION]

って、どこかで聞いたようなタイトルだけど…(^^;ゞ

江戸東京博物館の『大浮世絵展』と
すみだ北斎美術館の『北斎 視覚のマジック』をハシゴする。

まずは江戸東京博物館。
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と言っても後ろに見えているのは博物館ではなく国技館。

『大浮世絵展 歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演』という展覧会。
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5年前にもここ江戸東京博物館で『大浮世絵展』が開催されたことがある。
あの時は江戸初期から明治・大正にかけての浮世絵を紹介していたけれど
今回は展覧会の副題にもあるように、
歌麿、写楽、北斎、広重、国芳と、5人の絵師に絞っての展示である。

第一章は喜多川歌麿から。
歌麿といえば美人画。
しかし浮世絵の美人画というと、なんとなくみんな同じ顔…そんなイメージだ。
けれども歌麿の美人画をこうしてズラッと並べて見比べると
実はひとりひとり顔付きが違っていて、それぞれちゃんと個性が表現されている。
その個性に注目しながら、この女性は実際はこんな感じの美人だったんじゃ…?
なんてことを想像しながら観ていくのが楽しい。

そして美人さん達がお召しになっている着物の絵柄がどれもステキ。
当然歌麿もその当時の流行を意識して描いていたのだろうけど
なんだか江戸時代のファッション雑誌でも眺めているような気分になる。
そんな中で「これは粋な着物だな〜」と思ったのが『歌撰恋之部 物思恋』。
でも…なんか観たことがある気がする。
あ!、思い出した。
これ、ちょうど1年前に横浜髙島屋でやっていた
『浮世絵最強列伝』にも展示されていた作品だ。
で、この美人さんが着ていた着物をモチーフにしたマステが
グッズとして販売されていた(そして買った)のだった。
過去に「ステキ!」と感じたものは、時間が経ってもやっぱり「ステキ!」と
反応することになっているらしい(^^;。

(おそらく)初めて観た作品の中では
背景の更紗裂模様が斬新な『櫛』、
顔や手以外(つまり着物の部分)は輪郭を描かない
『錦織歌麿形新模様 白うちかけ』
このあたりが強烈に印象に残った。


第二章は東洲斎写楽。
写楽と言えば、役者の大首絵。
デフォルメが尋常じゃないのだけれど、
こちらもなんとなく実際の役者の顔が浮かんでくる(^m^)。

写楽は謎の多い絵師で、生没年も出身も不明。
活動時期も短く1〜2年。それゆえ作品数も多くはない。
それなのにこんなに有名なのはやはり凄い。
いまだ正体不明なので誰某論も活発で諸説あるが
今のところ徳島藩の能役者・斎藤十郎兵衛が有力とのこと。
だとしたら能役者がこんなに絵が達者なことに驚く。
(まぁ本業があるから1〜2年でやめられたのかな)。


続いて第三章、出た!葛飾北斎。
北斎の方は物凄い数の作品があるわけなんだけど
ここでは『富嶽三十六景』『諸国瀧廻り』
『諸国名橋奇覧』『千絵の海』といった風景画と花鳥画に限定。
まぁ割とどこかで一度は観たことがあるようなものが多いけれども
遠目にみた富士山ではなく、富士登山をしていいる人々を描いた
『富嶽三十六景 諸人登山』は初めてみたようは気がするし
『諸国名橋奇覧』のシリーズも今まで殆ど観たことがなく
新鮮な気持ちで「やはり北斎はタダモノではない…」と感じた。


第四章は歌川広重。
広重と言えば風景画。
お馴染みの『東海道五十三次』や『名所江戸百景』シリーズの他、
『木曽海道六拾九次』『近江八景』のシリーズと花鳥画が少し。
前章の北斎との違いが楽しめる。
個人的には構図が大胆な『名所江戸百景』が大好き。
大分前にこんな本を買ったけれど…

広重TOKYO 名所江戸百景

広重TOKYO 名所江戸百景

  • 作者: 小池 満紀子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/05/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

今だ「積ん読」状態(^^;。

今回の広重の展示の中で「あぁ〜これはいいなぁ〜」と思ったのが
縦長の中短冊錦絵『月に雁』…と思ったらさ、
5年前の『大浮世絵展』でもこれがいいって書いてたよアタシ(^o^;。


最後、第五章は歌川国芳。
前の4人とは大分趣が異なる。
その斬新さから前の4人よりも年齢が若いような気がしていたのだけど
実は広重とは寛政9年(1797年)生まれの同い年。
広重の作風が情緒的なのに比べると、国芳は劇画というか漫画というか
英雄列伝だったり擬人化された動物だったりと
なんだかもうファンタジーの世界。そこがまた観ていて飽きない。
これ他の展覧会で何度も観たなぁという作品でも
やっぱり立ち止まってジーッと見入ってしまう。

個人的に新鮮だったのは『みかけハこハゐがとんだいゝ人だ』の
女性バージョン『としよりのよふな若い人だ』。
裸の人が寄り集まって人間の顔を形づくっているアレ(^^;。


いやーしかし…絵師を5人に絞っているとはいえ
内容盛り沢山でくたびれた〜〜〜(x。x)。
12月17日以降、展示内容がガラッと入れ替わるので
もう一度観に行かねば〜〜〜である(もう1枚前売券買っておけばよかった…-_-;)。




《TO BE CONTINUED...つづく》
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